まずはやってみる。そこから見えてきた両立のカタチ

▲入社4年目の頃、当時の同僚と塚田(前列右2番目)

仕事と育児の両立――。はたから見たら順風満帆に見えたとしても、さまざまな不安や悩みを抱えながら、日々奮闘している人もいるのではないでしょうか。

みずほ銀行には、ライフステージに合わせてキャリアを築いていくために、仕事と育児の両立を支援する各種制度があります。その一つが、小学3年生以下の子を持つ社員が利用できる短時間勤務制度。

みずほ銀行 新宿中央支店 お客さまサービス課の管理主任である塚田 菜美子もこの制度を利用している社員の一人です。

塚田がみずほ銀行に入社したのは2006年。

入社を決めた理由について、次のように振り返ります。

塚田 「学生時代、サービスをカタチにして売る仕事がしたいと思っていました。人と関わり、直接お客さまとも接する仕事を考える中で、惹かれたのが〈みずほ〉でした。たまたま両親が作ってくれた口座がみずほ銀行のもので、身近な存在だったのも理由の一つです」

窓口で直接お客さまと接する業務に携わりたいと考えた塚田は、特定分野のスペシャリストを目指す特定職として入社。新宿中央支店の窓口業務を担うお客さまサービス課に配属され、現金の出し入れを行う現金出納係からキャリアをスタートしました。

入社当時は将来のキャリアなど思い描いていなかったという塚田。

そんな彼女に訪れた転機は、入社7年目の「出産」というライフイベントでした。

塚田 「母が働いていたこともあり、出産後も働き続けることは自然な流れでした。とにかくやれるだけやってみよう、ダメならしょうがないと思っていました」

しかし、2013年に長女を出産し、1年ぶりに戻ってきた職場で、塚田は仕事の勘を取り戻すので精一杯でした。

塚田 「当時は夫の帰りも遅く、私も仕事で余裕がない中、育児も家事も誰にも頼らず、すべて自分でやろうとして疲れ果ててしまっていました。家でもイライラして子どもに怒ってしまい。子どもが悲しい顔をしていたんです」

後で冷静になれば、そんなに怒ることでもなかったと思うことも、余裕がなくきつい口調になってしまう。子どもの表情を見て、仕事を辞めようかとも考えた塚田。

塚田 「本当にこのまま仕事を続けていいのか悩んで、思い切って母に相談しました。すると母は『できるだけ続けたほうがいいよ。私もサポートするから、周りを頼ってからまた考えたら?』という言葉をかけてくれたんです」

周りに頼ってもいい――そう思えたら、それまでの重荷がふっと軽くなるのを感じたといいます。母のサポートを受けるため、実家の近くへ引っ越し、働きながら子どもを育てられる環境を整えていきました。

塚田 「家族に頼るようになってからは、炊事は頑張りすぎずに、子どもと一緒にお風呂に入ったり、一緒に寝たり、日々のコミュニケーションをしっかりとれるようになりました。夫も協力的で、以前よりも、家族の時間を大切にできるようになりました」

悩みながらも周囲の力を借り、自分の良いバランスを模索してペースをつかんでいった塚田。仕事と育児がうまく両立できるようになると、新たなキャリアにも挑戦したいという思いが芽生えてきました。

これからのキャリア。考えたとき、ハッとさせられた上司の一言。

▲管理主任として、後輩からの相談にも笑顔で応じる

塚田には、目標としているロールモデルがいます。当時お客さまサービス課で管理主任を務め、現在は別の支店で課長として活躍している先輩です。

塚田 「先輩は物腰が柔らかく、いつも丁寧。控え目でありながらも、上手にみんなを引っ張て行ってくれる人でした」

「いつか先輩のような存在になりたい!」と希望を抱いた塚田。

2度目の育休から復帰後、「求められるものが多くなると思うけど、もっと上の立場に行ける人だと思っています」と先輩からかけてもらった言葉が今も印象に残っているといいます。

その後、塚田のキャリアへの挑戦を後押ししたのは、上司のある質問でした。

塚田 「尊敬する先輩を見て、自分もいつかこうなりたいというイメージはできていましたが、子育てが落ち着いたらと思っていました。上司から『それっていつなの?』と聞かれてハッとさせられました。確かにそれっていつだろうと・・・。

子どもから完全に手が離せるのは何年先だろう。その時管理主任になれたとしても、仕事で失敗することが必ずあるはず。同じ失敗をするなら、1年でも早いうちに経験したほうがいいかな、と思うようになりました」

上司の言葉によって考え直した塚田は、管理職であるマネジメント職階への登用を目指す制度である特定職エキスパート任用試験の受験を決意します。

塚田 「上司に報告すると、親身になって面接の練習をしてくれました。夫も、応援するよと言ってくれて心強かったです」

周囲の後押しや協力もあり、塚田はエキスパート任用試験に見事合格を果たします。

しかし、エキスパート任用後に待っていたのは、思った以上に大変な日々でした。

塚田 「マネジメント職階を目指す上で最初のステップである管理主任になるためには、新しい知識や未経験の手続を習得する必要があり、時間がいくらあっても足りませんでした。やるべきこと、やりたいことはあるのに思い通りに進められない苦しさも感じました」

