自分以外の誰かのために。「意味のある銀行」に入庫を決意

学生時代はボート部に所属。チームの勝利のため、結果を出すことにこだわっていた。

大学時代は経済学部で金融工学を学んでいた清水。体育会のボート部に在籍し大学生活の多くの時間をボートへ費やしたものの、数学や経済のおもしろさに気づき大学院まで進みました。

清水 「転機となったのは、大学3年生で入った金融工学の研究室。あらためて数学と経済の勉強をはじめ、高校までは漠然と勉強していた『数学』というものを、現実世界に応用することの楽しさを感じたのです。また、『金融』は多種多様な企業活動に関連する分野なので、世の中と密接に関われる点がおもしろく、興味を持ちました」

大学院では現実世界と数学を結びつけること、そしてマーケットのダイナミックさに数学を活かせることに魅力を感じた清水。就職活動は金融に携わるという軸で、マーケットの世界と金融システム開発会社の二択で考えていました。

清水 「ただ、有名な金融機関などさまざまな企業を受けていくうちに、将来像に迷いを感じるようになりました。最初は率直に、成果を出して稼ぎたいと思っていたんです。ボート部の大会でも、自分自身が結果を出すことをモチベーションにしてきたので、そういった風土が合うんじゃないかと。しかし、何十年先まで働くことを考えたときに、それだけでは続かないと感じたのです」

そんなときに出会ったのが、農林中央金庫でした。

当時の農林中央金庫のキャッチフレーズは『意味のある銀行』。自分以外の誰かのためにという想いを、農林中央金庫から感じたと清水は語ります。

清水 「個人の出世や収益重視ではなく、その先にある『何かのために仕事をしている』という目的・意義が、私自身の働くモチベーションにも繋がると感じました」

そして2018年に入庫。自分の性格を理解していた清水は、ゼネラリストを目指したいという想いを持っていました。

清水 「マーケット領域において全体を俯瞰できる人になりたいと思っていました。飽きっぽいという性格もあり、株、債券、為替などさまざまな商品に広く触れ、広い視点を持つことで、自分なりの個性的な視点を持てると考えていたのです」

朝8時から10時までが勝負。大切なのはスピードと正確性

入庫後、約4週間の集合研修を経てNZAMへと出向となった清水。その配属は、本人の希望と合致していました。

清水 「出向といっても、NZAMは農林中央金庫の中の部署の一部といった印象だったので、抵抗感はありませんでしたね。アセットマネジメントと会社名にも入っているので、マーケットの仕事を希望通り行えると期待が膨らみました」

1年目はアシスタントとしてサポート業務を徹底。当時を振り返り、さまざまな業務を同時並行で覚えていったと話します。

清水 「ファンドの基礎的な知識、株式の分析方法、基本的なエクセルの使い方など、1年目で徹底的に詰め込みました」

アシスタント業務は朝8時から10時までが勝負の時間。アシスタント時代に培ってきたことがファンドマネージャー・アナリストとなった今でも活きています。

清水 「朝出社したら、前日の株価などを反映した各ファンドの状況を一覧にしてアナリストに共有。そしてアナリストから購入する株の指示を受け、9時すぎまでにはトレーディング部を経由してマーケットに注文を出すオペレーション業務を行います。

このオペレーション業務は作業量や確認事項が多く、最初のころは先輩から指導を受けることも多かったです。『マーケットは生き物』といわれるように予期せぬ動きをするので、それに応じてどのように選択するべきかを自分なりに考え、アナリストと相談し業務にあたります。

たとえば、A社の株の終値が1万円だったとして、翌朝作業をする時はA社の株は1万円を前提として考えます。しかし、極端な例ですが実際に取引が開始されると急に1万2千円と株価が20%も上がることもあり、その株を購入するとキャッシュも+20%必要になるのです。そのように状況に応じて細々としたチェックを瞬発的に行う必要がありますね」

オペレーション業務をするにあたって、大切なことは「スピード」と「正確性」。正しい答えを早く正確に導くことは並大抵ではありません。

清水 「私のチームでは『どういった考えで、こういった行動をしたか』という理由を合理的に説明する能力が必要です。正解は一つではなく、選択肢も無限に近い。たとえば、AとBという選択肢があるときにAを選択した場合、選んだ理由を明確に答える必要があります。しかし考える前提に誤りがあったり、ある視点から考えればBが正解だったりと、反省することもあります」

