知識やスキルをじっくりと培い、一歩ずつ歩んできたキャリア
2015年に入社した伊藤はモビリティ&レジリエンス事業部で開発を担当しながら、グループリーダーとしてマネジメントも行っています。入社後から一貫して従事しているのは、自動車関連のオンライン申請サービスのシステム開発です。
大学・大学院時代は土木計画学や交通工学を学び、研究に没頭する日々。そんな伊藤が就職活動で第一志望として挙げた企業はNTTデータでした。
伊藤 「漠然とシステム開発に興味があり、なかでも公共性が高く、人々の生活に直結するような影響力の大きい仕事がしたいと思っていました。そして、そういった希望を実現できるのはNTTデータでした」
希望通りNTTデータへの入社、公共分野に関わる部署への配属が叶った伊藤。新人1年目は開発を担当したものの、ちょうど担当するシステムが更改開発真っ只中の忙しい時期だったこともあり、右も左も分からないままあっという間に時間が過ぎたと当時を振り返ります。そして翌年、伊藤の担当は保守へと移りました。
伊藤 「お客様からの問い合わせやトラブルが起きた際の対応を担当することが増え、システムやサービスを理解するうえで学ぶことが多い1年だったと思います。
その後は再度開発に戻り、大規模な機能追加を2年ほど経験しました。ここでの開発はウォーターフォール型を採用していたため、上流から下流までひと通りの工程に携わりました。先輩方からシステム開発の考え方や技術を身につける重要な経験になったと感じています」
さらに、さまざまな案件や開発チームの立ち上げなどにも携わり、2022年11月現在は約30名のメンバーを束ねるグループリーダーとして、複数の案件を横断しながらマネジメントを行っています。
入社以来、着実に歩みを重ねてきた伊藤が自信を深めるターニングポイントとなったのは、初めてグループリーダーとして開発案件に携わったときの経験でした。
成功も失敗もステップアップの原動力に──常に最善策を考え、行動する
伊藤 「初めてリーダーとしてグループを取りまとめていたときの経験です。システムを無事にリリースできたことだけでなく、お客様と厚い信頼関係を構築できたことに喜びを感じました。それは私にとって今までにない大きな成長であり、新たな自信へとつながりました。
さらに、強い結びつきができたからこそ、その後にご一緒している案件でお客様がどう考えているのか想像しやすかったり、難しいご要望をいただいた際にも折衝できたりしていると思います」
お客様と良い関係を作るため、伊藤が心がけているのはオフの場でのコミュニケーションです。
伊藤 「打ち合わせや会議では話しにくいことも多いため、そうではないタイミングでお客様と会話するようにしています。たとえば個別に電話で事情をお伺いしたり、会議で話す前に事前にご相談したり……。
下準備とでもいいましょうか、会議ではないオフの場でコミュニケーションをとり、お互い腹を割って話せる関係を作るようにしています。そうすることでお客様の要求を事前に具体化し、円滑に対応できるようになると考えています」
あらゆる工程に携わってきた経験に加え、お客様との関係を構築できたことを新たな糧とし、前進する伊藤。しかし、明るい成功体験の一方で、苦い経験もありました。
伊藤 「いくつかの案件が並走している状況で、進捗の遅延が起きたり、開発工程で品質が落ちたりなど、トラブルが発生したことがありました。当然それらに対してアクションを起こす必要があるのですが、場当たり的な対処となってしまい、状況は悪化するという負のスパイラルに陥ってしまったんです」
結果としてメンバーに負荷をかけてしまい、伊藤にとって自分の実力不足を感じる悔しい失敗体験となってしまいました。
伊藤 「当初の見積もりや問題発生時のアクションの甘さが招いたことだと反省し、その後は上司のフォローも受けながら改善に努めています。複数案件が絡み、さらに前例のない外部システムとの連携があると仕様調整が非常に難しい部分があります。
ですので開発案件ごとにリーダーを立てて主体的に動いてもらうことで、自分自身が忙殺されない状況を作り、マネジメントのための時間を確保することも意識するようになりました」
