ビジョンがないまま未知の領域、IT業界のエンジニアへ飛び込んだ

NTTデータウェーブでインフラ運用チームのリーダーとして働く小西 亮平。入社以来、サーバインフラの設計~構築~運用業務を経験し、現在もこうした領域に強みを持つエンジニアとして働いています。昨今はクラウドのニーズが高まっていますが、幅広いインフラレイヤーにナレッジを持つことは、小西自身の強みでもあります。

IT業界、そしてエンジニア職。今でこそキャリアを重ねることとなった業界や役職ですが、入社当初の小西はそれほど強いこだわりがあったわけではありませんでした。

小西 「はっきり言って、当時はビジョンがなく……。働けるところで働ければいいと思っていた矢先に知人から聞いたNTTデータウェーブに入社を決めました。当時働いていた知人が、社内の雰囲気が良く、大手企業と取引があると教えてくれたんです。

大学でITを専攻していたわけでもないのに、根拠のない自信はありました。どうせ仕事をするなら、何をするにしても勉強が必要ですからね。でも振り返れば、甘かった」

入社後、想像をはるかに超える専門性に小西は戸惑います。IT系を志して勉強を重ねた同期たちの中で、自分の無力さを痛感する日々。劣等感に近しい感情を抱くこともしばしばありました。それでも、小西は経験から得られる学びを糧に、一歩ずつ前へ歩みます。

小西 「私は机上学習からのインプットではあまり知識が身に付かないため、積極的に担当システムや社内の検証サーバでの作業を行うことにより、経験という形で技術を磨いてきました。
エンジニア職にはこの学び方が適していたようで、キャリアにもつながっていきました」

そんな小西が大きく成長を実感したのは、その長いキャリアの中では比較的最近のこと。きっかけは、2016年に行われた大手企業の製造情報システム刷新プロジェクトです。大手企業の製品製造を一元管理するシステムの大規模リプレース案件に、小西は約2年間、取引先に常駐しながら向き合いました。

大型案件でリーダーを務めた経験が、お客様の視点を学ぶきっかけに

小西 「今までで一番規模が大きく、精神的にもきつかった仕事です。一方で、経験値はたくさん得られました。特に自分にとって大きな変化の要因となったのは、外部企業のメンバーともやりとりする環境です。

インフラエンジニアはお客様との接点があまり多くなく、私自身コミュニケーションが苦手と感じていました。

この案件ではお客様はもちろん、NTTデータ(NTTデータウェーブの親会社)やそのグループ会社、コンサル会社など、様々なメンバと議論、調整を行うことがあり、初めは戸惑い上手く調整ができてなかったのですが、徐々に慣れていき上手く立ち回れるようになっていきました。

大きなプロジェクトの一端ではありますが、プロジェクト進行に必要な要素を学べたと感じています。」

小西が苦手意識を持っていたコミュニケーションスキルの克服は、意外な効果も生み出します。それは小西のマインドセットに影響を与えました。

小西 「対話する相手が、何を気にしていて、何に関心があるのか。相手の視点で、物事を見るようになりました。というのも、お客様との打ち合わせの中で、しっかりと準備をして説明したにも拘らず、お客様から意図しない質問や指摘を受け、
そもそもお客様が気にしていることが説明できていなかった、といったケースが多々あったからです。

その人の立場になって、欲しい情報は何なのか考え、自分の立場から何を伝えられるか考えるようになったんです。

ちなみに、こういう気付きの多くを与えてくれたのは、当時一緒に働いていたメンバーの一人です。コミュニケーションが得意な人の思考力やトークスキルを、見習いました」

こうして取引先やチーム内のメンバーから新しい発見をもらいながら、地道にこつこつと改善を繰り返し、成長を続けていったのです。この2016年の案件は、小西にとって刺激と学びに満ちた印象深いプロジェクトになりました。

お客様の視点に立つことで得られた喜びと、それを支える仲間たち

大規模プロジェクトでの経験を経て、最近ではお客様との調整も小西のモチベーションを維持する原動力となってきています。

小西 「お客様の立場に立ったうえで、自分たちが進めたい方向にお客様を導くことに今はやりがいを感じます。

この過程では、もちろん交渉力やコミュニケーション力が必要になりますし、苦手だった調整ごとにも向き合わなければなりません。そういったはじめは好きじゃなかったことのすべてが、仕事を通じてやりがいを感じることに変わりました」

喜びをくれたコミュニケーションの学びは、これからの課題にもつながるキーワードでもあります。小西が悩んでいるのは、チーム内の後輩とのコミュニケーションです。

小西 「後輩に仕事を託すのが苦手なのが、今の課題です。関係性が悪いわけではなく、あまり強く言えない性格をしているのと、指導に充てる時間がなかなか取れないことが原因でして……。

また、現在はコロナ禍で在宅勤務が多くなっています。組織の連携が取りづらく、どのように後輩を信じて任せるべきか、バランスが悩ましいところです」

チームの中でリーダーとしての役割も増えつつある小西。つい自分で仕事を引き受けてしまいがちだと振り返りつつも、その根本にある優しさは、チームで育ててきた文化でもあると考えています。

小西 「以前、社長との対話会のために『自分の組織の印象を挙げよう』というテーマがありました。これに対するうちのチームの回答が、ほとんど『穏やかなひとが多い』、『おとなしい』といった内容だったそうです。

これは、私に限ったことではなく、インフラ・エンジニアの特徴なのかもしれません。総じて同じような優しさを持っているからこそ、年齢を問わずお互いを尊重し合ってコミュニケーションを取れます」

目標はあえて設定せず、日々の業務に向かう視座を維持する

決まった仕事を淡々とやる印象の強いインフラ運用チームですが、小西は視座を維持してその業務に挑む姿勢を大切にしています。

小西 「なんでこういうことをやっているのか、どうしてこういう設計にしたのか。こうした問いを常に立てて、自分の仕事の根拠をしっかり把握していくことをチーム全体で重要視しています。

極端なことを言うと、運用業務の中には手順通りにやればある程度誰でもできる仕事もあるが、そういった業務の中にも意味や背景を意識する、個人の視座が大切なんです。」

今ある仕事に対してひたすら真摯に向き合い、積み重ねていく小西のスタイル。それは、素直な将来への展望にも結び付いているものでした。

小西 「正直、昇進して偉くなることは目標にしていません。目の前の仕事で精一杯なので、何か新しいことに挑戦しようという気持ちも、今のところはなくて……。

逃げても何も解決しないし、やり切った時の解放感は多少なりとも良いものだと感じているので。」

その芯にある強さこそが、10年を超えるキャリアを支えてきたのでしょう。そして、これから共に働く未来の仲間へ、小西はある期待を寄せていました。

小西 「私たちのチームはトゲトゲした人がいない、おだやかな組織です。一方で、周囲の人を巻き込んでガシガシと進めていくようなタイプの人材は現在ほとんどいません。組織としてそういう人に来てほしい願いはあります。

新しい価値観を持つ精力的な仲間が増えることで、より幅の広いサービスが提供できるようになると思いますし、お客様にとっても価値があるはずです」

自分らしいモチベーションや仕事との向き合い方を確立することで、長くひとつの業務に携わり続けてきた小西のキャリアは、新たな仲間の存在によってまた少しずつ色を変えていくのでしょう。