アルムナイネットワークとの出会いと、現役社員との交流
〈みずほ〉は今、2019年4月に公表した「5カ年経営計画」の中で、「次世代金融への転換」を掲げ、大きな変革に取り組んでいます。
「オープン&コネクト」という行動軸のもとに、会社の枠にとらわれず、外部とも有機的につながり、協働しながら、新たな価値創造に向けた動きを加速させています。その中で、「オープン&コネクト」を体現するコミュニティとして、2020年7月に元みずほ社員で構成する「〈みずほ〉アルムナイネットワーク」を立ち上げ、専用のコミュニケーションサイト(SNS)を導入しました。
今回、アルムナイ事務局の濱屋が、元みずほ社員として当初よりアルムナイネットワークに参加している楯岡に、その魅力や可能性について話を伺いました。
濱屋 「アルムナイネットワークを知ったきっかけ、また〈みずほ〉が同ネットワークづくりに取り組んでいることを知ったときの率直な感想を教えてください」
楯岡「アルムナイネットワークについては、今でもつながりがある同期からの招待で知りました。最初に感じたことは、おもしろい取り組みだということ。仲の良い同期や同僚以外、公に銀行を辞めた人とつながる術はこれまでなかったですし、正直、退職後に再度〈みずほ〉とつながりを持てるとは思っていませんでした。
それを会社として推進しているということを聞いたので、非常に画期的だと感じました」
濱屋 「事務局としては、〈みずほ〉とアルムナイのオープンな関係性を活かした共創を進めていくために、現役社員とアルムナイのコラボイベントやアルムナイ同士のネットワーキングの場づくりを進めてきました。楯岡さんには〈みずほ〉社員のグループが開催したイベントに登壇いただきましたね」
楯岡 「現役社員とのイベントは『海外での働き方・キャリア』というテーマだったので、まさに自分しかいないと思い、登壇募集に手を挙げました。というのも、〈みずほ〉時代には海外赴任や海外ビジネス推進という得難い経験を積むことができたので、退職後もどこかで恩返しをしたいという想いがありました。
当日のイベントで、まさか〈みずほ〉時代の同僚と互いにアルムナイという立場で登壇することになるとは思いもしなかったですが。参加者には若手社員も多く、彼ら彼女らにとって、自分の経験が少しでも今後のキャリアの参考になったなら幸いです」
多様なフィールドで活躍するアルムナイや古巣〈みずほ〉とつながる魅力
〈みずほ〉アルムナイネットワークは、おおよそ30%が金融業界、70%が非金融業界で活躍されている方で、また起業家や経営に携わるポジションで活躍する方も多く、多様なフィールドのアルムナイが参加しています。
濱屋 「世の中には多くの情報やコミュニティが溢れていますが、〈みずほ〉アルムナイネットワークならではの魅力や刺激はありますか」
楯岡 「定期的に開催されるアルムナイ同士の交流会“アルMナイト”では、多様なフィールドで活躍されるアルムナイとフラットな交流ができ、大いに刺激をもらっています。所属や肩書など関係なく、『元〈みずほ〉』という共通点をベースにアルムナイの皆さんとつながりの場を持てるのは非常に魅力的ですね。
とあるアルムナイからは、自社の企業カルチャー変革の取り組みを伺い、普段なかなか知ることのできない『ここだけ』の情報にも触れられ、自分が経営する企業にも応用できるものとして参考にしています。
また、〈みずほ〉の新たな取り組みを掲載した社内報や業界トレンドをまとめたレポートを通じて、サステナビリティや産業動向などのテーマに関する知見が得られ、〈みずほ〉を介したつながりのメリットも感じています」
このように、経営の最前線に立つ楯岡は、異なるフィールドで活躍するみずほアルムナイや、〈みずほ〉との交流を通じて、自身の経営者としての活動に役立てていると言います。
古巣〈みずほ〉とのさらなるつながりを大切に。ビジネス面での連携も
アルムナイネットワークとつながり始めた矢先に、ビジネス面でも〈みずほ〉との接点が生まれることに。
楯岡は、〈みずほ〉との関係性を活かして互いにとってWin-Winな関係を築くことができれば理想的であると話します。
楯岡 「アルムナイネットワークへの参加後、〈みずほ〉との法人取引も始まりました。取引が進んだ大きなきっかけは、かつての同期から連絡があったことでした。アルムナイネットワークで私の名前を見つけ、『懐かしい』と思い連絡しました、と。
その同期は、プロダクトを持たずにお客さまの真のニーズを聞き出す部署に所属していました。自分もまさに同じ役割をもつ部署にいたので、ここは元いた場所だし、ゼロからすべて話した方が幅広いニーズに応えてくれるだろうなと思いました。そこで、2時間くらいみっちり話し合い、自社についていろいろな課題があるということを伝えました。
取引においては互いに『会社と会社』というフェアな関係が前提となりますが、〈みずほ〉は私の古巣であり、相談のしやすさや心理的距離の近さを感じています。〈みずほ〉という共通項があるからこそ、互いに探り合うのではなく、率直に意見交換ができる関係性を一層深めることができると思います。
〈みずほ〉に期待することとしては、プロフェッショナルとして経営課題に対する指摘や改善提案をいただきたいですし、こちらも〈みずほ〉の知見やネットワークを最大限活用させていただきたいと思っています。そうして、お互いにとってWin-Winな関係が築ければと思います」
