自分が訪問先企業の人だったら? 営業で学んだ職員目線からの転換

▲岡山支店時代、お世話になった先輩方と出張先で(右端)

大学時代、ゼミで日本の農業や輸出についてリサーチしたことをきっかけに、一次産業に関心を持った山口。「金融の円滑化を通じて、農林水産業や国民経済の発展に貢献する」という農林中央金庫の使命に共感し、2018年に入庫。岡山支店に配属となり、事務と融資業務を経験します。

山口 「新人として配属された岡山支店時代、1年目に基本的な窓口事務を学び、2年目から融資業務を担当していました。当時私が所属していた営業第四班は島根県と鳥取県を営業エリアとしており、一次産業に関係する企業が融資取引先の大半を占めていました。そのような中で、『まだ取引先の数として少ない一次産業以外の企業に対しても、農林中央金庫として役に立てることがあるはずだ』と考え、担当2県の企業をリストアップして、一軒一軒飛び込んでいきました」

「役に立ちたい」という一心で、自発的に企業に飛び込み営業を行った山口。訪問先の反応は、必ずしも好ましいものではなかったといいます。

山口 「アプローチを始めたころは、銀行員として企業の財務状況をしっかり見て訪問していたのですが、地元の金融機関のみとお取引されている企業が多く、実際の取引に繋がる話までさせてもらえることはありませんでした。
そんな折、上司や先輩から『どのような担当者なら信用できるか、自分に置き換えて考えてみると良い』と、アドバイスを受けたのです。そこで訪問先の立場になって考えてみたとき、財務面だけでなく、自社の事業や商品について興味を持ってくれている担当者なら信用できると思いました。
その後は、訪問先の財務面だけでなく、事業や商品について徹底的に調べてから訪問するようにしたのです。すると、ある企業の方から、『今まで多くの営業担当者が訪ねてきたけれど、ここまで当社のことを理解してきてくれた担当者はいなかった』と有難いお言葉をいただき、かつ新規取引につながっていきました」

上司や先輩のアドバイスをきっかけに、“相手の立場になって考える大切さ”を学んだ山口。仕事を通じて多くの企業のサポートをするなかで、特に印象に残っている経験があるといいます。

山口 「コロナ禍で売り上げが落ちていた企業に対して、海外販路開拓のサポートができたことが、とても印象に残っています。もともと取引をしていない企業とのお話ですが、何か役に立てるはずだと考え、農林中央金庫の北京事務所にその企業の商品を取り扱える売り場がないか問い合わせたのです。
すると、『岡山支店と、そのお客様も交えてミーティングを行い、販路開拓の道筋をつけよう』ということになって。当時3年目だった若手の提案に対しても、しっかりと受け止めていただき、また一緒になって企業のために役に立つという思いで仕事ができ、とても風通しの良い組織だなと思いました。
この件に関しては、上司はもちろん、直属ではない上司や先輩からもアドバイスを受けながらその実現に至ったもので、本当に良い環境で仕事をさせてもらっているなと感じました。実際にひらかれたミーティングでは、企業のニーズをうまく引き出すことができて、結果として希望通りの販路を開拓するお手伝いができました。その後、海外の売り場に商品が並べられている様子を写真で見たときには、大きな喜びと達成感を感じました」

新天地は本店のリテール部門。難しさの中にこそ感じるやりがい

2年間の融資担当としての経験を積み、JAバンクリテール実践部 ライフプランサポート企画ユニットに異動となった山口。2022年2月現在は、さまざまな金融商品を企画する班に所属をしています

山口 「JAバンクリテール実践部では、JAの組合員や利用者の金融ニーズに応えるため、JAで展開する施策の立案および実践のサポートをしています。そのなかでも、ライフプランサポート企画ユニットは、組合員・利用者のライフプランの実現に向け、貯金や年金、資産形成、資産運用など組合員や利用者の総合的な金融ニーズに応えるための商品やサービス、推進施策の企画を行う部署です」

JAバンクリテール実践部に2021年4月に異動し、計数・予算管理、他部署との連携など、部全体の総括業務を任された山口。その後同年7月からは、ライフプランサポート企画ユニットで、iDeCoに関する企画業務も担当しています。

山口 「私の所属するユニットでは、『お客様の人生をサポートできる金融機関になれるよう、JAバンクを支える』というミッションを掲げて日々業務に励んでいます。iDeCoに関する施策のサポートでは、JAバンクにおけるiDeCo受付事務の検討やJA職員向けの研修の企画、組合員・利用者に提案するための資材の作成等を行っています」

