“攻め”のバックオフィスで、生産性高く働ける組織を作る
──現在、三熊さんが担当されているお仕事について教えてください。
「コーポレートデザイン部インターナルサービスグループのグループリーダーをしています。
コーポレートデザイン部は、社員が効率的、かつ生産性高く業務を行えるような環境整備を担っている部門です。その中で、インターナルサービスグループは、文字通り“社員向けのサービス”を行う、他社で言えば総務のようなポジションです。たとえば、オフィスレイアウトなど社内ファシリティの管理や運用、リモートワークでも生産性が落ちないコミュニケーションの仕組みなどを全社横断的に構築しています。
具体的には、会社の方針や文化を共有したり社内研修を動画化して、専用の動画プラットフォームで展開したり、効率的な情報共有を実現するためにSlackをはじめとするテキストコミュニケーションのルールを整備したりといったことに取り組んでいます。他にも、事業部がイベントやセミナーを実施する際には、オフライン・オンラインに限らず運営のサポートをすることもあります。
私はグループリーダーとして、それぞれのメンバーの活動をサポートするほか、成果が出た施策について組織内での横展開を推進するといった活動をしています」
──担当業務の特性上、さまざまな部署と関わると思いますが、仕事をする上で心がけていることはありますか?
「バックオフィスというと一般的には“守り”のイメージが強いと思います。しかし、私はバックオフィスであってもときによっては"攻め"のアクションを取っていく必要があると考えています。そうすることでバックオフィス部門も単なるコスト部門ではなく、事業を成長させる一つのキーファクターとして機能できるはずです。
ですから、私たちは常にどこに手を差し伸べるべきなのかアンテナを張っていなければいけません。攻めのアクションを続けていくことで、社員に『インターナルサービスグループに相談したら解決してくれる』と思ってもらえるようになりたいですね。
また、当社は『“われわれ”意識で成し遂げる』『“はみだす”ことを厭わない』『健全に“ぶつかり合う”』というクレドを掲げています。主体性を持ち、健全にはみだしながらディスカッションするという文化を体現していくために自分自身は何ができるのか。リスクとチャレンジのバランスも考えながら、クレドに基づいた行動とは何か?を追求することを心がけています」
風通しが良く、主体的にチャレンジできる環境がメドピアの魅力
──三熊さんは2022年4月に入社されていますが、メドピアの魅力だと感じた部分はどこですか?
「一つは、風通しが良いところです。役職関係なくフラットに会話ができる雰囲気があって、挑戦したいことがあるときは、部署や職種に関係なく手を挙げることができる。そして、手を挙げた人をみんなでサポートすることが当たり前になっている。グループ全体で約1,000名の規模になっても、その文化をキープできているのがすごいと思います。
あとは、素直で誠実な人が多いです。医療系の事業を行っていることも背景にあるかもしれませんが、間違っていることは互いに指摘し合うし、失敗してしまったことは失敗したと言う風土があるんです。周囲のメンバーも失敗の原因を人のせいにせず、同じようなミスが発生しない仕組みをどのように作っていくべきかを考えることに意識が向く……。これは、けっこう大事なことだと思っています」
──社内のカルチャー醸成に関しては、どんな印象を持ちましたか?
「理念やクレドに関しては、役員陣が積極的に発信していることもあり、社員の理解が進んでいると感じます。たとえばSlackでクレドの『われわれ』『はみだす』『ぶつかる』スタンプがあったり、社員同士の会話で出てきたりと言葉自体は浸透していると思います。
一方でクレドを体現したアクションが多いかを問われると、まだ発展中の部分も多いと感じます。そのため、インターナルサービスである私たちがまず発信してくことで、経営陣との架け橋になる必要があると考えました」
──そのために、どのような施策を行ったのでしょうか?
「SlackやBacklogを活用した情報発信はその一つです。Slackは、オープンにしているチャンネルは誰でも見ることができるため、みんな積極的に情報発信しているんです。ただ、いろいろな情報がありすぎて、どれを取捨選択するかは受け手に委ねられています。情報の発信量は大量なので、人によってはどこにどの情報を取りに行けば良いかわからなくなってしまうこともあると思うんです。
そこで、インターナルサービスが発信する情報については最低限、社員が取得すべき内容は何かがわかるように整理・発信するとともに、必要な情報にアクセスしやすくなるようにしました」
コミュニケーションを生む仕掛けを用意し、キックオフをカルチャー醸成の場に
──メドピアでは、四半期ごとに全社員が参加するキックオフを開催しています。コロナ禍ではオンラインで実施していましたが、2022年10月には、久しぶりにオフラインで開催しました。企画・運営する上で、とくにこだわった点はありますか?