濱屋 「〈みずほ〉アルムナイとして、また顧客として感じた気づきについても教えていただけますか」
楯岡 「改めて、〈みずほ〉を利用する顧客として見ると、〈みずほ〉の持つリソースや基盤は大きいはずであるのに、政府系金融機関や地銀等との明確な差を感じられないように思います。もし、自分が今〈みずほ〉にいたなら、取引先の抱える本質的な課題に対して、組織をフル活用して解決策を考え、より良い価値を提供しようとするでしょう。
〈みずほ〉には、他の金融機関と差別化できる魅力あるコンテンツが豊富にあるはずなのに、最大限には活用できていない現状があると感じています。顧客という立場にたった今、社員がこれらのコンテンツをもっとスムーズに有効に活用できるようになれば、さらなる価値を生み出すのではないかと思います」
楯岡は、気づかぬうちに積み上げられた多くの知識を含め〈みずほ〉での経験が自身の会社経営に役立っていると話します。
楯岡 「企業経営をする立場となり、現在そして未来を常に語る立場にあるため、〈みずほ〉での教えは非常に役立っていますね。
私はドイツに赴任した経験があるのですが、当時のデュッセルドルフ支店長がいつも言っていた『足を使ってできるだけ確実な情報を集める、鋭く洞察力を働かせる、相手を説得するレトリックを駆使する』この三つが大事だと教えられたことは、今でも心に残っております。銀行に関わらず、全てに通じる教えではないでしょうか。
また、自身が未来を考えるうえで、〈みずほ〉を辞めるときに上司に言われたことも役に立っています。それは、『過去10年を省みてこれから5年を想像する』ということです。君はまさに人を率いる立場になるのだから、それをした方がいいと。
だから、現在の会社2社に移ってからすぐ15年前からの財務データを全部引っ張り出して、全部並べて、それらを常にアップデートしています。そして、今後5年間どうしていくかということを考え続けています。『歴史から学び、そこから未来を想像する』。私たちは過去に生きているわけではなく、現在と未来を生きているわけなので、経営者として未来に向けた明確なメッセージを発信し従業員に伝達する際に、この言葉を意識しています」
濱屋 「〈みずほ〉での経験が、現職にも活かせているとのことでしたが、外の世界に出たからこそ見えてくる銀行員の醍醐味もあれば教えてください」
楯岡 「〈みずほ〉はオープンなイメージがありますし、質の高い人材も揃っていて一人ひとりが活躍できるフィールドも広がっていると思います。20代という若さで、企業の経営者・経営層の方々と話す機会を持てるのはバンカーであればこそ。無知の知から始め、お客さまのために本気で相手の目線に立てるような努力を継続できた先に、初めて新しい景色が見えてきます。
バンカーはお金を扱っていますが、お金は期間や条件により形を変える分、想いを込めることができると思っています。バンカーには、若いうちにしかできない経験を得るために思う存分に挑戦してほしいです。
思い返すと〈みずほ〉時代、私は割とチャレンジしなければならないポジションに置かれていたと思います。特に海外赴任時は、当時の支店長拠点長から『チャレンジしないと仕事はないぞ』と言われていたので、チャレンジ精神を培うことができました。
公平無私な心構えでお客さまのために真剣に取り組めば、バンカーとして貴重な経験をすることができますし、いくつになっても本人次第でスキルアップを図ることができるのではないでしょうか。お客さまのニーズを満たす案件を成就させることで、お客さまとの真の信頼関係を築くことができると思います。ぜひ、バンカーとしての矜持を持ち、今しかできないことにチャレンジしてほしいですね」
アルムナイと〈みずほ〉双方に利点あるサステナブルなネットワークをめざす
最後に、今後のアルムナイネットワークの可能性や期待について、意見を交わしました。
濱屋 「事務局としては、アルムナイ同士のネットワーキングによる新しいビジネスの創出や、業務連携なども期待しています。また、これまでの経験をもとに古巣〈みずほ〉で活躍してみようという方には気軽に相談できる窓口を設け、カムバック入社への受け入れ体制を強化しています」
楯岡 「多様なフィールドで活躍するアルムナイが多いことから、各業界の傾向やそれぞれどういったニーズがあるのか、またそこに対し、どんなソリューションがあるのかといった知見の共有に興味があります。
各人が得意とする分野についてざっくばらんに意見交換をしていけば、思いもよらない化学変化が起きる可能性があるのではと思っています。初めからビジネスありきではなく、気づいたらビジネスになるかもしれないぐらいの気軽な交流に可能性を感じます」
濱屋 「アルムナイ同士、アルムナイと〈みずほ〉との多様な交流や連携を拡大させることで、組織という垣根にとらわれないネットワークと、そこでの新たな化学反応を期待しています」
これまで口コミだけで広げてきたアルムナイ専用SNSへの登録も、みずほフィナンシャルグループのホームページ(キャリア採用ページ)を経由した登録が可能となり、今後はさらなるネットワークの拡大が見込まれます。
次世代金融に向けて、アルムナイとのコラボレーションにより、今までにない価値を創造していくことをめざす〈みずほ〉。楯岡も、〈みずほ〉のアルムナイネットワークを活かし、今後もさらに未来へ向けて突き進んでいくことでしょう。