タフさを武器に乗り越えながら経験した「異質な」キャリア

上江は2021年現在、ISS事業部の事業戦略部に所属。カスタマーパートナーチームの管理職に就いています。チーム内の各プロジェクトの管理をしながら、自身も担当を持ち日々CR(Customer Relationship)活動に勤しんでいます。

上江 「当社のCR活動は、いわゆる営業的な売上、契約管理を中心としたセールス活動だけでなく、顧客が抱えているまたは今後抱えるだろう課題を勘案し、その課題解決に向けたアクションをけん引する役目を担っています。また、立ち上がったプロジェクトに対するリスクを拾い・指摘をし、あるべき方向を見失わないように支援する仕事をしています」

上江がこの業界で働き始めたのはインターネット普及初期の2000年ごろ。当時はパソコンからサーバを参照しに行くクライアントサーバシステム、いわゆる「クラサバ」が主流でした。

そんな時代背景のもと、データをサーバと同期するためのソフトウェアの開発およびその販売や導入後の運用のサポートをする企業に、上江は新卒で入社しました。

プロダクトセールスを担当した上江は、配属先が抱えていたプロジェクトに参画し、新人でありながらしくみをつくるような案件も任されました。そしてその経験があるから「それを生かして」と、短期間で複数の部署への異動を経験しました。

その結果、上江は退職するまでの約4年間で4~5本のプロジェクトを立ち上げ、当時の所属会社の中でも異質なキャリアを持つことになります。次に転職したのは通信キャリアの企業でした。

上江 「ここでの仕事は約2年間で、営業6割、サービス企画1割、海外向けの発注業務3割でした。多くの通信サービスを販売した経験から製品知識が深かったので、新規サービスの企画も手がけました。ここでも相当働きましたね」

時代とはいえ「徹夜も当たり前」という状況に耐えられたのは、精神的にも体力的にももともとタフだったからと語る上江。しかし後に、転職を考えます。

もちろんそれは「しんどさ」ではない、別の理由からでした。

どんなに凸凹な課題でも平らにならす、繊細なブルドーザー

上江が転職を考え始めたのは、自分の中に存在する、ある想いに気がついたからでした。

上江 「BtoCに近い営業部門への異動がきっかけで転職を考え始めました。あらためて“BtoBのビジネスに携わって行きたい”、“IT営業にじっくり取り組みたい”という想いが強くなったのです」

そのとき縁があったのがNTTデータウェーブです。2007年9月に入社後、配属されたのはもちろん当時の営業部でした。

当時の上江は、一般企業への新規顧客開拓やNTTデータグループ内での新規案件の獲得を担当し、主としてERPを含むプロダクトセールスに従事していました。そこで5年間従事した後、現在の部署に異動になります。前職での豊富なキャリアもあって、現在は部署外からの相談を受けることが多いと言います。

上江 「どうすすめたら良いか。法的な問題はないか。過去に対応した事例などはないか。などなど相談内容はさまざまです。役割としてはいわゆる“なんでも屋”ですね(笑)」

学生時代にラグビーをやっていたというその持ち前のタフさも輪をかけたのか、上江を「ブルドーザー」と呼ぶメンバーもいます。

周囲の意見を総合すると、「いろんな課題の凸凹を、なんでも平らにしてしまうからブルドーザー。ただし、なんのためか、本当に必要か、課題の根本に向き合い、本来誰がやるべきかを考え周囲にも配慮する独自の手法は、とても繊細。いうならば繊細なブルドーザー」という評価です。

上江 「結果的に“そこまで考えなくてもよかったな”という結果になることもときにはありますが、ここまで考えれば終わりだと思うところより、もう一歩踏み込んで考えて、さらに整理する事を心がけています。それにしても、今42歳ですが、これまでブルドーザーなんて呼ばれたことはなかったけれど(笑)」

自身の体験から導き出された、NTTデータウェーブが抱える課題

実は、転職直後の上江にとって、NTTデータウェーブの印象は「ストイックさに欠ける企業」だったと言います。

上江 「前職ではひとりで80近くのクライアントをもっていました。その業務量から考えるとNTTデータウェーブでは、拘束される時間は圧倒的に短くなりました。また、開発現場を見ていて言葉は悪いけれど“ゆるい”とさえ感じました。でもその後、それはまったく違うことに気づいたんです」

