社会を豊かにするIT事業に惹かれ、自身の強みを活かすべく開発から営業へ

スマートフォンの普及、交通系ICカードの提供開始、そしてサブスクリプションサービスやオンラインショップの浸透……。社会のIT化が進み、暮らしやすさが向上していく時代を、自身の成長とともに織田は体感してきました。

織田 「次々生まれるサービスの利便性に惹かれ、ITシステムそのものに興味を抱くようになりました。そして、インフラに関わるシステム開発に携われば、社会に大きなインパクトを与えることができるとも考えるようになったんです。その観点から就職活動を進め、実績が豊富なNTTデータへの就職を決めました」

NTTデータ入社後、織田は士業に関わるサービス開発に携わるようになります。

織田 「大学で情報系の学部を専攻していたとはいえ、情報工学に関してはほぼ未経験のスタートです。ソフト開発をゼロから学ぶことに加え、税務のルールや税法を覚えなければならなかったので、入社当時は勉強量が多く、苦労しました」

未知の技術と専門領域の知識を組み合わせた開発に四苦八苦する中、織田はあるひとつの成功を経験します。

織田 「ある機能についてニーズがあるのでは、という気づきから仮説を立て、設計から搭載までやりきりました。お客様がその機能を実際に使って、『便利になったよ』、『細かい部分をよく見ているね』と高評価をくださったことが、とてもうれしかったです」

顧客の声を真摯に受け止め、改善に活かすこと。この成功体験は織田の大きなキャリアチェンジへとつながっていきます。2013年、織田は上長から営業部へのチャレンジを打診されました。

織田 「周囲を巻き込んで交流の場をセッティングしたり、立場関係なくフラットなコミュニケーションを取ったり……そうした普段の行いが、営業向きだと判断されたのかもしれません。自分自身でも、開発より営業のほうが向いているかもしれない、と思い始めていました」

強みを活かすべく、挑戦の場を移した織田。はじめは1万数千のユーザーを抱えるソリューションのヘルプデスクの一員として、顧客対応することからスタートしました。

織田「お客様の質問に対して勉強しながら回答する、という機会を与えてもらえたんです。1カ月間ヘルプデスクとして対応する中で、お客様がよく疑問に感じる部分の傾向や特性をつかむことができました。パートナー様の協力を得て偶然できた経験でしたが、このあとソリューションビジネスの推進に携わっていくうえでも非常に役立っています」

顧客視点に立った仮説をもとに、税務申告の効率化を進める

▲NTTデータの税務申告ソリューション「達人シリーズ」

2021年8月現在、織田が扱う主な商材は、税務申告ソリューション『達人シリーズ』です。『達人シリーズ』は会計事務所や経理担当者が使うソフトウェアで、申告書類の一式をデジタルで作ることができます。e-Taxなど電子申告に関わる行政のソリューションとも連携しており、一連の業務をワンストップで進められることが強みです。

織田はこの『達人シリーズ』のパッケージを拡販していくことと、関連する新規サービスを作っていくことを主な仕事としています。

織田 「本サービスは全国に販売拠点を持っているわけではありません。限られたリソースで効率的に販売を進めるため、認知度向上を目的とした研修会をパートナー企業と共同で企画したり、クロージング率強化の目的で特約店との連携を強めるなど、拡販施策を推進してきました。常日頃から業界動向や購買データをもとに、仮説を立てて設計して実行し、検証する、という取り組みを繰り返し行っています」

年次の売上目標は決まっているものの、それを達成する方法は自分次第。営業戦略の設計から実行までを担う織田は、顧客視点に立った緻密な仮説が戦略成功の鍵を握ると考えています。

織田 「成功体験として印象的だったのは、クラウドサービスが爆発的にヒットし販売に繋がったことです。会計業界にクラウド系のサービスが増えたことで、昨今はクラウドサービスの利用がスタンダードになりつつあります。その流れに乗る形で、NTTデータは『安全性』という強みを全面に出したサービスを展開しました。

お客様の不安を、NTTデータの実績によって解決するこの戦略は、大きな成功につながりました。

織田 「一方、マイナンバー管理を目的とした新ソフトの販売には成功したものの、マイナンバー機運に乗じて、フィールドサービスでラインナップをしていたマイナンバー商材が想定よりも伸びず……。他社商材をなるべく多く陳列することだけに意識が向いてしまい、導入からアフターフォローまでサービス設計ができていなかったことから、競合との差別化ができませんでした。緩い仮説のもとに、お客様に選んでいただけるサービスは成り立ちません。NTTデータが提供する意味や価値を、お客様の利用シーンから逆説的に考えることが大切ですね」

