従来のシステム開発のスタイルを変革し、生産性・品質の向上を図る
2023年4月現在、私はデリバリモデル・トランスフォーメーション機能に所属しています。部署のミッションは、全社のソフトウェアエンジニアリング戦略を主管し、SI作業の変革を推進することであり、その中で私は「システム開発における生産性・品質向上」に取り組んでいます。
既存の手法でSI作業の生産性や品質を高めるには限界があります。そこで、自動化やAI化といった最新技術を取り入れるなど、既存のスタイルを大きく変革することで、生産性・品質向上を図っています。
私が担当した業務の1つに、現場へのCI/CDの導入支援があります。CI/CDはシステム開発をより正確に、より効率よく進めるための手法です。これによって開発者の手動作業を自動化でき、生産性の向上が見込まれます。「生産性」といっても開発生産性だけではなく、付加価値生産性といった売上や原価など、費用面も重要な指標となります。部署のミッションを達成するためには、生産性・品質向上をめざすとともに、それぞれのプロジェクトの規模や難易度、費用情報(売上や原価、利益)といった数値も意識しなくてはなりません。
私はこれまでシステム開発のリーダーの経験がなく、費用情報の数値の理解に非常に苦労しています。ただ、今はわからなくても、自分から学ぶ意欲さえ失わなければ、知識は後からでも身についてくるもの。幸い、社内には親身になって教えてくれる同僚や上司がたくさんいます。学び続ける姿勢を大切に、「プロジェクトの原価率がどれだけ改善すれば、どれだけすごいことなのか」といった基本的なところから上司に質問を重ね、ようやく少しずつ理解できるようになってきたところです。
部署における個人的なミッションは、中堅層として所属組織を引っ張っていく存在に成長することだと考えています。現在の仕事に関わってまだ1年未満ということもあって、今は知らなかったことをどんどん吸収するための期間にしようと決めています。しかし、将来的には部署内で検討した施策を現場に落とし込み、先導して進めていく役割を担わなくてはなりません。普段から仕事をする中でも、そうした周囲からの期待をひしひしと感じています。
想定外のアメリカ移住。コロナ禍をきっかけに元職場の働きやすさを実感
私は教育学部の出身ですが、もともとはものづくりに関心を持っていました。大学では数学と情報を学び、数学科と情報科の両方の教員免許を取得。その過程でプログラミングを勉強するうち、ものづくりの楽しさを覚えました。そして、これを仕事にしてみたいと考えるようになり、新卒でNECソリューションイノベータに入社。最初の配属面談では、システム開発をしたいとアピールしたのですが、教育学部の強みを買われたのか、社内外向けの技術教育の企画・実施を担当することになりました。
その後、開発技術の導入支援を担当する部署へと異動。毎日の仕事は充実しており、結婚しても子どもが産まれても働き続けたいと考えていました。そんなとき、夫の海外転勤が決まり、結婚と同時にアメリカに移り住むことになったのです。当時当社では、配偶者の転勤に伴う休職制度がなく、泣く泣く退職することを決意。ただし、再雇用制度があることは知っていたので、日本に戻って来たら復職したい、という気持ちを抱えて渡米しました。
夫の海外勤務の任期も残り3カ月となったころから新型コロナウイルスの感染が広まり、あっという間にテレワークやフレックスが普及していく様子を目の当たりに。しかし、会社によっては出社が求められるということを、友人の話を聞いて知りました。そのとき、元同僚から「NECソリューションイノベータはテレワーク率が高く、時間休も取りやすくなった」という話を聞いたことであらためて働きやすい職場だったのだと気づき、「また戻って働きたい!」という想いがさらに強まりました。
再雇用から5カ月で産休・育休に。周囲の理解やフォロー、柔軟な就業スタイルに助けられた
アメリカに渡ってからも、NECソリューションイノベータ時代の上司とのやりとりは続けていました。そして2年後、当初の予定通り日本に帰国できることに。帰国直後は生活基盤を整えるためにバタバタしていましたが、住居も構えてしばらくして「戻ってきませんか」というお話をもらうことができたので、無事に現在の部署にて復帰することができました。
ところが、再雇用制度で復職したあと、双子を妊娠していることがわかりました。もちろんとてもうれしかったのですが、産休に入らなくてはいけない状況に。入社直後ではありましたが、部署内で調整がつき育休も取得することができました。1年近く産休・育休をもらえたときは、当社を選んで良かったと心から思いました。
また、育休復帰後の働きやすさにも助けられています。テレワークがほぼ100%の状態なので、すぐにフルタイムで働くことができました。また、子どもの事情で会議に出席できなくなったときも、上司の方から「気にしないでいいよ」という言葉をかけてもらったり……。定時で一度仕事を終わらせ、家事・育児がひと段落した後に残りの仕事を片付ける、という就業スタイルも認めてもらっています。
いざ自分が子育て世代になってみて、当社は育児と仕事を両立しやすい環境だとあらためて実感しています。もちろん、周囲の社員の理解やフォローがあるからこそ成り立っているのであり、こうした会社や仲間の魅力は、退職・復職を経て、自社を俯瞰できるようになったから気づけたことなのかもしれません。
強みを活かして社内ネットワークを広げ、人から頼られる存在になりたい
全社のプロジェクトと関わる私の仕事においては、現場の意見や想いをどのようにして吸い上げるのかが重要なポイントになると考えています。というのも、普段は現場の外にいるスタッフだけで考えた「現場に求められているもの」は、蓋を開けてみると机上の空論に過ぎなかったということが往々にしてあるからです。そうしたミスマッチを防ぐために、今後は現場とのパイプづくりに注力したいと思っています。
私は仕事をする上で、さまざまな上司や同僚の方から“見習うべきポイント”を見つけることを大事にしてきました。ただし、それらすべてを私が真似するのは、とても無理な話。そのため、自分の中で「このことはこの人に聞いてみよう」というネットワークをつくるようにしています。当面の目標は、ほかの人のネットワークに自分が引っかかるようになることですね。そして、他の部署や現場の方から「このことだったらY.Aに相談すればいい」と、頼りにしてもらえるような存在になれたらうれしいです。
その上では、技術教育の講師を担当したことで培った「人に伝える技術」は自分の大きな強みになるのではないかと考えています。登壇して話をする機会も多かったので、自信を持って他者とコミュニケーションを取ることができるようになりました。大学で学んだ教育の知識も、決して無駄にはならないと思います。これまで身につけてきた力を活かし、一人ひとりのメンバーに寄り添って、想いを共有していきたいですね。