社員の「行動」につながるもの、見えてきたのは「共感」というキーワード

▲社内兼業中の関(右)と宮城島(左)

デジタル化、少子高齢化、グローバル化といったメガトレンド。時代の不確実性をさらに高めた新型コロナウイルスの流行。

世の中のすさまじい変化に伴って変わる顧客ニーズに柔軟に向き合うべく、グループ全体で金融領域から非金融領域への転換をめざし、〈みずほ〉は2019年、5ヵ年経営計画にて「次世代金融への転換」を掲げました。

大きな転換期を迎えている〈みずほ〉が今、大切にするのは「自ら考えて行動」すること。変化に対応するだけでなく、「変化を自ら創り出す」こと。

その行動変容のうねりを社内で起こすにはどのようなコミュニケーションをとっていくべきなのか──

会社の戦略や施策は様々な形で社内に発信されています。しかし、組織全体になかなか浸透せず、社員の「行動」にはつながらないことが課題でした。行動変容を起こすまでには、何かその過程で人の感情を動かすものが必要―。

浮かび上がってきたのは、「共感」というキーワードでした。

そのキーワードを頼りに、2019年秋に人事広報メディア「talentbook」の企画は動き出しました。戦略や施策の背景、そして舞台裏を伝える。それぞれの職場で行動を起こしている社員の姿を伝える。そんな、社員の「信念」や「思い」に迫るメディアです。

社員のリアルを、その人の信念や思いを通して伝えることが社員の心を動かすのではないか──

これに共鳴し、社員と共に築いていくメディア(talentbook)の企画・制作の社内兼業に手を挙げたのが関 春菜と宮城島 有香です。

関 「変化をもっとポジティブに捉える人が増えたらいいなと考えていました」

みずほ銀行自由が丘支店で14年勤務するベテランの関。外国為替業務で長年キャリアを築き、現在は後輩指導や法人営業のサポート業務も担っています。

宮城島 「“いつかやってみたい”と思っていたことに一歩踏み出す人が増えたらいいなと思っていました」

本部で働く入社6年目の宮城島。みずほフィナンシャルグループ個人業務部で主に個人営業担当者の営業推進施策を担当しています。

支店で長年経験を積んできた関と、入社時から本部で働く若手の宮城島。そんな異なるフィールドで活躍する二人が、それぞれの立場で感じていた課題意識と自らその改善に向けて貢献したいという共通した思いを胸に、この場に集いました。

「共感」が人を動かす──この仮説が今確かなものになろうとしています。

変化をポジティブに捉えてほしい──身近なロールモデルが一歩踏み出す勇気に

▲リモートワークで兼業に取り組む関

2人の子供の育児に奮闘し、仕事との両立に必死な毎日を送っていた関。そんなあるとき、上司と子供にこんな言葉をかけられます。

関 「育休から復帰したのは〈みずほ〉が新人事戦略を発表したタイミングと重なっていて、社員の挑戦を後押しする様々な施策が打ち出されていました。

そんな中、キャリア面談で課長から『やりたいことに挑戦してみたら?』と言っていただき、ちょうど同じ時に、家では子供から『母ちゃんって仕事好き?』と聞かれたんです」

自分のやりたいこと、挑戦してみたいことってなんだろう──

そんな彼女には、日々支店で働く中でなんとかできないかと考えていることがありました。

関 「現場では、大きく変わろうとする〈みずほ〉に対して不安を感じている社員もいるというのを肌で感じていました。でも、せっかく自分たちが仕事をしている場所なので、もっと変化をポジティブに捉える人が増えたら良いなと思っていて。漠然と風通しを良くするきっかけをつくりたい、そう思っていました」

そんなときに見つけた社内兼業の公募。関は上司と子供の言葉に突き動かされ、この兼業に挑戦しました。

社内兼業では、talentbook記事の企画を自ら考え、社員に取材し、彼らの思いを執筆して社内外に届けるところまでを主担当として一人で担います。

社員に取材する中で、彼女は〈みずほ〉で働く仲間たちの成長意欲とあふれ出すエネルギーにたくさん刺激をもらったといいます。

関 「『〈みずほ〉のファンをもっと増やしたい』この言葉をすごく自然体で語ってくれた社員がいました。ここまでの思いを持って仕事に取り組んでいる社員がいることにとても心を打たれました」

彼女が取り上げたのは、子育てに奮闘しながらも自分らしく両立する社員、そして、新しい店舗戦略の中で不安を楽しみに変えて新しいことに挑戦する支店の若手社員。どの記事も、自分と同じ境遇にいる人の信念や思いに迫りました。

関 「自分にとって遠い存在ではなく、一歩先を行く身近なロールモデルを発信することで『自分にもできるかも』という感情が生まれ、行動につながると思っています。同じ苦悩を抱えている社員は実はたくさんいて、その人たちの前向きな姿を伝えられたら、変化の中にいる支店の社員も背中を押されると思うんですよね」

