尊敬できる人からの誘い、だから転職した 

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▲メンバーの指導に当たる林(右)。大手から転職し、MJEの基盤をつくり上げてきました

営業本部営業推進課でゼネラルマネージャーを勤める林哲也が、株式会社MJEに中途入社したのは2010年。2018年現在、250名に上る社員数は、当時20名程度。大阪にある小さな企業のひとつに過ぎませんでした。大手通信会社からベンチャー企業への転職。そこに迷いはなかったのでしょうか。

林 「入社のきっかけは現・常務取締役である松井淑樹から『一緒にやらないか?』と直々にお声がかかったこと。松井は通信会社時代の元上司でした。尊敬してやまない人からのお誘いは、非常に嬉しかったですし、迷いはありませんでしたね。『期待にぜひとも応えたい』その一心でした」

入社後はコピー機などオフィスのインフラを整える現・オフィスソリューション事業部の営業部門に配属。2014年からは当時新規事業だった美容系メディア「Charisma.TV.BEAUTY Ch」のスタートアップも経験しました。

林 「そこでは当時、メディア事業部にマネジメント層の人材がいなかったこともあり『組織を運営する側にまわってみないか』と打診を受けまして。6名の営業部署を立ち上げました。
一番苦労したのは、営業先がオフィスを持つ法人から、ほぼ個人に近い美容室やエステサロンになったこと。お金、つまり投資に対する考え方が180度変わり、こちらの対応も変わらなければなりませんでしたが、同時に自分自身の引き出しを増やすことができました」

マネジメント経験を1年半ほど積んだ2015年4月。林はまた新たな辞令を受けます。当時MJEがM&Aを行なった老舗企業「ジムテック」の代表として、東京へ赴くことになったのです。

どんな逆境に立たされてもあきらめないから、人を元気にできる

林が本社を離れたのは、実は「ジムテック」出向が最初ではありませんでした。

林 「それ以前にも、東京支店・名古屋支店・奈良支店など拠点の立ち上げは経験していたので、本社を離れること自体には違和感はなくて。
それよりも、自分よりも年上の社員が大半の、業歴30年以上の会社代表に就くということのほうが、正直言って不安でしたね」

就任直後、ジムテックは業績不振の真っただ中。社内の空気も暗く沈みがちでした。そんな組織を活性化するために、林が社員たちに絶えず訴え続けたのは“あきらめない”こと。

林 「積極的に発信したのは『この会社の存在意義』についてです。この会社があることで喜んでくれる人がいる。だからあきらめずに、もう一度真剣にやろうよ、と。時に外に連れ出して、ご飯を食べたり、お酒を酌み交わしたりしながら本音で話しました。
本社から一緒に出向いた若手社員豫城(よしろ)・羽江(はえ)の存在も大きかったと思います。しばらく新入社員が入っていない会社に、新しい風がぱーっと吹き込んだという感じでしたから」

社員の内面だけを見つめていたわけではありません。林は、営業のプロとしても結果を出し、自らが進んでモデルケースとなりました。

林 「営業スタッフたちが『もう買ってくれない』とあきらめている顧客がたくさん存在していまして。その客先に私と羽江で営業に行き、受注を決めていきました。すると、スタッフたちが『おお、すごい!』と喜び、ようやく前を向き、歩きはじめるといった感じで。
一筋の明るい光を見せることで、社員のモチベーションも上がる。そう信じてできることはすべてやったつもりです」

MJEのビジョンは“サービスやコミュニケーションを通じて世の中を元気にする”。林は、ジョインしたてのグループ会社で、その言葉を体現してみせたのです。

大好きなMJEを嫌いになりたくない、だから立ち上がる

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▲一度は会社のことを嫌いに。それでも、自身で変えるという気概の元、会社の変革に挑んできました

2018年4月。丸3年のジムテック勤務を経て、林はふたたび大阪本社へと戻りました。今回の異動先は、新設されたばかりの営業推進室。大阪・東京・奈良・九州の4拠点・約100名の営業部員の教育をする部署の、ゼネラルマネージャーに就任しました。

