ふと舞い込んだ社内兼業のチャンス。手を挙げ、最初の一歩を踏み出した

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〈みずほ〉の社員は約7万人。

一方、社員一人ひとりからすると、「7万人分の1である私」。

働く環境について改善の提案をしたいことがあっても、大勢のうちの一人である自分の力では、組織を変えることはできない──そんなふうに考えている人もいるのではないでしょうか。

法人融資の現場で活躍する江副も同じく、〈みずほ〉で働く社員7万人のうちの1人ですが、彼女は自ら声を上げて現場の意見を届けることで、人事制度にその声が反映されるという経験をしました。

江副 「早いもので入社して20年以上が経ちました。今は課長として、8人の課員をまとめる立場です。そんな私にとって、『現場の声を届けたい』と思うきっかけとなった出来事がありました。

課長になる前の2016年ごろ、育休から復帰して短時間勤務をしていた同期が、業務をやりくりするのに苦労している姿を目の当たりにしたのです。〈みずほ〉では、出産後も仕事に復帰しやすいように人事制度を整えていますが、私はその当時、制度への理解は現場や人によってまちまちではないかと感じていました。復帰して制度を利用する社員の職場での活躍の仕方や周囲の理解に対して、何かもう少しできることはないか。自分なりに考え、上席と相談していました。

そうした中で、現場から人事の世界に飛び込んで自分の周りだけでなく組織単位で、私が現場で課題に感じていることの解決に取り組みたいと思うようになりました。同時に、現場管理者が制度活用に着意を持って取り組むことが重要だという思いもあり、その時点では人事の道をめざすことはせず、長年専門性を培ってきた融資のフィールドで課長へとステップアップしました。

それでも依然として人事の仕事には興味を持っていて、人事部での社内兼業メンバー募集の機会にはすぐに飛びつきました」

2020年、江副が兼業として人事で行ったのは、ダイバーシティ&インクルージョンを推進する業務でした。

江副 「人事のフィールドに入ってみてわかったのは、本部の人たちは本当に真摯に、会社のため、社員のために制度や仕組みづくりに取り組んでいるということです。本部の本気に触れ、あらためて自分は現場で頑張ろうという想いが強くなりました」

現場と本部の両方を経験し、「双方のより良いコミュニケーションのために、私なりにもっと声を上げていこう」と決意した江副。彼女に、その声を届けるチャンスが巡ってきたのは、それからしばらく経ってからでした。

現場の声を届けたい──社内制度モニターに参加し、より良い形を模索する

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人事での兼業を終えてしばらく経った頃、融資課長として業務に邁進する中で、新たな社内通知が江副の目に留まります。

江副 「人事制度に関するモニター募集の通知が、人事から出たのです。それは人材育成支援のための新ツールを使用し、その使用感や改善点について人事に意見を提出するというものでした。『よし、これだ!現場の声を届けよう!』と思い、手を挙げました」

その新ツールは、一人ひとりの社員が業務を通じ、どのように専門性を高めてキャリアを築いていくのかという点について、上司と部下が対話をするために導入した「専門性コミュニケーションシート」。モニターとしての具体的な活動は、このツールが人材育成に資するものなのかという目線で議論して、各現場の意見を人事に提言し、より良い仕組みをつくることでした。

参加メンバーは30人ほど。「評価する側」と「評価される側」の立場ごとに4、5人のグループにわかれて、それぞれ意見を出し合いました。

江副 「部門も役職もバラバラの、普段関わらないようなメンバー同士で話し合うのは、とても良い刺激になりました。入社年や年齢なども気にせずに、ざっくばらんに意見を交わせました」

江副を含む「評価する側」のメンバーは、部下育成に熱意を持って取り組んでいる人が多く集まっていました。皆、部下育成に課題意識がありつつも、目の前の業務と育成にかける時間のバランスを思うように取れず、悩んでいたのです。

江副 「みなさんのお話を聞いて、ああ、どの部署も同じ問題を抱えているのだなとわかったのは発見でした。課員を引っ張る立場にいると、なかなか周囲に相談相手がいません。でも今回モニターに参加して、『悩んでいるのは自分ひとりじゃない』と思えて勇気づけられました」

また、「評価する側」「評価される側」のメンバーが一堂に会して意見を出し合う場面では、「評価される側」が日頃どう感じているのかを聞ける貴重な体験ができたといいます。

江副 「確かにそうだな、と納得することがたくさんありました。たとえば、『自分から上司に成果を報告する前に、上司の方から頑張りに気づいて具体的に言葉をかけてくれると嬉しい』とか。それを聞いて、頭の中で思うだけじゃなくて、きちんと口に出して伝えないとだめだな、と」

