農業っておもしろい。中学生時代の原点が、コンサルタントを志すきっかけ
私がコンサルタントに興味を持ったのは、農業を守りたいという想いからでした。
私の祖父は農家で、子どものころから祖父宅に遊びに行くたびに「農業っておもしろい」と感じていました。作物、昆虫類、微生物などと向き合い、収穫物がお金になることに興味を持ったんです。中学生のころの将来の夢は、農業に携わることでした。
高校は、東京農業大学の付属高校に進学。授業や読書を通じて「そもそも生き物がいるから農業がある。その生き物って何だろう?」と生物学へ興味を持つようになりました。大学では、生き物の起源を研究するべく、生物学の学部に進みました。
しかし、大学入学後の半年間で勉強して感じたのは、自分の興味と学ぶ内容のギャップ。実は、生物学とは、生き物の多様性を知ることに重きを置く学問で、生き物に共通点する生命とは何かを見いだす生命科学こそが、私の学びたかった学問だと気がついたのです。
その後も生物学の勉強を続け、微細藻類の分子系統解析という生き物の進化の過程を探るような研究もしたものの、研究者としての未来はイメージできないまま。そこで、原点である農業に目を向けることにしました。
それから農業について考える中で気づいたのは、生物、作物と向き合う仕事内容だけでなく、農村地域の風景の美しさです。日本の農業は、田畑の周りに山や川など美しい自然が広がっているのが特徴のひとつ。こうした農村を守るためには、1人の成功者を生み出すのではなく、みんなが持続的に携われる状況を作ることが必要だと考えました。
また、日本の農家は優れた農作物を生み出す力はありますが、販売する力、ビジネスにする力が足りないのではないかと思っていました。その解決のためにはコンサルタントの仕事が役に立てるはずです。もちろん、農家と直接関わるコンサル会社もありますが、まずは幅広い手法を身につけようと、この業界をめざすことにしました。
その中でも、エル・ティー・エス入社の決め手になったのは、「人」です。面談で会った同じ事業部の先輩は親身に話を聞いてくれた上、どの企業で会った方々よりも生き生きとしていました。
また、リクルーターからは、「曽根原さんの夢は、他社のほうがかなえられるかもしれない」と言われたこともあります。その正直な姿勢に感動したことも、決め手のひとつでした。いずれ、農業に関わる事業を社内で新規に立ち上げるか、会社を辞めることになったとしても、どんな選択も尊重し、応援してくれると思えたんです。
嬉しいのは、「曽根原さんのチームとのMTGが一番楽しい」という言葉
2019年の入社後は、研修を経て、カーディーラー企業様の案件を担当。顧客情報を車ベースから人ベースで管理するための、システム構築のサポートを行いました。
続いて任されたのが、自動車部品会社様の営業管理業務。本社側が営業部門を効率的に管理できていない状況を改革するために、支援していきました。
2021年7月からは、総合商社様の社内向けデータ活用サービスの案件に、メンバーとして携わっています。この企業様のIT部門内には社内向けにデータ活用を促進する仮想的な組織(人事組織と紐づかない仮想的なチーム)があり、そこで立ち上がったプロジェクトです。
エンジニアやデータサイエンティストもいるチームなのですが、私はメンバーがデータを有効活用できるよう企画から運営、その後の展開まで幅広くサポート。「メンバーは何を求めているか」「プロジェクトを実現するにはどうすればいいのか」などと常に考えながら、ときにはデータ分析にも携わるなど、何でも引き受けています。
私は挫折を感じないタイプというか、心が折れたと思い込みたくない性格ですが、この総合商社様の案件では、当初組織の一員として仕事をするスタンスになかなか慣れず、大変でした。
次々と業務が舞い込み、「ユーザーさんとの打ち合わせに来て」と言われ、資料を渡されて間もないサービスの説明を求められることも。それまでの、プロジェクトごとに期間を区切り、いつまでに何をするのかが明確だった案件とは違って、仕事も関わる人も増えていく中で頭を切り替えるのが難しかったです。
一方で、この案件では、成果として年間1,500時間もの業務時間を削減できています。また、個人的に嬉しかったのは、同じく総合商社様の方々に「曽根原さんのチームと打ち合わせをしているときが一番楽しい」と言われたこと。
「お客様がどんなことにワクワクするのか」「何をしたいのか」がポイントになると判断し、前向きに会議を進められたことがうまくいった理由だと思います。