「従来のキックオフは、情報共有と表彰が主な目的でした。でも、せっかく年に4回オフィシャルに社員が集まる場なので、関係性を広げられて、さらにカルチャー醸成できる機会にしたいと考え、キックオフのあり方を再設定しました。
2022年10月のキックオフでは、社員間のコミュニケーションを生み出す施策としてメドピアにまつわるクイズ大会を企画。クイズ大会はチーム対抗で実施したのですが、チーム・メンバーの振り分けは運営事務局で行うことで、普段あまり接点がない人同士がコミュニケーションをとれるような仕掛けにしました。
また、表彰のプレゼンテーションの仕方も変えました。これまでは、MVP賞以外は役員が受賞理由を紹介していたのですが、MVP賞にかぎらず、すべての賞について受賞した社員本人に取り組み内容の紹介とともに発表してもらう形にしたんです。
どうやって成果を出したのかを本人に話してもらうことで、受賞者自身も自分の仕事の棚卸しができるし、聞いている社員も自分の業務に落とし込みやすくなる。『おめでとう』で終わるのではなく、クレドに書かれていることを実践するためにはどんな方法があるのか、次に自分が受賞するにはどのようにアクションを取っていくべきなのかについて気づく場になれば……と考えたんです。
実際、MVPを受賞した社員は、他部署の社員から『今度詳しく話を聞かせてください』と声をかけられたりしているそうです。また、開催後のアンケートでは『会社への理解が深まった』『普段会えない社員と話せて良かった』といった声をもらい、オフライン開催に踏み切って良かったなと思います」
──表彰だけではなく、ナレッジの共有や展開が生まれていますよね。では、開催にあたって苦労したこと、大変だったことはありますか?
「オペレーションの部分です。そもそも、メドピアに所属する300名の社員が入れてアクセスの良い会場を予算内で探すのが大変でしたし、運営も専門の業者にお願いせず、すべて内製で行ったので、『どうすればいいんだっけ?』と試行錯誤の連続でした。
クイズに関しても、どんなことを知ってもらいたいのか、どういうコミュニケーションをとってもらうのが一番良いのかなど、カルチャー醸成につながるための内容を、いろいろな人に相談しながら作成しました」
経験値をアップデートしながら、シナジーを生むための未来予想図を描く
──キックオフは、その後も毎回アップデートされながら文化を醸成する効果的な場になっています。積極的に新しいことを取り入れていくのは、三熊さんの狙いなのでしょうか?
「そうですね。同じことを繰り返してもおもしろくないですし、それなら私がやらなくてもいい。何より、社員も飽きてしまって、参加するモチベーションが下がってしまうと思うんです。毎回、何かしら課題は出るので、『こうしたらもっと良くなるんじゃないか』ということに一つひとつチャレンジしていきたいんです。
コロナ禍で集まれない時期があったからこそ、オンラインでの開催やオンライン+オフラインのハイブリッド開催など手法も増えました。今はコロナ禍以前に戻るのではなく、新しいことに挑戦しながら何が一番効果的なのかを考えることが大切だと考えています」
──そういった中で、これまでの経験を活かせていることはありますか?
「私はバックオフィスのキャリアが長いので、会社が利益を生むためにバックオフィスとしてやるべきことを一つひとつ地道に改善していくことは得意だと思っていますし、それを活かしていくことを強く意識しています。
もちろん、これまでの経験がそのまま適用できるわけではないので、経験値をアップデートしながら、フラットに改善点を洗い出し、少し先の未来予想図を描き続けたいと考えています」
──さらに会社の規模が拡大していく中で、インターナルサービスグループの役割はより重要になると思います。これから取り組んでみたいことはありますか?
「メドピアではリモートワークを主体にしつつ、必要なシーンで出社を行うというハイブリッドワークを推奨していて、対面で共有されるリアルな感覚をリモートワークで活用した働き方をめざしています。ファシリティにもっとテクノロジーを取り入れて、メドピアならではの働き方を構築していきたいと考えています。
また、社内コミュニケーションやナレッジ共有のために、動画プラットフォームをはじめとするツールを効果的に活用することも私たちの大きなミッションです。現在、オフィスへの出社率は3〜4割なので、全社員にもっとカルチャーを浸透させるためには、動画の活用がポイントになって来ると考えています。
加えてメドピアグループでシナジーを生むために、もっとグループ間の連携を創出できるような取り組みにも挑戦したいですね。そのためには、やはり“攻め”の姿勢で、各社、各事業部がやりたいことに歩み寄りながら、統一感を出せるようにするのが私たちの担う役割になると思います」
※ 記載内容は2023年9月時点のものです