培われた多様性が生きるとき。シナジー効果で深まる結び付き

※ストーリー前編: https://www.talent-book.jp/mizuhofg/stories/48273


金融のスペシャリストであり、『サッカー人』でもある──

そんなふたつの顔をもつ福田。代表兼総監督としてチーム運営に携わっていながらも、週5日はみずほ証券に勤務し、グローバル投資銀行部門のマネージングディレクターとして手腕をふるっています。

福田 「みずほ証券に入社したときは主に企業の社債発行業務に携わっていました。ですが、自分自身の価値を発揮するためにも、誰もカバーできていない課題があればやりたいと伝え、企業買収ファンドの支援に関わることになったのです。ファンドの要望に合わせて、M&Aや上場などのサポートをするのが仕事です」

一方、福田が総監督を務める東京武蔵野ユナイテッドFC(以下、TMU)は、日本フットボールリーグ(JFL)に所属し、Jリーグに最も近いとされる東京のアマチュアNo.1(※)のサッカーチーム。福田が共同代表兼監督を務めた東京ユナイテッドFCと東京武蔵野シティFCが提携して、2021年1月にできたチームです。

一見、金融業界とサッカー界は全く異なる世界のように感じますが、双方に関わることでシナジー効果を実感していると福田はいいます。

福田 「たとえば、サッカーチームを存続させるには、周囲の共感を得てサポートしてもらう必要があります。ですが、サッカーだけをやっていると、ビジネス的な観点からの共感を得るのは、なかなか難しいのが現状です。

私はビジネスパーソンでもあるので、企業が何を大事にしているのか、どういう形なら企業が協賛を検討してくれるのかがわかります。これまでに様々なステークホルダーと出会い、会話の術を身につけたこと、多様性に触れる環境に身を置いたことは、私にとっての武器だと思います」

『サッカー人』としてサッカーの現場に携わってきたからこそ気づけた視点。ビジネスに身を置いたからこそ気づけた視点。双方の視点があるからこそ、それぞれを大局的にとらえることができ、価値創造につながっているのです。

福田 「多様なステークホルダーとの対話は、自分自身の中に多様性を認める視点がないとできません。サッカーも社会の一部ですから、社会から見たときの存在意義をしっかり認識する必要があります。今回の東京武蔵野シティFCとの提携交渉において、相手方との対話が円滑に進められたのも、価値観を認め合える土壌があったからこそです」

福田は、〈みずほ〉のおかげで自身の多様性が維持できている、と分析します。

福田 「サッカーで出会う人も多様な方々ばかりです。しかしその一方で、〈みずほ〉で出会う方々も多様性に溢れています。時には、難しい顧客に出会うこともありますが、サッカーをやっていたからこそ飛び込めた関係性もありました。仕事だけのお付き合いに留まらず、お互いの趣味趣向や価値観を認め合うことができれば、結び付きは一層強くなることを実感しています」

「〈みずほ〉が私を支えてくれた」。チャレンジャーを後押しする風土

東京大学卒業後、公認会計士の資格を取得し、税理士法人、外資系および日系の証券会社を経て、2015年10月みずほ証券に入社した福田。

新しい環境でのリスタートでは、これまで築いてきたリレーションをまた作り直す必要があります。その過程で新たな発見があったと福田は振り返ります。

福田 「新しい環境に身を投じて、『誰と会話できるか』で仕事のできる、できないが決まると感じました。つまり、社内の誰に何を頼めば解決するかを知り、相手の状況を理解しリスペクトした上で物事を頼めることが、成果に直結すると実感したのです」

また一方で、福田は〈みずほ〉が持つフラットな環境が社員にとってポジティブに作用していることにも気づきます。

福田 「〈みずほ〉の環境は、すごく快適です。グループ間でも対等なリスペクト感があり、誰に対してもフラットです。外から来た人間に対してもすごく温かいので、私のような外様も思い切り仕事ができます。3行統合の歴史がありますが、縦割りや格差は全く感じません」

しかし、その強みが時には弱さに転じることもあると福田は感じています。

福田 「日本を代表する3つの銀行が統合してできたのが、〈みずほ〉です。そうした背景から、どんなバックグラウンドでもリスペクトしてくれる〈みずほ〉のよさが生まれているのだと思います。

しかし、お互いのカルチャーを尊重しすぎるために、かえって踏み込むことを避けていると感じる部分もあります。〈みずほ〉のよさを残しつつ、ちょっと隣に『Jump』して踏み込んでみることも大事だと思います」

2021年9月末で、福田がみずほ証券へ入社して丸6年になりました。そんな福田は〈みずほ〉と『サッカー人』としての活動を両立する上で、周囲から「いつかはサッカー界に行くんでしょう」と言われることがあります。

福田 「私はずっとこの環境に甘んじていてはいけないと思います。後進に道を譲っていかなくてはいけません。ですが、私は日ごろから『自分の最後のキャリアは〈みずほ〉です』と言える形でビジネスパーソン人生を終わりたい、と話しています。その理由はシンプルで、心から〈みずほ〉が良い組織だと思っているからです」

前職では、福田は丸6年在籍していました。そのため、〈みずほ〉に6年以上在籍することにこだわりを持っています。

福田 「先のことは未定ですが、たとえば、サッカーのクラブチーム経営に専念するとか、日本サッカー協会で重要な役職に就き日本サッカー界のために人生を捧げるとか、そんな話があれば、そちらに振り切るかもしれません。

