仕事と育児の両立を乗り越えた今、副本部長として後進の育成に力を注ぐ

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▲入社33年目 青山 由香里

入社33年目の青山 由香里は、システム事業部第四システム本部の副本部長を務めている。第四システム本部には5つの課があり、各課が6~7つ程度のプロジェクトを抱えている形だ。青山は案件の担当は持たず、マネジメントに専念して後進の育成にあたる役割を担う。

青山 「第四システム本部のプロジェクトの半数、20~25件程度を見ていて、プロジェクト状況は、週報を通じて確認しています。現場訪問や定例会議等から問題を早期に抽出できているか。報告を受けた対処は適切か。問題が大きくなる前に対処できているか。週報ではそれらの点をチェックしています」

プロジェクトの規模もさまざまだ。100名規模のチームによる大きなプロジェクトだけでなく、チームメンバー2~3名程度のプロジェクトもある。その中で青山は、リーダーを担える有望な若手に対して早い段階からプロジェクトを任せている。

青山 「時には、チームから引き抜いて『あなたがリーダーね』と別のプロジェクトを任せることもあり、積極的に若手にチャレンジさせるようにしています」

この背景には、小規模プロジェクトのプロジェクトリーダーを任せることで、若手社員のリーダー意識が向上するという青山の考えがあった。

青山 「プロジェクトチームには何年も同じお客様を担当しているベテランから、いくつかのプロジェクトを担当してきた若手までいるので、プロジェクトリーダーには様々なメンバー構成を経験してもらうように工夫していますね」

後進の育成に力を入れ、マネジメントに専念している青山。そんな彼女自身は、日本データスキルでの業務に邁進しつつ、2人の子どもを育ててきた母親でもある。

青山 「今はもうマネジメントの立場になって自分では案件を持っていないですし、下の子も20歳になりましたから、大変な時期は過ぎました。ですから、余裕を持って両立できています。

しかし、小さいときは大変でした。案件を抱えつつ、保育園の送り迎えや食事の支度をしていましたし、子どもが中学生になるとお弁当づくりなどもしていました。その一方で、朝の会議には遅れないように出勤しなければいけないので、当時は上司や周りの人の協力や理解があってこそ成り立っていましたね。本当に助かりました」

大変だったと回顧する青山だが、彼女の存在がのちに日本データスキルを変えることになる。

仕事を辞める発想はなかった──会社初の産休・育休を取得し、パイオニアに

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▲海外視察/ミャンマーにて

そもそもの青山のキャリアを振り返る。彼女は大学の理学部で化学を学んだ後、1988年に日本データスキルに入社した。

青山 「当時はソフトウェア業界が流行だったんです。大学の研究室の先輩や部活の先輩も就職していたことが、日本データスキル入社の決め手でした」

入社後、エンジニアとしてシステム開発に携わることになったが、当時から仕事が楽しかったという。

青山 「先輩たちは良い人ばかりで、毎日仕事をして、帰りにはお酒を飲んで帰ってという、楽しい日々を過ごしていました。チームの仲が良く、休みの日になると一泊で温泉旅行に行こうかというノリでしたね。納期が厳しく体力勝負の面もありましたが、周りとのつながりの強さがあって乗り切れました」

青山は、プライベートでは、入社7年目の28歳のときに同業他社のエンジニアと結婚。入社12年目に第一子を出産、入社16年目に第二子を出産し、二度の産休・育休を取得している。

しかし、「子どもを産んで戻ってきたい」と希望した当時は、日本データスキルの社内で産休・育休取得の前例がまだなかった。実は、青山が産休・育休の制度が整備されるきっかけとなったのだ。

青山 「1人目の出産の後、産休・育休から1年で復帰しましたが、同じお客様の同じ案件の担当に戻れることが決まっていました。復帰しやすい環境を作ってもらえたのだと思っています」

もちろん、仕事のやり方はこれまで通りというわけにはいかない。しかし、周囲の理解が得られたことが大きかったと青山は当時を振り返っている。

青山 「保育園の迎えなどで残業ができなくなるので、仕事を続けていけるのかという不安は正直なところありました。でも、1人で案件を抱えているわけではありません。3~4人のチームでやっているので、作業分担を考慮してもらうことができました。

子どもの病気で突然休まなければいけないこともありましたが、全部を任せるのではなく、できるときに頑張ったり、時には休みの日に仕事をしたりすることでやりくりしていましたね。もちろん、案件や周囲の人に恵まれていた部分も大きかったと思います」

2度目の産休・育休の取得時には、担当する業務や保育園の入園時期の都合もあり、出産から半年で復帰。それでも働きにくさを感じたことはなく、一度も辞めることを考えたことはなかったという。

青山 「人間関係で苦労したことが本当になかったんですよね。ストレスを抱えるような人間関係があったら、多分仕事を続けていなかったと思います。日本データスキルは穏やかで、チームみんなでやっていこうという人が多いんです」

そして、2度目の育休から復帰後、主任に昇格し、入社17年目に課長、入社27年目に部長、入社32年目に副本部長に昇格した青山。2度の産休・育休によって主任への昇格が遅れたものの、順調にキャリアアップをしてきたのだ。

