自律的キャリア形成 「SEとしての自分」に区切りをつけマネジメントを通じた未来へ

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▲2013年。入社2年目に、PMI日本支部(プロジェクトマネジメント協会の支部)のフォーラムに参加した頃の横地

※Management Canvas(略称:M’can エムキャン)とは、マネジメントのプロフェッショナル達が集まるMSOLが手掛ける「自己実現を支援」するマネジメント教育のプラットフォームのことです。主なサービスとしてPM人財の実践力認定、ノウハウやテンプレートなどのナレッジの提供、Eラーニングやセミナー・Lab.などの継続学習機会の提供、プロジェクト案件の紹介やキャリアやPM推進上の相談窓口の提供を行います。

私のキャリアは、新卒で入社した大手IT企業傘下であるSI企業のシステムエンジニア(SE)からスタートしました。

入社した当時は、2000年代初頭。日本では銀行の合併が繰り返されており、そのたびにシステム統合のニーズが生まれていたこともあって、私は主にそうしたプロジェクトを担当していきました。

ところが、もともと自分から望んでプログラミングの仕事に就いたのにも関わらず、入社3年目ごろからプログラムを構築していく仕事そのものに情熱を持てなくなっていきました。「このままSEを生涯の仕事にしていて良いのだろうか」という不安や戸惑いを感じ始めたのです。

しかし、4年目になり、そうした心境にもある変化が訪れました。

金融機関のシステム案件で、これまで以上に超大規模なプロジェクトを担当したときのことです。私はそこで品質管理の役割を担いました。文字通りプロジェクトチームが携わるシステムのクオリティをマネジメントしていくのがミッションなのですが、エンジニアとして自ら手を動かすよりも、プロジェクトマネジメントを司り、あらゆる角度からプロジェクト全体の進捗にコミットしていく立場になったのです。

すると、それまでに感じていた不安を払拭できたわけではなかったものの、このとき今まで感じたことのない種類のやりがいを感じるようになりました。そこから、自分の未来に対する手がかりが見えたような感覚になっていきました。

その後仕事に忙殺されている内に入社8年目を迎えたのですが、ようやく仕事にひと区切りがついたタイミングで本格的に転職を考えるようになりました。

その際に、「自分は仕事を通して何を成し遂げたいのか」という自問自答をしてみたのです。結果、“環境問題に強い関心を持っていること”と、4年目に経験したマネジメントに携わる仕事の醍醐味を再確認しました。そして、「マネジメント能力に磨きをかけつつ、その成果を通じて環境問題の解決に貢献していく人生を歩もう」という、私なりのビジョンに到達しました。

この軸が起点となって、私はMSOLへと転職をすることになります。

MSOLに入り、マネジメントのプロになって、自分を高めていきたい

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▲2017年、トレーニングパンフレットに講師として登場し他頃

転職活動をしていた当初は、環境問題の解決にダイレクトに携わっている組織を調べていました。しかし、この領域の実情を知るようになればなるほど、あることを確信するようになりました。

環境問題の構造が抱える問題の根本にアプローチしていくのは、技術的な問題として対応するロジカルシンキングでは難しい。むしろ、自分も問題をつくり出す当事者であると自覚し、絵を観るように深く内省し、多様な人達と対話しながら共通のゴールを目指すようなマネジメントが不可欠だと気づきました。

しかし、当時の私は、お世辞にもマネジメントのプロと言える水準の能力は持っていません。そこで、まずはマネジメントのノウハウを徹底的に吸収していける場に身を置いて、自分を高めるところから挑戦しようと決めました。そうして、MSOLへの入社を希望し、1から学び直す日々をスタートさせました。

本当のところを言えば、「それなりの経験は前職で積んできた」つもりでした。しかし、そんな甘い認識は入社早々に粉々になります。私が前職で体験してきたのは、ほとんどが金融業界のプロジェクト。しかも大部分は総勢200人ほどの大規模プロジェクトであり、完了まで長期間に及ぶ種類のものばかりでした。

ところが、MSOL入社時にアサインした案件の多くは、総勢15人ほどで半年後には納期がやってくるようなものばかり。スピードのレベルが前職時代の経験値とは段違いだったのです。さらに業界としても、金融だけでなく自動車業界やインターネット業界、エネルギー業界など実に多様で、その都度、異なる業界知識や業務知識を問われます。

その違いにはじめは苦戦しました。しかし、徐々に成長して大企業のプロジェクトを任せてもらうようになってからは、大企業ゆえの組織構造の複雑さから来る課題などと向き合っていくことができました。

