一歩先を行き、未来の“便利”をつくる――ITの進化を支え続けた半世紀
NTTデータは、NTTグループのシステムインテグレーターとして、長年日本のITの進化に貢献してきました。
さかのぼることおよそ半世紀──。
1967年、巷で「フーテン族」という言葉が流行し、日本で初めて駅に自動改札機ができた頃に、日本電信電話公社の「データ通信部門」が誕生しました。これがNTTデータの前身です。そして電電公社が民営化されて「NTT」が生まれた後の1988年に、ひとつの企業として独立しました。
今や、自宅で簡単に金融取引や行政手続きができる時代。クレジットカードをはじめとしたキャッシュレスも、生活には欠かせません。でも、これらは少し前まで当たり前ではなかったのです。
1996年に入社し、2018年現在、ITサービス&ペイメント事業本部 サービスデザイン統括部長に就いている内山尚幸。彼が入社した頃、NTTデータはどんな存在だったのでしょうか?
内山 「『NTTデータ』という社名になったのは1998年で、当時はまだ『NTTデータ通信』でした。名前が長かったので、新人時代は電話を取るときにちょっと大変でしたね(笑)
今ほどIT業界の規模が大きくありませんでしたが、当時から全国の公共事業やインフラシステムを支えていたのがNTTデータでした。大学で情報処理を専攻していた私も、『スケールの大きい仕事をしたい』という想いから入社したんです。
当時は、それまであまりなかった英語の職種名ということもあってか、“SE”という仕事に対して花形のイメージを持たれていましたね。
私は、まだマイナーだったモバイル通信やクレジットカード決済に携わってきました。携帯電話はパカパカ開くものですらなく、分厚かった (笑)その後、自分が携わったシステムがどんどん普及していく様子を見るのは、嬉しかったですね」
ITの力によって未来の仕組みをつくるのが、私たちの仕事。
時代を先取りして描いてきた未来が、今の「当たり前」を支えています。
安心と信頼は当たり前──顧客の想像を超えていく、高く
これまでSIer(エスアイアー)として大規模なシステム開発を担い続け、「信頼できる」「安心できる」という評価をいただいてきたNTTデータ。しかし、求められる開発、いわば要望通りの業務をするだけの時代は終わりを迎えました。
内山 「私たちは『こういうものをつくってほしい』というお客様のご要望に対して、確実に応えることで成長してきました。
実績があり、優秀な人材が集まり、大規模なシステム開発に対応するインフラが整い、あらゆるパートナーとの信頼関係もある。磨いてきた“ものづくりの力”はピカイチだと自負しています。
でも、これからの世の中はそれだけでは通用しないんです。世の中の流れはとても早いですし、さまざまな選択肢があります。ITの力でできることが増えて要望も多様化しているなか、われわれも振る舞いを変えていかなければいけません。
クライアントやカスタマーのニーズに合わせてこちらから提案していかなくてはいけないのです。ものづくりのレベルが高いのは当たり前、これからはお客様のビジネス自体を変革させるお手伝いまですることが求められます」
「VUCAワールド」という言葉がよく聞かれるようになりました。どの業界も今後ますますITを活用していくことは間違いありません。しかし、Volatility(変動性)、Uncertainty(不確実性)、Complexity(複雑性)、Ambiguity(曖昧性)を持つ世の中で、戦略を立てることが難しくなっています。
内山 「お客様も『やりたいことはあるけれど、どうすればいいかわからない』と困っています。われわれが『これがベストでは』とご提案するところまで踏み込んでやっていかなければいけないんです」
私たちが目指すのは“Trusted Global Innovator”──
受けの姿勢でご要望を待つのではなく、お客様のパートナーとして寄り添い、ともに考え、ともに未来を描いていきます。
クライアントとともに、デジタル変革を生み出す挑戦
お客様とともに描いた未来を、形にして世に送り出す。2018年にスタートした世界初のスマートフォン向けクレジット決済ソリューション「.pay(ドットペイ)」もそのひとつです。