転職当初は、表面的なところしか見えていなかった。開発現場に携わってみると、普通の会社なら実施しないシステム周辺に配慮した対応を視野に入れて常日頃から検討し実施している。そんなことに上江は気が付きました。

そして、それだけ時間をかけてつくられているのは、顧客業務を理解した網羅性の高い提案および業務システムの構築を目指した対応だからなのだと、思い至るようになったのです。

上江 「当時の当社は、もともとの親会社である日本たばこ産業株式会社(以下、JT)の情報システム会社の余韻が多分にあり、とことんJTの案件にのめり込んでいる状態でした。昔、新規顧客を訪問する際に同行するメンバーに、『名刺交換久しぶりなんだけど、どうやるんだ?』と質問されて、苦笑いした思い出があります。(今は違いますが。)

私自身、仕事は“とことんやる”タイプ。でも管理職になった今、それではいけないと考えるようになりました。“やりすぎ”になっていると感じるケースもあります」

そのような考えもあって、上江は最近チーム内で「スキルの幅を広げよう、いろんな人と会話しよう」と伝えるようにしています。

社内外のいろんな方々とコミュニケーションをすることで、関係を築きながら、いろんな知識・知見を収集していこうという意図です。「もっと外へ開かれていく。そんな活動をおのおの自らが取り組んでいく必要がある」と考えているのです。

実際、上江自身、積極的に外に出ていった時期がありました。とことが、あるとき外との関わりを意図的に絶ってしまいました。

上江 「関係性を維持していくことが億劫になってしまったんです。その活動に使える時間も余裕もなくなってしまったから。しばらくすると、過去自分で開拓をしていた外部の方との接点が減っていき、今に至ります。結果的に今思うと、そこから自分が伸びなくなったという実感があるんです。

たとえば同業の友人とコミュニティをつくるでもなんでもいい。外からの刺激を受けることは非常に大事です」

世の中を知ることで成長を止めるな!自ら考え、自ら動くということ

他社を知り、世の中を知る。それは、あらためて会社を知ることにつながる──。

上江はそんなふうにも考えています「違いを知った上で、この会社で働きたいと自ら選択する人材こそが伸びると思う」とも言います。

上江 「いろんな人間との交流があっていい。辞める人も入ってくる人も。社内の異動を含め人材が循環することは、非常に大切なことであると思います。個人的な交流から会社の認知度が上がる面もあります。

また、何回かの転職経験から言えますが、会社は勤務条件だけで選ぶのではなく、やはり相性が大事です。そしてその相性という点では、会社のミッションだけではなく、一緒に働くメンバーがとても重要です。その環境下で、“自分に合ってる”と思える人が活躍できると思うんです」

上江はこれまである意味“プレーヤー”として働き続けてきて、現在の職務に就いてはじめてマネジメントに携わることになりました。

上江 「メンバーに対して伝えているのは、一般的ですが、自ら考え、情報収集し、自発的に動ける人材へと成長していくこと。もちろん相談を受けなくてはならない事項があることも承知をしています。

でも、自らが率先して動いてくれるメンバーには、最低限のリスクの相互認識を行うことかつ期限設定を守ってくれれば、自由に進めてくれていいと話をするようにしています。自発的に行動する経験を積む中で、この案件はやばいぞとか、目に見えない重要なポイントに気づくことのできる嗅覚を身につけてほしいと思っています」

さらに「自分のコミュニティをつくること」を、ビジネスを創出する活動のひとつとして重きをおいています。

上江 「今は既存クライアントの現業で日々の仕事で8~9割の時間を使ってしまっている。1~2年をかけてこれを品質・スピード感を変えず5割程度に削減し、残りの時間を、新しいビジネスの創出のための時間に費せればなと思います。具体的には、新たなコミュニティをつくり、新しい技術やトレンド・おもしろい何かを探しに行く時間に当てていきたいです。

対外的な活動を促進し活用しえる “何か”を発見できれば、それは必ず会社のビジネスに貢献するだろうし、お客様にも展開できる場合がある。そういう活動を5割にしていきたいと考えています。外を知り、肌に触れて、刺激を感じる。刺激は重要なビジネス創出の要素のひとつと認識していますので」

上江がこう考えるのは、NTTデータウェーブの将来を見据えたとき、自発的に対外的な情報を得に行く行動が、おのおのの大きな成長に必ずつながると確信しているからです。上江のこうした行動が自らの未来を、そしてNTTデータウェーブをさらなる舞台へと導いてくれるでしょう。