磁気に魅せられた大学院生は、歴史あるモノづくりの企業へ

この分野なら誰にも負けない。そう言い切れるほど突き詰められるものは、純粋な気持ちが原動力になっていることが多いものです。西村 拓家もまた、そんな情熱から“磁石”に魅せられ、学生時代を過ごした一人です。

西村 「磁気、超電導……マグネティクスって、単純にカッコいいですよね。兄が磁気関係の研究をしていた姿に影響を受けたこともあり、大学ではフェライト磁石の高性能化を研究のテーマにしました。

フェライト磁石はほとんどの電子機器に使われており、高性能化は電子機器の小型化や省エネ化をもたらすと言われています。社会をアップデートすることにつながる分野であることもモチベーションになり、磁石の作成に力を注いでいました」

学生時代の全てを研究に注いだことで、西村は就職後の進路を広く見るようになります。磁石に魅せられたからこそ多くのモノづくりに磁石が役立つことを知り、異なる領域でのモノづくりにも興味を抱いたからです。

西村 「どんなモノを作るにしても基本の考え方は変わりません。技術力があるモノづくりの企業に入社すれば、これまでの研究を活かしながら働けるだろうと思いました」

モノづくりに関わる数多の企業から、西村は自身のパーソナリティや、企業の将来性を複合的に考えて条件を絞っていく中でOKIと出会います。そして、製品を見ながらOKIの企業説明を受けるショールーム見学の場での社員との会話で「誠実さ」を感じることになります。

西村 「リクルーターの方が、質問に対していいことも悪いことも伝えてくれ、とても良い印象でした。また、OKIは歴史が長く、これまでもきっとそうであったように、今後も大きな情勢の変化があったときも対応していけるだろうという安心感もありましたね。

挑戦的に目立つ製品を作る企業も素晴らしいですが、縁の下の力持ち的な企業も魅力的です。私は後者のような企業で、モノづくりを通じて社会を支えたいと思いました」

心に磁石という一本の柱を持ちつつ、さまざまな視点から他社と比較してOKIへの入社を決めた西村。モノづくりに関わる業界を広く見渡しつつ、自身に合う企業を選びました。

コミュニケーションスキルを活かして設計を磨く現場

入社後、さっそく西村は製品開発、その中でも“認識”に携わることに。開発業務のいろはを上司に教わりながら、金属検知の機能開発に邁進します。当初携わったのは、日本ではあまりなじみのない小切手入金機でした。上司と共に試作品を生み出し、製品開発がどのような流れで進むのかを2年間かけて学びました。

西村 「入社前の想像は、いい意味で裏切られました。開発部とはいえデスクワークが多いものだと思っていたんです。けれど、実際の現場はひたすら手を動かしてモノを作って設計する日々……。大学や大学院での日々と重なるところもあり、楽しめました」

その後、同じ“認識”の開発ですが、ATMなどの筐体におけるお金を判別する部分の開発部署に担当が変わります。

西村 「私が担当しているのは、セルフレジなどの現金処理機で金種を判別するセンサーの開発です。高崎の事業所内では初のセンサー開発なので、模索しながら進めています。初の試みに携わるプレッシャーもありますが、ここで確かな基盤を作れれば、後継機が作りやすくなるでしょう。自分がノウハウを生み出すという意気込みで臨んでいます」

前部署では上司のサポート業務が多かった西村ですが、入社5年目の現在は任される範囲も増えました。それは責任ある立場である反面、西村の強みを活かせる仕事にもつながっています。

西村 「自分が設計したものからミスが起こらないよう、日々細心の注意を払っています。その一環として、社内外でのコミュニケーションが増えました。

もともと営業担当と間違われるくらい人と話すのが好きなので、外注先や社内の仲間と会議を重ね、仕様を確認して開発を進めていく時間はやりがいを感じます」

何か問題があれば包み隠さず進捗報告をするOKIのカルチャーを足場に、西村は常に相手のことを思いやるコミュニケーションを心がけています。

西村 「何かをお願いするなら謙虚に。特に最近はオンラインでの会議も増えたので、カメラをオンにできれば相手の目を見て話す。そういう姿勢を日々意識して、周囲を見ながら自分が改善できる部分がないか、いつも考えています」

一人の設計者として経営課題に取り組む、OKIらしい実直な姿勢

そんな西村の姿勢を作り上げたひとつの要因は、OKIの仲間に共通する実直さです。何事にも真摯に取り組むOKIの仲間たちとの時間は、西村の考え方そのものを変えました。

西村 「業務はもちろん、それ以外でもみんな真面目なんですよ。例えば、社内メンバーでサッカーチームを組んでいるのですが、試合に負けると『なぜだろう?』と原因を考えます。やるからには勝ったほうが楽しいから、勝つためにできることをする。そういう何事にも通ずる真摯さのようなものを、OKIで学べたと思います」

こうして何事にも真摯に向き合うようになり、入社した頃とは異なる世界が見えてきた西村の目には、企業全体の課題も映るようになりました。

西村 「『なぜ、この開発を推進するのか』この観点に少しでも疑問があると、良い成果は生まれないと業務を通じて感じるようになりました。経営層がどんな狙いでその事業を継続しているのか、設計者や現場にもっと共有する場が作れれば、より現場の私たちも当事者意識をもって私たちも製品の改善に務められるのかな、と」

日ごろから周囲とのコミュニケーションを重ね、製品の品質向上に努める西村ですが、課題意識から新たに行動を起こし始めています。

西村 「社内の経営陣と若手設計者が対話することを目的とした会談企画が立ち上がろうとしています。社交性や調和性が自分の強みだと感じているので、積極的に企画に関わっていきたいです。」

技術的な強みと、社交的で対話が好きな性格に紐づく強み。その双方を育みながら、西村は着実に次のステップの輪郭をつかみ始めているのです。

ひとつの自信はキャリアの足場になる――未来の設計者に贈る言葉

西村 「今後の目標は、短期的なものと中長期的なものがあります。目下はまだ設計者としてのキャリアが浅いと感じているので、現場で成功や失敗を経験していきたいです。現在開発しているセンサーをお客様が実際使い、自分が設計したものが社会の役に立つ瞬間を見ることが、いま一番楽しみなことです。

そして将来的には、新入社員の研修や教育にも携われるといいな、と考えています。私は設計者ですが、設計者の経験を活かしながら対話を通じてより良いものを目指していく過程にもやりがいを感じています。そうした自身の目標を重ねつつ、今後のキャリアを構築していきたいですね」

その一歩として、すでにOKIのリクルーターとしての一面も持つ西村。学生と接点を持ちながら、彼らの声に耳を傾けています。不安を抱く姿を多く目にすることもあるからこそ、西村は自身のキャリアから伝えたいことがありました。

西村 「何かひとつ自信を持てるものがあると、就職活動に対する漠然とした不安はなくなるかもしれません。その自信を軸に自己分析を繰り返していけば、自然と成功に近づいていけるはずです。

私は学生時代に磁気の研究を重ねてきて、OKIに入社したときも『勉強すればどんな新しい内容にも挑戦できる』という自負がありました。この分野なら誰にも負けないという自信を磨いている方は、きっとリクルーターから見ても輝いています」

磁石に情熱を注ぎ、そこから拓けた社会人生活。OKIでのキャリアには、学生時代の延長戦上にある努力だけでなく、新たな仲間と共有する価値観や責任と共にかみしめられる充実がありました。ひとつの自信に色を重ねるように培ってきた西村のキャリアは、これからの挑戦に続いていきます。