さまざまな製品に携わるEMS事業に関心を持ち、OKIへ入社

一色哲志は、大学で繊維強化プラスチックの「FRP」の強度評価などを行う研究をしていました。

一色「研究を通して、プラスチックのシートや不織布など、樹脂の成形にもさまざまな方法があると知り、そういったものを作る技術開発に携わりたいと思うようになりました。就職活動では、化学系のメーカーで生産技術の職種に就ければと考えていました」

「何を作るか」よりも自分のスキルをあげられることを軸に就職活動をしていた一色。さまざまな企業をフラットに見ていく中で、大学で開催された会社説明会でOKIに出会います。

一色「それまでOKIのことは全然知らなくて。説明会に来ている社員の人たちの雰囲気が、上下関係をあまり感じさせず、みんなで楽しそうにしているのが印象的でした」

一色は、その説明会で初めて電子機器の受託製造サービスである「EMS事業」のことを耳にします。今でこそEMSに取り組む企業は増えていますが、当時、国内にはEMS事業を展開している企業はほぼありませんでした。EMS事業の具体的な内容を、説明会に来ていたOBと連絡をやり取りしながらいろいろと教えてもらう中で、一色はEMSに興味を持つようになります。

一色「通常、メーカーに就職したら自社の製品を作り続ける仕事になると思いますが、EMSであればいろいろなお客様の製品に携わることができる。さまざまな生産技術を学ぶことができそうなところに魅力を感じました」 

OBとのやり取りはそれだけに止まりませんでした。

一色「ですが当時私の第一希望は材料メーカーで、OKIではありませんでした。でも、それを理解した上で、自分の就職活動の悩みに対して親身になって相談に乗ってくれたことは、非常にありがたかったし、今も心に残っています」

残念ながら、第一希望の会社の選考には通らなかった一色。改めてどこで働きたいかを考えた時に、OKIのEMS事業であれば、様々な製品に携わることで自分のスキルアップにつながると思い、OKIに入社したいと考えるようになりました。そうして2014年4月、一色は晴れてOKIの一員として社会人のキャリアをスタートさせます。

メンバーの得意分野を活かすことで、良いアウトプットを実現

OKIに入社した一色は、集合研修や工場研修を経て、希望通りEMS事業の生産技術に配属されます。最初は、ロボットの導入や現場の作業改善からスタート。学生時代と違い、費用対効果や納期をしっかり意識しながら進めることを先輩に教わりながら進めていました。そんな中、突然、自社工場で使うロボットの内製化を任されます。

一色「会社としては失敗前提で挑戦させてくれたのかもしれませんが、入社1年目でしたし、かなり大変でした。社内で経験がある人がいなかったので、インターネットで調べながらほとんどを一人で進めました。この経験から、ある程度であれば一人でもできる、むしろできないといけないと思うようになりました」

2年目の後半からは、基板実装にまつわる業務を経験。3年目からは、さまざまな案件の立ち上げやトラブル対応、改善などを任され、次第に業務の幅、責任範囲が広がっていきました。そういった経験を積み重ねていく中で、一色の考え方はさらに変化していきます。

一色「あるシステムの導入に携わった時に、自分だけでは対応が難しい内容がかなりありました。自分一人ではどうにもできなかったので、その分野が得意な人に協力してもらって進めたんです。

このことで、自分の不得意なことは、それが得意な人に任せた方がいいと思うようになりました。逆に、資料や稟議書を作るのが苦手な人もいるので、そこは私が担当することで技術的なことに集中してもらう。自分がどのように立ち回ればスムーズに物事が進められるかを考えて取り組むようになりました」

このように他の人を巻き込んで仕事を進めていく際、一色は駆け引きのテクニックではなく、熱意で進めていくと言います。

一色「協力してほしいという気持ちを伝えて、自分のするべきことはしっかり納期内に終わらせる。その姿を見てもらうことで、周囲の方々の信頼を得て協力してもらっています。もちろん、成果が出たら報告して、感謝を伝えるといったフォローも欠かしません」

複数の人たちとプロジェクトを進めていく経験を重ねてチームマネジメントの視点を身につけていきました。そこでの経験を買われて、7年目に事業推進部へ異動し、プロジェクトマネージメントに関わることになります。

