たった一人で始めたイベント。周りのサポートが成功を引き寄せた

▲アルムナイイベントの登壇者と記念撮影

荒井 「社員自身がやりたいことに積極的にチャレンジすることで、社員も成長するし、会社ももっとよくなると思うんです」

入社6年目の荒井は、そう力強く語ります。

そんな荒井がいま最も力を入れていること。それは、若手社員が自由に意見を発信し、挑戦できる場を作ることです。

その場づくりの第一歩として企画したのが、現役の若手社員が、〈みずほ〉を退職して次のキャリアに旅立った元社員であるアルムナイ(卒業生)とともに〈みずほ〉について議論する、「若手社員×アルムナイ対談イベント」でした。

荒井 「アルムナイの方々は『最も身近な社外の人』です。〈みずほ〉しか知らず、〈みずほ〉のことすらまだよくわからない自分たち若手社員にとって、〈みずほ〉をよく知る社外の人から〈みずほ〉についての客観的かつ率直な意見を聞けるのは、とても貴重だと考えました。

そこで、アルムナイの方3人と、現役の若手社員3人の計6人が集まり、〈みずほ〉について語り合うイベントを企画したんです」

1月にイベントの企画に着手した荒井でしたが、途中、異動が重なったこともあり、開催にたどり着くまでの準備は大変だったと語ります。

荒井 「はじめは本当に一人でした。同期や年齢の近い同僚などに構想を伝えても、『良い取り組みだね』『応援するよ』とは言ってもらえましたが、協力してもらうまではいきませんでした。

しかし、難しいとは言われても否定されることはなかったので、『良い取り組みであることには違いないから、やれるところまでやってみよう』と思い、色々な人から意見やアドバイスを集めて実現を目指しました。

企画の打ち合わせの中では、イベント準備を思うように進められず、登壇するアルムナイの方々を不安にさせてしまうこともありました。結果的には、アルムナイの方からもアドバイスをいただきながら、なんとかイベントの形ができあがりました。

自分一人で始めたものでしたが、気がつくとたくさんの人がサポートしてくださいました。人を巻き込んで進めていくという、とても良い経験になりました」

イベント当日、荒井のプレッシャーとなったのは、初めて担うファシリテーターという役割でした。しかし、「6人もの登壇者から、うまく話を引き出せるのか」という不安は、イベントが始まるとすぐに吹き飛びました。

荒井 「登壇者の皆さんが、それぞれ自分の思いや考えを率直に語ってくれたこともあり、ファシリテーションしながら、これは良いイベントになったという手ごたえを感じました。

アルムナイの方の話を聞きながら、自分たちで〈みずほ〉を良くしていこうとポジティブに考えられたのも良かったです。自分がやろうとしていることは間違っていないと確信できましたし、今後も社内外の色々な方から応援もしてもらいながら、おもしろいことをやっていけそうだと、少し自信も持てました(笑)」

 「社内評価より社外評価だ」──イベントの中で、アルムナイの1人から言われたこの言葉が、荒井の中で強く印象に残っています。

荒井 「お客さまに評価していただいてサービスの対価をいただくことで初めて社内評価につながるはずなのに、社内での評価ばかりを求めてしまう人が多いような気がしていたので、この言葉はとても胸に響きました。私も、自分自身の価値を高めるために頑張らなくてはいけないなと身が引き締まりました」

辞めてしまった同期や後輩。自分が〈みずほ〉でできることを考える

入社後、みずほ銀行池袋西口支店に配属され、3年間営業を担当した荒井。その後、経済産業省へ2年間出向し、現在はみずほ銀行産業調査部の資源エネルギーチームで、電力業界や再生可能エネルギーなどの産業知見をお客さまに提供する業務を担っています。

入社後6年の間に、社内と社外両方の現場を経験した荒井は、〈みずほ〉という会社の課題を感じていました。

荒井 「大企業の強みを生かして、〈みずほ〉社内でやれることがたくさんあるはずなんです。でも、特に自分と同年代の若手社員の中には、会社に対してポジティブな感情を抱くことができていない人もいると感じています」

