「新しい日常」を直接生み出せるような、しくみの作り手をめざして

▲NTTデータ ITサービス・ペイメント事業本部 小林千晃

大学時代は、社会学部でメディア論を専攻していた小林 千晃。メディアへの興味は、情報発信を通じて新しい価値観や行動様式を世の中に浸透させることへの憧れからでした。

小林 「当時はうまく言語化できていませんでしたが、『新しい日常を作りたい』という漠然とした想いがありました」

就職活動の開始時には、その想いがよりくっきりとした輪郭を持つようになります。そして、情報発信という間接的なアプローチではなく、より直接的に「新しい日常」を生み出せる立ち位置をめざすように。

小林 「私は、例えば所属するコミュニティの雰囲気にギスギスしたものを感じたら、状況を変えるために率先して動くタイプです。そして、雰囲気が徐々に好転していくことに喜びを覚える。こうした志向の自覚が決め手になって、『新しい日常』を作る側に立つことを選びました」

こうして、社会インフラから最先端のビジネスシーンまで、世の中のありとあらゆる「仕組み」作りを担うSIerへの就職を決意。2017年、NTTデータに入社しました。

配属先は、キャッシュレス決済プラットフォーム「CAFIS」を扱う事業部。クラウド型のサービスである「CAFIS Arch®」の開発チームの一員として、小林のキャリアはスタートします。

小林 「配属後、最初に参加した打ち合わせがソースコードレビューでしたが、会話の内容がほとんど理解できませんでした。あまりに衝撃的でよく覚えています(笑)」

しかし、それから約半年の間に、業務の傍らプライベートでもプログラミングの勉強を重ね、それでも分からないことは周囲に積極的に質問。高速で知識を吸収していきます。

小林 「性格的に、未経験のことに挑むのが苦ではなく、ポジティブな姿勢で知識の習得に励むことができました」

そして、1年目が終わる頃には海外のグループ会社へ単身で出張し、現地のメンバーとともに2週間の開発業務を経験します。

小林 「『やりたいです!』と手を挙げたところ、希望が叶って送り出していただきました。日本で自分が設計した機能を、海外のメンバーに教わりながら一緒に開発を行いました」

現場に出て半年。海外メンバーとの協業を見事やり切ったのです。

加速度的に経験値が上昇。サービスの「顔」として多方面で活躍

▲事業部メンバーとゴルフを楽しむ

入社2年目からは、外部システムとの連動試験のフロント業務を任されます。

小林 「CAFIS Arch®は、クレジットカード会社や金融機関が運用している複数のシステムと機能連携するものなので、外部システムとの『連動試験』を行います。各社からシステムの担当者が出てくる中、私はCAFIS Arch®チームの言わば代表として品質の確認を行っていました」

入社1年目の製造業務。そして2年目の連動試験対応。2年間の経験を通して、開発業務とCAFISに関する小林の知見は一層磨かれていきました。

そして、入社3年目。自ら希望して、開発チームから営業チームに異動します。

営業メンバーのミッションは、ずばりCAFIS Arch®の拡販。小林は、全国にチェーンを持つ小売業のお客様数社を担当することになりました。

小林 「初めはお客様にどう接したらいいのかも分からない状態でしたが、思いの外、関係構築はスムーズに進みました」

その理由を、小林は自身の2年間の開発経験にあると分析します。

CAFIS Arch®の仕様に精通しているからこそ、お客様からの踏み込んだ質問にもその場で確信を持って答えられる。しかも、開発チームのメンバーとも十分な意思疎通ができているから、社内調整が必要な事柄にもスムーズに対応できる。

それが、お客様からの信頼に結びついたと小林は考えています。

またこの頃、小林はサービスの説明資料やプレゼン用のフォーマットなど、組織内の各種文書の標準化にも取り組みます。

小林 「組織内には営業のメンバーが数十人規模で在籍しているので、自分自身が営業活動の中でぶつかった壁や、それを解決するためにとった手立てを、できるだけ共有できればと考えたのがきっかけです。他の営業メンバーも巻き込んでナレッジを収集し、標準化につなげました」

自らの手で、「新しい日常」をより良いものにする。小林のその想いは、社内の活動においても一貫しているのです。

周囲を巻き込み、機能追加で「新しい日常」を実現

▲定期的に旅行へ行くなど、同期の繋がりも大切にしている

開発経験に根ざしたCAFIS Arch®への深い理解と、社内の開発・営業両チームメンバーとの良好な関係性は、小林が主体的に行動し続けることで獲得した大きな財産です。

そして、これらの財産を強みに、入社3年目ながらCAFIS Arch®の新規メニュー追加を主導し、実現に漕ぎつけます。

小林 「あるお客様から、既存のメニューではカバーできないご要望をいただいたことがきっかけです。通常はお客様の運用部門や情報システム部門と連携して、CAFIS Arch®の提供機能になじむようにお客様業務フローの検討・提案を行うのですが、『もしかすると他のお客様も同じニーズをお持ちなのでは?』と感じ、機能追加の道を探りました」

まず、他の営業メンバーに協力を仰ぎ、同じようなニーズがどれくらいありそうかをリサーチ。これにより、潜在的なニーズの存在を突き止めました。さらに、めざす仕様をどうすれば盛り込むことができるかを開発視点で具体的に検討。その上で、開発チームとの間で機能追加に向けた合意を形成し、事業部全体を巻き込みながら追加開発を実現させたのです。

規模は大きくはないものの、間違いなく、複数のお客様に「新しい日常」の扉を開く対応でした。

初動を決定づけるポイントとなったのは、お客様からのイレギュラーなご要望を受け取った際、そこに小林が「潜在的なニーズ」の可能性を読み取ったこと。それは、お客様の業務を深いところまで理解できていたからこそ働いた嗅覚でした。

小林 「自分から知りにいこうとしないと、お客様は深いところまでは話してくださらないので、とにかく徹底的に向き合って自分から多くの質問を投げかけるようにしています。お客様からの『これをやりたい』という言葉には、必ず背景があります。その背景を理解することで、本来の目的にもっとも合う、しかも実現性の高い提案ができると考えています」

そして、入社4年目になると、営業に加え企画も担当。

企画に携わるようになってからは、個々のお客様を深く知ることに加えて、お客様からの一つひとつの声を通じて、CAFIS Arch®の普遍的な課題やニーズに迫ろうとする意識が高まったといいます。

担当業務の領域が広がるごとに、より広い視野や、深い視点を身につけているのです。

初心を胸に、歩み続ける

開発を2年、営業・企画を2年。今後、どちらに軸足を置くかは分からないとしながらも、今は営業・企画の仕事が「面白い」と小林は言います。

小林 「サービスや機能を掘り下げていく開発の仕事も面白いのですが、お客様の業務も含めて広範な領域を見る営業や企画の仕事に、今は楽しみを見出しています」

そして、入社から4年経った今も、小林が変わらず抱き続けているものがあります。

世の中にとって望ましい「新しい日常」を、自らの手で作り出したいという想いです。

小林 「決済サービスは、多くの人々の日常に溶け込んでいるものなので、『新しい日常』を可能にする仕組みを生み出しやすい領域だと思っています。新たな機能やサービスを創り、展開していく。その一連の活動の中で、自分の想いを体現していきたいです」

自ら「変化」の起点となり、多くの人に働きかけながら状況を好転させていく。社内外を問わず、全方位に対しそうしたスタンスを貫く小林の目に、「課題」は「新しい日常」への入り口として映っているのかもしれません。