IT業界で社会課題の解決に挑みたい──顧客基盤が盤石なNTTデータへ

浜口 麻里がNTTデータに新卒入社したのは2006年。90年代から爆発的に普及したパソコンや携帯電話、そしてインターネットへの期待感に満ちた時代でした。

浜口 「私はちょうどPHSや携帯電話等の急激なテクノロジーの進化を学生時代に体感しましたし、Windows95が発売されたときのことも覚えています。当時はITベンチャー企業の興隆が世間でも注目され始めたりしていて、『これからの時代はITだ』という確信が持てました。大学で文学を専攻していましたが、IT系企業への就職を考えたのは、そんな時代背景があったからです」

IT企業からさらに選択肢を絞るため、浜口がキャリア選択の軸にしたのは、社会との接点の多さです。社会課題の解決が企業の命題であることを踏まえたとき、そのインパクトの大きさが企業価値になると浜口は考えました。

浜口 「NTTデータを選んだのは、顧客基盤が他社よりも盤石だと感じたからです。当時からNTTデータは公共団体から民間企業まで顧客接点を持っていたので、特定のドメインだけでなく社会課題を広く解決する力があると感じました」

NTTデータに入社した浜口は、システムエンジニアとしてキャリアをスタートします。未経験から開発スキルを培い、大規模な開発案件にも関わりました。しかし、そのキャリアは4年目で転機を迎えます。

浜口 「入社4年目で営業担当への異動が決まりました。チームで開発する楽しさがわかってきたところだったので、少し残念だったのは事実です。
営業に異動してからの2年間は、正直つらい期間でした。システムエンジニアの頃は、細かに指示されたことを遂行することで自身の成長を感じられる環境だったのですが、営業になってからは主体的に考えて答えを導かなければ仕事が進まず、自分が何をするべきなのか、正解がわからなくなってしまったんです」

困難があるたび、職場の先輩に相談する日々。そこでもらえた言葉は浜口の支えになりましたが、その時は理解しきれず、戸惑いが残っていました

浜口 「ようやく仕事がわかってきて一人称で考えらえるようになったのは入社6年目のことです。とてもスロースタートですね。
少人数で新規営業をしていく部署に異動したことで、いよいよお客様との折衝から組織の上層部の説明まですべて自分でやらなければならない立場になりました。追い込まれて初めて、会社はチャレンジをさせてくれるからもっとチャレンジして良いと背中を押してくださった先輩のアドバイスの意味を実感するようになりました」

自分の言葉で語ること、相手の立場や状況を加味して提案すること。異動で環境が変わったことで、浜口は営業の神髄を理解していきました。

社内連携を深め、お客様がいざというときに頼れる存在を目指す

▲担当内打合せ

営業として顧客である地方自治体と向き合いながら、浜口は顧客視点から見た自分の価値を考えるようになります。その先に見出した答えは、顧客と信頼関係を構築する上で最も大切なのは自分が相手にとって有用であること、ということでした。

浜口 「営業スタイルに正解はありませんし、フレンドリーに接し仲良くなる方法も間違いではありません。でも、それだけではお客様から課題を相談したいと思われる存在にはなれないと思ったんです。

お客様も、私たちと対応する際は仕事の時間の一部を割いてくれています。そのことを忘れず、価値のある時間や知識を提供することを意識するようになりました。自分が有用な存在であることは、信頼関係を積み重ねるうえで必要不可欠です」

相手にとって有用な存在について突き詰めた浜口は、営業の質を高めるネクストステップとして、お客様の期待を超えるものを提供することの大切さを学んでいきます。

浜口 「ある自治体の情報システム担当者の方は、リクエストを具体的にくださる方でした。おそらく、私が持って行った提案は点数にすれば70点程度のものだったのでしょう。『ありがたいけれど、もっとこういう情報が欲しい』という要望を受け、改善を重ねて100点を超えるものを目指しました。

初めてその方から『内部の資料に活用させてもらうね』と感謝されたとき、期待を超えていくことの大切さを実感しました。私に期待して根気よく付き合っていただいたお客様には感謝しかありません。お客様に育ててもらった若手時代でした」

自治体への提案実績を重ねるうち、浜口はもう一つ、営業になければならない要素を見つけました。それは、社内他部署との連携です。

浜口 「提案の際に具体的な事例があるとぐっと導入のイメージがしやすくなります。他自治体の事例はもちろんですが、たとえ公共団体で取り組んだ事例がなかったとしても、民間企業では類似の事例があることも。こうした場合、他部署の人から知見を共有してもらい、事例を提示できるよう意識しています」

社内連携は顧客の課題解決の礎。その気付きから、浜口は社内コミュニケーションや情報収集を増やしました。

浜口 「社内の人は、大切にすべき仲間であり、頼れる味方です。部署の垣根なく互いがwin-winな関係を築けるよう、ノウハウや事例を共有し合える関係づくりを意識しています。私から社内に相談する際は、相手にとってのメリットも考えて伝えるようにしています。それが互いに気持ちよく協力し合うためのポイントですね。社内に向けても有用であることを意識しています」