自分が組合員・利用者に商品を直接提案するのではなく、JAやJA信農連の職員の方々を通じて、その先にいるお客様に働きかけるという難しい業務。仕事をするにあたって、山口には気をつけていることがあるといいます。

山口 「岡山支店で融資担当をしていたときは、自分で考えて行動すればそれでよかったのですが、今の仕事は自分が動くだけでは結果につながりません。組合員・利用者との窓口になる、JAやJA信農連の方々に、私たちの企画の意図や思いを理解していただき、実際に動いていただく必要があります。そのため、組合員・利用者はもちろん、組合員・利用者と私たちの間にいるJAやJA信農連の職員の立場も理解しながら企画を立案するよう心がけています」 

関連企業・団体との折衝業務が視野を広めるきっかけに

▲JA現地研修のひとコマ

JAバンクリテール実践部に異動したばかりのころは、部内で交わされる用語の意味もわからず、上司や先輩に助けられたと話す山口。現在担当しているiDeCo業務でも、年金制度の仕組みや関連法について学びながら仕事と向き合う日々を送っています。

山口 「iDeCo業務は、運営管理機関や、国民年金基金連合会といった関連団体との折衝が必要です。入庫4年目で、そのような責任のある仕事を任せていただけることが、やりがいのひとつだと感じています。折衝では、JAバンクの要望を整理して運営管理機関等の関連企業 に伝えます。
たとえば、JA職員を対象にiDeCoにかかる研修をする場合、『講師の公式派遣は原則受講者が一定数以上の場合とする』というルールがありました。でも、JAの中には受講者を多く集めるのは難しい先もあって……JA側からは、『受講者は少ないけれど、iDeCo業務をしっかりやっていきたいのでどうにか研修してほしい』という声が挙がっていました。
私自身も岡山支店時代、右も左も分からない中で、上司や先輩から研修を受けたことで知識を深め、新規開拓に挑戦できました。だからこそ、新たにiDeCoを取り扱う職員にとって、研修はとても重要だと考えていました」

そこで山口は、全国のJAで一斉のWeb研修会を開催してもらえるよう運営管理機関に粘り強く交渉、その結果、全国のJA向けにWeb研修会を開催できることに。

山口 「以前よりも視野が広がりました。融資担当時代は、一担当者の視点からそれぞれのお客様を見ていましたが、農林中央金庫やJA信農連の先にいるJA、そしてその先のお客様まで見据えながら仕事をすることで、状況を多面的に捉え、長期的な視点を持って仕事に取り組めるようになったと感じています」

後押ししてくれる環境の中で、挑戦し続ける

事務、融資、そしてリテール企画の業務を経験し、確実にステップアップしている山口。今後のキャリアについて次のように話します。

山口 「今後将来的にどの部門を希望するかはまだ決めていません。正直なところ、リテール部門への異動が決まったときは、もう少し融資担当をしていたいと思ったんです。でも、企画業務で経験した、たくさんの人と協力して成果を挙げるという、農林中央金庫だからこそできる挑戦は大きな楽しみでもあり、同時に多くの学びを得ることができています。今後どの部門を経験するにしてもリテール部門の経験で得た広い視野を持ちながら仕事ができたら、今まで以上にJAやお客様の役に立てることがあるんじゃないかと考えています」

新しい挑戦や学びのそばには、いつも上司や先輩の後押しがありました。意欲があれば若手でもチャレンジさせてもらえる点が、農林中央金庫の魅力だと山口はいいます。

山口 「融資担当時代、海外販路開拓のサポートをしたときに、農林中央金庫は若手の意見も尊重し、親身にサポートしてくれる会社だと強く感じました。少人数だからこその風通しの良さがあるのかも知れません。努力すれば後押ししてもらえて、手を挙げれば若手でも裁量権のある仕事を任せてもらえます。若いうちから成長したい、チャレンジしたいと考える方に向いている会社ですね」

「一次産業に貢献したい」という志を持って、どんな分野の仕事を任せられても、挑戦する気持ちを保ち続けてきた山口。この姿勢は、ある思いから生まれているといいます。

山口 「入庫してからずっと、『私だからこそできることをやりたい』と思いながら仕事をしています。たとえば融資担当時代の新規開拓も自分から進んで取り組み始めたことでした。せっかく希望していた業務の担当を任せてもらえたのだから、私だからこそできることをやりたいと思ったんです。今もその気持ちに変わりはありません」

「自分だからこそできる仕事をしたい」、その思いがカタチになるとき、山口が目指す「一次産業の発展への貢献」も実現していくはずです。後押ししてくれる上司や先輩のサポートを追い風にしながら、山口の挑戦はこれからも続きます。