お客様との個人的なやりとりを意識的に行うことでリモートの弊害を解消

▲IT教育支援プロジェクトやチームビルディングに携わる本杉 渉

静岡に居住しながら、都内に拠点を置く製造業メーカーの社員向けIT教育支援プロジェクトにフルリモートで参加する本杉。2022年5月に本プロジェクトにジョインし、同年9月からはプロジェクトリーダーを務めています。

本杉「私が担当しているお客様は、社内のITスキルを向上させるための教育支援を担当する部署です。officeなどのソフトやアプリケーションの機能、使い方周知のほか、eラーニングのシステム運用方法についてご提案するなど、幅広い業務に携わっています。
マニュアルを作成したり、各部署の教育方針に合わせてツールや手法をご提案したりといった仕事が中心ですね」

従来は、こうした業務を顧客企業に常駐する形で行ってきたという本杉。リモートゆえの難しさを感じる中、やりとりを円滑に進めるために、さまざまな工夫をしているといいます。

本杉 「お客様と顔を合わせてコミュニケーションを重ねることで信頼関係が築かれていくところがあるので、正直、難しい面はあります。リモートだと、お客様との会話の内容がどうしても仕事の話に終始してしまいがちです。物理的に離れているため、“同じ仕事をしている仲間”という共通認識も生まれにくい。どこか堅苦しい感じになってしまうというか」

そこで、本杉が繰り出した一手が、“お茶会”と称して雑談するための機会を定期的に設けること。

本杉 「今やり取りしているお客様がとてもフレンドリーな方ということもあって、打ち合わせという形ではなく、チャットのような感じで他愛もない話や雑談をさせていただいています。これまでも、あえて個人的なやりとりを増やしていくことで相互理解を深めてこられた感覚があって。
そういった形で頻繁にコミュニケーションを取ることで、“一緒に仕事をしている”という認識をお互いが保っている部分があると思います」

スキルが活かせて、ITコンサルとしての経験も積める場を求め、エル・ティー・エスヘ

今でこそ、ITスペシャリストとして社内外から一目置かれる存在となっている本杉ですが、そのキャリアにはさまざまな変遷がありました。

本杉 「20代のころはエンジニアとしてアプリ開発などを手がけていたんですが、いったんエンジニアを離れた時期がありました。派遣社員としてさまざまな仕事を経験し、今後のキャリアをあらためて考えたとき、やはり『自分が持っているIT関連のスキルを活かしたい』と思うようになったんです」

そう思い立って、IT関連企業の求人を探すため転職サイトに登録。エージェントからすすめられたのが、エル・ティー・エスでした。

本杉 「静岡県内に拠点があるいくつかの企業を検討していたところ、『本杉さんの要望に最も沿う企業だと思います』とエージェントから紹介されたんです。そもそも、現場で開発に携わるエンジニアではなく、人とコミュニケーションを取りながら、ITのスキルが活かせるITコンサルのようなポジションを探していて。それにぴったりマッチしていたのが、エル・ティー・エスでした」

エル・ティー・エスを転職先として選んだ本杉。静岡での現地採用社員として2015年に入社します。

本杉 「入社した当時、静岡にはまだオフィスがなく、勤務地は常駐先となる顧客企業でした。メンバーの数も私を含めて15名程度だったと記憶しています。それから約7年、現在はオフィスができてメンバーも増え、リモートで業務できる環境も整ったことで、より幅広い働き方ができるようになったと感じています」

理想的なチームビルディングを目指し、手探りで取り組んだマネージャー業務

▲静岡メンバーでのボウリングの様子(コロナ禍以前の写真)

2022年4月現在、普段の業務をこなすかたわら、リーダーとして責任ある立場を任される本杉。チーム作りに取り組む上で、大切な経験があったといいます。

本杉 「今のプロジェクトの担当になる前、クライアントの担当者から送られてくる問い合わせをそれぞれ担当部署に振り分けて対応するチームのリーダーを務めていました。そのときのメンバー間には強固な信頼関係があって、お互いがお互いのために仕事をするような空気が醸成されていました。

誰かが困っていたら全員で業務を分担して解決するといったことが自然にできているというか。メンバーが他のメンバーに作業を依頼しても、『なんで私がその仕事をやらなくてはいけないの?』とはならず、『あなたがいうんだから必要なんだね。やりましょう』というマインドが共有されていました」

それぞれのメンバーがパフォーマンスを十二分に発揮する理想的なチームだったという本杉。その理由をこう分析します。

本杉 「全員のポテンシャルが高かったこともありますが、今あらためて振り返ると、ふたつの理由があったと思っています。

ひとつは、私自身に精神的、また業務的な余裕があり、メンバーのことをきちんと見て、状況を把握できていたこと。相手によって対応を変えることなく、全員に『ちゃんと見ているよ』『気にしているよ』というメッセージを絶えず送って、それに応える形で信頼感を抱いてもらっていたと思います。

もうひとつは、私が強烈なリーダーシップをとらなかったことです。メンバーの自主性に委ねることで、一人ひとりが自分の役割を理解し、当事者意識を持って積極的に動くことができていた。何かあれば私もすぐにフォローに回るという流れができていました。メンバーは私を、リーダーというより、“一緒に仕事をしている仲間”として見てくれていたんじゃないかなと思います」

「それ以前は、メンバーにゴリゴリに指示を出しながら、なんとか回していくというスタイルだった」と話す本杉。メンバーやチームのパフォーマンス向上の鍵が信頼関係の構築にあることを知ったことで、その後のチームビルディングのスタイルは大きく変わることになりました。

リモート環境でもパフォーマンスを発揮できる──自分がそのモデルケースに

フルリモートでプロジェクトリーダーとして業務にあたる本杉。現在取り組んでいるプロジェクトは、もともと別部署が担当していたものだったといいます。

本杉 「私が所属する部署は、東海地方を主たる活動領域としているので、本来、都内で業務を受け持つ部署とは接点がないんです。そのため、今は、“レンタル移籍”のような体裁で業務に携わっています。

ところが、静岡に限らず、私のように『他のエリアでも仕事をしてみたい』『今よりも仕事の幅を広げてみたい』と考えている現地採用のメンバーが結構いるんですよ。高いスキルを持つ人たちが、限定的な仕事しかできないことを理由に、転職という道を選び、社外へと流出してしまうのは、とてももったいないことだと思います。

その意味で、今の私は試金石のような存在だと思っていて。多様な働き方を求める人たちが、どんどん後に続いていけるように、リモート環境でも問題なくパフォーマンスが発揮できることを、成果として示していきたいですね」

「逆に、関東在住のメンバーが静岡の仕事をしたっていい。そうした働き方の選択肢の幅が広がっていくきっかけになりたい」と話す本杉。自身が理想とするリーダー像とからめながら、次のように話します。

本杉 「スキルや経験を最大限に発揮させるためには、リモートだろうとなんだろうと、メンバーと密にコミュニケーションを取ることが不可欠です。それぞれが自分の理想とする働き方のもとで潜在的な可能性を引き出せるような環境—— “1+1=3以上の効果”を発揮できるようなチーム作りを目指したいですね」

「上からではなく、下から……。そんなふうにチームを押し上げていけたら」と話す本杉。地元静岡でIT業界の裾野を広げていくために——理想的な働き方を模索する本杉の挑戦は続きます。