営業から会社の再編まで多彩な経験を重ねて選んだNTTデータへの転職

伊藤は現在、NTTデータのユーティリティ事業部で共創ビジネスの推進を担当しています。

学生時代は沼津工業高等専門学校の物質工学科で学び、生命の礎となる“食”に興味を持ったことから、北海道大学の農学部に編入。学びの過程で興味は“水”へと深化し、卒業後は総合水事業会社へ就職しました。

伊藤 「最初は営業部、その後は財務・経理部で予算や決算、子会社の管理などを担当しました。入社当時は水処理プラントの開発や設計に携わりたいと考えていましたが、広い意味でのビジネスを学ぶ貴重な機会をいただき、ここでの経験が私のビジネスマンとしての基礎となっています。

さらに事業企画部へ異動となり、新規事業の立ち上げやM&A、会社の再編や分社化など、ありとあらゆることを経験しました。前職での学びはとても刺激的でしたが、少しずつ会社の方向性と自分のやりたいことに差が生じている感覚が大きくなり、転職を検討するようになったんです」

転職の軸になったのは、やはり“水”だったという伊藤。加えて、これまで積み重ねてきた経験を活かしたいとも考えていました。

伊藤 「複数の選択肢のなかからNTTデータを選んだのは、水に関わるあらゆる課題を適切なデジタルソリューションを用いて解決できるのではないか、と考えたからです。前職で水の事業会社にいたからこそ現場で感じた課題もありましたし、思うように解決できないもどかしさもありました。NTTデータには、そこを解決できる力があると思えたんです」

そんな伊藤が入社後配属されたのが、水のほか電気やガスに関するソリューションを提供しているユーティリティ事業部です。伊藤は電力会社と設立した事業体であるグリッドデータバンク・ラボ(以下、GDBL)で、新しいビジネスを立案・推進していくことになりました。

新規事業を成功に導くために乗り越えた山──異なる文化の仲間と手を携えて

▲グリッドデータバンク・ラボの全体像

GDBLは電力データを活用し、社会課題解決や新規ビジネスの創出につなげるために設立された有限責任事業組合です。伊藤はこのGDBL内で具体的なサービスの推進やユーザーの獲得などに奔走しています。

伊藤 「私が現在担当しているのは、電力データを活用したアプリサービスの企画・開発です。家庭から排出されるCO2のおよそ50%を占める電力使用を軸として家庭のCO2排出量を可視化し、さらにユーザーが環境にやさしいアクションをすることでちょっとしたご褒美がもらえるようなサービスを検討しています。

他にも電力データから生活パターンを把握し、高齢者世帯の変化をいち早く察知する見守りサービスなども検討を進めています」

前職で官公庁を顧客としていた伊藤は、初めて個人向けのソリューション開発に携わり、新鮮さと難しさを感じながら進んできました。ゼロからビジネスを生み出し、それをリードしていくプロセスは、決して簡単な道のりではありません。

伊藤 「電力データを軸にあらゆる業界のパートナーに対してアプローチし、感触を確かめながらサービスコンセプトの構築やアプリケーションの検討を続けてきました。話を進めてみても、いざ具体化となると頓挫してしまうことも多くありましたね。

そうした山を乗り越えて、自分が携わるプロジェクトがGDBLのビジネス化に向けた事業の柱に育ったことは、実績として誇れるところかなと思います」

また、伊藤はGDBLでの経験を通じ、さまざまなパートナー企業と関わりながら働くことができることも、魅力のひとつと捉えています。

伊藤 「たとえば、現在協働している送配電事業者は国内に10社しかなく、事業環境が大きく異なります。歴史やカルチャーが異なりますので、事業を進める上での価値観も違います。

まったく異なる文化やビジネススタイルをもつ方々とパートナーとして事業を創り上げていくのは、難しくもあり、醍醐味でもありますね」

前職の経験と経験者採用の視点を活かし、社内外にイノベーションを興す

NTTデータの環境や業務は前職とは大きく異なるものの、これまでの伊藤の経験は、現在の仕事のさまざまなシーンに活きています。

伊藤 「前職で財務経理の経験があったからこそ、公認会計士や税理士と対等に話せる専門知識やスキルが身につきました。そして、そのスキルがあるからこそ、財務的な観点からも成立するビジネススキームを立案・推進することができます」

こうしたスキルや知識のほか、経験者採用入社という立場も、NTTデータの中では強みになると伊藤は感じています。

伊藤 「NTTデータに入社した当時、社内の経理処理システムに対して使いにくさや効率の悪さを感じました。思い切ってアウトソーシングによる業務効率化ができないか提案したところ、まだ入社して日の浅かった私に、プロジェクトリーダーを任せてくれました。結果として、アウトソーシングによって稼働時間を80%ほど削減でき、大きな効果が得られたと感じています」

社内の業務効率化は緊急度が低く、慣れているメンバーの目からは見過ごされがちな部分でした。新たに業務に触れた伊藤の視点だからこその提案は、大幅な環境改善に役立ったのです。

伊藤 「『今の環境がベストだとは思っていないので、何かアイデアがあれば教えてほしい』と、上司から言われています。経験者採用の社員と事業部長とのミーティングでは、改善点の議論が盛り上がりました。

NTTデータは、会社全体で経験者採用社員の声に耳を傾けてくれます。これまで積み重ねてきた経験やスキルを発揮できてこそ、存在価値があると思いますし、その意見を歓迎するような組織だと感じています」

変革期にあるNTTデータの中で、新鮮な風を吹き込む存在として活躍する

NTTデータは、いま大きな変革の時を迎えています。従来のSIerとしての立場から、デジタル戦略の立案や推進を行うパートナーというポジションへと移行し、ステークホルダーにさらなる価値を提供しようと努めています。

伊藤 「GDBLは、NTTデータが目指すこうした次世代の姿勢を体現する組織です。電力会社が決めた仕様に沿ってシステムを導入するだけでなく、パートナーとしてタッグを組み、その先にあるビジネスを共創していくことを目標としています。

そうした価値提供をするとき、経験者採用のメンバーが活躍できる場面は多く、幹部や上司からも意見を求められる立場にあると実感しています」

伊藤は、これまで携わってきた新規ビジネスの創出に加え、その後の運用にも積極的に関わっていきたいと意気込みます。

伊藤 「ゼロからイチだけではなく、事業を育てていくフェーズでの経験も積みたいですね。またプロジェクトマネジメントだけではなく、"人”の育成にも携われたらと。GDBLの事業化に伴って、幅広い経験を積みたいです」

現在は主に電気の領域に携わる伊藤ですが、水に関わりたいという想いは変わりません。デジタルパートナーとしてやがて水に関わる事業に貢献できる日を、目標として掲げます。

伊藤 「電気に関わる領域はデータ活用やソリューション開発が進んでいるので、今は最前線で貴重な経験ができていると思います。この経験を活かし、将来的には水の事業会社と一緒にビジネスを展開していく可能性が十分にあると考えていますし、それをモチベーションとして日々の業務に携わっています」

人々の暮らしや社会を支えるステークホルダーとのつながりがあり、デジタルソリューションを通じた変革を実現できる環境があるからこそ、自身が持つ夢と事業の交点を導き出せるのかもしれません。

伊藤はこれからも、社外の視点や幅広い経験を活かした仕事を通じ、お客さまと共に歩むデジタルパートナーとしての挑戦を続けます。