だからこそ、私のビジネスパーソンとしてのキャリアのハイライトは〈みずほ〉だったと言えるように、6年と1日でも長くいたい。そのためなら給料は下げてもらっても構わないと本気で思っています」

そう福田が感じるに至った背景には、やはり多様性を認める〈みずほ〉の風土がありました。

自身をトリガーにして、新たな未来を生み出す

福田の毎日は、ハードです。平日の昼間はみずほ証券で働き、平日夜と週末は総監督としてクラブチームで指揮をとる日々を送っています。しかし、働き方改革に対しても福田ならではの考えがあります。

福田 「『ただ残業するな』というのが働き方改革ではありません。どこでどんなスタイルで仕事をしても、求められるパフォーマンスはきっちり出していく。それこそが、パフォーマンスにコミットする真の働き方改革だと考えています。

今はいろんな形で指示を出すことが可能ですから、二足のわらじを履いていても結果につなげられます。もちろん周りの人たちは、私の将来の夢を理解してくれた上でサポートしてくれていますから、非常にありがたいと日々実感しています」

〈みずほ〉には、週休3日・4日制、兼業・副業制度などさまざまな人事制度があります。福田はこれまでこうした制度を利用していませんが、そこに対するビジョンはすでに明確です。

福田 「サッカーとの時間的抵触が顕著になった場合、もしチャンスがあるならば週休3日・4日制を使いたいとも思います。もちろん、その分しっかりパフォーマンスを出すのが前提です」

また、〈みずほ〉と『サッカー人』としての活動を両立している福田は、兼業・副業に関しても明快な意見を持っています。

福田 「利益の相反がない兼業・副業はどんどん認めていくべきだと思います。そのほうが、みんなの人生が豊かになる。

ただ、兼業・副業の経験がない人が制度を作ろうとすると方向性がわからなくなります。だから、実例を掌握して検証していくしかありません。そういう意味で、私自身の例も含めてケーススタディの積み上げが必要だと思うのです」

福田は自分をモデルケースに、実例を掌握して未来の制度につなげてほしいと考えています。

福田 「私の場合、経済的にはまったく本業と抵触していません。ですから、〈みずほ〉には私をひとつのモデルケースとして扱ってほしいです。もちろん、人事制度設計にあたり、すぐには対応できないかもしれません。

しかし、将来またこういう実例が出てきたら認める制度を作ろう、という形であれば、会社組織を動かせるのではないでしょうか」

どんな道も、一歩踏み出すことから始まる

これまでのキャリアを振り返り、福田は〈みずほ〉への思いをこう語ります。

福田 「スペシャリストとして働く環境を用意してくれたみずほには、とても感謝しています。これまで外資やメガバンクを見てきましたが、みずほは本当に恵まれた環境です。だからこそ、社員全員に、みなさんがいる環境はすごく恵まれているのだと伝えたいです。みずほにいながらできることはたくさんありますし、みずほだからこそ持てる視点もあります」

福田は、まずは今置かれている環境の中で、できることから始めることが大切だと考えています。

福田のクラブチーム運営へのきっかけも、スタートは“まずできることから”でした。社会人になってから、もう一度やりたいことに没頭するために、福田は母校のサッカー部のコーチとして活動を始めたのです。

そして、福田にはその活動から見えてきたものがあります。

福田 「日本のスポーツは、教育的側面に重きを置いた『学校の部活文化』の上に成り立ってきたと気づきました。しかし、最近の教師の働き方改革の波には抗えず、『学校の部活文化』にも限界が見えつつあります。そこで高校生の10年後15年後の姿である私は、若い年代に何ができるか、と考えるようになりました。

また、『地域クラブ文化』と興業としての『プロスポーツ文化』の価値観の多様化をこの目で見てきたことも大きかったです」

スポーツの興行的要素に抵抗感を示す人々もいれば、スポーツの現場ではプロ化至上主義の人々も増えてきている。福田はそんな実感を持つとともに、さまざまな価値観に触れてきたからこそ、「多様な価値観を包含し、多くの人々を惹きつけるクラブを東京のど真ん中につくってみたい」と考えるようになりました。

その思いもあり、福田は若者を集めてチームをつくり、最下層のリーグから昇格を重ねていったのです。

福田 「気が付けば東京のアマチュアNo.1(※)の地位にまでたどり着きました。順風満帆だったわけではありません。たくさん勝って、たくさん負けました。多くの仲間が集い、他方で、袂を分かった仲間もいます。とにかく、多くの方々に助けてもらいました。

〈みずほ〉もクラブの恩人です。我々の活動理念に理解を示してくれた協賛企業として、私を受け入れてくれた組織として、感謝しかありません」

最後に、〈みずほ〉の全社員に向けてメッセージがある、という福田。

福田 「人生は一度きりです。エンジョイしないと損します。余暇が充実していてこそ、仕事の効率も上がりますし、逆も然りです。誤解を恐れずに言うと、人生は24時間365日が『本気の遊び』なんです。

自分の人生ですから、大いに楽しんでください。人間は経験以外に成長するすべを持ちません。無駄だと思っていても、経験したことはどこかで必ずつながります。だからこそ、今目の前にあること、できることに真摯に向き合ってください。

また、多様なフィールドにどんどん首を突っ込んで、自分の中に多様性を取り入れていってほしいです。きっとどこかで大きな気づきを得て、余裕ができるはずですから」

一度きりの人生、精一杯生きてこそつかめるものがある。できることはやらないともったいない。それを体現すべく、福田はこれからも悠然と、そして情熱的に日々邁進していきます。


※東京のアマチュアNo.1…2020年シーズン終了時点において