製薬業界からIT業界へ──30歳を機に視野を広げるために決意した転職
日本で導入企業数 No.1を誇るRPA*ツール「WinActor」。2010年にNTTアドバンステクノロジ社からリリースされた本製品は、DXや働き方改革といったニーズに先立ち、これまで多くの国内企業の業務効率化を支えてきました。
*Robotic Process Automationの略語。ホワイトカラーのデスクワーク(主に定型作業)を、パソコンの中にあるソフトウェア型のロボットが代行・自動化する概念。
NTTデータ社会基盤ソリューション事業本部ソーシャルイノベーション事業部に所属する中川は、このWinActorをはじめとしたお客様のDXを支えるソリューションの企画立案、および営業を担当しています。
中川 「入社してからは、欧米へのWinActor展開のための特約店獲得、サポートセンターの立ち上げ、そしてWinActorの教育コンテンツの販売促進など、国内外問わず様々なことに携わってきました。そして2021年4月から、より一層のDX推進のためにWinActorと様々なソリューションの組み合わせの企画・営業を行っています」
2019年、中途採用でNTTデータに入社した中川。現在は若い社員たちのメンターとしても活躍しており、同部署の中核的存在です。
そのスピード感からはIT業界での長いキャリアを感じさせますが、実はこれまではITと縁遠い世界で学び、働いてきました。中川が大学で学んだのは外国語学部スペイン語専攻、そして最初に飛び込んだのは製薬業界です。
中川 「営業職を軸に就職活動を進め、老若男女問わず人のためになれる製薬業界に興味をもちました。製薬会社での8年間の勤務のうち、2年間はMR、その後の6年間はマーケティング業務に携わりました」
製薬会社で順調にキャリアを重ねたものの、30歳の節目に、中川は“今後“のことを考えるようになります。
中川 「このままひとつの業界や業種を深めていくキャリアも、もちろん想像しました。しかし、年齢を考慮すると他の業界や業種にチャレンジできるのは今だけかもしれない、とも思ったんです。ひとつのことを極める機会はこの先もあるだろうと、思い切って転職を決意しました」
新しいことに挑戦しよう。その想いに導かれて中川が選んだのは、NTTデータでした。「事業領域が多岐にわたるNTTデータなら、たとえやりたいことが変わっても挑戦するチャンスがある」という面接担当者の言葉が、胸に響きました。
製薬業界からIT業界へ。中川の新たな学びの日々が始まりました。
海外営業、IT業界、コロナ禍……人生初に囲まれながらも続けた地道な努力
RPAソリューションに関わる部署に配属された中川の最初の仕事は、海外営業でした。
中川 「海外の日系企業に対するWinActorの販売拡大に携わりました。海外営業は人生初の経験で、時差や距離、言葉などのギャップに苦労しました。
主な担当地域であるヨーロッパとの時差が9時間あり、メールのやりとりにも丸1日かかる日々。さらに、入社後しばらくして新型コロナウイルス感染症が流行し、海外出張が困難に。あらゆる要因が重なり、お客様や特約店との関係性を築くのが難しい状況でした」
そんな逆風のなかでも、どうにか相手との信頼関係を築きたいと考えた中川は、自分自身の働き方を取引先に合わせて変えることを決意します。
中川 「時差によるコミュニケーションの遅延を埋めるために、お客様への提案など特に大事な時期には勤務時間を変更しました。相手がオンタイムの時間帯にメールを速やかに返信できるよう、就業ルールは守りつつ勤務時間をスライドさせたんです。
お客様との打合せにも可能な限り参加していました。 この配慮に対して、お客様からは感謝の言葉をいただきました」
その熱意はやがて多くのお客様を動かしていきました。日本から遠く離れたブラジルのお客様にも伝わり、お客様の日本本社からの支援もいただきながら現地の特約店とタッグを組んでWinActorの導入や活用を実現させました。ひたむきな姿勢でお客様に向き合い続けた結果は、着実な営業実績へと結びついていきます。
成功の背景には、中川の地道な努力もありました。ゼロからIT業界を学びつつ営業活動を続けていた中川にとって、日頃のインプットは欠かせません。
