英語も、ITも。圧倒的な成績のかげにある、圧倒的な勉強量
大学時代は機械工学を専攻していた齋藤 祐希。ITに興味を抱くようになったのは、研究の一環で手がけていたプログラミングや、コンピューターを使ったシミュレーションがきっかけだったといいます。
齋藤 「自分が携わったもので多くの人に貢献したいという想いから、就職活動ではIT系の中でも特に社会的影響力の大きい企業を志望していました。
また、日本に閉じるのではなく、海外の人とも一緒に働いてみたいと考えていたので、経営戦略として『グローバルへの展開』を強く打ち出していたNTTデータに惹かれました」
大学在学中から英語の学習に力を入れていたという齋藤。もともと400点台だったTOEICのスコアが、入社時点では870点というレベルにまで上がったといいます。
そして2014年、NTTデータへ入社します。
最初のに参画したプロジェクトは、ユーリティリティ系のお客様の大規模なシステム開発でした。ここで2年間にわたり、開発の基本的なプロセスを経験することになります。
主な業務はプログラミング。学生時代に多少の経験があった齋藤ですが、さらなる「学び」の必要を痛感したといいます。
齋藤 「学生時代のプログラミングと違い、メンテナンス性や障害時の対応を考慮する必要があり、アマチュアとプロフェッショナルの仕事の違いを思い知りました。
技術的な基礎をしっかり学ぼう。そう思いました」
実は、入社当初、齋藤は自身のキャリアについてあるビジョンを描いていました。
それは、入社後一定期間は主に技術面での経験を積み、それ以降はよりお客様のビジネスに近いコンサルティング領域へ踏み出すというもの。
入社1年目に、プロフェッショナルの仕事を目の当たりにして、確かな技術の習得を改めて誓った齋藤。そしてその後、「有言実行」を果たすのです。
語学力で掴んだ「武器」を手に、数々のプロジェクトで立役者の座に
最初のプロジェクトに在籍していた入社2年目のこと。
齋藤は、上司からの指名により米インフォマティカが主催する製品研修を受講します。目的は、同社の代表製品であるデータマネジメント製品についての知見を蓄えること。1週間の研修は全て英語で行われるため、英語力に長けた齋藤に白羽の矢が立ちました。
齋藤 「講師の話す内容を聞き取る分には問題ありませんでしたが、実際にネイティブのスピードで会話するのは難しかったですね。『もっと勉強しなければ』と思いました」
英語学習へのモチベーションをさらに高める契機ともなったこの研修は、その後の齋藤に“武器”をもたらすことになります。
「クラウド化」あるいは「データ活用」が、多くのお客様にとってDX推進における重要なファクターとなる中で、これらに関わりの深いインフォマティカの製品を活用したシステム開発案件のニーズが高まっていったからです。
事業部内でインフォマティカ製品の「有識者第1号」となった齋藤は、その後、同社製品を活用した開発案件に次々とアサインされることになります。
入社3年目になると、リゾート業界のお客様のシステム開発案件に参画。少人数のチームながら、リーダーを任され、1年間かけて無事に導入に漕ぎ着けます。
次いで入社4年目には、インフォマティカ製品への知見を買われ、他事業部のプロジェクトに合流。複数のクラウドサービスのデータ連携を目的としたインタフェースの開発に乗り出します。この時は、海外のオフショア先のメンバーも含め20数名からなるチームを率いるリーダーの立場。インフォマティカ製品としても過去にない開発案件を、9カ月という短期間で成功に導きます。
そして、入社4年目の終わりから、齋藤がもっとも「エキサイティング」だったと振り返る、金融業のお客様のプロジェクトに加わることになるのです。
画期的プロジェクトをリーダーとして牽引。お客様のDX推進をアシスト
プロジェクトの目的は、お客様が保有する膨大かつ多種多様なデータを活用したデータ分析基盤を構築すること。「データの民主化」を旗印に、金融商品の設計を行う上で必須となる統計処理やデータ分析といった高度な知識が求められる業務を、誰でも行えるようにすることを目指したシステム開発です。まさにお客様のDXに直結するプロジェクトだと言えます。
齋藤は、2017年末に同プロジェクトに参画。2019年からは、プロジェクト全体を見る立場を任されています。