仮説を立てて、NTTデータが提供する意味を付加する。顧客と向き合う立場だからこそ、見える価値があります。織田が信念をもって届けるNTTデータのソリューションは、税理士や経理担当者のもとで、業務効率化の一端を担っているのです。

ベンチャー気質のある環境だから、自分のビジョンを貫けた

▲新人時代(同期と)

織田 「私たちのお客様である税理士の皆さんは、中小企業の税金管理を一手に引き受ける立場です。税金の相談にとどまらず、経営アドバイスなどもすることがある彼ら、彼女らは、中小企業を支える重要なプレイヤーといえるでしょう。

そんな税理士の皆さんを支える私たちのソリューションは、広く捉えれば彼ら、彼女らのお客様である中小企業の皆さんを支えている一面もあります。社会に大きなインパクトを与えたいと考えて入社したNTTデータで、こうした形で社会に貢献できていることにやりがいを感じます」

自身がどんな価値を社会に届けているか。その視点で仕事を捉えて前進する織田にとって、NTTデータはフィットする環境でした。その充実感をもたらしている要因は業務内容や扱う商品だけでなく、NTTデータのカルチャーにもあります。

織田 「営業部にキャリアチェンジして一番印象的だったことは、入ってすぐにひとつの施策を任せてもらえたことです。自分自身が考え、裁量権をもってプロジェクトを進めていくことができました。

NTTデータの『いいよ、やってみな』と背中を押してもらえるカルチャーは、ベンチャー的です。失敗しながら学んでいけるので、働いていておもしろいな、と感じます」

営業職に転じたこととベンチャー的なカルチャーが相まって、織田が生来もっていた周囲を巻き込む力は、さらに仕事に活きるようになりました。あらゆるステークホルダーと関わりながら売上につなげていく織田が意識しているのは、自身のビジョンをぶらさず伝えることです。

織田 「『こうしたい』、『こういうものを作っていきたい』というメッセージを、相手に明確に伝えるようにしています。その上で、一方的な要求にとどまらず、相手とギブ・アンド・テイクの関係性を築けるような配慮も怠りません。持ちつ持たれつの関係性が信頼を構築し、成果につながっていくのではないか、と感じています」

ソーシャルデザインの観点からソリューションを届け続けたい

▲研修会にて

人との結びつきから生まれる価値や、自分が提供できる価値を重んじ、織田は営業の立場から挑戦を続けてきました。現在、織田は業界全体が抱える課題に視点を向け、次なる構想を練っています。

織田 「これまで『達人シリーズ』は、税務申告の効率化を追求する機能性を武器にお客様を増やしてきました。しかし、昨今は税理士の数も純増しているわけではありません。

また、会計事務所の競争も激化しており、申告書を精緻に作る点では他社も含めてシステムが高度化していることから、従来の記帳・申告代行だけでは会計事務所の生き残りが難しくなりつつあります。

こうした背景から、税理士業界自体の提供できる価値を再考すべきフェーズがやってきました。私たちは申告業務全体のデジタル化を通じ、税理士だからこそ生み出せる価値をより高めるサポートをすべく、次期構想について議論しています。

また、業界で高いシェアを誇るとはいえ、まだ商品の魅力を伝えきれていないエリアはあります。地域に根ざした販売店さんと連携しながら、さらなるシェア拡大を続けたいです」

業界と向き合いつつ、全国規模で販売拡大を目指す織田。その心の中には、NTTデータのビジョンとして掲げられたある言葉がありました。

織田 「『Be a Social Designer』というビジョンを、常に意識しています。ただシステムを提供するのではなく、それが社会全体を最適化することにつながっていく。他社が開発したソリューションともうまく連携しながら、それらをリードして、社会をデザインしていく。そうした姿勢の先に、人々が豊かに住める国づくりがあると思っています。

少子高齢化や人口減少など、ネガティブな話題は絶えませんが、それを効率的なシステムで解決していけば、きっと豊かな社会を作れるはずです。その基盤づくりに関われるような仕事を、これからも続けていきたいです」

税務申告の効率化を進めるソリューションを通じ、業界のデジタル化と企業の経営支援を進めていく。織田が仕事の先に描いているのは、私たちが暮らしやすい社会です。一人のソーシャルデザイナーとして、織田は今日もNTTデータの価値を届けます。