日本の年金システムを支える。見えない課題まで抽出し最適な要件を定義

NTTデータ第二公共事業本部社会保障事業部の事業領域は、「年金ドメイン」と「医療ドメイン」の大きく2つがあります。

成富が携わるのは、年金ドメイン。「全国数百に及ぶお客様拠点」を通して、全国民に社会保障サービスを提供するシステムの開発、運用、維持を担っています。

成富 「私たちのお客様は、社会保障の基盤となるシステムを用いて年金業務を運営する法人様です。このシステムは、年金という国民サービスに直結するミッションクリティカルなシステムで、大量のデータを扱い、さらに履歴管理も行う大規模かつ複雑なシステムといえます。

そのシステムについて、法律改正やお客様の運用改善に対応して、業務アプリケーションの開発を行っています。中でも私は、システムの要件定義を担当しています」

プロジェクトは、お客様の「こうしてほしい」という要望から始まります。しかし成富は、それを実現するだけでは足りないと言います。

成富 「お客様はなぜ『こうしてほしい』んだろう?そこにいたった思考は?本当に困っていることはなんだろう?と、要望の背景に思いを巡らせます」

すると、お客様の要望の周りにある課題が浮かび上がってきます。

成富 「『こういうところも困っていませんか?』とお客様にぶつけてみると、『実はそこも困っていた!』ということがよくあります。紙には書いていない、潜在的な課題・ニーズまでをお客様から引き出し、要件を定義し、最適な実現方法を提案するのが私の仕事です」

そんな成富が、仕事を進める上で大切にしていることがあります。

成富 「自分の頭でちゃんと考え、判断し、行動する。いたらなかったところはしっかりと受け止めて、学び、改善する──そういうトライ&エラーを繰り返していくことが大切だと考えています」

まさにこれまでの成富は、そのモットーを実践することで、成長を遂げてきました。

「意外と地味」というギャップも、全体像を知ることでおもしろさを実感

▲トレーナーの先輩・同僚たちと

法学部出身で「ガチガチの文系」だという成富が、NTTデータと出会ったのは、大学3年の夏休みのインターンシップでした。

成富 「NTTデータのインターンシップでは世の中の不=課題を見つけ出し、それを解決するだけでなく『こうなったらいいよね』という夢を語り、現状と夢のギャップを埋めるために必要な仕組みをチームで考え発表するものでした。

文系の私にとって『IT』や『システム』というと馴染みがなく当初は少し抵抗を感じていましたが、インターンシップを通して、NTTデータの仕事は世の中の課題について、さまざまなステークホルダにとっての『こうなったらいいな』を実現するための仕組みをチームで作りあげることであると学び、とても魅力を感じました」

それからSIerに興味を持ち始めた成富。最終的にNTTデータ入社の決め手となったのは、“人”だと言います。

成富 「OBOG訪問で、先輩方にすごい熱意を感じたんです。ずっとバスケットボールをしていたからか、チームワークや熱意のようなものに惹かれるんですね」

そして2016年4月に、NTTデータに入社。ただ入社当初は、ギャップを感じることもあったと言います。

成富 「インターンシップの経験からキラキラした世界を夢見て入社しましたが、配属となった開発の仕事は最初わからないことだらけだし、地味な作業が多くて、『意外と地味……。思っていたのと違う!』って(笑)」

そんなギャップを埋めてくれたのが、NTTデータのトレーナー制度でした。入社2年目まで、先輩社員がトレーナーとして付き、新入社員をサポートします。

成富 「トレーナーがなぜその作業が必要なのか、アウトプットしたものが何を達成するのかを、常に問いかけながら教えてくれたんです。すると点と点がどんどんつながって仕事の全体像が見えてくると、仕事がすごくおもしろくなりました。トレーナーのおかげで、作業の本質や全体像を考える癖が習慣づけられました」

また、お客様の存在も大きかったと言います。

成富 「インターンシップの時はただ自分たちの思いだけで考えていましたが、入社したらお客様の存在がとても大きい。お客様のために泥臭く考え抜いて、システムがサービス開始となって初めて、お客様に価値が提供されます。そしてお客様が喜んでくれた時は、自分のため以上の喜びを感じます」

