モノ売りからコト売りへと変化する建設業界。そこで、コベルコ建機のDX推進の重要な役割を担うグローバルITシステム部のグループ長の座談会を行いました。

 

1.「グローバルITシステム部」の多様な役割──コベルコ建機のDX推進を一挙に担う部隊の裏側

──グループ長5名にお越しいただきました。まずは、各自の担当グループの紹介をお願いします。

香月: IT企画グループでは、他グループと連携し、部全体の業務運営を円滑にするようなことを考え展開してます。他には、風土醸成もミッションの一つですね。部全体を活性化させ、社員に働きやすいと思ってもらえるような企画を考えることや予算管理等が主な業務です。

岩崎:データ活用グループでは、データ活用の推進を担っていて、全社でのデータ活用ができる環境を整備することがミッションです。目下の範囲としては、工場のラインマネージャーまでを範囲として、データ活用を社内に浸透させることをめざしています。 

松岡:ものづくりグループでは、基幹システムの開発、保守運用が担当領域です。ユーザー部門からのお悩み解決に向け、グループ会社と協力しながら、周辺のWebシステムやHPなどの新機能の開発、保守運用を担っています。

福井: ITインフラグループでは、ネットワーク、サーバー、PC、セキュリティなど、いわゆるITインフラの統括・運用を担当しています。また、情報システム規定の制定や、皆さんが利用するシステムのインフラ全体の最適な仕組み、セキュリティ強化など、ITを安全に、安心して利用してもらえるよう企画、導入、運用、保守などを協力会社のメンバーと共に担当しています。 

宍戸: DX推進グループでは、新しいアプリケーションシステムや、DXソリューションの新規導入を行っています。具体的には、基幹のERPシステムを担当しています。現状グローバルで使用中の基幹システムの刷新や、開発設計領域で使用中のエンジニアリングシステムの一元化や推進等が現業務です。

──保守運用だけでなく、よりチャレンジングな業務にも取り組めるのはいいですね!

香月:DXを推進する世間の潮流もあり、ここ数年でIT部門の役割が大きく広がりましたね。新しいことに取り組む部署になっていると感じます。

 

2. 相互理解で効率化しつつ、各自がのびのび働ける職場へ──適材適所の裁量権とコミュニケーション

──会社の未来を担うグローバルITシステム部は、やはりプロフェッショナルが多いのでしょうか?専門知識とスピード感が重視される部隊なのかとイメージしているんですが……。

香月:初めからプロフェッショナルな人ばかりではないです。業務を見ながら徐々に任せ、難易度の高い業務であればフォローをしています。 

松岡:バックグラウンドもさまざまですね。大別すると、ローテーションの社員とキャリア入社の方がいますが、ローテーションだと昨日まで営業や生産管理などまったく違う業務をしていたり。一方で、キャリア採用での入社の方はその道のプロだけど、会社のことはまだ知らなかったり……。

一人ひとりの様子を見ながら業務の振り分けを行い、できるだけ本人の特技が活かせ、やりたいことができる環境にしたいと思っています。 

福井:のびのび業務にあたってもらうことで、より多様な提案が出てくると良いですね。この組織の特徴として、新企画・アイデアに対して“No”と否定されることが少ないと思います。自らの提案に対して、真摯に向き合ってくれる会社・上司の姿勢や、前向きな議論を重ねて実装に至るプロセスなど、想いが仕事につながりやすい部分があるので、皆が積極的に活動していける組織だと思います。

──さまざまな経歴の社員が裁量を持ちつつ働ける、自由な環境なんですね。メンバーのコミュニケーションはいかがでしょうか?

福井:非常に良好だと思います。メンバー間では、所属グループに縛られることもなく、アフター5に食事に行ったり、昼食も一緒に取ったり業務以外でも活発にコミュニケーションがとられている様子があります。 

香月:居所が一部分かれている所もあって、誰がどんな人なのかわかるように自己紹介シートを作って活用しています。とくに新人の方や中途で入った方は担当業務の確認や共通点を見つけるきっかけとして活用されていますね。 

──仕組みを通してメンバー間の横のつながりをサポートされているんですね!グループ長の皆さんはいかがですか?