経験を通して得た信念を軸に、お客様にも仕事にも誠実に向き合う
業務に携わるうえで伊藤が大事にしている価値観は、新入社員研修の際に講師から言われた「後工程はお客様」という言葉です。
伊藤 「折に触れて、その言葉を意識しています。正直なところ、入社時に耳にしたときはその本質をあまり理解していませんでした。しかし、経験を重ねるごとに、その意味や重要性が身にしみて分かるようになったと感じます。
この言葉は、『各開発工程におけるアウトプットは、責任を持って後工程に渡すべき』という意味です。アウトプットの例に設計書を挙げると、後工程のメンバーは設計書を見ながらプログラムを製造したり、試験を行ったりするため、いかに後工程のメンバーにとって分かりやすく、齟齬が生じない質の高い設計書を提供できるかを考えなければなりません。小さな認識違いが大きな問題に発展し、品質を左右することもありますから」
一つひとつの工程をしっかり完結させ、つないでいくこと。そういった細かな配慮がメンバー同士の齟齬をなくし、同じゴールをめざすためには大切だと伊藤は考えています。
そして、もうひとつ仕事を進めるうえで大事にしているのは、自分の考えを周囲へ伝える際に、そう考える根拠を突き詰め、しっかりと示すことです。
伊藤 「仕事には必ずしも正解があるとは限りません。たとえば、開発業務におけるQCD(Quality、Cost、Delivery)の管理も、結局のところ正解はないと思っています。試験をすればするほど品質は保証され、安心が得られますが、その分コストがかかってしまいます。そこには一種のバランス感覚も必要になります。
そのような場合、試験と品質の相関性について根拠を挙げて説明するなど、お客様にきちんと納得していただいたうえで物事を進めていくようにしています」
自分なりの信念を持ち、日々誠実に業務に向き合っている伊藤。入社して以来ずっと自動車関連システム領域に携わってきましたが、これからは新しい領域にもチャレンジしていきたいと考えています。
多様な人材に囲まれ、多くを学べる風土がある──魅力的な環境で踏み出す新たな一歩
伊藤 「今後はマネジメントに軸足を寄せて、より上流の工程で活躍したいですね。提案力をさらに磨いていきたいです。
また、もっと遊び心を持って仕事をしたいという想いもあります。自分だけではなく、みんなと楽しさを共有しながら仕事ができるような環境を作っていきたい。それを実現できるキャリアを歩んでいきたいと考えています」
さまざまな経験を通してリーダーとしても頭角を現すようになった伊藤ですが、NTTデータという魅力的な環境があってここまでキャリアを重ねることができたと振り返ります。
伊藤 「公共分野や社会基盤の領域などNTTデータだからこそできる仕事は多く、それを支える多様なメンバーやノウハウ、資産もここには揃っています。そして、こういった潤沢な環境から学べることは、多岐にわたります。
会社の規模は大きいですが、最近はテレワークやオンライン会議が一般的となり、所属している部署以外の方とも気軽に話せる機会が増えてきました。それに伴い、ノウハウの共有、連携力が以前に増して強化されていると思います。NTTデータはこうした環境面の変化もあわせて、今後ますます魅力的な会社になっていくのではないでしょうか」
また、NTTデータはその中でも特に人材に強みを持つ会社だと伊藤は分析します。
伊藤 「行動力や巻き込む力がある人が多く、上に立つ人たちが下の人たちに真剣に向き合い、考えてくれる風土があります。面談の機会も多くセッティングされており、私たちの声にしっかりと耳を傾けてもらえています。
役職の高い上司がフランクに話しかけてくれることも多く、コミュニケーションを重視している会社だと思います。今後キャリアを重ねていくなかで、私もそういった人材になっていきたいですね」
キャリアを一つひとつ積み重ね、仕事にも周囲にも誠実に向き合ってきた伊藤。チームメンバーやお客様と手を携えて高みをめざし、歩みを進めています。NTTデータにおける次世代のリーダーとして、伊藤はこれからも活躍していくことでしょう。