プロダクト主導の成長戦略のもと、国内の既存顧客との関係性を築く
APAC全域をカバーするセールスチーム。そこで千條はアカウントマネージャーとして、国内の既存顧客との関係維持・推進に携わっています。
千條 「当社のセールスチームは、新規のお客様を獲得するアカウントエグゼクティブ(以下、AE)と、既存のお客様の契約更新や利用拡大を促進するアカウントマネージャー(以下、AM)の2つの組織に大きく分けられます。
そのうち、私が所属するのは後者。カスタマーサクセス(以下、CS)チームと連携しながら、当社のプロダクトであるNotionの利用定着化と拡大をめざした推進活動を行っています。
とはいえ、Notion Labs Inc.(以下、Notion)が日本法人を立ち上げたのは2022年のこと。会社もAMも歴史が浅いため、グローバルと共にトライアンドエラーを繰り返しながら、セールスにおけるベストプラクティスを模索している段階です」
Notionはプロダクト主導で設計されたソフトウェア企業。セールスチームが担う業務は、いわゆるセールス主導型の企業とは異なると千條は言います。
千條 「NotionはPLG(プロダクト・レッド・グロース)、つまりフリーミアムによってお客様を獲得し、バイラル効果によって顧客基盤を拡大していく、プロダクト主導の成長戦略をとっています。そのため、社内のすべての部門がプロダクトを軸にした組織となっているのが特徴です。
われわれセールスチームも、たとえば『こういうお客様のこういうニーズがあるので、こういうプロダクトをつくってほしい』という具合に、お客様から拾い上げた声をもとにプロダクトチームにフィードバックすることが少なくありません。
さらに、NotionのAMは、セールスとして会社の成長を促すには何をすべきかという視点も大切です。プロダクトだけに頼るのではなく、エンタープライズ企業での全社展開に向けた提案など、セールスだからこそできるやりがいもあります」
日本法人が設立されてまだ1年弱。成長期にある企業の社員にはミッションドリブンな行動が求められますが、Notionには社員それぞれが組織の価値観を共有し、目標に沿った行動を取ろうとする雰囲気が醸成されていると言います。
千條 「Notionでは、“私たちはミッションのオーナーである”、“私たちはペースセッターである”といったバリューを掲げていますが、社員それぞれが組織のミッションを自分ごととして捉え、アイデアを迅速に具現化していこうとするなど、良いカルチャーが浸透していると感じます。グローバル、国内ともに、上意下達ではなく、フラットな雰囲気があるのもNotionの特徴ですね」
そんな企業風土の中、AMとして顧客のエンゲージメント向上に努めてきた千條。プロダクトをますます顧客から愛されるツールとしていくために、心がけていることがあります。
千條 「“誰もが思い描いたソフトウェアを自由自在に組み立てることができれば、世界はより多くを実現できる”。私たちのミッションは、そんな世界をユビキタスな現実にすることです(Making software toolmaking ubiquitous)。
お客様自身がソフトウェアを自分たちのニーズに合わせてカスタマイズするなど、Notionというツールを使って目標を達成するためのサポートをすることこそが、私たちが果たすべき役割。セールス担当として売上だけを追求すべきとの考え方を超えて、お客様によりいっそうプロダクトのファンになっていただくことも大切だと考えています。
そのためには、セールス担当である自分がプロダクトを誰よりもよく理解しているべきですし、モデルケースを通して、プロダクトを導入する意義やメリットをお客様に適切にお伝えできなくてはなりません。また、セールス活動だけでなく、アンバサダーの方々と連携したり、コミュニティを活性化・推進したりしながら、熱心なユーザーを増やしていけるよう取り組んでいます」
大手ベンダー、スタートアップを経てNotionへ。ミッションとの共鳴が決め手に
ビジネスの基礎を身につけたいと考え、千條がファーストキャリアに選んだのは大手外資系通信ベンダー。約8年間、ビジネスパーソンとして、セールスとしての基礎を学びました。
千條 「私が所属していたのは、ハードウェアの製品と合わせて購入してもらうサービスを販売する営業チーム。その中で、新しいチームの立ち上げにも携わり、しくみを構築するような仕事も担当していました。
後半期には、エンタープライズ向けAMとして、大手製造業のお客様を担当。グローバルチームと連携するなど、刺激的な経験を積むことができました。1社目での一連の業務は、ビジネスの視野を広げるだけでなく、国際的な市場での競争力を高めるための重要なスキルを身につける絶好の機会になったと思います」
その後、千條は学生時代からの念願だったスタートアップに転職。ソフトウェアのセールスを担当しました。
千條 「学生時代にスタートアップの起業家やベンチャーキャピタルの方々とお会いする機会があり、小さな組織で新しい価値を提供することに関わってみたいと考えていたんです。短期間でしたが、2社目ではSaaSのセールスを経験することができました。それまでプライベートで使っていたNotionを業務で使い、組織内での運用方法を知ることができた点でも貴重な機会だったと思います」
ビジネス特化型SNSでのスカウトをきっかけに、千條がNotionに転職したのは2022年のこと。企業が抱える課題意識と共鳴したことが入社の決め手になりました。
千條 「大学院で経済学を専攻する中で、国内の労働環境や働き方について課題を感じ、生産性向上に貢献して、誰もが働きやすい社会を実現したいと考えていました。Notionから声がかかったのを機に、創業者がまとめた『ツールと仕事の未来についての物語』を読んだところ、そこで語られる課題意識に強く共感したんです。
