チャンスはいつも巡ってくるとは限らない。社内公募と異動をめぐるキャリア観の変遷

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挑戦したいと思った時が、やるべき時。そう気づいてから、変わった──

 控えめな性格で、それまで挑戦とはあまり縁がなかったという久田。入社後、事業領域を横断しながら活躍する人材になることは、彼女自身も想像していませんでした。

久田が〈みずほ〉に入社したのは、2008年のこと。名古屋営業部で法人向けの預金為替業務を担当した後、近隣の複数支店での勤務を経て、2020年10月から現在の名古屋法人第一部に所属変更となり、クライアントサポーター業務を担っています。

久田 「これまでに個人専門店や総合店・営業部を経験させてもらえたことで、〈みずほ〉での自分なりのキャリア観を整理することができました。地方の支店業務の中で自分の特性をより活かす業務は、法人のお客さまをクライアントサポーターとして支援させてもらうことではないかと考え、現職を希望しました。働きがいも感じています」

日頃から久田は社員それぞれの立場や背景を考えながら、職場の働きやすい環境づくりを心がけています。所属する部署だけでなく、より広い範囲で〈みずほ〉の仲間の役に立ちたいという想いから、社内の公募制度(以後、ジョブ公募)にも応募してきました。

久田 「働きやすい職場環境があると、なんとなく前向きになれたり、がんばろうという気持ちが自然にわいてきたりすることがあると思います。そうした環境づくりを通して会社に貢献することが、ひいてはお客さまにも貢献していくことにつながると考えています。

私の目標は、そうやって縁の下の力持ちとなり貢献すること。『他の社員が活躍しやすい職場環境を整えたい』、『それぞれの価値観で頑張っている姿を見たい』という気持ちで働いています。働きやすい環境づくりに向けた組織変革に携わり、現場での経験を活かして仲間の役に立てたらという想いから本部業務に興味をもち、ジョブ公募に応募したこともあります」

久田が最初にジョブ公募への応募を考えたのは、ちょうど社内組織が変わろうとしていた時期。人員不足などの状況に配慮し、当時は応募することを躊躇してしまったと振り返ります。

久田 「『この状況でもし私が今の部署から出てしまったら、職場に迷惑をかけることになる……』そう考えて、応募に踏み切れずにいました。するとその矢先に、別の支店への異動が決まりました。『私は今の職場にいなければいけない』という考えが、自分への過大評価だったことにその時気づきました」

異動後は一定期間ジョブ公募に応募することができないため、その後1年間は応募を見送ることになりました。こうしたジョブ公募への応募をめぐって、好機があるときに挑戦することの大切さを思い知ったのです。

社内兼業に挑戦。取得した資格を活かしながら成長できる環境を求めて

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▲部長席とのミーティングの様子

久田は日頃からスキルを磨くために学習を続けてきましたが、特段秀でたスキルがないことへの不安を感じていたといいます。

久田 「自信を持てるスキルがないことへの劣等感がずっとありました。そんな中、2020年から小学校でプログラミング教育が始まるというニュースを見て、危機感を募らせました。AIの活用やDX推進による職場環境の変化が話題に上ることも多く、この先自分は〈みずほ〉でどのように活躍していきたいかを考えたとき、どんな部署でも使える技能を身につけようと、パソコンやプログラミングの勉強を始めました。

何年か前にExcelの資格を取得した先輩のお話を聞いて影響を受けたことも、始めてみようと思う一つのきっかけになったかもしれません」

パソコン教室に通い、MOS資格を取得。そんな折、久田は社内兼業という制度が〈みずほ〉にあることを知ります。

社内兼業とは、2019年に〈みずほ〉が打ち出した新人事戦略のひとつ。社員に学びと挑戦の機会を提供し、専門性を軸としたキャリア形成を支援する取り組みの一環として、他部署での兼業に挑戦する社員を支援・後押ししています。 

“社内兼業”という形で新しい仕事に挑戦できることに、久田は魅力を感じました。兼業であれば、現業を引き続き頑張りながら興味のある分野にも携われる——以前のようにためらうことなく、挑戦することを決めました。

久田 「もっとデジタルに強くなるには、実践できる環境に身を置くのが近道だと考えて、みずほリサーチ&テクノロジーズでの兼業に応募しました。取得した資格を活かすことができること、また業務の中で専門的なスキルを高め、成長の機会をもらえたことに感謝しています」

久田の本業先と生活基盤は名古屋にあるため、東京の兼業先へはリモートで勤務することになりました。

社内兼業することに対して、職場の上司や同僚は協力的だったといいます。

久田 「社内兼業を始めることを職場のみなさんに伝えたところ、『がんばりなさい』と背中を押してくれてとても勇気づけられました。業務配分については心配な部分もありましたが、職場に迷惑をかけないようにやり切るしかないと覚悟したのを覚えています」

本業に軸足を置きながら、事業領域を横断。スキルや知識の向上を実感

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▲社内兼業先でのオンラインミーティングの様子

兼業先でまず久田が取り組んだのが、社員のITリテラシーの底上げを目的としたプロジェクトでした。

久田 「社員のITリテラシーを高めるための施策として、“デジタル技術マップ”の作成に携わりました。デジタル技術マップとは、デジタル関連の用語を初心者の方にもわかりやすく解説するコンテンツのこと。〈みずほ〉での活用事例についても触れるなど、社員が自分に近しいと感じられるような内容を意識して作りました。それまでまったく経験がなかった企画業務にも携わることができ、とても勉強になりました。

