相手の声に耳を傾けたい。その想いこそ相手の心を開く鍵

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入社10年目を迎えた2022年4月、初めての部署異動が言い渡された。引継ぎ資料を整理する中で思い出されたのは、クライアントやチームメンバーと深く関わりながらつくり上げてきたいくつものプロジェクト。お互いの信頼関係があったからこそ成し遂げられたものばかりだった。

クライアントとの課題や要望、今後の計画などを聞けば聞くほど、深く、もっと知りたいと夢中になる。「うんうん」「なるほど」と、気づけばつい昔からの親友と話すような、相手に心を開いて向かい合う雲井の姿があった。

「よく言えば相手との距離を縮めるのがうまいのかもしれないです。でもときどきその距離感を見誤って……。ちょっと相手と近すぎるかなと思うこともあります。逆に固くなりすぎて、相手との距離を縮めるのに苦労することも。距離感って難しい」

堅苦しく構えたくない。友人の悩みごとや夢を聴くように、相手の心に寄り添って耳を傾けたい。その会話の中から出てくる本音こそ、解決したい課題だと思うから。そのスタイルが雲井の強みだと、同僚や上司も認めてくれた。

人を育てる。NTTデータ ウェーブという豊かな土壌

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入社後に初めて配属された先は電子データサービスチームだった。クライアントとなるメーカーと、その取引先との間に発生する受発注に関するデータ連携のための仕組みを電子データ交換(EDI)と呼ばれる技術を使い実現し、さらにそのシステム・サービスの運用や保守を担ってきた。

「たとえるのであれば郵便屋さん。たくさんの人が街中のポストに手紙を投函しますよね。集まった手紙を郵便局で種類や地域別などに振り分け、受け取る人に正確に届ける。

同じように、(クライアント)メーカーや取引先から当社が運用・保守に携わるシステムやサービスに向けて受発注データを送ってもらいます。それを正しく振り分けて、安心・安全かつ正確に相手にデータを届けています」 

穏やかな口調で説明する雲井の顔は優しい。本来ならば複雑なシステムの内容を、相手の理解度に合わせて伝えようとする姿から、目の前の相手に対する“寄り添う”気持ちがあふれてくる。

10年前、電子データサービスチームへの新入社員の配属は雲井ただ1人だった。周りはベテランばかりの職場に最初は萎縮していた。

「年齢が一番近い先輩で5つ上、他チームやクライアントを含めて関わる人はみんな大先輩であり、目上の方ばかりでした。正直、当時の私には彼らとどうやって接して良いのかわかりませんでした。

それでもこうしてやってこられたのは、周りが未熟な“雲井 遊星”という人間を楽しみながら見守り、ときに厳しく、ときに優しく育ててくれたから。いろいろなことを教わる中で、少しずつできることが増え、のびのびと働けるようになりました」 

クライアントや社内の要望に応えられる幅が広がったことで、会話も弾み、雲井本来の“自分らしさ”が開花していった。

本気だから伝わる想いがある。その想いに応えたい

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 「あまり凹まないタイプですが、正直戸惑いや焦りもありました。良い意味でも悪い意味でも10年という時間の中で、自分なりの仕事のやり方、私の型のようなものができていたのかもしれませんね」

2022年4月、iSS事業部ビジネスサポート部電子データサービスチームから部内異動となり、ビジネスサポート企画チームの一員となった。新たな業務は、これまでのものとは違った。自分なりの仕事のやり方が通用しないことに「なぜダメなんだ、どうすればいいんだ」とストレスを感じていた。悩んだ末、その想いを上司に伝えた。

「これまでのやり方でも決して通用しないわけじゃない。雲井が10年間積み上げてきたものは悪いものではないよ。でも今こうして教えていることがこれまでの経験と合わされば雲井はもっと良くなると思うから。頑張ってほしいんだ」

返ってきたその言葉にハッとさせられた。やり方を否定されているわけではなかった。すべては可能性を拡げてほしいとの願いからだった。たとえるならばバッティングフォームの改良。“もっと良くなってほしい”と思うからこそ言ってくれている。

もっとスムーズに、もっと力強く、もっとしなやかに、もっと、もっと……。

「その通りだなって思いましたね。入社間もない1年目の時も同じように、不安と戸惑いの中で社会人として歩み始めました。10年目にして少し立ち止まり、自分の現在位置を確認できたからこそ、新たな一歩を踏み出せた気がします。

きっとずっと同じ部署にいたら気づけなかったこともあったと思います。今後の私のキャリアを見据え、上司や先輩は今鍛えてくれている。そう考えるとこうして新しい部署に異動したことはプラスでしかないと思えます」

もっと君は良くなる──その言葉を胸にNTTデータ ウェーブとともに成長したい

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仕事のことだけを考えれば、できあがった資料に対して上司は「この程度できていればいいか」と流すことはいくらでもできたはずだが、決してそれをしなかった。そこには雲井をはじめ、社員たちの成長を願う想いが強く込められていると雲井は感じている。

「相手の成長を考え、その想いを伝えることは大きなエネルギーが必要なことだと思います。相手の受け止めかた次第では嫌われたりすることもあるかもしれません。でも本気で目の前の人の成長を思えば、伝えるべきことはやっぱり伝えないと意味をなさない。

『もっと君は良くなる』。言葉の背景にその想いを感じるからこそ、私はその言葉を受け止められる気がします」

まだまだたくさん迷惑をかけるかもしれない。そんな半人前の自分を認めて前に進んでいきたい。今はどんなことに対しても“伸びしろ”と受け取れる自分がいる。「仕事が好き?もしかしたらちょっと違うかもしれません。“NTTデータ ウェーブ”の人が好きなのかも」と晴れ晴れとした顔で雲井は笑った。