2年目から裁量権を与えられ、判断ができるアナリストに成長

2年目からはファンドマネージャーとしてファンドを任され、その後アナリストを兼務。アナリスト業務では担当の業種と銘柄の範囲で売買を行える権限を付与されました。

清水 「ファンドマネージャーとアナリスト両方の兼務を2年目から担当するのは早い方かもしれません。挑戦するのが好きな性格なので、上司にどんなことでも『やってみたいです』という希望を伝えることは心がけていました」

ファンドマネージャーはファンド全体の管理を担っています。仕事の性質上、堅実な姿勢が求められます。

清水 「たとえば、お客様に分配金を支払うときの金額を計算したり、資金繰りが足りているかを判断したり。時には、外国の株式であれば為替も関わるので、米ドルをどれだけ調達する必要があるのかなども検討します。月に一度はディスクロージャー資料も作成しています。」

一方、動的な姿勢が求められるアナリスト業務では、自ら情報を取りにいき、判断することが必要です。一般論が通用しない株式市場の中で、清水は右も左もわからなかった状態だったと振り返ります。

清水 「着任直後は競合状況や、市場の成長率、その他基本的な株式指標を確認することをベースに投資の判断を行っていました。表面的なデータをなぞるだけの提案でチームメンバーから厳しい指摘を受けることもありました。

しかしそこから2年間仕事をしていく中で、ある企業に対しては別角度のアプローチで話を聞いてみたり、市場の注目点が明確な企業に対しては注力する話を限定し、その点を中心としたヒアリングをもとに投資判断を行ったりと、さまざまな企業と触れることで多くの視点を得ることができました。

成長企業も成熟企業も、株価は上がるタイミングもあれば、下がるタイミングもあります。そのタイミングによってチェックする点やヒアリングするポイントは異なり、適した視点で判断します。表面的なデータだけではなく、みんなが注目している点を当てていかないと、株式は分析できません。

みんなの注目を集める核を把握し、そして注目企業に向けて自分なりの光の当て方を考え、それが正しい判断なのか複数の資料を用いて判断する。それができるようになったので、アナリストとして自分が成長したと感じます」

大変より「楽しい」。金融のダイナミックさを感じながら成長

最善の選択を模索する毎日。そんな毎日に清水はやりがいを感じ、「楽しい」と断言します。

清水 「大変なことも多いですが、やっぱり仕事が楽しいです。株式市場やニュースを見て株価の動きの判断をすること。企業の経営者と面談をしてビジョンを知り、株価に反映されていないポイントを見つけ投資をすること。発見が多く、根底としてすべてが楽しいのです」

裁量権の大きい仕事を任されていることも清水にとってのやりがいです。

清水 「マーケットに対して自分の判断で投資をすることができるのは、私が所属する株式アクティブグループの特徴なのかもしれません。挑戦できるこの環境は、自分に合った配属だと心から思っています」

仕事をする上で最も大切にしているのは「本気」。手を抜かずに学び続けることを忘れず、2020年の冬には証券アナリストの資格も取得しています。

清水 「顧客からの預かり資産を扱っているので、本気で自分で判断して業務を行うことが最も大事だと思っています。しっかりとした自分の判断をもって仕事をする。それを達成するために、学び続けなければいけない仕事だと思っています」

金融のダイナミックさを感じながら自分で判断し、歩みたいキャリアを進めている清水。今後は「企業を分析できる人材」を目指したいと語ります。

清水 「現在の仕事は一社ずつ分析し投資するか否かを判断する仕事です。専門的な分析能力を身につけて、会社の中でも頼られるような存在になりたいです。入庫当初はゼネラリストを目指していましたが、さまざまな企業に接しているうちに企業を分析することが楽しくなってしまったので、今はこの能力を極めたいと考えています」

正解はない、けれど自分の視点で「最善」を選択することに、意義を感じる清水。企業分析のプロフェッショナルを目指して、今後も成長を続けていくでしょう。