昔から身近にあったOKIは、未来の働く姿を見せてくれた

社会に役立つモノをつくりたい。その想いは、モノづくり企業を目指すきっかけのひとつになるはずです。けれど具体的な就職先までは絞り切れないという悩みもまた、同時に生まれてくるのではないでしょうか。

電気電子系の学部で半導体材料の研究をしていた馬場 一気もまた、就職活動を始めた当初、キャリアビジョンに迷いがありました。

馬場 「メーカーを中心に就職活動を始め、時代を問わずニーズのある医療機器に興味を持ちました。しかし、あまりにも医療機器関連の企業ばかりに注目していたので、もう少し視野を広げたほうがいいかもしれない、と思い直したんです」

そんな馬場が足を運んだのは、さまざまな企業が一同に集まる学内説明会でした。そこで馬場は、インフラ系のモノづくりに関われるOKIと出会います。OKIは馬場にとってなじみのある企業でした。

馬場 「実はOKIの高崎事業所はなじみがあり、身近な風景の一部でした。加えて、研究室で使っていたプリンターもOKI製品で……。そんなふうに日頃からOKIの名を目にしていたので、詳しく話を聞いてみようと思い立ちました。説明会で話したOKIのリクルーターはとても親身に相談に乗ってくれて、実家が近いのなら柔軟に見学の機会を設けてくれるとも言ってくれました。そういった真摯な対応から、入社後の働きやすさを想像できたんです」

馬場は最終的に、何をつくるかではなく、誰とつくるかを就職先の判断基準に据えてOKIへの入社を決めました。そして、その判断は入社後まもなく正しかったと感じられるようになります。

入社一年目で経験した開発業務の面白さが、次の挑戦への導火線に

馬場が入社直後に関わったプロジェクトは、OKIの技術展示会で発表されるデモ機の開発です。コンビニでの宅配便決済を自動化する装置開発に、新人が中心となったチームで挑むことになりました。

馬場 「まだ世に出ていない製品を生み出す仕事はこんなにも面白いんだ、と感動したのを覚えています。メンバーに恵まれ、とても楽しく開発することができました。同期メンバーの助け合いだけでなく、部署の垣根を越えて先輩方がサポートしてくれたことが大きな力となりました」

人柄に惹かれたことがOKI入社の決意に結びついた馬場にとって、こうした経験は選択の正しさを裏付けるものとなりました。さらに、就職活動の際にOKIのリクルーターが伝えていた『若手に挑戦の場を与える』ということの意味も、身をもって体感することになります。

馬場 「比較的少人数のチームで、開発のプロセスをゼロから学べる経験をもらえたことは幸運でした。この経験を経て、自分がやりたい仕事は開発だったと改めて確信できたんです」

開発に対する情熱が灯った馬場ですが、次の異動では転じて維持業務に携わることに。既に完成した製品の改良や維持を主とする維持業務を経験することで、馬場はさらに開発への想いを強めていくことになります。

馬場 「維持業務の仕事に対して消極的だったわけではありません。上司の指示の意図や、自分の仕事がもたらす影響などについて想像し、理解をもとに最適な仕事ができるよう心がけていました。ただ、自分はゼロから製品を作ることに喜びを覚えていたのだと、維持業務をやることで改めて自覚したんです。なので、上司には『やっぱり開発がやりたい』と伝えました。」

上司から「やりたかった開発ができるよ」と声がかかったのは、それから2年後。巡ってきたチャンスで携わることになったのは、コンビニのレジで使われる釣銭機の開発業務です。

やりたいからこそ苦手も弱みも越えられる――製品開発で見つけた課題

馬場 「現在の仕事は、釣銭機に使われる基盤基板の回路設計です。回路を回路図として起こして、実際に基板を作るところまでを担当しています。自分が設計したものが基板になったときや、電源を入れて確認する“火入れ”で自分の思った通りに基板が動いているのを見たときは、達成感があります」

数年のキャリアを経て、開発業務の中でも関わる領域が増えました。特に変わったのは、考える工程が自分に任されるようになったこと。ステップアップしたことで、馬場は自身の思考面に課題を感じるようになりました。

馬場 「開発段階で大きな手戻りが発生することを避けるために、確認をこまめに取るよう意識しているのですが、一方で慎重さは遅れにつながることも……。一度悩み始めると止まらない傾向があるのが、自分の課題です。限られた時間の中で的確な判断をするために、考えるスピードを上げようと努めています」

加えて、馬場は学生時代から苦手意識があった情報系の分野に改めて目を向けるようになりました。手を動かすモノづくりの領域に専念したいという想いを貫いてきた馬場ですが、任される範囲が広がったからこそ、新たな学びを求めるフェーズに至ったのです。

馬場 「担当している基板製作そのものはハードウェアの分野なので、情報分野と直接的な関連性がありません。しかし、設計したものを評価する際は情報系のツールを活用する場面が出てきますし、チームとのコミュニケーションにも情報系の知識が必要です。そういった課題意識から、プログラミングやソフト開発に関わる知識の習得を目下の目標にしています」

ゼロからモノを作ることを志し、そこに紐づく新しいスキルを吸収したり、自分自身のパーソナリティを見つめなおしたりしていく。馬場はOKIの開発者として、そして一人の人としての鍛錬を積み重ねています。そのモチベーションを支えているのは、入社時に心を打った『開発は面白い』という確信なのかもしれません。

OKIの中で“和”を創りながら目指す、豊かな社会への一歩

馬場 「OKIは若手が活躍できる企業だと思います。もちろんタイミングはあるかもしれませんが、それぞれの領域で一年目から挑戦させてもらえる環境は多いほうだと思います。加えてそれをサポートしてくれるカルチャーがあることも、OKIの特徴です」

若手の挑戦と、それを後押しするカルチャーや先輩。この二つの交点には、OKIのメンバーの姿勢ににじみ出る真摯さや誠実さがあるのかもしれません。そして、それは馬場が座右の銘として掲げた言葉にも相通じるものでした。

馬場「『和を以て貴しとなす』。就職活動の自己分析で、最も自分の思想に合うと感じた言葉です。OKIに入社してからチームで議論を交わす場面が増え、この言葉に立ち返ることが増えました。私自身まだ若手ではありますが、キャリアを問わず、チームのメンバーが発言しやすいようフォローの一言を入れる立場でいられるよう、日々意識しています」

メンバーの“和”に支えられた開発現場で一歩ずつ前進してきた馬場は、次の世代にその“和”を継いでいる最中なのかもしれません。そして、そんな馬場が見据える未来は、より大きな視野で捉えた社会貢献につながっています。

馬場 「現在は現金を取り扱うレジ開発に携わっていますが、ゆくゆくは新しい時代に対応した新規製品の開発にも関わりたいです。具体的なアイデアはまだありませんが、昨今広まってきたSDGsに興味があり、持続可能な社会をつくる礎となるようなモノづくりをしてみたいですね」

社会の役に立ちたいという想いから医療業界に絞って就職活動をしていた馬場の目は、OKIに入社したことで、異なる可能性にも向けられるようになりました。業界を絞らずに就職活動をしたことは、未来の選択肢を増やすきっかけとなったのでしょう。漠然としたビジョンも、やがて一本の道を描いていく。馬場の働き方は、そんな一筋の光を示してくれているのかもしれません。