ポリシーは「強みを活かして、人に感動を与えること」

article image 1

2008年に入社した柳内は開発本部(現在の育薬本部)に配属され、5年ほど臨床試験のモニタリング業務に従事。その後にプロジェクトマネジメントの仕事を経験し、2022年1月現在は開発第二部で臨床試験の企画立案を担当しています。

柳内 「私の現在の業務は、大きく分けて2つあります。ひとつは、これから臨床試験を開始しようとしているグローバル開発品のプロジェクトリーダー。もうひとつは、国際共同治験という日本とアメリカ、ヨーロッパで一緒に開発を進めているプロジェクトの国内リーダーです」

薬の開発業務以外にも、社内のデジタルトランスフォーメーション推進や患者さんとの協働推進など組織横断的な業務も担っている柳内。どのようなポリシーを持って仕事に臨んでいるのでしょうか。

柳内 「ひと言でいうと、『強みを活かして感動を与えること』です。めざすところは、楽しく働きがいを持って仕事に取り組めている状況。そのための方法はさまざまですが、私の場合は、強みを鍛えながら人に感動を与えることをイメージしながら業務をすると、すごく楽しく充実感をもって取り組めているという実感があるんです。製薬会社に勤務しているので、新薬を開発し提供することでも患者さんに感動を与えられると思っています。けれど、必ずしもそんな規模の大きな話でなくても構わないんです 

柳内は人に感動を与える上で「人の期待を越えること」を考えながら日々の業務に取り組んでいるといいます。

柳内 「セミナーや本で学んだのですが、人は、自分の期待値を少しでも超えたものを受け取ると感動するそうです。ですので、私は日々の業務でちょっとした工夫『どうすれば人の期待を越えられるだろうか』を考えるようにしています。自分の強みをフルに活かして、相手の期待のちょっと上のものを提供したい。その結果として感動を与えられるはずだ。そうすると周りの皆も仕事が楽しくなると信じています」

第三者が見つけてくれた自分の強み。それを磨き上げれば、弱点を補える

article image 2
▲同僚と

柳内が「強みを活かして感動を与える」ことを重視するようになったのは、入社から6年目ぐらいのある出来事がきっかけです。試験全体を管理する計画部門に異動しましたが、ミスを連発して仕事がうまくいかないことが続き、「自分は仕事ができないのかもしれない」と落ち込んでいたといいます。

柳内 「担当者として治験の関連資料の変更業務を行ったのですが、変更後に大きなミスが発覚してしまいました。具体的には人為的ミスによる誤記なのですが、自分のミスにより、何十人と動いている現場の人たちの作業を止めてしまいました。もともと100%ミスのない完璧な資料を作ることが苦手で、これではダメだ……。と悩んでしまいました。
そのとき、当時の上司に『柳内くんは先頭に立つリーダーシップもあるし、チームメンバーの進捗もサポートできる。そういう両極端なことが同時にできる人はめずらしい、チームにものすごく貢献しているよ』と言ってもらえました。上司は誤記をしたことよりも、むしろその後に失敗したことから逃げずに自分で解決し、チームを引っ張るという姿勢を評価してくれていたんです」

柳内自身にとって、これは意外な評価でした。第三者から指摘されて初めて、自分の強みに気づいた柳内は、苦手なことを気にするよりも強みを意識して伸ばしていったほうが、その分弱点が消えていく経験をし、どんどん仕事が楽しくなっていったといいます。

柳内 「自分が思う私の強みのひとつは仕事のスピードが速いことです。反面、時間をかける細かいチェックが苦手で、誤記のない完璧な資料を作ることが苦痛です。そこで、作業スピードを究極まで速めることで、納期までの残り時間を長く確保し、そこからチェックが得意な人に協力してもらう、というやり方にしました。
たとえば納期まで1週間ある仕事の場合、私が1日以内に完成させ、残りの6日間でチェックの得意な同僚に誤記がないかを確認してもらう……。そうすれば、個々の得意な点を活かしつつ、弱みをカバーすることができますよね。同僚の仕事は増えますが、一方で私は時間に余裕ができるので同僚の仕事をサポートできるようになります。
そうはいっても、自分の強みを見つけることって、結構難しいんですよね。誰かと比較して優れているとか劣っている、という観点だけだと見つからない気がします。なので、人の強みを見つけてあげること、そしてその強みに気づいてもらうことが大事だと思っています。そして何よりも自分が得意とすることや、人から言われて気づいた強みを自分自身が信じてあげることが、とても大切なのだと思います」

パラレルワークはパフォーマンスの安定、モチベーション向上にも効果的

article image 3
▲大学院の仲間と

部内で複数の医薬品開発をリードする柳内ですが、それ以外にも社内横断的な複数のプロジェクトにも参加しています。さらには、プライベートで大学院に通いつつ、息子が所属する少年サッカーチームのコーチも担当しています。