こうした日々を振り返ると、あっと言う間に10年が経過しています。悪戦苦闘の連続だったのは事実ですが、前職時代と違い「このままこの仕事をしていていいのだろうか。もう情熱を感じられない」という気持ちに襲われることは1度もありませんでした。

それどころか、社内外で一定の信頼を勝ち得るところまで成長することができたと自負していますし、近年では社内のメンバーや、お客様のプロジェクトメンバーに対して、マネジメントを伝え、広めることに喜びを感じるようになりました。

「このプロジェクトは何のためにやっているんだっけ?単に納期に間に合えば良いとか、単に製品やサービスが出来上がれば良い、というわけではないよね?目的を見失わないようにするにはこうすべきなんじゃないか」と、積極的に語りかけている自分がいます。そして、そういう行動を社内外の方々が評価してくださっている実感も得ています。

マネジメントを志す人のためのプラットフォームM’can

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▲2017年、社内勉強会の講師を務めていた頃。伝えることにはいつも情熱を持っていた

一昔前に比べると、今はマネジメントへのニーズの高まりを感じるようになりました。

実際、かつて属人的なものでしかなかったマネジメントのノウハウは急速に体系化され、多くの企業人が様々な資格取得のための勉強をしています。私自身も、PMI(米国プロジェクトマネジメント協会)認定のPMPという資格やPMAJ(日本プロジェクトマネジメント協会)認定のPMR資格を取得しています。

しかし、その一方でこうしたムーブメントだけで伝わりきらないものがあるとも感じています。というのも、マネジメントに関する依頼がまだまだMSOLに届いているのです。

たとえば、以前、価値創造人財の創出をテーマとする、あるエネルギー企業のプロジェクトを担当したことがあります。その際に、マネジメント改革に取り組んでいったのですが、マネジメントの本質を伝え、広めていくこと自体が、お客様に提供できる無形の価値になるのだと実感しました。そして、より実践的なマネジメントへのニーズが依然として存在していることを身をもって体感しました。

こうしたニーズについては、以前からMSOL内でも叫ばれてきました。経営陣がマネジメントのノウハウ体系化とその提供の必要性を、早くから提唱していましたし、学びのプラットフォームとして大学のような仕組みをつくる、ユニバーシティ設立構想というものも5年ほど前から動き出しています。 (「Management Canvas」はもともと、「MSOL University」という別名で構想をスタートしています)

もちろん、私もずっと魅力を感じていたのですが、構想が正式に立ち上がる中、私がそのリーダーを担当することになりました。

品質管理を取り組むことでマネジメントに出会う。MSOLでマネジメントのプロフェッショナルになる。マネジメントを志す人のための学びの場をつくる。いつか環境問題の解決に繋がるマネジメントをする。いくつかの点が約束に向かっていく絵を描くような気持ちで、このチャレンジに関わっていきました。そして、「マネジメントを志す人がやりたいことを自由に描くことができるプラットフォーム」をコンセプトとした「Management Canvas(マネジメントキャンバス)」は2021年4月に正式にサービスをスタートしました。

今はリーダーとして、今後段階的に拡充していくナレッジ提供、コミュニティの構築、キャリア支援などを行うコンシェルジュ機能の開発に取り組んでいます。立ち上げに関わってくれたメンバーには、本当に感謝しています。

大事にしたい自身の信念

Management Canvasを構想する際に重視したのは、「SDGsに向き合う」ことです。

そもそもSDGs(エスディージーズ)とは、2015年に国連で採択されたSustainable Development Goalsの略語です。日本では「持続可能な開発」と直訳されていますが、要は国際社会が抱えている社会課題を整理分類し、17のグローバル目標と169の達成基準を規定した国連の開発目標のことです。

今、先進的なグローバル企業の多くが、単なる利潤追求だけでなく、このSDGsに貢献していくことを企業活動の大目標として掲げ始めています。そしてSDGsはこれからの時代企業だけでなく、個人にとっても重要なテーマです。

私自身も個人的にこのSDGsにはもっと深く関わっていきたいと思っています。

SDGsでだけでなく、個々人が社会に広がる問題を自分なりの観点で考えることができれば、社会はもっと良くなっていくと信じています。

Management Canvasについても考え方は同じで、集まった人たちがプロフェッショナルとしてお客様のビジネス価値の向上に役立つ仕事を続けながら、社会課題の解決に貢献していく。ManagementCanvasがきっかけとなり、社会に良い流れができればと思っています。