あらゆる人材情報をデータ化し、活用する。真の適材適所を目指して

働く人たちは誰しも多かれ少なかれ、自らのキャリア形成や挑戦したい領域について、考えたことがあるはずです。

「こうなりたい」という希望が、今頑張る力を与えてくれる。

あるいは、身に付けるべきスキルや経験を具体化してくれる。

とはいえ、すべての人たちが自らの希望を明確に描き、実現のために適切な行動ができているとは言い切れません。 そこで、ニトリグループでは2019年秋に「Workday」という人事システムを導入。 社員・契約社員の人事データの収集・蓄積・活用を開始しました。

新たな取り組みの旗振りを務めるのが、組織開発室の@yukaが所属するチームです。

@yuka 「いわゆるピープルアナリティクスの領域に関わりますが、このシステムで社員一人ひとりの、入社からの配転履歴・趣味・思考・学習履歴・適性など、あらゆる情報を把握しています。

定期的に、社員のコンディションや将来の希望職種なども収集し、社員にとっても会社にとっても、適材適所の配置を実現するのが最終的に見据えているゴールです。かねてよりニトリではITを積極活用しており、あらゆる領域のデータを収集・蓄積することが可能です。

ただ、蓄積されるデータが多岐に渡るがゆえに、本当に必要な情報を取捨選択し、活かすことが難しいという面もありました。そこで、人に関する情報はWorkdayで集約しようという結論に至ったのです。例えば、2019年5月に取り入れた「グロービス学び放題(※)」の永年プラン。Workdayでは受講者の受講科目や学習量をすべて把握しています。

(※)株式会社グロービスが提供する動画学習サービス。ビジネスに必要な知識を、好きな時に好きなだけ学ぶことができる。

ある社員は、将来どんな仕事に挑戦したいと思っているのか。それに関する学習が、どの程度なされているのか。あらゆるデータを把握することで、社員の自律的なキャリア形成の支援をしていきたいと考えています」

5500名の社員のキャリアに関する希望や行動をくみ、実現に寄与していく。

壮大なゴールに向けた歩みを最前線で推進している@yuka自身は、はたしてどんな歩みを経てニトリにやってきたのでしょうか?

そこには、等身大の自分と抱えている課題を真っ向から見つめ、行動することでクリアしてきた軌跡がありました。

上司のひと言から、知識の泉へ。自らを鍛える環境を選んできた

▲前職時代の@yuka

SIer、人材業界の営業、ヤフーのグループ会社から本社へ出向。

職種としては、人事部での経験を長く積んできました。

@yuka 「一貫して志向しているのは、人とコミュニケーションを取りながら進めていく仕事に携わること。実は、新卒入社したSIerではパソコンに向かって黙々と作業する時間が長くて、『この仕事は自分に向いているのだろうか……』と感じたんです。その時点で、人と向き合う仕事をしたいという想いが明確になり、それは今も変わりません。

どんな規模、どんな業種、どんな働き方であろうと、企業って最終的には人でできていると思っています。そして、自分自身、人から刺激を受けることで成長できるんだと実感する機会に恵まれてきました。人事の仕事が好きなのも、本質的に人とつながりながら成立する職種だからですね」

早い段階で確たる想いが芽生えていたとはいえ、その歩みは決して楽な道だったわけではありません。

ヤフーのグループ会社で働いていたころ、@yukaは人事の中でも未経験の分野や興味のある分野に積極的にチャレンジし続けていました。

@yuka 「手を挙げれば、人事としてさまざまなチャンスを与えてくれる環境でした。そのため未経験の分野でも飛び込むことができました」

@yukaには、採用方針の変更から人事制度改定といったさまざまな制度変更において、中核となるミッションが与えられていました。

知識の再インプット、各部門長との調整など時には困難を極める状況もありましたが、その成果から、経営陣の推薦により年間MVPに表彰されます。

@yuka 「その後は人事総務部の責任者を任され、部門のトップとして他部門長と会話をするための知識(技術・営業・経理・法務等)が、求められることも多くなりました。自分にはまだまだ知識も経験も足りない。もっとたくさんの領域の勉強をしなくては、と感じていたころ、親会社であるヤフーへの出向の機会を得ることとなりました」

出向してからの2年半は、毎週開かれる勉強会で、ヤフー人事部のトップから人事としての考え方などを幅広く教わった@yuka。

他にも、大学院の講義の手伝いという名目で勉強させてもらうなど、あらためて人事としての仕事の楽しさを実感していきます。

@yuka 「その時の私はグループ会社時代の社長から贈られた言葉を、いつも思い出していました。『世の中で言われている、良いモノを知らないと、良いか、悪いかの判断がつかない。 だから今後、@yukaさんがより正しい判断をするためにも、人一倍勉強して世の中の良いモノを知った上で今できる範囲の判断と決断をしなさい』と。その言葉は、今でも大切にしていますし、そうあれるように努力し続けたいと思っています」

