革新的な治療を提案して、関わるすべての人を幸せにする

article image 1

中西 良太は入社以来、営業本部で活躍しています。MR(医薬情報担当者)の経験を経て、2018年からは、製品育成部に在籍。遺伝子治療用製品の販売戦略を企画・立案し、実行に奔走する日々を過ごしています。

中西「私はプロダクトマネジメント業務として、慢性動脈閉塞症における潰瘍の改善を適応とした遺伝子治療用製品を担当しています。慢性動脈閉塞症とは、下肢の血管が閉塞することによって血液の流れが悪くなり、組織が潰瘍・壊死を起こして最終的には下肢切断を余儀なくされることもある疾患です。治療法としてはカテーテル治療やバイパス術などの血行再建術が第一選択として施行されますが、中にはこれらの手術を受けられないケースもあり、新たな治療選択肢の開発が望まれています。私が担当しているのは、手術を選択できない患者さんにとっての、新たな治療の選択肢となるべく登場した製品です」

この製品は条件及び期限付で、製造販売承認を取得しました。条件及び期限付承認とは、臨床試験において有効性が推定され、安全性が確認されれば、その後一定期間内に有効性・安全性を改めて検証することを条件に、特別に早期承認される制度です。慢性動脈閉塞症と向き合うすべての人に希望ある選択肢として貢献するためには、市販後の有効性とさらなる安全性を検証する「エビデンスの構築」が必要となります。そのために、適正使用に基づく市販後調査を推進することが、中西たちのグループの任務です。

中西「私が担当する遺伝子治療用製品は条件及び期限付での承認です。医療現場に適正使用情報をお届けし、実臨床下での有効性、安全性情報を確実に収集・評価することで、“本承認”を取得し、今後より多くの患者さんに貢献することをミッションとして掲げています。アンメットメディカルニーズに応えるために、遺伝子治療はこれからますます発展が期待される治療領域であり、その中で、田辺三菱製薬は先駆けて遺伝子治療に取り組んでいます。さらには、再生医療等製品の条件及び期限付承認制度において、現段階で“本承認”の取得に至った製品はまだありません。私たちがしっかりとこのミッションを成し遂げることで、田辺三菱製薬が“条件及び期限付承認を取得した製品を早期に患者さんにお届けし、さらなるエビデンスを蓄積して本承認に結び付ける”という一連のシステムを構築するパイオニアになれればと考えています」

メンバーは現在、マネージャーを含め5人。中西は、プロジェクトの舵取り役として、MRと共に市販後調査を実行しています。

中西「私たちのミッションは、製品を使用したすべての症例の有効性・安全性データを収集する全例調査です。そのため、医療機関のさまざまな職種に就く医療従事者の協力が不可欠。この製品を医療現場でどのように管理、運用するかという部分から専門の医師などと話し合い、製品戦略の策定に臨んでいます」

実は条件及び期限付の遺伝子治療用製品を扱うことは、当社にとって前例がない、初めての取り組みです。だからこそ、課題や取り組むべきことが多々あります。

中西「製品が投与されたすべての患者さんの有効性、安全性データを1例も漏れることなく確実に収集しなければならない点については、特に万全の注意を払う必要があります。しかし、田辺三菱製薬は、まだ日本で生物学的製剤の使用が一般的ではなかった頃にいち早くこれを販売し、そして、生物学的製剤が国内で広く認知される礎を築くことに繋がった“5,000例の全例調査”を成し遂げたという“実績とノウハウ”があります。そしてそれを実行する“カルチャー”が営業本部のDNAとして受け継がれています。この点は製薬企業の中でも当社の強みであることは間違いないと自負しています」

課題と直面する度に、これまでのノウハウに基づきグループメンバーや医療機関と試行錯誤を重ねてきた結果、「データの収集は順調に進んでいる」と語る中西。多くの医療施設が、グループの使命に賛同し、調査に協力してくれています。

コロナ禍での情報提供のあり方。効果的なコミュニケーションはいかなる時も双方向

article image 2
▲社内での打ち合わせでもオンラインツールが活躍

全例調査を遂行する途中、中西たちは大きな壁にぶつかります。新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、医療機関とのやりとりが、これまでのようにはいかなくなったのです。

中西「コロナ禍前は、全国の医療機関に訪問の上、対面にて適正使用情報ならびに調査契約内容の説明を行っていました。直接顔を合わせながら話すことで、データ収集の目的や意義を理解いただくこと、我々の使命に共感いただくことを大事にしていたのです。しかし、感染拡大防止の観点から県外移動は制限するとの判断に至り…。対面での面談が困難な状況の中でもなんとか医療現場との接点を持ち続けるために、オンラインツールを活用した面談を開始しました」

緊急事態につき、グループはオンラインツールをいち早く導入。慣れないオンラインでの面談は、最初は大きな戸惑いがありました。しかしこれが、画期的な変化になったと中西はいいます。 

中西「コロナ禍前は、毎日出張の生活で、常に時間に余裕がありませんでした。朝から九州に行って、その日のうちに埼玉に移動して面談をするというような日々でしたね。それが今じゃ、鹿児島の医師にお会いした30分後に、埼玉の医師と話せる。むしろこれまで以上に、効率的に業務を遂行することができる。すごいことですよ」

もちろんすべての医療従事者と、オンラインでの面談が可能となるわけではありません。現地のMRが医療従事者と直接対面し、MRが手持ちしたタブレット端末の中から、適正使用情報を提供することもあります。

中西「いち早くオンラインツールの活用に舵を切ったことは、コロナ禍において避けることのできない選択だったと感じています。そのおかげで、地理的、時間的制約から解放されて、タイムリーに適正使用情報を提供し、かつ、医療従事者からの情報収集もできるようになりました」

