期限1カ月のミッションを完遂。「インフラもアプリも」の強みが活きる

新型コロナウイルス関連のシステムを立ち上げる──それが、栗田の最近のミッションのひとつでした。

栗田 「クラウドで、アプリケーションもインフラ基盤も、全てド新規で立ち上げるプロジェクト。しかも、期限は1カ月という超短納期でした」

2021年2月1日に開始したそのプロジェクトで、栗田は、基盤とバッチアプリケーションチームのリーダーを担いました。リーダーとして目指すゴールを示してチームメンバーをけん引しつつ、自らもコードを書いて、AWSの基盤を作るなど手を動かし、プレイヤーとして躍動しました。

結果、納期通りの3月初旬にサービスをリリース。国家的ミッションとも言えるプロジェクトに、システムの構築という側面から貢献しました。

そんな栗田は現在、複数の官公庁の案件を担当しています。

今やアプリケーションやクラウドも手掛ける栗田ですが、もともとはインフラ育ち。2011年にNTTデータに入社してから約8年間、官公庁内の基幹システムにおけるインフラ基盤の設計、構築、試験等の業務に従事していました。今でも栗田の専門はインフラで、Linuxに軸足を置いています。

しかし栗田は、こうはっきり宣言します。

栗田 「インフラとか、アプリケーションとか、区別する時代は終わりました。例えば、先ほどのシステムを、1カ月でド新規で立ち上げるとなった時に、『自分はインフラ屋だから、1カ月でインフラだけ作ります』と言ったら、何の意味もありません。インフラもアプリケーションも理解していれば、『アプリをこういう風に実現するためには、こういうインフラにしなければいけない』というアプローチができる。

結局、インフラもアプリも両方分かっていなければ、これからのクラウド時代に価値を発揮することはできないと考えています」

それが、フルスタックエンジニア・栗田の信条です。

栗田はいかにしてフルスタックエンジニアとしてのキャリアを積んだのか

▲休日は子供と公園へ

入社から8年間、官公庁のプロジェクトを担当する中で、着実にインフラの技術を身につけていった栗田。

栗田 「そのうちに、今までの経験でだいたいのことができるようになりました。井の中の蛙状態で、正直天狗になっていたと思います。それを上司は見抜いていたのか、他で修業をしてこいと、異動命令が出たのです」

栗田は、この異動が自身にとって大きな転機になったと当時を振り返ります。

栗田 「異動先でアサインされた航空関連のプロジェクトは、いくつもの課題を抱えた難しいプロジェクトで、NTTデータ全社から各技術分野のエース級の人たちが集結していました」

そこで栗田は、インフラではなく、初めてアプリケーション開発に携わります。

栗田 「NTTデータのエースたちと一緒に仕事をさせてもらいながらアプリケーションを学び、スキルを吸収していきました。すると、『インフラのここを使ってアプリケーションはこう動くんだな』とか『アプリでこう使いたいから、インフラはこう設計しなきゃ』と分かるように。インフラとアプリは密接に絡み合っているのに、インフラ屋、アプリ屋と勝手に区別していた。既存システムの更改案件なら生きていけるが、新規システムではダメだと気づいたのです」

航空関連の案件を無事完遂し、事業部に戻ってきた栗田は、明らかに成長していました。

栗田 「多種多様な案件の依頼が増えました。それに対して僕は、『忙しいから無理です』とは言わず、できるだけ『やりましょう!』と受けるようにしています。その中で、新しい技術など自分の興味があることを取り入れたり、逆に自分の弱点を克服する挑戦をしたりしています。そうやってフルスタックなキャリアを積む機会を、自分で作っています」

そんな栗田にとって、NTTデータの環境はうってつけだと言います。

栗田 「案件がとにかく多いから、スキルさえあれば、自分が挑戦したいことをやらせてもらえる環境があります。『手を挙げたもの勝ち』という感じですね」

優秀な人材と、多種多様で豊富な案件が集まるNTTデータという環境を存分に活かし、栗田はフルスタックエンジニアとしてのキャリアを築いていったのです。

責任者として全てを自分で決断する怖さ。しかし決断を重ね成長を遂げた

▲最近はもっぱらテレワーク

エンジニアとしてのスキルを身につける一方で、リーダーとしての資質が養われた転機もありました。

入社後すぐ、栗田にとって師匠のような存在の先輩と一緒に、あるプロジェクトに従事しました。それから6年後にシステムの更改があり、先輩と再会。しかし、先輩が異動することになり「あとはお前に任せた」と、プロジェクトの責任者に任命されたのです。