まさしく田辺三菱製薬グループがめざす「真の働き方改革」のひとつである「ワークライフインテグレーション」を実践している存在といえます。 

柳内 「仕事を掛け持ちするメリットは、私の場合はどの仕事でもある程度平均的に同じパフォーマンスが出せることだと思います。私は何かひとつの仕事だけに集中すると、仕事のモチベーションがその業務の影響を直に受けてしまうんです。ただ、複数持っていれば、『この仕事は今状況が悪いけど、あっちは調子が良い』と思えるので、感情のバランスが保てるんです。結果、モチベーションも常に高く保てています。
やはり、仕事をやるからにはプロフェッショナルでいたい。そのためには、どんなときでも質が高く安定した仕事ができることが大切だと考えています。複数のプロジェクトを兼務することは、自身の成果を一定に保つことに役立っていると思います」

プライベートでさまざまなことに挑戦しているのにも、理由があります。思わぬところに仕事を解決するネタが転がっていて、例えばサッカーコーチをやっていても仕事に活かせることがある。普段と違う環境の中で新しい刺激を受けたいこと、そして新たな学びを積極的に得たいこと。これらの欲求が、柳内にとっての大きな原動力です。

柳内 「正直、物理的に時間が足りなくなる時もあります。そんな時は、周りを頼ります。リーダーだからといって、すべてを一人で担う必要はないと思っているからです。
たとえば、チーム全員が平等に業務をこなさなければ、という考え方になってしまうと、頼ることも難しいと思うんですね。でも、人によって仕事の能力は違いますし、時短で子育て中の方もいらっしゃって様々な働き方がある。全員がその人なりの80%くらいを出せる環境を目指せば、チームとしてうまく回っていくのではないかと考えています。
リーダーであるからには、働きがいを感じられるチームにすることを考えます。みんなが『自分の中で80%頑張れた』といえるようなチームを作っていきたいと思っています。個々の強みをパズルのピースのように埋めて完成させていくようなイメージです」

大切なのは会社や仕事だけにとどまらず、人生の「やりがい」をどう見出すか

article image 4
▲少年サッカーチーム/コーチ仲間と子供たち

田辺三菱製薬グループが掲げる「真の働き方改革」では、社員のひらめき(多様な経験から生まれるイノベーション)やきらめき(達成感や充実感)の創出をめざしています。

柳内自身も、会社や仕事だけにとどまらず、自分の人生の中で「やりがい」をどう見出すかが大切だと語ります。

柳内 「私の場合は、会社での仕事はもちろん、サッカーで子どもたちを一人前に育てることにも、大学院で新しい知識を身につけることにもやりがいを感じています。おかげで、たとえば仕事がうまくいっていないときは、ちょっと仕事のことから離れて、別のことに熱中する。そうすると、心に余裕ができるんですよね。少し引いた目で自分の人生の意義みたいなものを考えることができるし、何かに貢献できているという達成感や充実感にもつながります」

柳内はワークライフバランスのあり方は十人十色で、それぞれが自分に合ったスタイルを見つけることが大切だと感じています。

柳内 「私は必ずしもパラレルワークを勧めたいわけではありません。私の場合は、たまたま今のやり方が性に合っているのであって、各々に合ったワークライフバランスを見つけていけば良いと思います。たとえばゲームが好きな人だったら、プライベートではゲームに熱中し、会社では仕事をしっかりこなせばいい。自分の人生を楽しくするような過ごし方を、積極的に取り入れたらいいのではないかなと思います」

柳内は今後、社員が会社を辞めたとしても、「田辺三菱製薬に入って良かった」、「成長させてくれた」と思ってもらえるような会社にしたいと考えています。「会社を辞めても」という点に、自分に合った働き方を提唱する柳内らしさが表れています。

柳内 「今後グローバルな活躍をめざすなかで、『グローバルに強い会社』として認知されるようにしていきたいという想いはもちろんあります。加えて、社員みんなが『この会社に入って良かったな』と思えるような会社にしたいですね。
それは、今会社にいる人だけではなく、辞めた人にも『振り返ると、田辺三菱製薬にいた◯年間ですごく成長できたな』とか、『良い経験ができたな』と思えることが理想ですね。社員と会社は、Win-Winの関係であって然るべきだと思っていて、双方が成長できるような環境づくりこそが重要ですし,成長できる機会がないなら新しく成長できる場所を求めることも一つの選択肢だと思います」

何かに偏ることなく、個人もチームもフラットな姿勢で仕事に取り組んでいくこと。柳内がめざす組織に近づいていくほど、田辺三菱製薬という会社も強く大きく成長していくでしょう。