香月:今は、コミュニケーションはかなり取っているほうだと思います。困りごとの相談などもしやすいですね。

改善のきっかけは、2022年8月に一部のメンバーを除き職場が神戸に集約されたことです。それまでは大久保、広島、東京とバラバラだったのが、集約されたことによって部全体として一丸となって動けるようになり、良い変化がもたらされました。

 

3. 会社の未来を担うチャレンジャブルな部署、グローバルITシステム部でのメンバーケア

宍戸:正直、数年前はあまり来たいと思ってもらえる部門ではなかったんですよね。ただ、ここ1~2年で大きく印象が変わり、今では「会社の存続に関わる業務を担う、チャレンジャブルな部署」と認識されています。 

──印象が変わったきっかけは何かあったのでしょうか?

香月:われわれ自身が、あらためて自分たちの役割を意義付けしたことです。もともと、社内では他部署からの要望に応えるような、下請けに近い受け身のイメージがありました。

しかし、コベルコ建機にとって自分たちの業務がいかに重要なのかを再認識し、意識的に発信していくことで社内の認識も変わっていきました。

宍戸:発信という意味では、経営幹部との月次会議「IT中期5か年計画の進捗報告」が、ある種の発信の場になっていると思います。こういった場で、経営陣から直々に、進捗や存在意義を認めてもらえているのは、やりがいにもつながることだと思っています。

──企業規模を鑑みると、幹部との距離感はメンバーのモチベーションにも大きく影響しますよね。 メンバーマネジメントで気をつけていることはありますか?

宍戸:正直、業務負荷がハードなタイミングもあります。だからこそ、業務負荷に関してはこちらから声をかけ、メンバーのモチベーションを維持しつつ、オーバーワークにならないようには気を配っていますね。

本人のやりたいことに耳を傾け、任せる。「信頼しているよ」ということを意識的に伝え、彼らが失敗したときは自分が責任を取り、工数過多にならないよう意識を配る。そういった姿勢を見せることで、安心して自分のやりたいことにチャレンジしやすい環境を作れるのかなと思っています。 

香月:われわれの部署は、会社として設けられている上期・下期の面談以外に、個別に時間を設けているのも特徴です。細かな運営は、各グループで多少異なるかとは思いますが……皆さん、どうしてます?

福井:うちのグループでは業務の進捗確認や相談をフランクにできるように、毎週メンバー全員でグループミーティングを実施しています。いろいろと業務以外の雑談も含めて会話することで、お互いの理解が深まります。また、常に感謝の気持ちを持つことを忘れないように心がけています。 

香月:確かに、この前の社内管理職向け研修でも言われたんですが、「褒めすぎくらいがちょうどいい」を私もあらためて心がけるようにしています。

岩崎:うちは、メンバーの人数が5~6名で多くはないので目が届きやすいというのはありますが、悩んでいそうなら声をかけるようにしています。

松岡:うちは、少し人数が多いので、意識的に時間を取るようにしています。毎週30分の1on1のミーティングをしていますね。 

──部署全体として、すてきなチームづくりができていると実感することはありますか?

岩崎:若手の社員から、仕事をしやすい環境だと聞くことは多いですね。

香月:外部の組織診断でも、そこが数値に表れていました。とくに、「周りを信頼できる。相談しやすい」という項目が優れていたのが嬉しかったです。

4.グローバルITシステム部の今後について、グループ長たちがかける想い

宍戸:業務面でのめざすゴールは、コベルコ建機グループという大きな組織をよりフレキシブルに、環境変化に柔軟な組織にすることですね。グローバルITシステム部は、その要だと思っています。

──確かに、大きな組織になるほど「柔軟性・スピード感」は企業課題になりがちですよね。 

宍戸:そうなんです。ただ、ITの力を上手く使えば、それが可能になります。具体的には、エリアや事業部を超え、グループ全体最適視点での情報連携、顧客への価値提供スキームの構築と実装をしていく。そうすることで、コベルコ建機グループのサービス提供全般における、柔軟性・スピード感を担保できると感じています。 

──ITの活用で、企業の意思決定を改善する役割ですね!業務単位では、どんなことをめざしていきたいですか?

福井:日々新たなテクノロジや世の中のIT関連情報にアンテナを張り、積極的な提案がより多くできれば良いと思います。たとえば、海外との連携一つとっても、セキュリティ関連情報やグループ全体のルール変更、今後の計画連携など、グローバルに足並みを揃えつつ、コミュニケーションをとり、常により良い手法の模索を必要とする命題が多い部署です。サーバーやクラウドの仕組みは日々進歩していくので、より効果的かつ最適な提案などをしていきたいです。

香月:風土面でのゴールは、メンバーみんながワクワクドキドキできるような集団になり、周りから見て「あの部署良いよね」と思ってもらえる部にすることです。部署全体で一丸となって取り組めたらと思っています。

※ 記載内容は2023年8月時点のものです