また、先方のメンバーが一日を通して打ち合わせが連続するなど、かなり多忙な様子でした。そのため、私は「気を張らずに意見を言える、聞ける」という雰囲気づくりを意識したのです。プロジェクトが順調に前進していることもあり、安心感につながったんだと思います。
目の前の人の想いを形にできるから頑張れる。成長の鍵は手を動かしながらの試行錯誤
コンサルタントとして働く魅力は「目の前にいる人の想いを形にできること」。「困っている社員がいるから何とかしてあげたい」というお客様の相談を起点として、私たちは「このしくみを作りましょう」と展開できるわけです。
こうしたお客様の気持ちを引き出すためには、まず話しやすい雰囲気を作ることが大切。質問の仕方や聞き方など、いかにコミュニケーションが重要なのか、入社して叩き込まれましたね。
それに、「曽根原なら話が前に進む」という印象を持ってもらわなければなりません。信頼を得るためには、日々一定の期待値を超えるアウトプットが必要です。
そのための能力やスキルを高めるためには、やはり手を動かしながら試行錯誤するしかありません。データを扱うための新しいツールを試してみることで、関わる案件について誰よりも詳しくなり、できることの幅も広がり、現状を変えていくことだってできるようになるんです。
私の場合は、たとえば、ITツールの体験版を操作したり、データ分析ではプログラミング言語の「Python(パイソン)」を用いてできることを調べたりしています。
「自分しか知らない領域がある」「自分にしかできないことがある」という部分を増やしていくことでモチベーションも高まりますし、私はこうした好奇心も強いと自負しています。
興味や関心を基に行動できる特性は仕事をするにあたって非常に重要。常に情報収集が必要な仕事であり、調べ尽くしてもきりがありませんが、見えないゴールに向かって進み続けられることも、この仕事の醍醐味かもしれません。
また、通常業務とは別に事業部活動にも取り組んでいます。事業部内の若手はこれまでメールで日報を書いていたのですが、過去の内容に目を通すことがなかなかできず、テンプレートをコピーして記入するのも大変でした。
そこで、「PowerApps(パワーアップス)」というウェブサービスを用いて日報をアプリ化したのです。ほぼノーコードで作成できるこのアプリを将来的に業務で活用できるように、「社内サービスとして事例を作ったらおもしろい」という狙いもありました。
メンバー間で「作業が楽になった」「送信前に一時保存できたらいいのに」などと、意見交換の機会も生まれているので、やって良かったなと実感しています。
やりたいことができ、サポートしてくれる環境で、コンサルタントとしての成長をめざす
2022年12月現在も続く総合商社様のデータ活用案件では、「消費者がどのように行動して物を買うのか」をテーマに掲げています。私が長期的なビジョンで携わろうとしている「農家の“売る”を伸ばすこと」にも関連するので、おもしろい領域です。このように、マーケティングのプロセスを深化させることにも興味があります。
また、コンビニエンスストアチェーンの企業様の社内のRPA(Robotic Process Automation)展開の支援も、今担当している業務のひとつ。すでに5、6年前からスタートし、業務の自動化もある程度進んでいるため、現在は、さらに効果を高める施策を考え、他にRPA化できる業務はないか検証をしています。
今後は、最終的なデータを踏まえてどのような業務を作り、計画をどう立てるかを考えられるようなプロジェクトにも携わっていきたいです。また、当社はキャリアの幅が広く、コンサルタントの専門領域も多岐にわたります。違う職種でのキャリアも選択肢のひとつです。
社内では、「曽根原って新しいことを知っているよね」と言われるような存在になることが目標です。ある分野において、真っ先に最新情報を得ていたいですし、頼りにしてもらえたら嬉しいですね。
エル・ティー・エスの魅力は、入社理由と同様、やはり「人」。入社1年目で初めてプロジェクトをアサインされたときは、上司や先輩が、打ち合わせのための準備を手伝ってくれました。不安だったはじめの気持ちが、「頑張ってみよう」という心意気に切り替わったのは、周囲のサポートのおかげです。
また、心理的安全性が高く、やりたいことを何でも口にできる環境も魅力です。たとえば、私の同期にデータサイエンティストとして機械学習に取り組む人がいます。入社1年目からこの分野で汗を流し、最適化の領域でリーダーのポジションを獲得するまでになりました。
こうした環境のもと、私も目の前の人に対していかに自分の価値を発揮するかを考えながら、コンサルタントとしての成長をめざしていきたいですね。それが、きっと私の農業分野での事業をつくる夢へとつながっていくはずですから。