ヘアメイクとして、制作現場に多く携わった

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▲ヘアメイクをしていた頃の宮本。みんなで作品をつくり上げる現場が大好きだった

経理として2017年4月にロントラに入社し、売り上げ・入金管理、経費精算などを担当しています。経理未経験なうえ、パソコン作業さえほとんどやったことがなかった私が、経理をやることになるとは思ってもいませんでした。

私のキャリアのスタートは美容師で、手を動かす技術職を長くやってきたからです。

美容師に憧れて専門学校に進学し、美容師免許を取得後、さあスキルを磨いていこうと思っていた20代前半。薬剤が肌に合わず、ドクターストップがかかってしまいました。そこで、それならば薬剤を使わずに美容に関われる何かはないかと、探し出合えたのがヘアメイクの世界でした。

雑誌やテレビで活躍している師匠につき、アシスタントをしながら、現場経験を積む毎日。初めは荷物持ちや出演者のケア、買い出し、清掃が主な業務でした。早朝から深夜まで作業を行ない、休みはない。決して楽な仕事ではありません。

けれども、スタッフの雰囲気も良く、みんなで一丸となって作品をつくり上げる現場は感動と達成感に満ちあふれていました。

アシスタント時代は給与も安いので、アルバイトでブライダルのヘアメイクをすることも。その現場では、自分が勉強すればするほどスキルが上がり、仕事が楽しくなっていきました。

その後、はやく一人前になりたいという気持ちから、独立することを決め、フリーランスとして、ブライダルから雑誌、テレビの仕事まで幅広く受けるようになりました。

その結果、ロントラのスタッフと顔を合わせる機会が増え、人脈が広がっていったのが今につながっています。

出産を機に変わった優先順位。子育てとの両立を第一に考えるようになった

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▲宮本の人生を大きく変えた、かけがえのない小さな命の誕生

ヘアメイクの現場は毎回が一期一会です。撮影ごとに異なるシチュエーションや、制作会社の方々との会話からさまざまな情報を得られることはとても刺激的で、「ヘアメイクの仕事をずっと続けたい」と思っていました。

しかし、その価値観やライフプランは、大きく変わることになります。結婚、出産というライフイベントを迎えて、人生の優先順位ががらりと変化したんです。

出産直後は、娘を保育園に預けて復帰しようと考えていたんですが、住んでいる場所が保育園入園の激戦区だったため、フリーランスだった私は、希望していた保育園に落選……。

平日にヘアメイクの仕事をするのはあきらめざるを得ませんでした。一時期は、土日に娘を夫に見てもらいブライダルなどの仕事を受けていましたが、そうすると、家族3人で過ごす時間がほとんどなくなってしまいます。娘の成長を家族で喜べる貴重な時間は今しかないと思うようになり、ヘアメイクの仕事から少しずつ離れていきました。

出産前の私でしたら、せっかく積み重ねてきたキャリアを手放すなんて……と残念がるかもしれません。でも、娘を前にすると、その存在があまりにもいとおしく、「彼女との時間を一番に考える」ことを、ごく自然に受け入れている自分がいました。

そして、娘が2歳になり、少し手が離れてきたときに、平日で無理なく働ける新しい仕事を探そうと考えるようになりました。

その頃、ロントラで経理を募集していることを知ったんです。

ヘアメイクの仕事で制作会社さんとお仕事をすることが多かったため、業界の雰囲気をイメージしやすいことも、入社の動機のひとつになりました。挑戦したいという意欲はあったものの、未経験からよく受け入れてくださったなと思います。

正確に、丁寧に、迅速に――ヘアメイク時代に学んだ経理としての3つの心得

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▲経理としての役割にも慣れ、常に会社としての信頼を背負う日々

入社当初は、エクセルの基本的なルールも分からず、覚えることの多さに軽くパニックを起こしていました(笑)。業務と並行して経理を体系的に勉強したかったのですが、家に帰ると仕事のことを考える余裕はなく、夜は疲れて娘と一緒に寝てしまいます。物理的に時間がとれず、業務時間内に覚えるしかありませんでした。

かつて、ヘアメイクの現場で、師匠について見よう見まねで実践しながら覚えたように、総務の先輩から言われたことを一つひとつ、できるまで繰り返していきました。

経理業務の全体像が分かるようになると「このシートをもっと使いやすく、こう作成してはどうか?」などと工夫の余地が生まれ、仕事を通じて得られる成長実感がうれしかったですね。

子どもが小さいため、熱を出して仕事を抜けなくてはいけないことも度々ありました。

そんな中でも、「早く迎えに行ってあげて」「今日は休んでいいよ」と声をかけていただける環境がとてもありがたかったです。子どもをもつ社員がほかにもいるので、「子どもの行事があるから会社に行けない」といったイベントごとへの理解も深いんです。

業務上まだまだ未熟な私も引け目を感じることがないのは、ロントラの懐の深さゆえ。社長との距離が近く、すぐ相談できるフラットな風土も居心地のよさにつながっています。

そんな私が経理として意識しているのは、関係会社や個人の方からいただく請求書の受領連絡、メールの返信こそ、正確に、丁寧に、迅速に行なうこと。

フリーランスでヘアメイクをしていたとき、事務の方がきちんとした対応をしてくださる会社ほど、信頼の置けるいい会社だと感じていました。請求書を送ったあとの対応や、お金まわりの連絡に漏れのない会社とは、これからも付き合っていきたいと思うものです。

会社への信頼は、裏方の対応力によって担保されていると実感することが多かったため、その立場になった今、私の対応で外部の方に不信感を抱かせることがないように気を配っています。

ビジネスマナーの勉強など、新たな分野にまたチャレンジしていく

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▲会社説明会にて司会進行を務めた際のようす

ヘアメイクから経理へのドラスティックなキャリアチェンジに、最初はどうなるかと思っていました。でも、「できないことができるようになる」ことには、純粋な喜びがあります。

出産という大きなライフイベントを経て、以前とは違う分野で成長を実感できるなんて、とても幸せなことです。

また、ロントラの制作現場でヘアメイクが必要なときにはお受けすることもあり、細々とではありますが、ふたつの仕事を並行してできていることもありがたいです。土日に、フリーランスの仕事としてブライダルの案件を依頼いただくこともあり、無理のない範囲でパラレルキャリアを続けていければと思っています。

今後、新たに挑戦したいのは、ビジネスマナーの勉強。来客の対応からはじまり、さりげないご案内の仕方が完璧にできていたら、大人の女性として魅力的だなと思うからです。

職種は大きく変化したものの、ヘアメイク時代から携わっている業界は変わらず、制作会社の独特の雰囲気と、そこで働く人たちがとても好き。

知識が豊富で、新しいことを面白がれる、好奇心旺盛な人たちに囲まれているから、私も新しいことに挑戦しようという意欲が出てくるのだと思います。