父の背中を追って入った、ものづくりの世界。部活で培った“まずやってみる”の精神

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幼いころ、自営で建設業を営んでいた父と一緒に過ごし、自然とものづくりの世界に触れていた秋葉。次第に土木の世界に心が惹かれていきました。また、学生時代の部活から自分のモットーになる部分を学びます。

「父親が自営業で建築士をしていて、その姿を自宅で見ていました。興味があった図面を見つけては手に取って眺める日々を過ごすうちに、父よりも大きなプロジェクトに携わってみたいという想いが膨らんで、大学は土木を専攻しました。当時は仕事に対してのイメージは漠然としていて、具体的なやりたいことは見つかっていませんでした。

そんな迷いがあったままま就職活動に突入したので、土木とは全然関係ない企業も含め、いろいろな企業に応募しました。結果、最初に合格した橋梁工事を専門にする企業に勤務することにしました。とりあえず土木の世界に飛び込んでみたかったんです。

このとき、“まずやってみよう”と思えたのは、高校時代にキャプテンとして活躍できたサッカーのおかげです。実践してみて、そして繰り返し練習することで成果が出てくる。経験や努力こそがものをいうことをサッカーから教わりました。これが私の信条の原点なんです」

現場に入って目の当たりにした、土木事業の圧倒的スケール

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▲河川をまたぐ大規模な橋梁工事

明確なビジョンを持てないまま土木の世界に入った秋葉。目に移った現場の景色を次のように語ります。

「たくさんの現場で、自分なりに土木の世界の醍醐味を感じることができました。目の前で巨大な橋梁が架設されていくありさまは正に圧倒的で、携わった仕事には充実感がありました。私は鉄道近接の部署に配属になったこともあり、鉄道と道路などを立体交差させるための橋を架ける仕事が多かったです。

作業は終電以降、電車が止まってから始発までのわずか2~3時間。その時間は、橋梁の架設作業でほぼ終わってしまいます。橋梁の架設方法は大型クレーンなどで吊って架設する現場もあれば、架設する箇所の横に橋梁を組立ておいて横に移動させたり、橋梁を組立て縦に送って架設したりするなどさまざまです。

現場ごとに適切な工法を取るのですが、常に時間との戦いになるので、しびれる作業でした。事前の準備は本当に大切で多岐にわたりますし、架設作業以外でも緊張感の高い仕事でした」

一つひとつ橋をかけていく“地図に残る”土木事業の仕事にやりがいを感じつつも、乗り越えなければならない厳しい現場がありました。

「2029年に完成が予定されている渋谷再開発の中で、今から6年前ぐらい前に、渋谷駅と渋谷ヒカリエとの間に仮通路を設置する工事がありました。1次下請けとして、私の会社からの現場担当は私だけでした。とにかく工区が細分化されていて、1つ資材を搬入するにも相当な手順を踏まねばならなく、調整に苦労しました。

工期は約2カ月でしたが、このときはさすがに残業も多く、密度が濃い仕事でした。完成したのは仮通路で、“地図には残らない”仕事ではありましたが、人数だけ見ればかなりの方に利用いただけたと思いますし、自分の記憶には深く残った仕事です」

自分らしい働き方を求めて。民間から公務員への転身、そして京王建設へ

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▲京王多摩川の橋梁耐震工事現場

秋葉が自分の生活と仕事のやりがいを両立できる環境を探していたところに、新しいチャンスがやってきました。

「偶然見つけた公務員の募集があり、応募することにしました。公務員であれば、役所内の異動はあっても転勤はないですし、仕事以外の時間を作りやすいと考えたからです。公務では、言葉の使い方1つで理解いただく皆様への信頼が変わってしまうので、熟考しながら仕事を進めていました。実際やってみて気づく仕事も多かったですし、本当に勉強になりました。約3年間勤務した後、京王建設への転職を決めました。

もともと橋梁会社を辞めた際に、役所と京王建設を両方受けようと思っていました。その当時は、役所の面接の方がトントン拍子に進んだので、流れで採用されることになりました。一方役所からの転身を考えていたころには家族もでき、自宅も購入していたので、転勤のない京王建設は非常に魅力的でした。他の建設会社には興味がありませんでしたし、無事に入社できてほっとしました」

京王建設に入社した秋葉は土木本部 土木工事部 関連工事課に配属になります。最初の勤務地は多摩川橋梁の耐震工事でした。

「橋梁は橋梁でも耐震工事に関わるのは初めてでした。私はずっと鉄の橋梁が専門だったので、この現場で職人さんたちが扱う土の掘削、コンクリート、薬液注入などは初めてのことも多く、日々勉強の連続でした。新しいことにチャレンジするのはとても楽しいです。

現場に迎え入れてくれた上司の所長や同僚の皆さんは優しい方ばかりで、人見知りの私でもすぐに馴染んで仕事をすることができました。

この工事で特徴的だったのは、河川内での橋梁の耐震工事で工期の終わりが決まっていることです。渇水期(11~5月まで)に必ず終わらせなければならないという緊張感の中で、さまざまな業者の方々と進捗を鑑みつつ、工事を進めていくのが大変でした」

実現できた、自分だけのワークライフバランス

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京王建設にてようやく初めての現場を終えた秋葉。橋梁会社への就職からチャレンジが続く日々です。京王建設での今後を次のように考えています。

「やはり土木の道を志したときに抱いていた、大きいプロジェクトに関わってみたいと思います。今回の京王多摩川の工事も大規模な工事でしたし、携わることができて会社には感謝しています。

今後は自分の経験を生かせる橋梁関係の仕事があればチャレンジしてみたいですね。仕事選びも、現場での仕事も、とにかく“やってみてから”が自分の信条です。何事も経験則が生きることは多いと感じています」

そんな秋葉からこれから京王建設をめざす皆さんにメッセージがあります。

「土木の仕事は、人が生活する上で必要不可欠なもので、当たり前のものをつくる一見目立たない、陰で支える分野かもしれません。ただ、自分の仕事を振り返ると、地図に残ったり後世に残ったりするやりがいが大きい仕事です。

京王建設はそういった土木事業や、京王線沿線の安全を守る線路保守、また、建設事業を行いながら、それぞれの職員がワークライフバランスをとって働いている会社だと思います。妻が仕事をしていて、子育てを共有している中で、こういった土木の仕事を続けられるのは感謝しかありません。家族と一緒に生活しながら、やりがいのある仕事を続けられるのは本当に恵まれていると思います」

※ 記載内容は2023年7月時点のものです