中川 「気になるテーマの外部ウェビナーは、週一度のペースで視聴するようにしています。また、社内セミナーに参加したり、もっと知りたい場合にはセミナーの開催者に自ら連絡をとってみたりと、NTTデータに蓄積された膨大な知見を活用する勉強も続けています」
自分ができることは何か考え、最善策が見つかれば行動に移す。わからないことは積極的に学ぶ。そんな日々の積み重ねが実を結び、中川はRPAソリューションのプロフェッショナルとして、新しいソリューションの企画立案に携わることになりました。
前職での経験を活かしつつギャップに立ち向かい、新たな価値提供に挑む
中川 「NTTデータは前職のキャリアにこだわらず、新しいことに挑戦させてくれる会社だと実感しています。もちろんそれだけ難しいことも山積みで、ITの専門用語がわからなかったり、海外営業に慣れるまで時間がかかったりと苦労はありました。それでも、中途入社かどうかに関わらず挑戦の機会があることは、私にとってはありがたかったです」
NTTデータのチャレンジを讃えるカルチャーにも支えられ、ひたむきな努力を重ねてきた中川。一方で、その過程では前職とのギャップを感じることもありました。
中川 「NTTデータにいるメンバーの優秀さには、正直戸惑ったこともあります。NTTデータでは年齢やキャリアを問わず挑戦するチャンスに恵まれているため、若手でもプレゼンが上手だったり、効率的な仕事のやり方を身につけていたりする人が多い印象です。
前職では年功序列の構造が色濃く残っており、若手にチャンスが巡ってくることはあまり多くありませんでした。その経験差のようなものは、今でもときどき感じることがあります」
一方で、前職の経験が活きている場面もあります。
中川 「前職は生命関連性が高く 、正確性や細やかな配慮が必要な業界だったことから、丁寧に、細心の注意を払って業務に対応することを叩き込まれました。お客様の声に真摯に耳を傾け、意見を尊重する姿勢は、前職で学んだところが大きいと思います」
そして現在、中川は新規ソリューションの企画や立ち上げに奮闘しています。WinActorの利用をさらに広げ、深めていけるソリューションを作り出し、より一層多くのお客様のDXに貢献することが目標です。
IT業界未経験でも目標を持って努力すれば、その先に見える景色がある
入社から駆け抜けた数年を経て、NTTデータという選択は正解だったと中川は振り返ります。
中川 「今は『経験の幅を広げたい』という転職時の願いが叶ったと実感しています。活躍の場が広がり、お客様に対して提案できる内容も以前に増して豊かになりました。また、さまざまな業界のお客様がいらっしゃるので、自然と業界の知識や見聞も広まりました」
とにかく取り組んでいる新規ソリューションの企画が楽しいという中川。NTTデータという新天地で今後も新しいことに携わりたいという想いが一層ふくらんでいます。
中川 「今後は新規ビジネスをゼロから興してみたいという目標があります。海外営業に対してやりがいを感じたので、グローバルと新規ビジネス開発の領域で活躍できたらうれしいですね。
また、前職の製薬業界の経験を活かし、ライフサイエンスやヘルスケア領域の課題解決も掛け合わせることができたら、さらにおもしろいことができる気がします」
国内外、そしてさまざまな領域に対してソリューションを提供するNTTデータには、多様な人材が活躍できる場所がある。中川は自身の経験から、その確信を持ちました。
中川 「ITに対する知見や経験が少なくても、これまでのキャリアが活かせる場面は多いと思うので、私のように業界未経験でも、転職を希望しているのであればぜひ挑戦してほしいです。
もちろん入社後に勉強が必要なため、決して楽ではなく、覚悟は必要です。一方で、NTTデータは他業界の知識や経験を求めているので、IT業界未経験の方であってもこれまで培ってきたキャリアはきっと強みになるはずです」
ビジネスパーソンのキャリアは一本の道として捉えられるのが一般的かもしれませんが、一度きりの人生だからこそ新たな挑戦がしたいという想いがあれば、その想いに導かれたもう一つの道があるのかもしれません。
中川はこれからも、真摯に向き合う姿勢と共に、国内外の企業を支えるソリューションの提供を続けます。