「働かせ方改革」ではなく「働き方改革」。田辺三菱製薬がめざす真の姿

▲田辺三菱製薬グループがめざす「真の働き方改革」の姿

「働き方改革」と聞いたとき、どんなことを想像するでしょうか。一般的には、長時間労働の削減やフレックス制度の導入といった、労働時間に関するキーワードが出てくるのかもしれません。

しかし、そのような制度面だけではなく、田辺三菱製薬は新たな視点を加えました。

その背景には、新たなMISSIONを携え、スタートを切った中期経営計画がありました。

嘉祥寺 「2021年4月に、当社のMISSIONが新しく策定されました。『病と向き合うすべての人に、希望ある選択肢を。』というものです。そして2030年に向けた企業像の目標として、VISION30『一人ひとりに最適な医療を届けるヘルスケアカンパニー』が策定されました。

このMISSIONを達成するためには、社員一人ひとりの働き方や、組織としての仕組みを変えることが必要です。これまでにない新しい発想を生み出す時間を創出し、思い切った挑戦ができる環境をつくることができれば、その結果は、患者さんや医療従事者の皆様に対する貢献に繋がります。

私たちは、世の中に対してこういったバリューを提供していくためにも、『真の働き方改革』が必要と考えています」

ヘルスケアカンパニーとしての未来を見据えて改革に挑むのは、総務部内に属する「働き方改革推進室」のメンバーです。

総務部長である嘉祥寺、推進室長である小谷をはじめとした6名の推進室メンバーが中心となっています。

小谷 「働き方改革推進室では、『Digital Capabilityの進化』『Innovative Work Styleへの新化』『Engagementの深化』という3つの軸をもとに、真の働き方改革を進めています。創造性・生産性・実効性を向上させることで『田辺三菱製薬の真価』を発揮することが目的です。

デジタルを最大限に利用することで、よりクリエイティブな時間が増え、生産性が向上、仕事の成果へとつながる。結果的に、心身ともに健康で生き生きと働ける環境が整備され、個人と組織、両方の成長につながるのだと考えています」

改革を進めていく上で、メンバーは従来の「働き方改革」に対する課題意識を持っています。

嘉祥寺 「私たちは、『働かせ方改革』ではなく、『働き方改革』を目指しているんです。

これまでは、主に勤務体系を変えるなどして、『働かせ方』を意識していたように感じます。けれどもその方法では、真の働き方改革は成し遂げられません。

田辺三菱製薬がめざすのは、『自分はどうありたいのか?』という各人の考えを踏まえて働き方を変えていくこと。そのうえで、さまざまな学びや経験、コミュニケーションを促進していくといったものです。

一人ひとりが胸に抱いている希望に対して、会社として何ができるか──その点が、我々の取り組むところです」


働き方を可視化することで、自分らしい「最適な働き方」を見つけていく

▲「真の働き方改革」の実現に向けた新しい東京本社

働き方改革推進室は、2021年4月に発足して以来、働き方改革に関するポータルサイトの立ち上げや、働く上での課題を吸い上げるサーベイの運営などに取り組んできました。

コロナ禍におけるリモートワークが進んだことも一因ですが、『真の働き方改革』にはまずデジタルツールを導入し、社員一人ひとりの時間を創出することが重要と考えています。

そのためにも社員自らが時間の使い方を見つめなおすことが大切で、そのツールとして導入するのが「MyAnalytics」です。

小谷 「私たちが普段使っているパソコン上でのOffice365の蓄積データ(メールやチャット、出席している会議など)をもとに、個人の働き方を可視化しレポートしてくれるツールがMyAnalyticsです。そのレポートから、自分の仕事のやり方や他者との接し方を客観的に振り返り行動を主体的に変えていくことをめざしています。

たとえば『会議の時間や頻度を減らすために、事前のやりとりを工夫しよう』とか、『メールを当たり前に使っていたけれど、部内でのコミュニケーションはチャット中心にしよう』といった行動変化が可能になるんです。チャットだとメールに比べてかしこまった文章を書く必要がなくなるので、時間が短縮でき、業務の効率化へとつながります。

さらには、実際の働き方を見つめ直すことで、理想としている働き方との相違点を見つけることもできます。

たとえば、自分自身としては社外や他部署の人との繋がりが多いと感じていたけれど、レポートを見ると全体のほんの数%しかなく、想像よりも少なかったことに気づく場合もあります。であれば『今後はもっと自部署以外の方との情報交換やコミュニケーションを増やして視野を広げていこう』などと思えます。こうした気づきを通じて、前向きに行動してほしいと思っています」

嘉祥寺 「これまでは、全社員共通の『最適な働き方』を会社が決めてしまう傾向がありました。しかし実際は、所属部署や職種、プライベートの環境、自身のキャリアプランなど、さまざまな背景によって成果を最大化する最適な働き方が変わります。MyAnalyticsのような新たなツールを取り入れることで、社員一人ひとりが『自分なりの働き方』を見出せる、そんな流れを期待しています。