そして、自らの行く道を考えた結果、2019年10月にニトリへジョインすることとなったのです。

現場での仕事の先に何を見るか?ニトリのカルチャーを体感する店舗勤務

▲@yukaが勤務した東武池袋店は、ニトリが展開する都市型店舗のひとつ

ニトリのビジネスモデルは「製造物流IT小売業」であるため、業務領域が多岐に渡ります。その根本である店舗勤務を通してビジネスを理解すること、お客様や販売の現場を直接知ることを狙いとして、原則中途入社の全員が短期間の店舗勤務を経験します。

役員として入社する者も例外ではありません。実は、@yukaにとってこのカルチャーがニトリへの入社を考える上で最も大きなハードルだった、と振り返ります。

@yuka 「店舗での接客経験など一度もありませんから、まずは『できるのか?』という不安がありました。それ以上に大きかったのが、自分のキャリアが途絶えてしまうという不安。最新鋭の情報をとにかくインプットし続ける日々を送ってきていたので、連続性がなくなってしまうのでは、という焦りがありました。

もちろん『現場の仕事やリアルなお客様を知ることは、その後の業務につながる大切な経験だから』と、言葉では理解できます。店舗ファースト、お客様ファーストというニトリのカルチャーを実体験する意味でも重要な経験だ、というのもわかる。

でも、実際にはその理解と実務に当たっている間の心情には乖離が生まれ、『自分がここにいる意味って何なんだ?』と思ってしまうなど、目の前の業務から得られるはずの学びや気付きさえも見失ってしまいそうになっていました」

@yukaには人事畑を渡り歩いた経験と知識があり、タレントマネジメントやピープルアナリティクスといった業務に挑戦したいと思って、ニトリの門戸をたたいています。

それでも、店舗で勤務している間は店舗の社員としての業務や役割があり、それをまっとうしなければなりません。

そんな時にも思い出したのは以前の上司の言葉だと言います。

『良いモノを知らないと、良いか、悪いかの判断がつかない』

@yuka 「そこで、まずは知ることと気持ちを切り替えました。店舗でお客様の事を知ることもありましたし、私の場合は人事の配属が決まっていたので、現場で働く人がどのようなモチベーションで働いているのか、働き心地も含めて見ていました」

@yukaは、異動した今でも店舗時代の仲間とコミュニケーションを取り続けています。

「働いている人の想いを知って、気持ちに寄り添っていくことから、改善・改革をしていきたい」と@yukaはいいます。

@yuka 「自分と目の前の業務を結びけると、それが仕事のすべてになります。ですが、同じ業務でも、自分とその先に実現したいキャリアを結びつけて考えれば、目の前の作業の意義や光景、すべてが違って見えてくるんです。

それって、店舗の業務に限ったことではないと思います。私に関してはそういう気付きでしたが、きっと、同じ仕事でも人や職種によって感じ方は異なるでしょう。

それでいいと思います。大切なのは、店舗業務から何を得るべきか、自分が納得できるまで常に考え続けること。本来の業務に活かせるヒントを探し続けることではないでしょうか」

ニトリのカルチャーを体感する意味での店舗勤務には、自らの想いや仕事と真摯に向き合う大切な時間としての価値も大きいのかもしれません。

誰もが自らの進む道を描けるように。個の力がニトリの未来を育む

@yukaの所属するチームではWorkdayの活用をはじめ、ニトリで働く社員の適切なタレントマネジメントやキャリア形成の実現に向けた取り組みを推進しています。

@yuka 「仕組みやステップを体系立てていくところから始めています。例えば将来的なキャリアを考えるには、そもそも今の自分の強みや弱み、興味関心の方向性などを理解しなければいけません。理解度や意識によって差が生まれないようにちゃんと順序立て、5500名を超える全社員が運用できる方法を確立していかねばなりません」

一人ひとりの担当業務はもちろん、興味や関心、どんな勉強が好きなのか。何をしている時が楽しいのか。どんな仕事が向いているのか。

それぞれが秘めている可能性をきちんと理解し、伸ばしていき、適材適所を実現することが最終的に目指す姿なのです。

@yuka 「Workdayを導入して終わり……ではありません。むしろ今がスタートラインです。これを活用して、誰も埋もれることなく適正な業務や役割で、パフォーマンスを発揮できるようにするまでが大切ですから。

Workdayでは、会社として提供している研修や学習機会であれば、各自がどれくらい活用しているのかもすべてデータとして把握できます。数値やデータを活用して“個”を見つめていくというのが、ニトリらしいですよね!」

とはいえ、店舗勤務の中から目の前の仕事の意味を見つけ出すのと同様に、大切なのは一人ひとりが自分自身をしっかりと見つめ、どんなふうに働きたいか、どんなふうにパフォーマンスを発揮するか、そのために何をすべきか、自分で考えられるようになることだと@yukaは考えています。

@yuka 「今は変化のスピードが速い時代。いわゆる誰かの背中を追いかけるといったかたちでロールモデルを描くのが難しくなっています。その傾向は、今後さらに強まると思います。

だからこそ、一人ひとりが自分の歩む道を自分で考え、実現していく力を身に付けていかなければなりません。その歩みの中で、見える世界もどんどん変わっていくはずです」

ニトリで働く人たちが秘めている5500通りの可能性、その芽吹きを花開かせていく。

@yukaが、そして組織開発室が取り組もうとしている壮大な理想の実現に向け、その挑戦の歩みは続いていきます。