兼業1年目が終わりに差し掛かるころ、兼業先で『来年もやりませんか』と声をかけてもらって。デジタル技術マップの制作をやり遂げたいという気持ちもさることながら、デジタル技術についてさらに学び、社員のITリテラシー向上に貢献したいという想いから、2年目も引き続き同じ職場で兼業を続けることにしました」

デジタル技術マップが初心者向けコンテンツということもあり、制作にあたっては、自身の初心者としての立ち位置を大いに活かすことができました。

久田 「自分が『難しい』と思うところが、まさに初心者が引っかかる部分。わからないと思う箇所を埋めるように解説していくことで、成果物ができあがっていきました。初心者だからこそ貢献できた部分も多かったと思います」

また、社内兼業を経て、本業では得られないスキルや知識が身についたといいます。

久田 「本業では他部署と関わる機会がほとんどありませんでした。兼業先では、IT部門の方をはじめ、事業領域の枠を越えたつながりの中で、さまざまな意見や考え方に触れ、多くの学びと気づきを得ることができました。

また兼業先ではディスカッションを通じて、自分の考えを伝えるスキルや資料作成スキルも向上したと感じています。社内兼業に挑戦しようと思ったときに目的としていた知識やスキルの向上が実現できました」 

2022年3月、デジタル技術マップ制作プロジェクトの完了とともに、久田は、みずほリサーチ&テクノロジーズでの2年にわたる兼業を終えました。そして、同年2月からは、新しい部署で兼業を始めています。

久田 「良質な教育コンテンツがあっても、社員に使ってもらえなければ意味がありません。デジタル技術マップをどう運用していくか検討していたところで、たまたま人事部でも同じような課題に取り組んでいるという話を聞きました。そこで、人事部での兼業を志望し、新しい課題解決に取り組んでいます。

今は、デジタル技術マップだけでなく、〈みずほ〉のデジタル学習プラットフォーム“M-Nexus”などを含め、コンテンツやツールの活用・運用の方法について検討しているところです」

社会に変革を生む原動力になるような、柔軟でスマートな働き方を目指して

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▲本業先の担当チームのみなさんとともに

久田は、自身のスキルを向上させるだけでなく、兼業での経験を本業へと還元する取り組みも行ってきました。

久田 「兼業先の部署で身に付けたITスキルを活かして、本業の名古屋法人第一部で部内勉強会を開いたことがありました。パソコンスキルの向上によって業務効率化につなげられれば、という思いで、パソコンの勉強会を開きました。社内兼業したことがきっかけで本業の部署のみなさんに自分の得た知識や情報を共有することができました。いい形で本業に還元できたことは、とてもうれしかったことのひとつです」

業務にもよりますが、リモートワークで社内兼業ができる場合もあります。このような柔軟な働きかたについて、久田は次のようにいいます。

久田 「地方からでも挑戦できることは魅力のひとつです。兼業先では、週次の定例会での情報共有があったので、リモートワークだからといってコミュニケーション不足になるような事はありませんでしたし、メールや電話での相談はいつでもすることができたので、仕事上のやりにくさといったものは感じませんでした。

また、兼業によって、本業で普段関わることのなかったIT部門の方々とのつながりを得て、みなさんの最先端のIT技術等に関する情報に対する感度の高さを改めて感じ、自分ももっと頑張ろうと刺激を受けました。

本業とまったく違うことを学ぶことが、まわりまわって本業につながることも多いと実感しています。〈みずほ〉にはさまざまな挑戦機会があります。もし興味が向く先があるのに、踏み出すことをためらっている方がいるなら、チャンスがあるうちにぜひ積極的に挑戦してみてほしいですね」 

また、社内兼業ができているのは周囲の理解があってこそ。本業先・兼業先、両方の協力がなければ、実現することが難しかっただろうと久田は振り返ります。 

久田 「実際のところ、社内兼業に挑戦することがすべての人にとって簡単なわけではない、ということも理解しているつもりです。環境に大きく左右されることもあれば、ライフステージやそのタイミングによっては挑戦が難しい場合もあります。私の場合、実現できたのは、何より受け入れてくださる職場のみなさんのおかげだと感じており、本当に感謝しています」

今後も、しっかり地に足つけて本業を極めながら、さまざまな挑戦機会を積極的につかんでいきたいと久田は話します。

彼女のように、〈みずほ〉では多くの社員が社内兼業などの制度を活用してやりたいことに積極的に挑戦し、自身の人材価値の向上に取り組んでいます。

〈みずほ〉では社員が能力を最大限発揮することのできる、多様で柔軟な働き方を実現する環境整備に取り組んでおり、これが社外からも評価され、2021年度日経「スマートワーク経営調査」*において、最高ランクにあたる5つ星を獲得しました。

ありたい姿に向かって充実感を持ちながら仕事に取り組む、久田の挑戦はこれからも続いていきます。

*日本経済新聞社が毎年実施する調査。企業の「人材活用力」「イノベーション力」「市場開拓力」を3つの柱として、総合的に企業の「Smart Work経営」を評価するもの。

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