お客様の存在によって、成富は仕事のやりがいも感じ始めました。

立ちはだかった3年目の壁。自分だけが頑張っても成果を出すことはできない

▲学生時代のバスケットボールチームのメンバと

迎えた3年目。あるプロジェクトのチームリーダーになった成富は、壁にぶつかります。

成富 「これもバスケの影響かもしれませんが、チームで取り組むのは好きでした。私は、ぐいぐいみんなを引っ張っていくリーダータイプではありません。それでも大学のサークルで代表になったときは、自分なりに頑張っていれば、自然とみんなが協力してくれました。

自分が考えているよりももっと良い方法をみんなが考えて実践してくれて、一人よりも、チームが発揮する力の大きさを体感していました」

しかし、仕事ではそう簡単にはいきませんでした。成富が任されたプロジェクトの試験工程で、スケジュールの遅延が発生。外部システムとの連携があり、そのインターフェース試験の日程には必ず間に合わせなければいけません。短期間で効率的に試験を完了させなければならない事態になりました。

成富 「私はたぶん責任感が強い方で、期限を守るためなら夜遅くまで働くこともいとわず、全力で取り組むのが当たり前だと思っていました。そして、無意識ながらみんなにも当然のようにそれを求めていたんだと思います。

ですが、連日の深夜対応で次第にみんなのモチベーションは下がり、作業品質も低下。メンバごとで仕事に対するモチベーションも違うし、疲れてしまっている人もいました」

期限は迫るばかり。間に合わなければ、お客様だけでなく、国民の生活に影響を与えてしまいます。そこで成富は短期間で効率的に試験を完了させるために、自分なりに進捗管理や品質管理の仕組みを整備し、チームメンバに周知しました。

しかし、自分が意図した通りにチームメンバに運用してもらえず、すぐにはうまくいきませんでした。そこで、こういう進捗管理方法・品質管理方法とする背景(プロジェクトの現状だけでなく、プロジェクトの意義や与える影響など)をみんなに共有しました。

またチームメンバからも意見をもらい、体力や心理的な状態を考慮して役割分担を見直しました。そうすることで、品質を維持しながら、なんとか期限内に間に合わせることができました。

成富 「この時に、自分の当たり前はみんなにとっての当たり前ではないと痛感。結局私は自分の視点でしか考えていなくて、メンバの視点がかけていたことを反省しました。自分だけが突き進むのではなく、みんなが納得感を持って同じゴールを目指して取り組むことが大切で、それによってチームの価値を最大化できるのだと学びました」

お客様をつなぎ、社会の仕組みを企画・開発する

お客様と信頼関係を築く上で、成富が一番大切にしているのは“熱意”です。

成富 「この人は本当に自分のことを考えてくれているかどうかは、話をしていれば分かるし、伝わりますよね。ですから、人対人の大前提として、熱意は必要だと思っています」

その上で成富は、お客様の業務知識とシステムの知識を学び、身につけていきます。

成富 「私は業務に没頭してしまうタイプなので、もっと視点を高くして、業務に必要な情報だけでなく、先を見据えて必要な社会的・技術的な情報を収集していきたいですね」

自己研鑽を続けるとともに、お客様に学ぶ姿勢も忘れません。

成富 「やはりお客様から教えてもらうことが多いんです。ですから、こんな時代ですが、私はやっぱりお客様と直接お会いしたい。打ち合わせでも、対面なら本題から派生して聞けることも多いですし、打ち合わせの前後の雑談の中で拾える情報もある。

そういったところからお客様の潜在的なニーズを引き出し、プロアクティブな提案を増やしていきたいですね。それによってお客様に頼られ、パートナーとして一緒に年金サービスをつくり上げていけるような存在になることが、当面の目標です」

2021年現在、成富は入社6年目。10年目には「こうありたい」という姿が、明確にあります。

成富 「今は年金の事業分野で仕事をしていますが、業務が縦割りなのです。その縦割りの垣根を壊して、さらには年金の範囲を超えて、お客様同士をつなげたい。お客様から社会へと視点を広げていって、世の中の潜在的なニーズを発見し、社会に役立つ仕組みを企画・開発したいです!」

成富は目を輝かせます。

成富 「それに対応して、NTTデータでも担当や事業部を超えた横断的な大規模なシステム開発を行っていく必要があります。私はそこに、主要メンバとして携わりたいと願っています。そのためにも、お客様やチームメンバから『成富が言うなら協力しよう!』と思ってもらえるような人材になれるよう、成長を続けていきたい」

成富はこれからも、自分で考えて行動し、失敗したら学び、改善する──トライ&エラーを繰り返しながら、目の前のお客様やチームメンバからの信頼を積み上げて、より大きな社会課題に挑んでいきます。