何が強みかわからないから、なんでもチャレンジできる場所へ

社会への一歩を踏み出す準備期間ともいえる就職活動。大学卒業前のタイミングで、何をしたいのか、何ができるのかという問いに明確な答えを持つ人は、実はそう多くはないでしょう。

篠原もまた、具体的な将来の目標が決まらないまま就職活動に向き合う一人でした。何をしたいかわからなかったからこそ、企業を選ぶ判断基準は“可能性”になったのです。

篠原 「私はこれといった専門領域があるわけではなく、自分がどのように社会や会社に貢献できるかもわかりませんでした。だからこそ、業界を絞らずさまざまな企業を調べる中で、NTTデータの多様な事業に惹かれたのだと思います。これだけ大きな企業なら自分に向いている仕事が見つかるだろう、と」

2011年新卒入社後、通信キャリア向けの顧客営業を担当することになった篠原。一時はシステム開発にも触れましたが、約10年間、同業種向けの顧客営業を続けています。

篠原 「2021年現在は、モバイルビジネス事業部に所属しています。モバイルビジネス事業部では、通信キャリア様をお客様として、通信事業の根幹を支える大規模システムから、各種個別サービスの開発まで、大小さまざまなご支援をしています」

昨今のモバイル機器にはさまざまな機能やサービスが付加されており、顧客である通信キャリアが抱く課題も多様化しています。通信回線だけでなく、決済・金融サービスやEC事業など多岐にわたる領域にNTTデータは携わります。

篠原 「他部署では5年がかりで開発が進むプロジェクトも珍しくありませんが、私たちモバイルビジネス事業部が扱うプロジェクトは、短期間のものがほとんどです。

自分たちでシステムを開発することもあれば、他社とパートナリングをしてお客様の要望を実現することもあります。特に、CXデザイン、クラウド、AIといった比較的新しい技術領域に取り組む際には、専門領域で先行しているパートナーと我々のノウハウを組み合わせたご提案をする機会が増えています。いずれにせよ、ITのプロフェッショナルとしてお客様をサポートをすることが、私たちモバイルビジネス事業部の役割です」

NTTデータの知見や技術を活かし、通信キャリアが向き合うあらゆる課題を解決する。扱う領域が広く、スピードが求められるからこそ、営業担当者の力量が問われる部署でもあるのかもしれません。

ある成功と失敗がくれた気付きと、チャレンジし続ける強さ

▲チームメンバとの写真。コミュニケーションを目的にたまの出社日

セールスパーソンとして生きる篠原にとって、案件成約はひとつのゴールです。このゴールを境目に状況が一変した案件がきっかけとなり、篠原はある学びを得ました。

篠原 「NTTデータが扱う案件はほとんどが大規模な案件なので、若い頃は自分の案件というより先輩をサポートする感覚のほうが強いんです。でもある日、自分自身が新規開拓したお客様から、システム開発案件を受注できました。

お客様の要望に機転を利かせて、お客様が抱いていた不安を払拭できたことが受注につながったのだと思います。自分の提案がお客様の心を動かせたことに、達成感を覚えました」

初めて自分自身が獲得したと実感できる仕事。その感動と共に、篠原は顧客営業のおもしろさを体感しました。しかし、その喜びは束の間のものでした。

篠原 「受注したところまでは良かったのですが、実際に開発段階に進むと、お客様との要望のすり合わせがうまくいかなくて……。

リリースの延伸などが重なりましたが、それでも開発は遂行しなければなりません。営業担当者ができることはほとんどなく、開発メンバーにすべてを任せるしかありませんでした。自分が関わった案件なのに、自分で責任が取れない。その無力感や申し訳なさが心に残りました」

初めての失敗を経験して打ちひしがれていた篠原に、上司はある言葉をかけました。

『失敗するのはチャレンジしている証拠。堂々としてればええよ』。その言葉は、篠原に重くのしかかっていたものを取り払いました。

篠原 「私はその案件で失敗してしまったけれど、それが原因でNTTデータどころか担当の経営が揺らぐこともありません。この大きな会社にとっては、失敗を恐れてチャレンジしないことの方がリスクなんだ、そう気づいてからは、もっと大胆にいこうと心に決めました。

また、トラブル時にもっとお客様や開発担当と話をしていれば、早くキャッチアップして打てる手があったのではないか、その時の上司の動きを見てまだまだ営業としてやれることがあると気づきました。

それからは、営業担当だからここまでしかできない、という思い込みをやめて、プロジェクトの成功のために私には何ができるかを考えるようになりました。一見営業の分担でなくても、プロジェクトとして不足していたり、アイディアがあるときにはどんどん口や手を出す(笑)。そのほうが自分自身も仕事を楽しめることに気が付きました」