とはいえ、いきなり各々が最適な働き方を見つけるにはハードルが高いので、私たちが提案したり紹介したりしながら、独自の働き方改革へと近づいていきたいと考えています」

働き方改革推進室がめざす究極の姿は、人生の充実

▲嘉祥寺総務部長(右)と小谷働き方改革推進室長(左)

働き方改革推進室で働くメンバーにとって、社員の変化は心底うれしいものです。

田辺三菱製薬では、個人個人の「きらめき」が、組織の未来につながる「ひらめき」を生み出すと考えています。

小谷 「現状の働き方でとりたてて困っていないから、あえて変化を求めないと考えている人もいるかもしれません。しかし、変化の激しい時代の中で継続してバリューを提供していくためには、思考を停止することなく、常に自分がめざす姿を描き、一歩踏み出すことをやめないことが大切です。

たとえば、デジタルを活用することによって創出した時間で、自身の学びを豊かにしたり、誰かとのコミュニケーションを増やしたり……仕事だけではなくて、人生自体をきらめきに変えていこうという、意識改革につながったらいいなと思っています」

嘉祥寺 「私たちがめざす究極の姿は、田辺三菱製薬という会社で働くことで、仕事も私生活も充実しているなと思えること。そのためには、もちろん給与や待遇といった要素もありますが、なにより自分は社会に対して何ができるかを実感できるか否かではないでしょうか。

仕事を通じてさまざまな経験や知識を積み上げ、視野を広げていく。田辺三菱製薬は、そのポテンシャルを十分持っている会社だと思います。その中で、社員は『企業人』ではなく、社会と接点を持った『社会人』であってほしい。ひいては、この会社で働いて良かったという充足感になってほしいですね」

一人の常識が全員に当てはまる訳じゃない。自分事として、共に作ろう

▲働き方改革推進室メンバー(在阪メンバー、左から吉井、吉信、長澤、岡部)

働き方改革推進室は現在、小谷室長の下、主務と兼務併せて5名体制で業務を行っています。兼務者は各自の担当業務(人事やICT等)に関連した強みを活かして、施策立案・運営に携わっています。

岡部 年真は、定期的な社内サーベイの担当や、兼務メンバーの施策や動きのとりまとめを行っています。岡部は、『真の働き方改革』を一人一人が自分ごととして捉えられるようなフォローをしていきたいと語ります。

岡部 「変化に戸惑っている方や消極的な方の背中を押してあげるように、草の根運動的な形で、現場の声を聴きながら、皆さんの悩みや不満を解消していってうまく『真の働き方改革』のレールに乗ってもらえるようなことができればと考えています」

デジタル推進を担当している吉信 ゆう子は、社員同士が横のつながりを活用して、広い視野を持てるような環境作りをしたいと考えています。

吉信「積極的にデジタルを業務に取り入れ、時間を創出している方が既に数多くいます。彼らをクローズアップして、会社が変わっていく姿を身近に感じていただきたいです。そうすることで、『自分には関係ないや』と働き方改革に対して、受け身、もしくはネガティブになっている方々にも良い影響を与えられるのではないかと思っています」

研修や社員同士のつながり作りなどの施策に携わるのは、全社の人材育成を担当している加藤 麻理です。加藤もまた、対話やコミュニケーションによるつながりの風土を作っていきたいと考える一人です。

加藤 「創出した時間を自分のために使うには、自分自身の振り返りが必要だと思いますし、私はそれを対話から発見したり、研修などを通じて自分に向き合うことで何か気づきを得たりとか、一歩踏み出そうと思えるような、そういう取り組みをしていきたいですね」

人事制度を担当しているのは、人事部の吉井 亮祐です。吉井は、働き方改革の取り組みと人事制度との整合性や、現場視点を意識して推進室業務に取り組んでいます。

吉井 「『改革』を唱えて進みだすと、勢いが先行して逆に視野が狭くなることも起こりえますので、そういったところを制度との整合性や現場目線を意識し、フォローしていきたいと思っています。ただ、ブレーキ役みたいになるといけませんので、バランスには気をつけたいですね」

長澤 優は働き方改革の様々なコンテンツが掲載されているポータルを使って、『真の働き方改革』の更なる社内浸透に向けた企画に取り組んでいます。

長澤 「失敗を気にせずに、それぞれの働き方でチャレンジできる仕組みを作っていきたいですね。情報収集やコミュニケーションツールが色々と用意されていますから、自らそれらを使ってチャレンジをしてみて、わかりやすく発信していきたいですね」

働き方改革推進室のメンバーはそれぞれが『真の働き方改革』への思いを持ち、異なる視点を持って改革を進めていこうとしています。

ぜひ社員の皆さんも主体性をもって『真の働き方改革』の実現に向けて一緒に頑張っていきましょう。