齋藤が「エキサイティング」と語る理由は、プロジェクトの難度の高さにありました。第一に、導入したサービスがインフォマティカの新製品であり先行事例がほとんどなかったこと。第二に、お客様の環境が国内最大級とも称される規模であったこと。そした第三に、クラウドサービス(AWS)、ビッグデータ(Hadoop/Spark)、データ分析などの最先端の技術が採用され、齋藤にとって経験のない領域であったこと。
齋藤 「新製品ということもあり、海外の開発者を巻き込んでトラブル解消に当たることが何度もありました。また、アメリカ本国のプロダクト責任者とディスカッションを行い、バージョンアップのタイミングで新機能を追加いただくこともできました。
また、現在はAWS社とも機能をより良くするためのディスカッションをさせていただいています」
プロダクトの開発責任者と直接意見交換をする――。相応の知識があるからこそ成り立つコミュニケーションです。しかも、会話は英語。入社後もずっと研鑽を続けてきた語学力がここでも役に立ちました。
そして、システムは無事に稼動開始。お客様のDXへの確かな貢献は社内外で認められるところとなり、インフォマティカからも表彰を受けたといいます。
齋藤 「『日々、勉強』を心掛けています。
ITのスペシャリストとしてお客様の前に立つ以上は最先端の情報をしっかりとお伝えしたいですし、最先端といわれる領域で開発を進める上では、ベンダーとはパートナーとして“一緒に”課題を解決していくスタンスでないと難しくなっていると思うからです」
自らの知識を高める努力を続ける一方で、プロジェクトのメンバーに「学び」を促すことも意識して行っているという齋藤。チームにおいては、「進んで勉強したいと思える雰囲気作り」を念頭に、リーダーシップを発揮しています。
齋藤 「システム開発は、プロジェクトで取り組む仕事です。メンバー各人の知識や技術力が高まれば、それだけチームとしての推進力も大きくなります。
自発的な学びには動機付けが必要だと思うので、プロジェクトが始まるタイミングで『この技術を身につけることは、あなたにとってこんな意義がありますよ』という話をマンツーマンで伝えるようにしていますし、分からないことは一緒に勉強していこう、というスタンスで常にメンバーには接しています」
参画当初はAWS未経験だったメンバーの約半数が、今では認定資格を取得していることが、齋藤の密かな喜びです。
学び続けることでたどり着ける、さらなる高みを目指して
「技術者として経験を積んだ後は、コンサルティング領域へ」。入社当初に抱いていたビジョンは、今も変わらないといいます。
齋藤 「『プロとしてやるからには』という気持ちで日々勉強し、情報処理関連の資格取得も達成しました。この先は、技術とプロジェクトマネジメント、そしてビジネスに関する知見をバランスよく身に付けていきたいと考えています」
モットーは、常に学び続けること――。
齋藤の行動原理とも言うべき「学び」への強いコミットには、二つの側面があります。
ひとつは、「できなかったことができるようになるのは楽しい」という個人的な実感に根ざしたシンプルな想い。
齋藤 「ITの世界には様々な分野がありますし、奥が深くて難しい世界です。
入社当初は本当に苦労しました。
でも、一つひとつにしっかり向き合って勉強をすれば、『分かる』時が来る。一度分かってしまえば、確実に前よりも楽だし面白い。『分からない』がずっと続く方が苦痛だなと思います」
もうひとつは、メンバーに「一緒に働けるのが嬉しい」と思われるようなリーダーでありたいという、経験を積む中で深くなっていった想い。
齋藤 「私自身、『すごいな』と思える人と一緒に働くことに大きな喜びを感じますし、そんな方に評価されると張り合いも出る。
自分もメンバーにとってそんな存在でありたいと思うので、自分を高める努力は怠らずに続けたいと考えています」
明確な「ありたい姿」を思い描いてITの世界に飛び込んでからというもの、揺ぎ無い目的意識と不断の努力によって、若手ながらも大きなチャンスを次々と引き寄せてきた齋藤。
未知の物事に対する圧倒的な好奇心と、学ぶことへの尽きない情熱をエンジンに、進化を続けるITの世界の最先端を走り続けます。