林 「入社してから8年、何十人、何百人もの社員を育ててきた経験や実績はあるので、自分にしかこの仕事はできないだろうなという使命感はあります。
東京から本社に戻ってくるたびに、大好きなMJEを、嫌いになってしまう瞬間がありました。それは、営業の質が落ちているのを目の当たりにしてしまった時。自分自身が入社当時に持っていた『ドキドキワクワク感』が社内になくなっているんじゃないかと思った時。
そして何よりも、社員にビジョンや理念が浸透されていないと感じた時です。だから、代表の大知に『会社のビジョンや理念を浸透させる部署に』と言われて、これはぜひとも実現させたいと思ったんです」

林が就任して、3カ月。まず着手したのは営業そのもののクオリティ向上でした。自らの営業手法について、成功事例をただメンバーに話すだけでなく、隣でテレアポを実践して新規のアポイントを取ってみせたり、一緒に営業先へ同行するという“実地”にこだわっているのです。

林 「一つひとつのプロセスを積み上げる重要性も去ることながら、私を見て考えてもらいたいのは“顧客から選ばれる営業マン”とはどういう人なのかということ。
個人的な見解ですが、この業界に入って一年で、努力しない営業マンが多いのに気づいたんです。他社で大きな買い物をしたお客さんの中に『やっぱりこれ、買うんじゃなかった』と後悔している人の割合が意外と高くて。売る側と買う側に意識のズレがあるということは、売る側の方に怠慢があるからじゃないのか、と。
だから努力をしないと、お客さんを悲しませることになるし、選ばれる営業マンにはなれないと思ったんです」

常に持つ危機感が“人のプロ”となるための努力の糧

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▲人のプロ、を育て続けるために。今日も林はメンバーたちと向き合い、そしてその先にある顧客の喜びの創造に努めます

人から生まれる価値は、目に見えないものも多く、受け取る人によって感じ方も違います。林が思う、選ばれるための価値とは一体どんなことなのでしょうか。

林 「自分自身の価値は常に持っている “危機感 ”から生まれていると思います。何かをやり遂げたとき、達成感と同時に危機感をも持つことによって、明日は今日以上の努力ができるんです。商品知識を身につけることはもちろんですが、相手にちょっとした気づかいができるかどうかも努力の賜物だと思っています。
たとえば、ご購入いただいたお客様にコピー機を届けた時。古いコピー機の裏側には4~5年分の埃がいっぱい溜まっています。これをそのままにするか、掃除機で吸い取ってあげるかで相手の印象はだいぶ変わると思うんです」

実は、社内には、営業推進室を立ち上げる前から、いわば“林チルドレン”のような、林を慕う部下たちの存在があります。

林 「彼らはありがたいことに『林さんからこう聞いたから、こうしたほうがいいよ』とほかの人にも発信してくれているんです。そうすると、僕がいない場所でも業務がうまくまわっていくんですよね。彼らの共通点は考え方のバランスがとてもよいこと。
結局、私が社内教育で目指していきたいことって “考え方がしっかりしている人 ”をどれだけ育てていくか、ということに尽きるんです。当社のビジョンやミッションには、まさにその考え方の指針があります。だから、これらをしっかり浸透させていきたい」

最後に。創業期を知る林があえて“MJEパーソン”を定義するとしたら……?

林 「MJEが掲げる社員のコアバリュー(共通の価値観)は10個あるんですが、その1番目に『人を知ろう、人を喜ばせよう、そして人のプロになろう!』 というのがあります。
もしかしたら、目指すべきMJEパーソンって “人のプロ ”なのかもしれない、と思っています。すべては人であって、その後にお金が付いてくる、と」

今後、さらに活動の広がりを見せるであろう営業推進室。そして、会社の拡大とともに、東へ西へと伴走してきた林。MJEパーソン候補生たちは、彼の背中を、広く、大きく、心強く感じていることでしょう。