キャリアを模索した20代。若き日の経験から、組織作りや人材育成に興味を持つ

article image 1

2022年8月現在、ライフワークスで研修トレーナーとして、キャリア支援に携わる岡田。これまでさまざまな業界・職種を経験してきました。

岡田 「大学時代、貿易について学んで興味を持ったのをきっかけに、卒業後は総合商社に入社しました。営業事務や貿易事務の仕事に楽しさを感じていたものの、当時は男女雇用機会均等法の施行前。“女性の仕事は男性のサポート”“女性は結婚して家庭に入るのが幸せ”という価値観の時代でした。

3年ほどすると、同期の女性社員たちは次々に寿退社し、男性社員との仕事内容や待遇の差は開くばかりで、転職を考えるようになりました。いまになって思い返せば、キャリア自律に対する小さな種火が灯った時期だったと思います」

上司の勧めもあり、当時から女性の登用に積極的だった外資系企業に的を絞って転職活動を始めた岡田。急成長を遂げていた外資系IT企業に職を得ます。

ところが、ほどなくして同社が日本から撤退。30歳を前に失業し、期せずして自身のキャリアを見直す事態に直面します。

岡田 「当時、まだ人材サービスが今のようには充実していない時代。Will-Can-Mustで自己分析するなど、失業したことをきっかけに、自分自身を内省することができたんです。私は、20代での経験から、組織作りや人材育成に興味を持つようになっていました。誰もが自分の想いを語れて、性別に関係なく、いきいきと働けるような仕組みを作る仕事に関わりたい──そう思っていた矢先、外資系の生命保険会社とのご縁があり、入社しました。

会社ができてまだ日が浅かったこともあり、人事部門はまったくの未経験だった私を『おもしろそうだ、チャレンジしてみなさい』と雇ってくれたんです。同社では、人事教育制度の立案、研修プログラムの開発や運営に携わることに。今につながるキャリアがスタートした瞬間でした」

人生設計やキャリア設計への関心の芽生え。縁に導かれるように、ライフワークスへ

article image 2

外資系の生命保険会社で、多忙ながらも充実した日々を送っていた岡田。しかし、職場結婚した夫の転勤を機に、退職する決断を下します。

岡田 「夫が転勤することになった地方の支店に、私のポジションはありませんでした。つまり、夫が単身赴任するか、私が仕事を辞めるかの二択。これもひとつのキャリア選択だと考え、思い切って退職することにしました。

その頃、既にファイナンシャルプランナーの資格を取得していたので、マネープランに関する執筆活動を始めたんです。でも、やがてお金の話だけではなく、人生設計やキャリア設計の面でもお役に立てるようになりたいと思うようになっていきました」

夫と共に東京に戻り、大手人材会社がキャリアカウンセラーの資格講座を提供していることを知った岡田は、すぐにキャリアカウンセラー資格取得の講座を受講。そこで運命的な出会いを果たします。

岡田 「その資格講座を一緒に受けていたクラスメイトのひとりが、ライフワークスの営業担当者でした。そのご縁に導かれるように、ライフワークスのマネープラン研修を見る機会をいただきました。今も現役で活躍しているベテランのトレーナー(講師)さんが立ち上げたもので、単なるお金の情報提供ではなく、より良い人生について考えるために、お金の面からアプローチしようというものでした。

その考え方が、私にもとてもしっくりきて。それがライフワークスで仕事をするようになったきっかけです」

当時のライフワークスでは、マネープラン研修の他に、主に50代の従業員向けライフプラン研修のニーズが多かった時期。このライフプラン研修の内容にも、岡田は大いに共感したと振り返ります。

岡田 「生きがいや働きがいについて考える研修でしたが、当時30代だった私自身は定年後の人生や老後のことについて考えたこともありませんでした。定年後や老後も含め人生の過ごし方について、仕事・家族・余暇・学び・健康・お金などさまざまな方向からアプローチしていることにとても興味を惹かれました。

また、ライフワークスとの出会いを機に働くことの意味について突き詰めて考えた結果、自分のコアバリューが、『働くとは、“傍(はた)を楽にする”こと』だと気づいたんです。周りの人たちの気持ちを楽にしたり、人生や仕事を楽しくすることを大切にしていこう。そう固く決意したのを覚えています」

仕事だけでなく、「人生をどう自分らしく生きるか」を支援する研修

article image 3

ライフワークスで、トレーナーとしてのキャリアをスタートさせた岡田。当初はマネープラン研修のみを担当していましたが、徐々に担当領域が広がっていったといいます。

岡田 「当時ライフワークスで開催していたのは、ライフプラン研修が中心でした。ところが、時代が変わりゆく中で、シニア世代にもさらなる活躍が期待されるようになり、もっと若いうちから自分で自分のキャリアを考えられるようになってほしいという方向へ、企業の期待が徐々に変化していきました。

