証券会社から農林中央金庫へ。入庫を決めた3つの理由
2021年11月現在、農林中央金庫の法人営業に従事し、ロンドン支店で働く岩井。前職は証券会社で、法人のお客様向けにM&Aや株式や社債などでの資金調達支援などを担当していました。
岩井 「もともと金融業界を志望していたこと、また、最近のワードだと『プロフェッショナルワーク』というのでしょうか、比較的ハードな環境に身をおいて仕事がしたいと思っていたことなどから、就職先に証券会社を選びました。
常に走り続けているような、まさに入社前に願っていたようなやりがいある環境で働けたのですが、反面、少々ハード過ぎる部分があったことも事実です。社会人になってすぐに結婚をしたこともあり、プライベートの時間の使い方なども見直した結果、転職を決めました」
そして、社会人4年目に、農林中央金庫への入庫を決意した岩井。その理由は、大きくわけて3つあります。
岩井 「就職活動時から幅広い業界の方と関われる金融業界を志望していたため、次も同じ業界へ……とは思っており、その中で、ご縁あって今の会社に出会いました。また、元来数字を使う仕事が好きだったこと、さらには、目的意識を持っている会社がいいなと思っていました。
農林中央金庫には、『農林水産業を支える』という大きな目的があります。なんのために自分たちは働くのか?が明確であることにも、大きな魅力を感じました。
これら自分の思い描いていた転職先の希望と農林中央金庫が合致し、入庫を決めた次第です。とはいえ、今振り返ってみると一番大きな理由は、会社の風土や文化が自分に合っていると感じたことかもしれません」
大阪・東京それぞれの地で、取り組む新たな挑戦
新たな決意を胸に、農林中央金庫でスタートを切ったのが2016年。大阪支店関西営業部に配属となり、法人営業に従事することになりました。
岩井 「前職と現職、同じ金融業界ではありますが、実際に業務が始まってみると、いろいろな点で違いがありました。東京から大阪に移り、土地勘がない中での生活がスタートしたことはもちろんですが、大きな差を感じたのは組織体制・文化です。
証券会社時代は、上司が1人ないしは2人でした。それが一気に増えたことに加え、社内の関係各部との調整が必要になりました。また、事務的なフローひとつとっても、証券会社以上に堅牢性が求められる。このあたりの体制・文化に慣れるまで、一年ほどかかりました」
そんな大阪時代で、とくに印象に残っているエピソードがあります。それは、農林中央金庫ならではといえるであろう、食農法人営業本部に関するものです。
岩井 「農林中央金庫の使命のひとつが『農林水産業を支える』こと。JAさんとの関わりも深いため、担当する企業様に対しては資金面のサポートだけでなく、事業面でのサポート、例えばJAさんとのつながりを作っていこうという取り組みを行っていました。
そんな中で、私がある鉄道会社様を担当していたときに気づいたのは、鉄道会社もJAも、その地域に密接に関わっている企業であり、地元の人たちにとって欠かせない存在であるということ。そこに親和性がある中で、両社をつないでなにができるかを考えながらいろいろな提案を進めていったことは、学ぶべき点が多々あり、非常に楽しかったです」
大阪での貴重な経験を糧に、次なる舞台を東京へと移します。2019年、営業第五部に異動となりました。
岩井 「法人営業部門内での異動であったため、仕事の大枠は変わりませんでしたが、担当するお客様が変わりました。いわゆる農林中央金庫をメインバンクとするお客様を相手にお話をさせていただくようになったことが、大きな変化ですね。これまで以上に大きな規模のご相談をいただくようになりました。
それからもうひとつ。新しいチャレンジとして、『クックパッドマート』という生鮮ECサイトの立ち上げにも携わりました。事業自体はレシピサイトのクックパッド様が立ち上げたものなのですが、出荷側のJAと連携し、生産者が地域の消費者に向けて食材を販売できる環境づくりなどを行いました。
また、JAさんのみならず、様々な企業様に話を持っていき、賛同してもらい、調整をして……かなり規模の大きな仕事だったため大変なことも多かったのですが、とても印象に残っています」
新しい場所や仕事で出会う、新たな自分
大阪、東京で数々の経験を積み、2021年、いよいよ舞台はロンドンへ。
