ドラッグストア営業として、 バイヤー提案と店舗フォロー、卸会社との連携までを担当
2023年4月現在、私が担当するのはドラッグストアに向けた営業活動です。ドラッグストアの本部を訪問し、バイヤーに対して提案活動を行っています。
店舗に当社の商品を置いていただけるかどうかは、本部での商談次第。客層やバイヤーの意向に沿った提案ができるよう、情報収集など事前準備には多くの時間を充てています。
また、担当するドラッグストアの店舗へ伺ってのフォロー活動も行っています。商談で決まった通りに商品が売り場で展開されているかを確認するのですが、店舗の方の手が回らず売り場づくりができていない場合には、什器に商品を並べたり、POPなどの販促物を設置したりと、現場でお手伝いをすることもあります。
基本的に本部で決めた販促物を使っていただきますが、とくにおすすめしたい商品については、客層に合わせた訴求をするようなPOPを作成し設置していただくこともあります。
お客様である小売業と私たちメーカーの間に入ってくださる、卸会社のセールス担当との打ち合わせや情報共有も大切な業務のひとつです。商品を店舗に置いていただくための交渉を小売業とするにあたっては、卸会社との密な連携が欠かせないからです。
卸会社と良好な関係性を築くことができているのは、過去の先輩方の尽力があってこそ。小売業との商談に臨む前に卸会社と打ち合わせを行ったり、日頃から雑談も含めてさまざまなことを話したり、コミュニケーションをしっかり取って信頼関係を維持できるよう努めています。
同じ課の社員は、担当先は違えどドラッグストアを担当している方ばかり。課内での情報交換は積極的に行うようにしています。私は営業職に異動してまだ1年なので、経験が浅いことを逆に強みにして、先輩に積極的に質問しながら提案内容や過去の成功事例を参考にしています。
自らの可能性を広げるため営業職を志願。総合職への移行試験を受けて変化した仕事観
営業職になる前は、栄養士としてスポーツ栄養の普及に役立てるための資料や販促物を作成したり、契約を結んでいるスポーツチームの栄養サポートを行ったりしていました。
そんな私にとって転機となったのが、2021年10月に基幹職から総合職へ移行するための試験を受けたことです。将来のキャリアを模索する中で、年次が浅いうちにさまざまな経験を積むために、可能性を広げられる道を選びたいとの考えからでした。
移行試験が受けられる制度があることは以前から知っていました。実際に挑戦された先輩も周りにいたため、試験の内容や総合職に移行した後のお話を伺う中で、受験に対する気持ちが前向きになっていきました。
もちろん、不安もありました。それまで、プロテインブランド「ザバス」とアミノ酸ブランド「VAAM」の2商品にしか関わりがなく、当社の商品知識が十分でなかったからです。また、話すことが得意なほうではないので、営業職が務まるのだろうかという心配もありました。
とはいえ、異職種に挑戦するのであれば早いに越したことはありません。不安と可能性を天秤にかけた結果、可能性のほうに賭けてみたいと考え、挑戦することを決めました。
試験は、一次試験が筆記と論文、二次試験が面接でした。論文については、総合職目線で自分の意見を明確にすることが求められたため苦戦したものの、上司に事前にフィードバックをいただくなど十分な備えができていました。周りの方から充実したサポートが得られていたからこそ、無事に乗り越えることができたと思っています。
二次試験の面接では、営業職に就きたいという想いを伝えました。メーカーで働いていながら、商品が売り場に並ぶまでの流れを知らなかったので、まずはそこから理解を深めたいと考えていたからです。
無事に試験に合格し、2022年4月から営業職として働いています。営業職は、売上という形で結果が明確に見えるのが特徴。仕事への責任感が大きく増したと感じています。
また、指示を受けて動くのではなく、自ら企画や提案を考えて先輩に相談することが求められます。場合によっては他部署に相談を持ちかけることもあるなど、組織的に働くことを意識する機会も増えたように思います。
新しい挑戦の連続に、悪戦苦闘した営業1年目。身近な先輩をお手本に少しずつ成長
営業職に異動してからの1年間を振り返ると、苦戦の連続でした。自社商品の知識を習得することはもちろん、競合他社の商品や市場の状況まで把握しなければいけないなど、学ぶべきことがたくさんあったからです。
商慣習についても、初めて知ることばかりでした。商談の最中、その場で利益を計算して提案に反映させることが求められる場面もあります。なかなか臨機応変な対応ができず、苦労しました。
目の前の仕事に必死に取り組む中、支えとなったのが先輩方の存在です。営業1年目ということで、「課全体でフォローしていきましょう」と課長が呼びかけてくれたことは、大きな助けになりました。
また、担当先については、最初の半年間はメインで担当している先輩に付いて学んだ後、私が主担当に移行するようスケジュールを組んでもらいました。営業活動に同行して取り組み方を先輩のそばで見ながら学んだり、商談後に「ここは、こうしたほうが良かったね」とフィードバックをもらったり。できることを少しずつ増やしていくことができました。
営業先で先輩方を観察していて印象的だったのは、相手に趣味の話題をさりげなく振ったり、自社のお菓子を持参して、「お子さんにどうぞ」と差し上げたりと、仕事に直接関わらない部分での振る舞いです。細やかなコミュニケーションが必要だと気づけたことは、とても有意義だったと思っています。
成功体験と呼べるほどの経験はまだありませんが、仕事の手ごたえを感じる出来事がありました。半期に一度、新商品を採用していただくための提案を行う機会があるのですが、そこでデータを示しながら、担当するドラッグストアの店舗に新商品を並べていただくメリットを伝えたところ、提案を受け入れていただけたんです。
店舗に並べていただかないことには、商品がお客様の目にとまることも、手に取っていただけることもありません。明治で働くひとりとして、営業の仕事に大きなやりがいを感じています。
栄養士資格を活かした、説得力のある営業活動ができる存在をめざして
営業職には売上という目標数字があるため、仕事の結果が明確にあらわれます。それだけ大変な部分もありますが、成果が目に見えることはモチベーションの維持につながっています。
半期に一度、目標売上を達成するための取り組みについてまとめた業務計画を作成するのですが、その過程で、いつまでに何をすべきか、どの組織と連携を取るべきか、先輩に何を聞くべきかが徐々に明らかになっていきます。おかげで視野を広く持って仕事に取り組めるようになりました。
以前、メインバイヤーではない方から、「この商品を別の売り場でも展開したい」と話を持ちかけていただいたことがありました。「この人に相談したい」と思ってもらえるような存在に近づけている実感が、少しずつですが芽生え始めています。
外部的な影響で商品の需要が高まり、売上が増えることもありますが、そうした追い風がなくても、自身の提案力で売上を上げられるような営業になりたいと願っています。
また、ただおいしいだけではなく、栄養面で付加価値のある商品が増えてきていることもあり、栄養士の視点で伝えられる商品の魅力は少なくありません。栄養士として培った経験が自分の強み。いずれは栄養士資格のある営業担当のロールモデルになれたらとも考えています。
かつての私がそうだったように、営業職に興味があっても、「自分にできるだろうか」と不安を抱えている方は多いはずです。体育会系で気合いや根性が必要だと漠然としたイメージがあるのではと思いますが、営業職に求められるのは、気合いや想いだけではなく、データを分析して、明確な根拠のある数字をもとに提案を組み立てていく緻密さ。「より良い商品を提供していきたい」という意欲さえあれば、誰にでも務まる仕事だと今は思っています。
私もまだまだ未熟ですが、新しい経験を積むことができていて、日々やりがいを感じられています。営業職に興味がある方は、ぜひ臆せずチャレンジしてみてください。