「.pay」は、スマートフォン1台で複数企業のクレジットカード決済を可能にし、店舗での支払い時にクレジットカードを出す手間を省いてスムーズな支払いを実現します。小規模な店舗でも低コストで導入でき、顧客情報に基づいて柔軟に特典を提供することもできる画期的なサービスで、東京急行電鉄株式会社様とともに日本全国に展開していきます。
住みよい街をつくりたい、生活をより便利にしていきたい。お客様の街づくりへの思いとそれを実現する力、NTTデータの持つ国内最大決済プラットフォーム「CAFIS」の強みを掛け合わせて「.pay」は誕生しました。
内山 「電車沿線には駅があり、商業施設があり、たくさんの人が利用しています。なかでも東急沿線は、東急グループ様が街づくりに力を入れていらっしゃるところです。ここにスマートフォンと決済サービスを組み合わせた新しいサービスが生まれることで、より便利な未来が実現できると考えたんです。
そこで、単純に決済のことだけではなく、そこに至るまでにどういう仕組みがあるとよりエンドユーザが便利な体験ができるか、お客様と一緒になって考え、創り上げてきました。
単に『自社のソリューションでこういうことができますよ』という提案ではなく、お客様と同じ方向を向き、お客様の事業をとことん深掘りしていくことが大切です。今後ももっとこうした仕事をしていければいいと思っています」
そして2018年4月。内山は、デジタル変革を実現する新たなサービスを創出するため発足した、ITサービス&ペイメント事業本部 サービスデザイン統括部の統括部長に就任。
NTTデータの「ユニークな人」が集められたというその部署では、メンバーがまさに今、さまざまなアイデアを出し合い、新しい未来の構想が練られているところです。
本質を捉える力と “ちょっとした気づき”が未来の生活を変える
NTTデータが変わっていくために、当然社員にも変化が求められています。
内山 「NTTデータは、みんなが同じ方向に向かって頑張れるという強みを持っています。社員もとても堅実で真面目な人が多かったですし、社外の方もそういう印象を持っていらっしゃるようです。私は、よく『NTTデータっぽくないね』と言われますが(笑)
もちろん、真面目だからこそここまでやってこられたという面もおおいにあります。でも、企画サイドは今後もっと遊び心のある多様な人材が集まり、自由にアイデアを出し合った方がいいと思うんです」
今後、企画に携わる人財は増えていきますが、内山は「やりたいならどんどんチャレンジして欲しい」と考えています。
内山 「長年企画に携わってきましたが、色んな人と『こういう未来になったらいいね』という夢を語ることができるのは、やっぱりとても楽しいです。NTTデータには高い技術力がありますから、企画側は安心して夢を語ることができます。
企画ならではの生みの苦しみはありますが、やりたい気持ちがあるならやってみればいいんです。結局、一歩踏み出してみないと、できるかできないかなんてわからないじゃないですか。
みんな『斬新で誰も思いつかないようなアイデアを考えなければ』と難しく考えがちですが、そんなことはないんです。どんどん社外に目を向けてさまざまな人と交流を持ち、日常のちょっとした気づきに目を向けられること。そして、お客様の事業の奥にある本質、目指している姿に目を向けることが大切です。そうすれば自ずと企画は生まれるでしょう。
たとえば、私が小学生の頃は駅の改札には駅員さんがいて、切符を切っていました。今その光景は見られなくなってきましたが、当時はそれが当たり前で、疑問にも思っていなかった。でも、誰かが『これって変』と感じたわけですよね。そうした日常のちょっとした気づきがヒントになるでしょう。
また、お客様の事業が飲食業だったとしても、目指しているのは『とことんおいしいものをつくる』ことではなく『幸せな空間を提供する』ことかもしれません。そうした本質を見極めて欲しいんです」
変革はまだまだ続いていく──
誰かが「こうなったらいいな」とふと描いた未来がイノベーションを起こし、数年後には当たり前になっているかもしれません。
私たちはこれからも着実に一歩一歩を踏み出し、一歩先の未来を創り続けます。