仕事と育児の両立──ひとりで頑張りすぎず周囲の協力を求めていけばいい

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▲休日の一コマ/息子さんとのお出かけ

2度の産休・育休から復帰して仕事と子育てと両立できたのは、周囲の理解が得られたことが大きかった。

青山がそのことを痛感したのは、2度目の産休・育休からの復帰後。自宅から担当する現場が遠く、保育園の送り迎えのための時間の制約が以前よりも大きくなってしまったのだ。

青山 「当時は『保育園のためにこの時間までには上がらないといけない』と話すようにしていました。そうしているうちに、『もう帰った方がいいんじゃない?』とチームで気遣ってくれるようになって……。子どもがいる人同士で協力し合ってはいましたが、出社や退社時間の調整面では、私が一番、みんなに協力してもらっていたと思います」

キャリアアップの面では、産休・育休を2度取得した影響は少なからずあったものの、青山はそれも前向きにとらえている。

青山 「2人目を産んで復帰しすぐに主任に昇格したのですが、その時に『昇格させようと思っていたら、2人目ができた』と上司にいわれました。でもそれは仕方ないですよね(笑)。同期の男性よりも昇格は遅れていました。ちなみに女性は現在よりも比率が少なく、退職している人も多い時代でした」

そんな青山は、育児と仕事の間に、ある共通点を見出している。

青山 「変な言い方かもしれませんが、育児も仕事もすべて、1人で一生懸命やらなくてもなんとかなると思っています。両立できるのかという心配は付きものですが、実際は何も問題がないことだってありますし、話せばわかることもたくさんあるので、1人で空回りしないほうが良いと思いますね。

育児も仕事も相手があってのこと。対子どもでも、対お客様でも、そして周りのメンバーとも、話すことで良い落としどころややり方に辿り着けるものです。まあ、今だからそういえるのかもしれないですが(笑)」

子育てをしながら仕事をすることはハードであるが、青山はむしろ自分にとってプラスだったと考えているのだ。

青山 「子育てをしていても、仕事観はあまり変わらずにやってこられたと思います。子どもとしか接点がないという状況と、会社というコミュニティで自分だけの時間を取れる場所がある状況を比較すると、仕事をせずに育児だけをやる方が精神的には大変なのではないかと、私の場合は思っていました。

私にとっては、仕事をしていることで、自分自身の時間をとれたことが結果的に良かったと考えています」

「続けてきてよかった」という想いが原動力。女性役職者の育成を目指す

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▲第四システム本部メンバー/神田明神お参り

日本データスキルでは、青山の産休・育休の取得を契機に、子育てをしながら働き続けやすい環境の整備に取り組んできた。今では最大2年間の育休取得が可能となっており、子どもの小学校入学前までは育児フレックスを利用できるようになっている。

子育てに仕事にと邁進する青山の姿も後押しになっているのか、育児休暇を取得した社員の復帰率は100%となった。

青山 「仕事を1つの軸として、お母さんだけではなく自分自身としてやっていける場所を持つことは大切だな、と思います。会社で働いて発言する。テーマを持ってやりたいことをやっていく──みんなにもそうしてほしいですし、私も続けてこられて本当によかったです」

そんな青山が気にかけているのは、後進となる女性の役職者の存在だ。

青山 「現状では、課長職の女性社員はあまりいません。何年も前から上に立つ人材を見つけて押し上げていきたいと考えてはいますが、まだ実現できていません。まずは主任を育てて、そこから課長に上がっていくというルートですから、今は道半ばという感じですね」

青山は管理職を目指している女性社員に対して、楽しく仕事に向き合って欲しいという想いを持っている。そこで青山は、そのための3つの方法をここで伝えた。

青山 「1つ目は、多くの“友達”を作ることです。そうすることで、仕事を介さずともつながれるコミュニティが広がり、得るものが増えていきます。社内では、上司・同僚・部下、社外では、仕事関係でお世話になっているお客様、お客様の近くにいる方々などでしょうか。挨拶や雑談、少しのお節介も含め自分から『知りたい』気持ちをもって、笑顔で一歩近づいてみてください。

2つ目は、お節介と気配りです。育児中の人、介護が必要なご家族がいる人、何らかの体調不良に見える人など、仕事を優先できない時期や事情があることを理解し、心配なら一言声を掛けてあげてください。男性では気づけない、気づいてもプライドが邪魔する場面でも、女性ならではの動きが出来るはずです。

3つ目は、感謝や気持ちを言葉にすることです。『ありがとう』『ごめんなさい』など、自分の気持ちを相手に伝えましょう。言わなければ伝わらず、後で言えば鮮度を失います。その一言が相手の心を開き、何かを得る可能性を広げてくれることもあるのです」

最後に将来、育児をしながら働くことを考えている人に向けて、自身の経験から青山は力強く語る。

青山 「何が何でも自分でやろうと、気負い過ぎないほうが良いのではないかと思いますね。ただ大変と言っても、他人には伝わらないので、周囲の理解や協力を得られるように自分から動いていかないといけないとも思います。

子育てをしながらの働きやすさは、周りから理解を得られているかどうかが非常に大きいですから。でも、不安にならなくていいです。周りが必ず協力してくれるはずです。だから、もっと安心しても良いのですよ」

周囲の協力を得ながら、子育てと両立して第一線で仕事に取り組んできた青山。産休・育休を取得してもスムーズに復帰できる道筋を作った彼女は、これからも未来を見据えて日本データスキルを牽引していく存在だ。