「誰かのために役立つことがしたい」──強い想いが導いた出会い

▲大学ではアカペラサークルに所属。ライブの広報担当などの経験を通じて「人の役に立つ喜び」を感じた

経済学部や経営学部、商学部といった出身者が活躍しているイメージが強い金融業界ですが、農林中央金庫では、学部を問わず幅広い人材が活躍しています。

社会学部で心理学を専攻していた木川も、その一人です。

木川 「就職活動をする中で重視していたのは、『人の役に立つことがしたい』という点でした。もちろん、どんな職業でも、巡り巡って誰かのためになっていることには違いないのですが、農林中央金庫が掲げている『農林水産業を支え、ひいては農林水産業に従事されている方々の役に立つため』というスローガンにとても惹かれました。他社とは違うなと魅力に感じたんです。

そう思うようになったのは、中高時代に参加していたコーラス部、そして大学でのアカペラサークルでの経験が大きいと思います。自分が舞台に立ってプレイヤーとして活躍するだけでなく、どうしたら舞台全体がより良くなるか、参加する誰もが積極的に取り組めるか、全員が楽しめるかといったことを考えて実行するのが好きでした。表舞台に立つ喜びも、裏方として支える喜びも、両方が楽しかったんです」

周囲のために動く喜びを感じていた木川が農林中央金庫の社風やモットーに魅力を感じたのは、自然な流れだったのかもしれません。

木川 「企業としての利益追求はもちろんですが、同時に農林水産業を営んでいる方々や農林水産業自体を支えていく、というコーポレートメッセージに強く共感しましたね。自分が共感できる目的意識を持った会社だということが、これから働いていく中で辛いことがあったときでも、前向きに取り組むための核になる部分というか……支えになるのでは、と就職活動当時から感じていたのです」

そうした想いの中で、営業職を選んだのも「誰かの力になりたい」という考えからでした。

木川 「当社の営業職は、金融商品を売ってお金を貸し出すという点以外にも、農林水産業に密接し、系統グループを持っている強みを活かしてビジネスマッチングを提案したり、自社商品の枠を超えて、お客様の困りごとを解決できるような選択肢を提示したりする業務があります。お客様のサポートという意味で、これらの業務はまさに私が大切にしたいことであり、目指している姿。お客様を第一に、お客様を支える仕事をしていきたいと強く感じました」

農業現場での経験が働く原動力であり心の支えに

▲農業法人研修では炎天下の下、農家の方々や同期と一緒に汗を流した。今でも印象に残る大切な経験だ

農林中央金庫への入庫後にまず木川を待っていたのは、全国120名ほどの同期と共に行った集合研修でした。約3週間、泊まりがけで英語や金融知識などを学び、短期間ながら充実した日々が送れたと振り返ります。

木川 「研修後、希望していた営業第二部に配属になりました。最初の半年は、総合事務班で基礎となる貸出事務を担当したのですが、それと同時に、さまざまな研修も受けさせていただきました。とくに印象に残っているのが農業法人研修です。新入職員が一年目の7~9月の間の2週間、現地で農業について学ぶという、農林中央金庫ならではの研修ですね」

木川は熊本の乾燥野菜を作っている農業法人へ。現地の方々皆と一緒にゴボウを抜いたり、トラクターに乗って野菜を収穫したり……生まれも育ちも東京の木川にとっては、初めての経験ばかりでした。

木川 「社長さんから、余剰となってしまった野菜を地域から集めるなど、環境に配慮しているお話や、日本の農業を元気にしたいという熱い想いを直接聞けたことは、今でも強く胸に刻まれています。この研修があったからこそ、現在本店で仕事をしていても、『全国の農林水産業に従事している方々のお役に立てているかもしれない』と意識できているのだと思います。まさに、働く原動力になっていますね」

研修を終えた木川は、先輩の営業や外出に同行し、実際にお客様と接しながら業務を学んでいきました。

木川 「お客様との会話のなかで資金ニーズなどをお伺いしながら、事業の拡大や新たな挑戦により運転資金が必要となった際、あるいはM&A(企業の合併や買収)などに取り組む際、必要なときに一番良い形で融資提案ができるように、普段からコミュニケーションをはかる、ということが、基本的な銀行の営業のお仕事です。