荒井がそう感じた理由は、退職を決めた同期や、年齢の近い先輩・後輩の姿でした。

荒井 「『もっと成長したい』『チャレンジしたい』というようなポジティブな理由で辞めた同期もいた一方、『今の職場ではやりたいことができない』というようなネガティブな理由で辞めた同期もいました。会社に残っている同期や後輩を見ても、『会社に不満はあるけど、どうしようもないよね』と感じている人も多いと感じていました。

それを見ていて、ネガティブな気持ちになったときに『会社に不満があるから辞める』ではなく、『自分たちで働き甲斐のある会社に変えよう』と考えられたらいいんじゃないかと思いました」

そのような中で出会ったのが、「M-DIM」です。

〈みずほ〉では、2019年から毎年11月を「M-DIM(Mizuho Diversity & Inclusion Month)」と位置づけ、1カ月の間に社員が発案したイベントをほぼ毎日開催するというプロジェクトを展開しています。

社員はそこで様々なテーマについて学び、議論・発信し、交流を深めていくという経験を通じ、〈みずほ〉がダイバーシティ・インクルージョンを推進することで目指している、社員の多様性を生かして新たな企業価値を創造していくことの意義や重要性を体感します。

昨年、社外への出向期間の満了を目前に控えた荒井はM-DIMに初めて参加しました。

荒井 「出向期間は2年だったので、2年目になると〈みずほ〉に戻った後のことを考えるようになりました。ちょうどその頃、〈みずほ〉の最新の取り組みを知っておこうといろいろと調べ始め、M-DIMのことを知りました。たくさんあるイベントの中から、おもしろそうだと思ったもの3つくらいに参加しました。

M-DIMに参加して驚いたのは、〈みずほ〉の社員はとても多様だということ。当時私は、〈みずほ〉ではまだ支店でしか働いたことがなかったので、組織や業務の垣根を超えるだけでも、これだけいろんな人に出会えるのかと、まさに目からうろこでした。

そして、こんなに多様な価値観や経験を持っている人がいるなら、〈みずほ〉に戻っても色々な挑戦ができるのではないかと。私一人の力では何もできなくても、同じような目的を持つ人が集まれば、悩みを解決することも、やりたいことを実現することもできるのではないかと思ったんです」

荒井は、「若手社員がつながり合い、議論し、挑戦できる場を作る」という自らの夢を実現するため、〈みずほ〉の中で同じ目的を持つ社員が自主的に集まり、業務の枠組みを飛び出し、自分たちと組織が共に成長することに貢献する活動を行う「ERG(Employee Resource Group=社員リソースグループ)」という取り組みにたどり着きました。

荒井 「業務外として活動できるERGなら、自分なりの目標を設定できるし、失敗して誰かに叱られることもないので、取り組みを進めやすいだろうと思いました。

出向中の身ではありましたが、ERGを所管している〈みずほ〉のダイバーシティ・インクルージョン推進室に、『若手社員がつながり合って活動するERGを作りたいです』とメールを送ったのが、この活動の始まりでした」

自分一人の力では何もできない──仲間の輪を広げていくおもしろさ

▲同僚と会社近くで談笑する荒井

ERG活動を始めることにした荒井ですが、これまで「人を巻き込んでいく側」の役割はあまり経験してこなかったと語ります。

荒井 「私自身は本来、自分から人を巻き込んで何かをするというより、『誰もいないからやる』タイプなんですよね。昔、サッカーをやっていた時もそうだったんですが、率先して『このポジションにつきたい!』というのではなく、『誰もやらないなら自分がこのポジションをやります』みたいな。

これからの自分のキャリアを考えた時、自分のために挑戦できる場が必要だと思ったし、それが〈みずほ〉をより良い会社にすることにもつながるとも思いました。そんな『いいこと』を誰もやらないのなら、私がやってやろうと思ったんです」

そうした経緯で始めたのが、冒頭で語った「若手社員×アルムナイ対談イベント」でした。イベントの告知に「若手のERGを作りたい」という荒井の思いを一緒に掲載したところ、数件のメールが届きます。その内容は荒井の考えに賛同するものでした。