自治体のDX推進に邁進し、コロナ禍を走る

▲自治体DXに関するオンラインミーティングの様子

自身の立ち位置を理解し、社内外での情報共有を徹底してきた浜口。その実績は信頼に結びつき、2021年、浜口は2020年に新規創設されたデジタルソサエティ事業部で課長職に就きました。

デジタルソサエティ事業部は、中央省庁系担当、マイナンバーカード関連業務担当、自治体担当と大きく3つに分かれています。マイナンバーカードを軸として3つの担当間の連携を加速しながら、国民生活や社会環境の観点からより良いデジタル社会の実現することを目指しています。浜口は、その中の行政サービスを支える自治体DXを担当することになりました。

浜口 「自治体DXは、自治体がデジタルトランスフォーメーションを推進することを目標とした営業・サポートを行っています。わかりやすい例として、申請書類の電子申請が挙げられます。給付金等の手続きで申請は電子申請されたのに、データを受け取る市役所側は結局その申請書を印刷して自庁のシステムで確認するというような不便がありました。これは、電子申請を前提とした市役所側のシステムの整備がされてなかったために起こったことです。

こうした非効率的なシステムを最適化するために、民間企業と自治体をつないだり、ワンストップで電子申請を完結できるような仕組みを作ったりすることが、私たちの使命です」

自治体DXは、国のデジタルガバメント実行計画策定に加え2020年より続くコロナ禍で、さらにその存在意義を強めています。コロナ禍で住民支援の窓口を担う地方自治体は、多くの新しい取り組みを迫られた渦中の組織だからです。

浜口 「自治体の皆さんは感染防止の観点から、電子申請やリモートワークへの対応など、さまざまな課題を抱えています。一方で限られた予算の中で改革に取り組まなければならないため、スムーズに改革が進まないケースもあります。

私たちNTTデータはコロナ以前からリモートワークに取り組んでいたこともあり、緊急事態宣言直後から、そうした自治体の皆さんに提案を始めました。オンライン会議への移行など、予算面で問題なく取り組める優先順位の高いものから解決策を打診して……。そのスピード感に対して評価をいただいたときは、とてもうれしかったです」

コロナ禍への対応は、官民を問わず、多くの組織に打撃を与えています。より良い環境を目指すサポートをすることが、浜口率いるチームの目下の課題です。

国民一人ひとりの生活が改善される仕組みづくりを目指して

新規事業部での浜口の挑戦は始まったばかりですが、長年地方自治体に営業を続けてきた浜口は、ある課題を感じています。

浜口 「今後より意識したいのは、住民や国民の視点に立った、より良い仕組みづくりです。現状は企業、自治体それぞれが組織内の最適化を進めているのですが、社会課題の解決に取り組むためには、縦割りになった個別組織が連携していくことが大切だと思います。もちろん、さまざまなハードルがあるからこそ、各組織の連携は進んでいません。そのハードルを越えていくことが、今後の目標です」

浜口が理想とする連携の在り方は、すでにNTTデータの新ブランドコンセプトとしてリリースされています。2021年1月、NTTデータはSocietyOS®(ソサエティオーエス)というブランドを創設しました。SocietyOS®とは、中央省庁・地方公共団体・民間企業が持つデータや施策と、各種クラウドサービス、NTTデータやNTTグループが持つソリューションや技術を連携し、生活者視点で価値あるスマートシティの実現を目指すシステムです。

浜口 「SocietyOS®は、まさに私が目指していきたい世界観を象徴するサービスです。それぞれの団体が有するデータや強みを掛け合わせ、地域の住民がより暮らしやすい社会環境を整えていきたいですね」

浜口が就職活動当時自身のキャリア設計の軸として思い描いたのは、社会課題の解決でした。その大きな夢は、今、実現可能性の高い形で目前にあります。そして、その夢を実現するために浜口が必要不可欠だと考えているのは、“情報発信“と”連携“です。

浜口 「私はあまり目立ちたがりではありませんが、社会課題の解決を実現するために、これからは自分を見つけてもらう努力をしたいと思っています。自分が適切な人材や方法を探しに行くのはもちろん、ほかの人にも情報を発信して働きかけ、自分を見つけてもらう。そうした努力を重ねることで、誰かと誰かを結びつけ、相乗価値を高めていきたいんです。

今、チームマネジメントを任される立場になり、一人よりもチームで挑むほうがより良い提案が生まれるということを実感します。さまざまな視点を持つメンバーが互いに意見を交わし合うことで、私たちはより良い価値を提供していくことができる。そのことを意識しながら、社内外の情報発信や連携を活性化させていきたいですね」

官民が一体となり、一人ひとりの国民に寄り添う社会が実現する日まで、浜口の挑戦は続きます。


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