一色「それまでの部署で進めていたこともまだ残していたので、途中で離れるのは残念でもありました。ただ、新しい部署は行うべきことが明確に決まっていなかったので、いろいろなことに挑戦できるというのは面白そうだとおもいましたね。結局、経験してみないとわからないので、まずはやってみようと思いました」

こうして入社7年目にして、新しい一歩を踏み出します。

チームOKIで提供価値の最大化、お客様の要望に誠実に応えたい

現在の仕事は、新しい案件を立ち上げる際のプロジェクトマネージャーとしての役割。会議のセッティングや、部材の手配や技術的な面での問題解決のフォローなどを行う立場です。合わせて、サービスエンジニアとして、営業担当者とともにお客様と打ち合わせをしたり、売上や計画なども管理しています。

一色 「事業推進部の面白さは、OKIのEMS事業全体を通じた生産性向上や効率化といった新しいアイデアや意見を出せることです。今の部署では、お客様の要望に対して、Q・C・Dのポイントを見極め、そこに関してOKIにできることを提案できる。そこが面白いですね。

生産技術の頃は、自分が言ったことはいい意味でも悪い意味でも自分で全ての責任を負わなければなりませんでした。今は、それを部署を横断して依頼できる環境があるので、自分のやりたいと思うことをいろいろな人と話し合って進めていけるのは楽しいですね」

部署や役割が変わったことで、一色が大事にしている価値観も少しずつ変化が生まれています。これに「お客様に誠実に対応すること」が加わりました。

一色 「社内の人間と仕事をしていると、お客様には言えることと、言えないこと、表と裏をつくってしまいがちですが、私はそういったことを考えないようにしています。

たとえお客様に本当の裏側は見せないとしても、真剣にお客様のために何ができるかを考えないと、おそらくその気持ちは態度で伝わってしまうと思うからです。だから、常日頃から「お客様に誠実に対応すること」を心がけています」

一つずつ課題をクリアして周りとの信頼関係を構築。その先にある将来の夢

いろいろな人に協力してもらいながら仕事を進めていく中で、一色はOKIで働く人たちの能力の高さを実感するようになりました。

一色「OKIは、仕事が細分化されているため、分野ごとのスペシャリストやプロフェッショナルが多い。ピンポイントでその人に相談できれば、日本でもトップレベルの回答をくれる人がたくさんいます。そういった方々の力を引き出すには、適材適所が大事です。

しかし、今のOKIにはそこがうまくできていないようにも感じています。OKIとしても私自身としても、能力の高い方に得意な分野で頑張ってもらって、それをうまくまとめながら成果を出していくのが理想ですね」            

とはいえ、そのようなマネジメントができるようになるには、周囲からの信頼を勝ち取るしかない。そう感じている一色は、まずは事業としての基盤を固めて、考える余裕ができるような状況にしていくことが今の自分の課題だと言います。

一色「お客様の満足度を上げて、新しい案件につなげる。新しいお問い合わせをいただいたら、OKIとしてできる最大限の内容を提案する。そういった地道な取り組みを心掛けながら、一つひとつ売上につなげていくしかないと思っています」           

もともと、スキルを磨ける会社としてOKIを選んだこともあり、スキルアップへの関心も高く、個人としてはプログラムのスキルを磨きたいと考えています。

一色「自分の業務を改善するために、簡単なマクロを組んでみたりしています。また、プログラムを教えてくれる人が会社にたくさんいるので、その方にいろいろ聞かせてもらっています。同じようにプログラムの勉強をしたい人がいたら、誘って一緒に勉強したりもしています」

業務を通して、社内のいろいろな人と信頼関係を築きつつ、個人のスキルアップも怠らない。そんな一色には将来の夢があります。

一色「OKIに入社したときに考えていた目標は、地元の愛媛に工場を建てて、地元の人たちと一緒に働くこと。どうしたら辿り着けるか、まだはっきりと見えてはいない夢ですが、持ち続けることに意味があると考えています」

目標を掲げ、それを叶えるために与えられた課題を一つずつ確実にクリアしていく。そしてその先の大きな夢に向かって自身のさらなる成長を誓います。