栗田 「先輩はすごく優秀な方で、判断に迷ったら、先輩に聞けば『こうやればいいんだよ』とすぐに正解をくれました。でも自分が責任者となり、困ったときに頼っていた先輩はいないし、誰も決めてくれる人がいない。逆に、全て決めてくれと迫られるわけです」

細かい技術的な部分を含め、プロジェクトに関するほぼ全ての決断を、栗田は担うことになりました。それは栗田にとって、「苦痛」ともいえるほどの重責だったと言います。

栗田 「当然、やったことのない決断もいっぱいあるわけで、正解がわからない。少なくとも、こういう風に考え、こう決断しましたと明確に説明できるまで、調べ抜き、考え抜き、決断を重ねていきました。でもやはり最初は苦労したし、不安が大きかったですね」

しかし決断を重ねるうちに、その精度が上がっていく感覚を、栗田は掴んでいきました。

栗田 「なぜ精度が上がっていったかと言えば、間違えまくったから。決断が間違いだったと判明したら、なぜ間違えたのかの原因を究明し、改善していった。間違いを繰り返すことによって、システムの全体像から要所を抑える勘所のようなものが養われていくのです。僕はキャラ的に間違いが許された部分もあるかもしれませんが、組織として間違いを許容する文化があると思いますね」

この経験を経て、栗田は大きな自信を得ることができました。

栗田 「リーダーシップを発揮し、チームを成功に導くことができるという確信を得ることができました。これは大きな成長だったと思います」

それは2018年、入社から8年が経った頃でした。

さらなる高みを目指すとともに、後輩の背中を押せるプレイヤーに

▲休日は子供と公園へ

栗田 「NTTデータで技術的にすごい人達は、他部署にも名前が知れ渡り、認知されている有名人なんです」

栗田の頭の中には、かつての航空関連のシステム案件でアプリケーションの何たるかを教えてくれた先輩方をはじめ、何人ものNTTデータの一流エンジニアの顔が浮かびます。

栗田 「その人たちがきっかけとなり、仕事が広がっていく。僕もインフラはもちろん、アプリケーションも、全てをハイレベルでこなせるようになり、認知されるプレイヤーになりたい」

そのために、スキルを磨くだけでなく、社内外への情報発信に取り組んでいきたいと、栗田は話します。

栗田 「技術的なトレンドや成果について、これまでも事業部内で発信はしてきましたが、今後は社内全体や、社外に向けても発信する機会を作っていきたいですね。そうやって、社内外に通じる価値を高めていきたいと考えています」 

もう一つ、栗田が最近注力しているのは、チームメンバの育成です。

栗田の育成の方針と動機は、少しユニーク。例えば、ある新規案件にアサインされたら、栗田は必ず後輩をひとり、プロジェクトに入れてもらうようにお願いしています。

栗田 「自分が今できている部分は、後輩に担当してもらい、僕はアドバイスに徹します。後輩にできるようになってほしいのと同時に、僕は同じ仕事を繰り返したくないからというのがあります。そして僕は、新しい技術や興味のある部分を担当する。後輩も僕も新しいことをチャレンジして経験を積み、新たな武器を手に入れることができる──まさにwin-winの育成方針です。これからもマネジメントに主軸を置くのではなく、『俺が、俺が』の部分をもって、プレイヤーとしてのスキルを追求していきたいですね」

ある意味自分本位のようにも聞こえますが、次の言葉に、メンバーへの確かな愛情が滲みます。

栗田 「チームメンバが自分の願うキャリアを歩いていけるよう、背中を押してあげられる存在になりたい。自分だけでなく、メンバが育っていけるようなプレイヤーでありたいと願っています」

フルスタックエンジニアとして、自分自身のバージョンアップを止めない栗田は、軽やかに語ります。

栗田 「毎日違うことを身につけることを、日々の目標にしています。ちょっとしたことでもいいから、知らなかったことに触れていきたい」

NTTデータに新たな風を吹き込む、栗田流のキャリアの歩み方。今後社内外に大きな影響力を与えていきそうです。