塚田は、窓口が閉まった後に集中する時間を作り、限られた時間の中で効率的に知識や業務を習得できるように努めました。そうして徐々にわかることが増えてきたとき、乗り越えられるかもと思うようになったといいます。

もがきながら進んだ道が、今の自分の土台となっていると気付いたのです。

こうして新しいキャリアに挑戦した塚田。そして、2019年、入社時から14年勤務してきた新宿中央支店で、最初の目標であった先輩と同じ管理主任となったのでした。

コロナ禍で変わった働き方と家族の時間

▲現在7歳と5歳になった子どもたちと

仕事と育児の両立が最初からうまくいくことなんてない。それでも、悩んだり苦しんだりして成長しながらカタチになっていくもの。振り返ってみると、いつの間にかできるようになったことが多いと塚田はいいます。

塚田 「管理主任になった際、上司から『働く時間は短くても、勤務時間内で100%の仕事をしてくれたらいい』と言われたのが記憶に残っています。最初はプレッシャーで、仕事の取り組み方もわからず、できない、どうしようと不安もありました」

しかし、時間の制約がある中、保育園のお迎えまでに仕事が終わらないときは早めに上司に相談し、サポートしてもらいながら自分なりのやり方を模索していきました。

残業できる日に会議を調整してくれるなど、短時間勤務であることへの周囲の理解や配慮には感謝しかないといいます。

周囲のサポートを受けながら、時間内に結果を残すための努力や工夫を積み重ね、ペースを掴んでいった2020年4月。

新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、日本政府が緊急事態宣言を発令。みずほ銀行の国内支店では、店内の感染対策を徹底し、社員は交代勤務制により窓口業務を継続しました。

塚田は、この新型コロナウイルスの感染拡大によって訪れた環境の変化を次のように振り返ります。

塚田 「これまではお客さま第一を意識し、目の前にいるお客さまのご要望に応えることを考えてきました。しかし、ご来店していただくことも難しい状況下では、これまでのようにはいきません。お客さまがインターネットでできる手続のご提案や、より良いサービスを提供できないか、という視点に変わっていきました」

お客さまの期待以上の価値を――。これからのお客さま対応のあるべき姿を考えるきっかけになったといいます。

コロナ禍による変化は業務だけの話ではありません。

交代勤務で子どもと過ごせる時間が増えたことや、同じく〈みずほ〉で働く夫の働き方も変わったことで、家族の時間にも変化が起きました。

塚田 「今まで『家事や育児は短時間勤務の自分がやらなきゃ』とどこかで思っていたんです。でも緊急事態宣言中は夫も交代勤務となり、出社が私と重ならない日は、子どもたちの夕飯やお風呂対応もしてくれました。

緊急事態宣言が解除され交代勤務が終わった後も、夫の残業が少なくなり、家事をお願いできることが増えました。結果として家族の時間が増えたのは良かったなと思います」

自分の力だけではどうしようもない変化も、ポジティブな面を見つけ、前を向くことを忘れない塚田。

これまでの経験は、塚田の考え方にも変化をもたらしていました。

経験をプラスに。子育てしながら自分らしいキャリアを

▲みずほ銀行 新宿中央支店 お客さまサービス課窓口にて

子育ても、塚田の考えに影響を与えたことの一つ。

塚田 「子育ては思い通りにならないことの連続。その経験のおかげで、仕事で思い通りにいかないことがあっても、焦ったり、イライラしたりすることが少なくなりました。育児や仕事で悩みながら進んできた自分の経験を生かして、子育て中の後輩のサポートもできるようになったと思います」

後輩から相談されやすいオープンな姿勢を意識しているという塚田は、気付けば周囲から「塚田さんのようになりたい」と言われる存在になっていました。

塚田は自らの実体験を振り返り、同じように仕事と育児の両立に悩む後輩にこう伝えています。

塚田 「子どもが小さい頃は子育てが優先になって、できることも限られてしまいますが、その時間が永遠に続くわけではありません。最初は子どもの今の姿しかわからなくて、将来の姿なんて想像できないけれど、子どもは成長します。5歳の長男もほとんど風邪をひかなくなり、一人でできることもどんどん増えてきました。周りに頼れる部分は頼りながら、みんな諦めずに仕事を続けてほしいなと思います」

たとえ失敗してもいい。その分だけいろいろな経験をしてほしい。

困っている姿を見たら、声をかけてくれる人がきっといる。塚田自身が身を以て経験したことだからこそ、自信を持って同じ境遇の後輩にもアドバイスできるのです。

しなやかな強さ――

ゆらぎながらも、前に進んできた塚田の姿勢は、そんな言葉が似合います。

そして最後に塚田は、〈みずほ〉で働く今後の目標について、このように締めくくりました。

塚田 「育児をしながら、短時間勤務で働きながらでもキャリアに挑戦できる環境が〈みずほ〉にはあります。お客さまはもちろん、お客さまに喜んでいただけた後輩が成長していく姿を見ることが喜びでもあるので、後輩育成にも貢献していきたい。これからもいろいろチャレンジして、経験を積むような時間を作っていきたいです」

働く母として、イキイキと充実している姿をいつか子どもたちに見せたいと話す塚田。その前向きな姿勢は、塚田自身が憧れていた先輩のように、今、後輩たちにも憧れの存在となっています。