岩井 「仕事においても、さらに人生においても、海外での生活を経験しておきたいと前々から思っていて。慣れない土地で働くには、数々のハードルや言葉の壁があるに違いないのですが、『快適な場所から抜け出して、自分を奮い立たせたい』という思いがありました。
社会人になって今年で9年目。『中堅』と呼ばれるような時期ですよね。このあたりでもう一度アクセルを踏み込んでがむしゃらに頑張りたい、人生のターニングポイントにしたい。そう考え、異国の地での勤務を希望しました」
こう語る岩井ですが、振り返れば、新卒で入社した証券会社の志望理由でも、自らを過酷な状況に追い込んで自分自身をストレッチさせたい、という思いを持っていました。
岩井 「このまま日本でさまざまな案件に取り組むという道もあったかとは思うのですが、どうしても慣れやそれに伴う緩みといったものが生じてくるのではという危機感がありました。私自身の性格的なものなのかもしれません。海外という未知なる場所に身を置くことで、より貴重な経験ができ、今後のキャリアにも活きてくる。そう信じています」
場所は違えど、これまで一貫して法人営業に携わってきた岩井が大切にしていること。それは、バランス感覚です。
岩井 「一言でいうと、『自分らしさ』とか『キャラクター』というものになるのだと思いますが……誰しも2つの面を持っているのだと思うんです。それは、仕事上の知識や数字の強さといった定量的な面と、人当たりの良さや話しやすさといった、数字でははかれないような定性的な面。
この2つのどちらか一方が強い人ももちろんいらっしゃいますし、それもすばらしい個性だと思うのですが、私自身は両方を同じくらい伸ばしていくことが合っているのではないかと思っています。私自身、前職では数字を扱ってきましたし、一見堅そうな人だと思われがちなのですが、目指すべき姿は、両面を併せ持ったバランス感覚のある人物なのです。
農林中央金庫に入庫してからは、後者の定性的な面が伸びてきたと感じています。たくさんのお客様を担当し、コミュニケーションをはかっていく中で、どんな風に接すれば相手に打ち解けてもらえるかが少しずつ掴めてきたといいますか……。上司と懇親会に一緒に参加したことも、徐々に自分らしさが表面に出てきた要因のひとつかもしれません。今の自分があるのは、この会社の風土と仕事内容のおかげです」
続く挑戦、そしてその先の未来で仲間と共に見たい景色
理想を持ちながらも、その理想自体を常に更新し続ける岩井。農林中央金庫で法人営業を行う上では、裁量権があること、そして風通しが良いことが魅力だと岩井は語ります。
岩井 「農林中央金庫という企業の特性だと思いますが、若いときから規模の大きな案件やお客様を担当させてもらえるというのは、非常に魅力的です。早い段階から大きなお客様を担当し、新たな取組みにチャレンジできる環境は、なかなかないのではと思います。
そしてもう1点は、担当者の声にきちんと耳を傾けてくれる風土です。『こんなことがやりたい』『こんな挑戦をしてみたい』という意見を伝えれば、比較的受け入れてもらえる。もしかすると、私が恵まれた環境にいたのかもしれませんが……いずれにしても、風通しの良い職場であることは間違いありません」
そんな風土の企業であるからこそ、今後求められるのは主体性がある人、自分の意見がどんどん出てくる人だと岩井は語ります。
岩井 「従来通りの銀行業だけをやっていても、世の中の変化に取り残されてしまうのかもしれません。現場にいて一番お客様のことがわかっている担当者発信で案件を進めていくことが、これからの時代、より求められるのではないでしょうか。そのような担当者の意見をサポートしてくれる人が農林中央金庫には多くいます。そして何より、そんな意識を持っている人と一緒だと、私自身も働いていて楽しいと思います」
「おそらく、今後も法人営業の畑を歩んでいくだろう」と岩井。お客様とWin-Winの関係を築くために、そして行く行くは管理職の立場になることも視野に入れて、会社内・お客様それぞれの人たちから相談を受けやすい──信頼してもらえる存在を目指し、人間力を磨いていきたいと語ります。
ロンドンでさらなる経験を積み、一回りも二回りも大きくなって日本に戻って来るだろう岩井。“今”に留まることをなく、フィールドを広げながら高みを目指す岩井の未来は、更なる広がりを見せていくことでしょう。