われわれの働き方は、使用するツールによって規定されるところがありますが、それまで実際にNotionを使ってみて、いいかたちでコワーキングしたりコラボレーションしたりできるツールだと感じていました。このプロダクトによって働き方を解放し、生産性を上げることができれば、誰もがもっとイキイキと働くことができると感じ、入社を決めました。
選考の過程で何人かのメンバーと面談しましたが、それぞれがミッションやバリューに対してたしかな自信や強い想いを持っているのを見て、自分もそんな働き方をしたいと思ったことも背中を押しました」
仕事に決まったプロセスがない。スタートアップだからこそ感じる仕事の醍醐味
入社以来、千條はAMとして顧客との関係構築、ニーズの理解に努めてきました。スタートアップゆえの仕事の幅広さを感じていると言います。
千條 「1社目の大手外資系通信ベンダーと比べると、仕事の定義がかなり広いと感じます。成長期にあるスタートアップですから、組織の成長やミッション実現、ゴール達成のためであれば、AMという立場を超えて、会社にとって何が大事かを自ら判断し主体的に行動しなくてはなりません。2022年のイベント実施時には、通訳のような仕事を担当したこともありました。
一方で、これまでの仕事の進め方、働き方などを含め、成功体験を捨てる必要もあると感じています。過去の経験や知識に頼るのではなく、あえて慣れないプロセスや思考法を意図的に試すようにしているんです」
入社後、そうしたアンラーンのプロセスに積極的に取り組んできた千條。自身の中での変化を感じる象徴的な出来事がありました。
千條 「入社して数カ月ほどは、多少意見や考えが違ったとしても、ミーティングの場では他のメンバーの意見を聞き流してしまっていました。強い異議を感じていなかったからですが、代表と面談した際に、『周囲に対して配慮しすぎなのではないか。自分の気持ちを大切にすべきでは?』と指摘されたことがあったんです。
Notionでは、バリューの1つに、“私たちは思いやりがあり率直である”を掲げていますが、自分の弱みをあらためて自覚するほどにその言葉が強く心に刺さりました。それ以来、スイッチを切り替え、周りに影響を与えながら、自分自身がNotionのカルチャーを体現する存在をめざすように。今は会社が成長し、一緒に働くメンバーがよりしあわせに働けるために何ができるかを自分なりに考えながら発言・行動するよう努めています」
NotionのAMの仕事には決まったプロセスがあるわけではありません。だからこそ感じるやりがいがあると千條は言います。
千條 「まずメンバーとしては、仕事のプロセスを自らつくれているところに魅力を感じています。自分でシナリオを組み立て、障害にチャレンジしクリアしていけるのが楽しいですね。セールス担当としては、Cレベルと呼ばれるエグゼクティブの方々、現場でNotionを推進してくださっている方々と議論し、業務の効率化やコミュニケーションなどをエンハンスしていくための施策や戦略を考え、提案できるところに醍醐味を感じます。
また、大手からスタートアップまで、あらゆるお客様を幅広く担当できているのも、成長期にあるスタートアップだからこそ。ツールのさまざまな使い方や考え方、働き方を学べるのはとてもエキサイティングです」
拡張フェーズの今だからこそおもしろい。組織の成長をけん引していける力に
2022年11月にChatGPTが公開され、これから働き方が大きく変化することが予想されます。2月にNotin AIをリリースしたばかりのNotionにとって、2023年がきわめて重要な年となることが見込まれる中、千條は将来をこう展望します。
千條 「のちのち振り返ったときに、組織にとって重要な成長ドライバーだったと思ってもらえるような活躍をしていきたいですね。これからも経験やスキルを増やしていけたらと思いますし、グローバルにも積極的に働きかけながら、リーダーシップを発揮できる経験を重ねていきたいと考えています。
また、小さな子どもがふたりいることもあり、次の世代に対して誇れるような仕事をしたいという気持ちもあって。『お父さんたちのおかげで、今の世の中があるんだね』と将来の子どもたちに認めてもらうためにも頑張りたいです」
前職を含め、10年近くにわたってセールスの第一線で活躍してきた千條。入社からこれまでを振り返り、NotionのAMには他社にはないおもしろさがあると言います。
千條 「NotionのAMは、サッカーにたとえるなら、ボランチのようなポジション。守備的な活動をしながらも、司令塔のような立ち位置で攻めの動きをすることが少なくありません。たとえば、ある大手のお客様に数千人単位でプロダクトを導入したときは、インサイドセールスやソリューションエンジニアらと連携しながら戦略を練って、新規で商談を獲得したこともありました。
運動量が多い分、たいへんな面はありますが、裏を返せば、それは自分が主体となって意思決定し行動できるということ。そこに他社にはないNotionならではのAMの魅力があると思っています」
ビジネスパーソンとして千條を支えてきたのは、日本人の働き方を解放し、生産性向上に貢献したいという想い。かつての自分に語りかけるように、未来の仲間となる人材に向けて次のようにエールを送ります。
千條 「成し遂げたいと考えていることが誰にでもきっとあるはずです。まずはそのご自身の強い想いをクリアにして、それをNotionで実現しようと思う方がこの会社にはフィットしていると思います。
Notionに集うのは、バリューやカルチャーに共感するメンバーたちです。個人的な想いを会社のミッションと共鳴させ、共に力を合わせてそれを実現できるような仲間となる方々と出会えることを楽しみにしています」