営業活動のオンライン化の効果は、単なる移動時間の削減だけでなく、多岐にわたっているのです。

中西「オンラインを駆使した同行によって、現場のMRとも双方向のコミュニケーションを頻度高く取ることができようになり、結果として、医療従事者に対する専門性の高い情報提供だけでなく、MRに対する製品方針の浸透にも繋がる大きなメリットになったと思います。

そして、これは個人的な話になりますが、昨年第一子が生まれまして。オンライン化のおかげで移動時間の拘束が減り、育児に取り組める時間が増えました。その点でも、非常に恩恵を感じています」

希薄になる自部署以外のコミュニケーション。危機感を覚え、オンライン交流会を企画

article image 3

オンラインツールの恩恵を受け、業務を充実させてきた中西。その間に、社内のテレワーク化も一気に進みました。しかし「課題」を感じる場面も増えたといいます。

中西「本社機能という性質上、組織横断的な連携が非常に重要となります。これまでは出社して、他部署の方との何気ないコミュニケーションから、問題解決を図る機会がありましたが、テレワーク下では自部署以外と雑談をする機会がめっきりなくなってしまいました。このままだと横串を通すような組織横断的な連携が弱まり、ひいては組織の帰属意識が低下してしまう。社内の関係が希薄になれば、たとえ良いアイデアを思いついたとしても誰にも相談できずに埋没してしまう。これは単純に寂しいですし、精神衛生上もよくないですよね」

そこで中西は、あることを企画します。

中西「1%でもいいから現状を改善するために、自分のスケールでできることはないかと考え、オンライン交流会を企画してみたんです。営業本部のメンバーに向けて、オンライン上でただ単にコミュニケーションがとれる場を作ろうと。まずは業務上の情報交換をしよう、自分の所属部署と違うメンバーと交流しようという名目のもと、4人ほどで集まったのが最初ですね」

その後、交流会を何度も実施。業務時間外に1時間だけと時間を決めて、トークルームに好きに入れるような状態を作りました。結果、徐々に有志の数は拡大。2021年の年末には、17~18人ものメンバーが参加するようになりました。

中西「印象深かったのは、コロナ禍の中で新たに営業本部に異動してきた社員にも参加してもらえたこと。従来のような歓迎会ができていない中、顔合わせができたことは意義のある交流だったと思います」

オンライン交流会に実際に参加した社員たちからは、「雑談する機会があるとその人の人柄がわかるし、困ったときに内容に応じて相談できる人がわかって有難い」など、好評です。

中西「時代や環境のせいにして諦めるのは簡単かもしれません。でも今回は、自分が1歩踏み出せば何かが変わるのではないかと思って、行動に移しました。この交流会をきっかけに、特に営業本部内の交流の輪が広がったらいいなと思うんです。あくまでは私は種をまいたに過ぎません。今後参加者の中から『次は私が交流会を企画します』『普段メールでしかやりとりしていない○○さんとカメラONにして話す機会を作ってみようかな』という芽がうまく出ていけば嬉しいですね」

組織の課題も、自分ごととして捉えよう。それが「より良い会社」への道

article image 4
▲当社キャラクターのぬいぐるみを手に

自分が働く環境は、自分で良くしていく──。

中西「実際に私自身、今までよりもフランクに、部署の垣根を越えていろいろな相談ができるようになりました。逆に、相談を受けることも増えましたね。まだまだこの取り組みの成果を評価する段階ではありませんが、オンライン交流会による1つの成果かなと思っています。

今回の経験で私が思ったのは、『違和感に気づく大切さ』です。現状や組織に対して自分が抱いている違和感にきちんと気づけるか。そして違和感に対して、これは自分の問題だと当事者意識を持って動けるか。それが重要だと感じました。

というのも、多分僕だけでなく営業本部にいる多くの人が、テレワークによるコミュニケーション不足の危機感を覚えていたと思うんです。でも実際、どこか他人事のように、きっとコロナ禍が収まれば解決するだろうと待っているかのようでした。そんな現状に違和感を抱いて、自分で思い切って動いてみた結果、課題解決の糸口につながったわけなので」

現状への違和感をキャッチし、自分ごととして捉えたからこそ、中西は行動を起こすことができたのです。

中西「当事者意識は、通常業務においても重要だと思っています。たとえば先輩や上司と業務に取り組む中で、『私はこう思うけどな……』と違和感がありながらも、言い出せないことってありますよね。そんなときは、そこで話を終わりにしてしまうのではなく、違和感を自分ごと化して分解して『私はこう考えています』と言えるところにまで落とし込む。そして、健全に意見を戦わせる。そんな姿勢が、チームでの仕事においては大事だと思うんです」

当事者意識を欠かさずに、会社とエネルギッシュに関わる。そんな中西の背景には、ある強い願いがありました。

中西「この会社がさらに良い会社になったらいいなと願っています。みんなにとって良い会社であるのはもちろん、個々人にとっても良い会社であるのが一番ですよね。そのために大事なのは、各々が目の前の仕事にどれだけ熱中できるか、自社の製品にどれだけ愛情をそそげるか。そして、一人の力だけで解決できないことがあれば、周囲に協力をあおいで、みんなで一緒に成長していくような組織でありたいです。

エネルギッシュな若手が下から突き上げ、一方、ベテラン社員は若い者にはまだまだ負けないぞ、と触発されるような形で呼応する。そうやって、全体として今以上の良い会社になっていけたらと思っているんですよ」

より良い会社を目指す、中西のまっすぐな思いと行動力。それが最初の火種となり、営業本部から会社全体へと広がり続けています。