立ち止まって何もしないよりは、チャレンジしたほうが会社にも自分にも知見を増やせる。そう切り替えた篠原は、その後の営業活動をより柔軟に捉えるようになりました。

篠原 「NTTデータの顧客営業のおもしろさは、システム開発、コンサルティング、自社・他社のソリューションなど、あらゆるモノをあらゆるモデルで提案できるところです。

技術の会社なので営業の裁量が狭いのでは、というイメージをもたれるかもしれませんが、営業の心持ち次第で、案件をプロデュースしたりアレンジしたりすることができると考えています。

もちろん、優秀で頼りになる技術メンバーがいるからこそできるチャレンジなので、今周りにいる技術メンバーには感謝しています。NTTデータのコアである技術力やPM力、それを持つ技術メンバーに、どうやったら楽しんでプロジェクトに取り組んでもらえるかを考えることも、営業の仕事の一つだと考えています」

お客様の一番そばで、未知の領域に共にチャレンジするパートナーでありたい

▲コロナ前の担当の飲み会後の様子

現在、篠原は通信キャリアのDX推進プロジェクトにも関わっています。ITパートナーとして、企業改革に伴走する立場とも言えるかもしれません。

篠原 「お客様がやりたいことを、“できるかできないか”の二択ではなく、“そもそもやる意味があるのか、どんな価値をもたらすのか”という視点から検討し、当社としての意見を伝えることがより求められていると感じます。 

今、私たちが担当しているお客様自身が、新しいチャレンジをし、変革されようとしています。例えば、お客様のお客様(エンドユーザー)のことをより深く理解するためにこれまで見ていなかったデータを活用したり、速いサイクルでサービスを市場ニーズにマッチさせるために新しいシステム開発手法を取り入れたり。前例がなくお客様自身もイメージがつかない中で、私たちにご要望やご相談をいただくこともあります。

そんなとき、技術面のフィジビリティだけでなくお客様と一緒にビジネス価値を考え、それをITの専門家として具現化することで、新しい領域でもお客様のパートナーであり続けられると考えています。組織や慣習などさまざまな壁はありますが、お客様の変革のタイミングに立ち会えるのは、刺激的で貴重な経験です」

自社開発だけでなく、他社のソリューションを扱うことで課題解決する機会も多い篠原は、“NTTデータの介在価値”について考えるようになりました。

篠原 「お客様の事業変革のスピードを支えるために、1からのスクラッチ開発ではなく、他社開発のSaaSを提案することも増えました。悩み深いところですが、私たちの価値は、お客様と長い年月を重ねてきたからこそ培われた理解力にあると思います。

お客様のパートナーとして、課題の背景を熟知した私たちがいることで、より最適なツールやソリューション、より強いパートナーへの連携が図れる。その信頼を積み重ねることを、いつも意識しています」

自分たちにできることは何か。たとえ要望に応えられなくても、情報提供できることはないか。お客様の課題と向き合い、常に期待を打ち返すための問いを重ねてきたからこそ、篠原は信頼を勝ち取ってきたのでしょう。コロナ禍で商談がオンライン化した今も、その本質的な姿勢は変わりません。

育んだプロフェッショナリズムは結果を生み出し、自分の強みに

10年間営業に携わり、ようやく自身の仕事の意義や楽しさを俯瞰できるようになった篠原。今後のキャリアでは、よりチャレンジ精神を活かした営業スタイルを育んでいくのでしょう。

篠原 「今は目の前のお客様のご要望に向き合うことで精一杯ですが、これからはお客様の一歩先を行く提案で仕事をつくれるようになりたいです。そのためには、お客様のことだけでなく、お客様の先のエンドユーザや、お客様を取り巻く環境に広く関心を持っていかないといけないですね。

モバイル事業部では、海外通信キャリアとの連携にも取り組んでいるので、より広い世界に目を向けていきたいと思います」

目標を掲げ、さらに前へ。チャレンジし続ける篠原の営業としてのプロ意識は、はじめからあったものではなく、さまざまな経験によって培われたものです。

篠原 「営業という仕事は、一見した専門性がわかりづらいものです。きっと多くの人は、NTTデータの営業と言っても何をしているのか想像できないでしょう。私は自分の強みがわからずずっと不安でしたが、10年間、目の前のお客様に向き合うことでようやく、営業の専門性や自分の得意なスタイルというものがわかってきた気がします。

焦らず、自分のペースでこつこつ積み重ねていけば、きっとそれは自分の強みになるはずです」

これだけ大きな会社なら、きっとチャレンジできるはず。そう信じて就職した篠原の選択は、間違っていませんでした。

数多のチャレンジと失敗を越えてきた篠原は、自分の中で形づくりつつある営業のプロフェッショナリズムを掲げながら、次のチャレンジを見据えて歩みます。