最初の頃、私はシニア世代を相手に、マネープランのパートだけを担当していましたが、当時のトレーナーさんは60代以上の方がほとんど。30〜40代の受講者が増えていくのにともない、世代の近い私がミドル層向けのキャリア支援研修を引き受けるようになりました」

そうやって、「マネー」だけでなく、「キャリア」や「ライフ」の領域もカバーするようになった岡田。とくに印象に残っている出来事があります。

岡田 「ライフワークスで仕事を始めて3年ぐらい経った頃、初めてキャリアのプログラムを担当したんです。35歳の方を対象に、生き方、働き方について考える機会を提供するというものでした。

2日間の研修プログラムが終わる頃には、参加者の顔色が変わり、中には『この機会がなければ、今後の人生を考えることはできなかった』とおっしゃる方も。結果的に参加者の半数ほどが社内や社外での新たな一歩を踏み出すことになるなど、受講者のキャリアの転機につながりました」

自身にとってもチャレンジングな経験でしたが、「この道で生きていっていいんだ」と感じられる大事な機会になったという岡田。次のように続けます。

岡田 「研修で心がけているのは、小さな種火のようなものを皆さんの心に灯すこと。とても小さなものかもしれないけれど、その後の人生で、ご本人がそれを少しずつ育んでいって、いつか行動につながっていけばいいなと思っているんです。背中を押すなんて、そんな大それたことだとは考えていません。もともとその方の中にあって忘れてしまっていること。

たとえば、『子どものとき、こう思ってたよね』『入社したてのころ、こんな抱負があったよね』といったことを掘り起こすきっかけを提供できればと。研修から1年くらい経ったころに、『あのとき芽生えた想いが今、こういうかたちになりました』とご連絡いただくこともあって。それがとても励みになっています」

ライフワークスで研修トレーナーを務め、2022年で19年目を迎える岡田。ライフワークスならではの研修の特徴、魅力について次のように話します。

岡田 「ライフワークスの研修の根底には、“ライフキャリア”という考え方があると思っています。最近でこそ、“ワーク・ライフ・インテグレーション”や“Work in Life”といった考え方も浸透してきましたが、ライフワークスでは、以前から仕事だけでなく、家族や地域社会、健康、お金といった、その人を取り巻くあらゆる役割や経験をどう組み合わせ、自分らしく働き、生きていくかということに向き合い、考える場を提供してきました。

また、ライフワークスの研修は、出来合いのプログラムに無理やりはめ込むことがありません。それぞれの企業、受講者が抱える課題に応じて、寄り添いながら共に解決していく姿勢が魅力であり、他社にはない強みだと思っています」

個人のキャリア自律によって、より魅力的な組織、社会が実現する

article image 4

研修トレーナーとして大切なのは、受講者一人ひとりに寄り添い、向き合うことだと話す岡田。

岡田 「研修は、属性が近い、たとえば同年齢の受講者を集めて行うことが多いのですが、皆さん異なる個性・考え・経験をお持ちなので、決してひとくくりにすることはできません。また、『研修は生きものだ』といわれるほど、当日の状況次第でグループ・ダイナミクスなどが働いて、事前に用意したものがなんかフィットしないと感じることもあるんです。

ですから、観る力、聞く力、話す力、感じる力、そして臨機応変にチューニングしていく力をフル活用しながら、一人ひとりと向き合っていけたらと思っています」

先行きが見通しづらい時代を迎える中、「不安を口にする人の割合が増えている」と話す岡田。

岡田 「不安を抱えた状態で、明るい未来を思い描くのは難しいもの。研修では、不安な気持ちや迷い、戸惑いを少しでも取り除き、安心して話せる環境をこれまで以上に意識して作っていきたいと思っています。悩んでいるのは自分だけじゃないと知ったり、これは悩んでもしょうがないことだとわかったり。いろんな気づきにつながればいいですね」

そんな岡田が目指すのは、個人のキャリア自律によって、組織や、社会がより魅力的になっていくこと。

岡田 「不透明な社会情勢で暗いムードが漂う一方で、リスキリングの促進、副業の解禁やリモートワーク勤務の導入、育児・介護との両立など、組織が、働く多様な個人を積極的に支援する時代になってきていると思います。働き方、生き方を自分で選びとっていくことは簡単ではありませんが、選択する自由が広がっているのは事実です。

皆さんには、この状況をチャンスとして受け止め、組織で得られる機会を大いに活用して自身の可能性を広げたり、自分の役割について働きがいや生きがいを見出したりと、自分らしい自己実現を目指していただきたい。それがひいては魅力的な組織作り、社会作りのきっかけになると信じています」

働きがいや生きがいに目覚めるためのきっかけをすべての人に届けたい──年齢や性別に関係なく、誰もが仕事や人生を自由に選べる社会の実現に向けて、岡田の挑戦は続きます。