ときには悩みを分かち合い、ときには気づきを持ち帰る。モニターメンバー同士で意見を出し合い試行錯誤を重ねることで、新ツールの改良点をたくさん洗い出すとともに、江副は自分自身のためになる新たな知見や考え方も得ることができました。

今、〈みずほ〉は本気で変わろうとしている。それを、肌で感じた

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モニター社員たちによる意見をもとに、人事は実際のツール運用方法について再検討し、2022年4月には「成長コミュニケーションツール」としてリリース。従来のシートよりも作成負担軽減や運⽤の柔軟化が図られていました。

江副 「人事から共有された新しい運用方法を見たとき、正直かなり驚きました。

モニターの場で出した意見が、想像以上に多く反映されていたのです。私にとって、人事制度は本部が決めるもの、という印象でした。

それが今回、自分の会社で、しかも人事制度という固い制度で社員の声がこれほど反映されるなんて、想像以上でした」

社員の声をただ聞くだけでなく、実際に取り入れた本部。その姿勢に江副は、〈みずほ〉が会社として、各現場・各社員に向き合う新たな一面を感じたといいます。

江副 「今回のモニター制度は、きちんと施策として積極的に社員の声を聞き入れようとしている。そして、その集めた声をきちんと採用している。本部に所属していなくても意志さえあれば意見を届けられる環境、そしてそれを柔軟に受け止めてもらえる組織になりつつあることを知りました。

正直、今までは自分が届けた意見がどのような形になったのか、他にはどんな意見が集まったのか、結果がわからないこともありました。だから今、〈みずほ〉は本気で変わろうとしている。それを、肌で感じました」

実際に社員の意見が人事制度に反映されたことは、長く〈みずほ〉で働く江副の目に、画期的なこととして映りました。

江副 「だったら、現場で働く私たちも変わらないといけませんよね。各現場も、単なる批判ではなくしっかり意見を持って、真摯に本部に届けていきたい。それが、ともに〈みずほ〉で働く仲間としての義務だと思ったのです。課員や周囲の人たちにも、同じことを伝えました」

これから組織全体が大きく変わっていく。そんな期待感で満ちている

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現場の意見が反映された「成長コミュニケーションツール」。江副自身は、課のメンバーの成長とキャリア支援のために積極的に使っていきたいと考えています。

江副 「これまで私は、ずっと周囲の仲間に恵まれてきました。すごく運が良かったと思っています。困ったときに助けてもらったり、なにか挑戦したいと思ったときに背中を押してもらったり。

だからこそ、今度は自分が課員のみんなの想いに寄り添いたいです。『成長コミュニケーションツール』を活用して、今後のキャリアやそれぞれの想いについて、課員と丁寧に対話をしていきます。

一人ひとりの『こうなりたい』に近づくために本当に役立つツールなので、みんなで使いこなしていきたいですね」

課員の成長、キャリア、想いを受けとめることに熱を注ぐ江副。そんな彼女がこれからも大切にしていきたいと語るのは、課員一人ひとりが生き生きと働けて、ありたい自分の姿に向かって挑戦できる土壌づくりです。

江副 「実は、課長になりたての頃から、働きやすい環境づくりに取り組んでいました。課員の健康を守ることが結果として、会社にとっても課員一人ひとりにとっても良い未来につながると信じて取り組んでいます。

特に意識しているのは時間管理です。はじめは課員から『もっと残業をさせてほしい』と言われていたのですが、それでも、毎日5分でも早く帰れるように仕事の仕方を工夫し続けるよう伝えて、一人ひとりに向きあい続けました。

すると、半年ほどたった頃、『前は残業した翌日は疲れが抜けなくて午前中はつらかったけど、最近は朝から集中して仕事に取り組めています』と言ってくれる課員も出てきました。少しずつ、自分のめざす課に近づいてきたと実感できて、とても嬉しかったですね。

今も、仕事の中では『課員の成長や健康を支えること』を大切にしていて、みんなが働きやすい環境作りに努めています。私自身は『仕事=人生ではない』と考えています。健康的に生き生きと働いて、自分の人生を生きてほしい。この考えは、新しく課員が着任した時や年度初めなど定期的に課員に伝えて、想いを共有しています。今回の成長コミュニケーションツールも、その想いの延長線上で使えるはずだと、強く感じています」

意気込む江副の胸の中には、モニターに参加したことで感じた〈みずほ〉への期待が膨らんでいます。

江副 「今後も、本部と現場が一体となって、お互いの意見に柔軟に耳を傾けていくことで、組織全体がより良い方向に変わっていくのではないかと、わくわくしています」

大切な部下や同僚が働く現場の声を、本部に届ける架け橋として、新しい〈みずほ〉を一緒に作っていく。

まっすぐな想いを輝かせながら、江副の挑戦はこれからも続きます。