ただ、それ以外にも、もっと多岐にわたるお客様の困りごとを解決できるようなアプローチがあるんですよね。これは、先輩と一緒にお客様と接して初めて実感したことでした。たとえば、総合商社さんから『この地域の、こんな食材を探している』という話が雑談レベルからでも出てきた場合、どこの農業法人や農家さん、食農関連の企業とマッチングできるかを考えてご提案することもできます。

お相手は社長さんをはじめ、部門の責任者の方など、私よりもはるかに社会人経験がある方ばかり。そういった方々は世の中に対してさまざまなご意見をお持ちですから、積極的にお話を聞くようにしていました」

お客様と向き合う日々。気軽に相談してもらえる関係性を築くための心掛け

たくさんの貴重な研修と経験を経て、いよいよ2年目からは木川自身がお客様を持つように。とはいえ、これまで見てきた先輩のように……とはいきませんでした。

木川 「失敗談や反省点はたくさんあるのですが、やはり自分の知識量がお客様の知識量と経験に到底追いつかず、お話をしていても、しっかり受け止めきてれていないというか。思うような反応を返すことができないもどかしさを感じていました。

そのため、疑問点を持ち帰って調べたり、先輩方に質問したりして、地道ですが一つひとつ解決していくことで、次お会いするときにはもっと深い話ができるように、と勉強していきました」

お客様と接するたびに経験不足を痛感しながらも、粘り強く、そして足繁く通い詰めた木川。すると、次第にお客様との会話に変化が生じるようになりました。

木川 「最初のころは、当たり障りのない世間話がほとんどだったのですが、だんだんと金融業に関することや農林水産業に関わるお困りごとが会話の中に出てくるようになったんです。

やはり、相談していただくことが、頼られていることの証明だと思いますので、そうした関係性にかわっていくことにやりがいを感じました」

試行錯誤をする中、木川が心がけているのは、まずはお客様の会社がやっていることに興味を持つこと。常に最新の情報を得ること。そして、こまめなコミュニケーション。こうしたことに気をつけながら、日々お客様と向き合っています。

木川 「現在はコロナの関係で対面でお話できる機会が減っていますが、その分お電話などで頻繁に連絡しています。毎回堅苦しい提案ばかりではなく、雑談レベルのお話も交えつつ、いざとなったらすぐに相談しやすいような関係性を築けるよう、意識しています。

たとえば、とくに業務に関する案件がなくても、新聞やプレスリリースなどをチェックし、お客様の会社に関係があるトピックがあった場合はそのお話をする、といったことです。小さなことかもしれませんが、積み重ねていくことで、お客様との関係がぐっと近くなることを実感しています」

先輩たちの背中を追いかけて。今までもこれからも、成長し続けるために

入庫時に抱いていた未来予想図に、着実に近づいているように見える木川ですが、実際に働いてみて変化した部分も多々あります。そのひとつは、お客様との会話のカギになる、世の中の情報やニュースについてです。

木川 「学生時代は、世の中の動きに対してそこまで好奇心が強い方ではなかったのですが、いろいろな職種のお客様と接している中で、より良い関係性を構築するには、対話が大事であること、そして相手を知るためには、世の中の流れに常に敏感であることが必要だと感じるようになりました。それからは、より多くのことを学びたいという欲求も出てきましたね。

これまでのコミュニケーションで得たものだけでなく、自分で学んだことも活かし、できるだけお客様が潜在的に抱えている困りごとを、私の方から引き出せる、そんな心理的に近い関係が作れたらと思っています」

たゆまぬ努力を重ね、今に至る木川。今後、農林中央金庫の中でどんな存在になっていきたいか──そう未来を見据えたとき、脳裏に浮かぶのは、たくさんの人に支えられてきた日々です。

木川 「1年目、2年目の頃は、とにかく自分のことで精一杯で。あらためて思い返してみると、本当に先輩方やお客様に支えられ、育ててもらったことを実感します。ですから、これまで受けた温かい指導を、今度は私が後輩たちに伝えていく番なんです。

また、お世話になった先輩方は、ずっと成長し続けていらっしゃいます。背中を追いかけているつもりでも、なかなか追いつけません。そんな先輩方のように、私も常に成長し続けたいし、し続けなくてはなりません。そのためには、まずは目の前にいらっしゃるお客様に真摯に向き合って、目の前の仕事に対して誠実に向かっていくことなのかなと思っています」

一歩一歩、着実に成長の階段を登ってきた木川。

その背中を支えてくれた先輩やお客様に応えるべく、また今日も力強い一歩を踏み出します。