品質と安全を第一に。生産環境を管理して安定した製造につなげる
現在、私は長野チーズ工場の製造課で働いています。長野工場では「チーズキッス」と呼ばれるキャンディタイプの丸いチーズを製造しており、ラインの管理とともに、新入社員への指導が今の主な業務。未経験な部分が多い機械の整備については、先輩方に教えてもらいながら少しずつ覚えているところです。
製造ラインは3交代制。年間を通じて生産量に変動はあまりなく、平均した量を安定生産しています。日常業務としてチーズの温度を1時間に1回計測し、機械の回転数をチェックするほか、製造したチーズの重量や物性などを確認して、日報に記録します。
チーズは品質を一定に保つことが重要。そのためには、製造環境を詳細にチェックすることが大切で、計測は欠かせない業務です。 さらに通常業務とは別に、安全業務も私が担当しています。これは、職員が使用する保護具や手袋の管理、職場の安全環境の改善に取り組むものです。
業務全般で大切にしているのは、とにかく安全第一であること。社員として指示を出す際には、必ず安全第一を徹底するように話しています。とくに、異常なトラブルが発生してしまったときは、詳細な調査と報告を心がけて、その後の指示で改善できるように努力しています。
グループの立ち上げ時から参加。新たなERG活動をスタート
高校のころは部活に情熱を注いでいて、吹奏楽部でトロンボーンを吹いていました。将来を考えたとき、進学よりも、いち早く社会に出て働きたいという気持ちが強かったです。食品を作っている企業に興味があったので、就職活動では食品メーカーを中心に探していきました。
明治の就職説明会に行ったとき、入社したばかりの先輩社員と話す機会があって、そこで仕事の内容や会社の雰囲気、休暇制度や勤務体系についての話を詳しく聞くことができました。会社の制度に魅力を感じたのはもちろんありますが、見学会でお会いした方々の雰囲気がとても良くて。「この人たちと一緒に働きたい」と思ったのが一番の決め手です。
現在、社内で活発に行われているERG活動に私は参加しています。
明治では6つほどのERG活動が行われており、私は現在、工場の女性活躍推進ERGである「ふれ愛、認め愛、支え愛」のメンバーとして活動しています。
このERGは、同じ職場の先輩である男性がリーダーとなって立ち上げた自主性の高いERGで、設立当初にメンバーとして誘ってもらいました。実は、参加当初は具体的な活動を理解していたわけではなかったのですが、リーダーが言う女性が働きやすい職場づくりをめざすという熱意に動かされて、参加を決めました。
2022年の3月から活動をスタートして、まず資料作りを始めました。メンバーが2つのグループに分かれ、1つは、結婚や出産などの生活の変化があっても仕事を続けられる会社の制度についてまとめました。初任給やボーナスの内容、年間の休日数、年齢によるリフレッシュ休暇の取得など、給与体系や休暇制度について詳細に調査し、育休や産休、生理休暇などの内容も含めています。
もう一つの資料の作成を私は担当したのですが、入社前後で仕事にギャップが生まれないよう、工場の紹介をまとめました。製造されている製品や使用されている機械など、とくに重量物を扱う職場において女性が作業できる設備についても記載しています。
資料を作成する際には、工場でインタビューを行い、入社後にギャップを感じたことや制度に対する理解度について調査。私自身も、制度について名前だけはなんとなく知っている程度のものもあったので、深く知ることができたのは良かったですね。
誰もが安心して長く働ける環境をつくるために。職場環境の改善を積極的に行う
ERG活動の大きな目的は、制度や働きやすさを向上させて女性が安心して長く働ける環境をつくることです。このような想いから、職場環境の改善も積極的に行っており、たとえば工場内の女子トイレに、誰でも使える生理用品を設置しました。
長野チーズ工場は、工場全体の社員およそ180人の中で女性が33人と、女性の比率が高い工場です。その中で、女性社員に対しての職場環境に関するアンケートを実施したところ、緊急時に必要な生理用品がほしいという要望が。そこで、必要なときに利用できるように、生理用品を入れた袋を個室内の壁に設置しました。
この活動は業務課の皆さんをはじめ、周りの方の支えがあり、私がメインで行ったものです。アンケートのとりまとめから工場への交渉、実際の設置までを通して関わることができました。「助かったよ」とか「良い取り組みだね」など、感謝の声や感想を聞くと、本当にうれしい気持ちに。非常にやりがいがありました。
また、業務で製造課内の社員以外と関わることはほとんどなかったのですが、アンケートの実施や協力をお願いしたことにより、製造課以外の女性とのつながりを築くことができ、アドバイスをもらったり、アイデアをもらったり。それが活動の後押しになりました。
また、ERG活動を通じて職場の環境改善を考えるようになると、他にも気になるところが出てきました。たとえば工場の業務の中には、機械を動かすのに力のいる作業もあって、とくに力の弱い女性には難しいことも。ERGの活動をするまでは、それはどうしようもないことだと諦めていたのですが、たとえば業務を補助する装置を導入したり、機械の軽量化を図ったり、そういった改善ができるのではないかと考えるようになりました。これは女性だけの問題ではなく、年齢を重ねても働ける環境づくりや、作業の効率化にもつながると思います。
ERG活動は、まだ活動の宣伝が足りていないので、知らない人もいるかもしれません。生理用品の活動で、女性には浸透しつつありますが、多くの男性を巻き込むところまではまだまだです。将来的には男性の声も取り入れて、女性だけでなく、シニア層や体の不自由な人など、どんな人でも働きやすい職場を実現することが目標ですね。
ERG活動をより活発化させて、会社の雰囲気をさらに良くしていきたい
今後予定しているERG活動としては、まず一つめが、他の工場と改善事例についての情報交換です。成功した改善事例を紹介することで、他の工場にも取り入れてより良い事例が共有できたらいいですよね。長野チーズ工場としても、他の工場での成功事例を積極的に取り入れていこうと考えています。
二つめは、全工場を対象にしたランチケーションの開催。現場を離れられない社員や交代勤務の制約を考慮し、Webを活用して気軽に参加できる形式を検討しています。このランチケーションを通じて、メンバー同士の交流や意見交換を行い、職場環境改善に向けた具体的なアクションプランを策定する予定です。
そして三つめは、女性活躍に力を入れている他の企業との意見交換。他社で先進的に取り組まれているところがあればそれを学び、取り入れていきたいと思っています。
当社では、工場によってはERGメンバーがまだいないところもあるので、将来的には全工場で広範囲に女性活躍に向けた取り組みが行われるように促進していけたらと考えています。
ERG活動に参加することで、工場内の他の部署の方々とも親しくなり、さらには工場を超えた関わりも広がってきました。他の工場の方との会話はERG活動だけでなく、仕事に関する話題にも自然と広がり、多くの学びを得ていると思います。また、自分の視野が大きく広がったと感じています。
ERG活動を通じて、より良い職場環境を実現するために、これからも全力で取り組んでいくつもりです。女性が活躍できる職場づくりを推進していくことで、私が就職活動で感じた会社の良い雰囲気がより高まって、これから入社をめざす人にも感じ取ってもらえたら、うれしく思います。
※ 記載内容は2023年8月時点のものです