“なりたい自分”を描く人が増えてほしい──成功の裏にあるプロセスが背中を押すきっかけに

▲個人業務部にて会議をする宮城島

宮城島 「メッセージの発信次第で人のポジティブな感情を引き出すことができるんです」

そう語る宮城島。彼女はもともと広報に強い関心をもっており、社会人2年目のときには丸の内朝大学という街づくりをテーマとした社外スクールに通い、自主的に学んでいたといいます。そこで「発信」のもつパワーを実感し、〈みずほ〉でもこの経験を生かせないかと考えるようになり、兼業に挑戦しました。

彼女もまた日々働く中で、本部で働く若手としてある課題意識をもっていました。

宮城島 「キャリアの幅を広げたいけど、どうデザインしていけばいいか分からない。そんな不安を抱える若手は多いと思います。私もその一人でした」

特に本部で働く若手は、同じ部署に年齢の近い先輩があまりいないケースもあります。自分の将来像を描くのに苦労し、悩んでいる仲間も間近で見てきたという宮城島。

宮城島 「他の部署で働く身近なロールモデルを見つけることができれば、それが本部で働く若手社員の背中を押すきっかけになるのではないか──」

この思いから、キャリアに悩む本部若手社員たちの目標となるよう、本部で専門性を磨いて活躍する社員を取り上げました。

宮城島 「自分のやりたいことを実現している社員は、必ずしも初めから夢を叶えていたわけではありません。そこまでにはそれぞれの道のりがあって、不安や葛藤を抱えながらも、一歩一歩努力を積み重ねて夢を掴んでいるんだと、取材をする中で改めて感じました」

待っていればチャンスが訪れるわけではない。受け身ではなく、「これがやりたい」「この仕事がしたい」と意思表示をしてチャンスをつかみ取りに行くことで、キャリアの可能性を広げることができる。これは彼女が兼業を通して学び、こだわり続けたメッセージです。

発信次第でポジティブな感情を引きだすことができる──

宮城島 「自分のやりたいことを実現した人のサクセスストーリーだけではなく、その人が何に悩んでどう行動に移したのか、成功の裏にあるプロセスをしっかり伝えることが社員の行動につながると思っています」

「共感」というポジティブな感情が組織全体にうねりを起こす

▲自由が丘法人部の関(右)と個人業務部の宮城島(左)

同じ〈みずほ〉で働く仲間の思いを、関と宮城島のような社員が同じ目線で伝えることで、社内では少しずつ「共感」が生まれ始めています。

記事を読んだ社員からは、「様々な思いを持った人々が同じ会社で働いていることを再認識した」「キャリアを考えるきっかけとなった」「みずほで長く働きたいと思った」などの声が寄せられました。また、掲載された社員には、同僚やかつて一緒に働いた仲間に加えて、これまで会ったことのない社員からも声がかかるなど多くの反響が届いています。

関と宮城島自身もまた、社員の思いに触れることで意識が変化した社員の一人です。二人は現在、社内兼業を終え、それぞれの職場に戻って自分たちにできることを行動に移しています。

関 「様々な社員の熱い思いに触れることで、自分のキャリアを振り返ることができました。〈みずほ〉の変化に対して自分はどうキャリアを築いていきたいかを考え、自ら行動することで、周りのメンバーも変化を前向きに捉えてもらえるようなったら嬉しいですね」

宮城島 「兼業を通して、なりたい自分の姿を発信することで周囲に共感のうねりを起こしている人たちに会いました。今後は私自身も『本業である営業推進と兼業で学んだ広報業務を掛け合わせてこんなことをやっていきたい』と積極的に発信し、行動していきたい。それが周りにいる同年代の刺激となり、共感の輪が広がれば嬉しいです」

あなたは、同じ会社で働く仲間のことをどれだけ知っているでしょうか──

グループ全体で5万人を超える〈みずほ〉においては、社内で知っている人、一緒に仕事をしたことのある人は、きっとほんの一部でしょう。それぞれの職場で熱意と専門性をもって会社に貢献している社員がたくさんいます。

そういった社員の「信念」や「思い」を社員一人ひとりの言葉を通して伝えることで、その熱量が伝わり「共感」が生まれるのでしょう。

同じ会社で働く仲間の頑張る姿が着火剤となって「自分も頑張ろう」と思えたり、
実はみんな同じようにゆらぎながら一歩ずつ前に進んでいると知って前向きになれたり、
一緒に働く人にもそれぞれの思いがあるんだと、尊重しあって働けるようになったり。

会社は「人」でできており、その力が総結集されたとき前に進みます。「共感」がきっかけとなり、誰かの背中を押し、次なる行動が生まれる。一人ひとりのこうしたポジティブな感情が連鎖することで会社全体に行動変容の大きなうねりを起こすのかもしれません。

社員の思いが「共感」をうむ媒介となり、次世代の〈みずほ〉にポジティブな風を巻き起こしていきます。