荒井 「数件ではあったのですが、『おもしろそう』『興味があります』と言われたり、私よりもさらに若手の社員から『すごく共感しました、ぜひ参加したいです』という内容のメールが届いたりしたんです。始めたときは私一人だったのに、その時点で5~6人の輪になっていたことがとても嬉しかったですし、同じ思いを持った仲間がいることを心強く感じました。

連絡をくれた内の一人がイベントに運営側として参加してくれたのは、とても嬉しかったです。本番ではWeb会議ツールの操作などを一手に引き受けてくれました」

ERGの活動を通して仲間を見つけた荒井。みんなを引っ張っていく中心的な存在でありながらも、「自分だけではだめだ」と言います。

荒井 「私一人でできることなんてたかが知れていますし、自分だけで何かをやるなら違う場所でもできます。せっかく〈みずほ〉という大きい会社にいるので、いろいろな人と活動していきたいですね。1+1=2ではなく、3、4と波及効果をどんどん大きくしていけることが、大きな会社ならではの魅力であり、おもしろいところなのだと感じています」

重要なのは「自分がやりたいこと」。自分たちで〈みずほ〉の未来をつくる

▲会社前にて

開催したアルムナイイベントでは、アンケートで参加者から感想を募りました。その回答を見て、荒井は安心したといいます。

荒井 「アンケートの回答を見ると、『良いイベントで気づきがあった』『ERGに興味があるので参加したい』など、ポジティブなものが多かったんです。アルムナイや周りの方からもお褒めの言葉をいただけたし、仲間を増やすことも出来たし、このイベントは成功したと実感できました」

一方で、イベントを通じて見えてきた課題についても、荒井は冷静に分析します。

荒井 「今はまだ、私がやりたいことに共感した仲間が集まっただけで、具体的な活動として何かができているわけではありません。私は、『自分がやりたいことをやる』ことが重要だと思っています。今後ERGでの活動を通じて、若手社員一人ひとりがやりたいことを見つけて、実現させるために果敢に挑戦していくという状態にしていきたいと思っています。

また、こうした活動に対して『いいね』と言ってくれる人は以前より増えたものの、会社全体で見るとまだまだ少数です。この先も自分から動き出す人が増えていくといいなと思います。若手ERGの活動を見て、そういう人が増えたらうれしいですね」

荒井が活動を始めるきっかけとなったM-DIMは、今年の11月にも開催されます。今年は、アルムナイイベントをきっかけに集まった“自分がやりたいことをやる”頼もしい仲間が中心となり、若手ERGとして共にイベントを開催する荒井。参加する側だった去年から、仲間と一緒に更に輪を広げるアクションへと大きな一歩を踏み出しました。

そうした仲間と一緒に、荒井は若手ERGに正式な名前を付けました。

〈みずほ〉の若手社員がボトムアップで挑戦する場となるERG、「新米」──

〈みずほ〉の社名は、瑞穂(みずほ)、すなわちみずみずしい稲の穂を表しています。豊かな実りをもたらす存在でありたいという社名に込められた思いになぞらえ、〈みずほ〉に実った若手社員であることと、実り多い活動になるようにという思いを、「新米」という名前に込めました。

荒井 「私たち『新米』の活動が自己満足で終わるのではなく、活動の結果が自分のためになり、かつ会社や組織が盛り上がっていくことを目指しています。

ERG活動だけでなく、普段の業務でも『やりたいことに挑戦する』のが当たり前になっていけば、普段やっている目の前の仕事一つひとつに、新たな価値や発見が生まれると思います。結果として、業務を通じてお客さまや社会に価値という実りを提供することを目指し、『社内評価より社外評価だ』を体現していきたいと思っています。

〈みずほ〉という組織の大きさは、強みです。皆で〈みずほ〉のリソースを最大限に活用して、『自分たちでよりよい会社を築いていく』と、一人ひとりが考えられるようになるといいですよね」

今年のM-DIMのテーマは、「動く、つなげる、広がる」。

自分のやりたいことに挑戦し、その思いを仲間につなげ、それが風に揺れる稲穂の波のようにどこまでも広がっていく──荒井の挑戦は、まだ始まったばかりです。