沿線住民のお客様に「毎日安心・安全に利用していただけること」を第一に

終電が終わったあとに始まることの多い、線路の補修業務。深夜の作業なのであまり目にする機会は少ないかもしれませんが、乗客の快適な乗り心地や安全運行を支える縁の下の力持ち的な仕事です。

宮崎 「終電後に保線基地から保線車両を出庫し、その車両を用いてレールの歪みや騒音を軽減する補修業務を行います。何より沿線住民のお客様が毎日京王線を安心・安全に利用いただくことを第一に考えて、日々仕事に取り組んでいます」

電車の利用客に、少しでも振動が減ったり音が静かになったりしたと感じてもらえたら、それが仕事の成果だと言う宮崎。実は入社当時、体調面で不安を覚えたこともあると言います。鉄道の安心安全を支える仕事とはいえ、昼夜逆転する夜間業務も多く、そのリズムになかなか体が慣れなかったのです。 

宮崎 「6人でチームを組んで仕事をしています。業務を6分割してローテーションしながら実施するのですが、誰がどのポジションを担当しても仕事が回るようにしているのです。作業責任者がいて、そのサポートをするサブ的なポジションの人、機械操作をする人が数人といった構成で、メンバーの中には年代が結構離れている人もいますが、声を掛け合って進めています。昼夜逆転にはだいぶ慣れました」

現場へ移動する車の中でも、チームメンバーとは気さくに世間話を交わしています。お互いにコミュニケーションをしっかり取るといった、雰囲気を良好に保つための努力は、仕事をスムーズに進める上でも欠かせません。

また、チームの年齢構成的にちょうど中間の位置にいるという宮崎。上司に代わって、若いメンバーと年齢の近い自分が、積極的に意見を伝えるようにしていると語ります。

宮崎 「やはり歳の離れた先輩や上司から直接注意されるよりも、年齢の近い私が伝えた方が、話しやすかったり納得してもらいやすかったりすることもありますから。夜間作業で天候に恵まれない日もあるので、ある種過酷な環境ともいえます。その中でチームとして仕事をするので、チーム内の雰囲気づくりは大切にしています」

一度会社を離れてから気づいた「自分の思いを伝えること」の大切さ

高校卒業後、もともと電車が好きだったことと会社説明会での丁寧な対応から、京王建設への入社を決めた宮崎。不安感はまったくなく就職しましたが、実際に仕事に就くと現実の難しさに直面することになりました。

宮崎 「一番の壁は、たまたま配属された部署の年齢構成が、自分だけ突出して離れていたことからくるコミュニケーション不足でした。一番年が近かった先輩が5つ上。ですが、その先輩が異動してしまったので、ひと回りもふた回りも年齢の離れた先輩ばかりになり、こちらからも向こうからも話しかけづらかったのです。コミュニケーションがなかなか取れないのは大変でした」

そんな宮崎を救ったのは、同じ部署にいた、ひとりの先輩の存在でした。その先輩は宮崎よりひと回り以上年齢が上でしたが、コミュニケーションがうまく取れないことに苦しんでいた中、とても親切に接してくれたので、少しずつ距離を近づけることができたと言います。

やがてプライベートでも食事に誘ってくれたり、悩みを聞いてくれたりするかけがえのない存在になっていったのです。

宮崎 「その先輩がいなかったら、もっと早く辞めていたかもしれません。その先輩にとっても私が初めての後輩だったから、きっと大事に接してくれたのではないかと思います。実は、一度退職した私が復職できたのも、その先輩がきっかけをつくってくれたおかげなのです」

頼れる先輩を得た宮崎でしたが、入社して4年経ったころ、より安定を求めて退職することを決断します。しかし、同年中に再度入社。離れてみてわかったこと、復職を決意させたものはなんだったのでしょうか。

宮崎 「京王建設という会社の環境は恵まれていると実感したのです。実は会社の雰囲気や条件面も、私にとっては一番良かった。一度会社を離れてみて、初めてわかりました」

今は教育制度も充実し、新人には1年上の先輩がマンツーマンで付き、上の世代も新人育成のサポートをする環境づくりができていると宮崎は言います。 

宮崎 「私が経験したような、新人が孤立しがちな要素は解消されていると思います。私の場合は、自分ひとりで不安や問題を抱え込んでしまっていました。再入社後は自分の思いをきちんと周囲に伝えることを心がけています。自分から孤立しなければ周りはきちんと見ていてくれる、という安心感があります」

「日々の小さな積み重ね」がお客様の役に立っていると実感する瞬間

レールの補修作業などを行ったのち、実際に電車に乗って問題点が解消されているかどうかを確認することも大事な仕事のひとつです。騒音や揺れが少しでも解消していれば、それが一番の達成感につながると宮崎は言います。しかし、いつもうまくいくわけではありません。

そのような場合は、騒音や揺れが解消されない原因を追究し、先輩と相談しながら解決策を探っていく。小さな一つひとつの作業の積み重ねの結果、チームとして成果を実感できたときはとても嬉しく、やりがいを感じる瞬間でもあると語ります。

宮崎 「稀なケースではありますが、業務中にお客様が寄ってこられて『ここの振動がなくなった』『乗り心地が良くなった』と直接おっしゃってくださることがあります。お客様のそうしたお声を聞くと、心の底から自分がしていることは無駄ではない、役に立っていると実感できます」

おそらくは京王線の沿線住民、長くご利用されているお客様。その方がそう感じてくださるのであれば、「自分たちの仕事は小さいことの積み重ねだけれど、確かにお客様のお役に立てている」。そう実感できる瞬間があるからこそ、あらためて仕事に熱が入ります。

同時に、この仕事はチームでしかできない仕事。常に周りの状況を見極めることがとても重要だと語ります。

宮崎 「列車監視業務を担当していたときに、もう少しで大惨事をもたらしてしまうかもしれないという経験をしました。そのときはすごくドキッとして。自分が監視すべきところから一瞬目を離したことで、仲間の命が失われるかもしれないという恐怖を痛感したのです。

作業の際には、作業責任者・作業員・列車監視員という業務に分かれてその都度ローテーションしますが、その一件以来、監視の際の位置は現場状況をよくよくチェックして検討して決めます。

また、あらためて自分がどの業務を担当するときでも『決して安易な気持ちで取り組んではいけない』という強い思いで作業にあたっています」

自分らしさを大切に。限界を決めず一歩踏み出すことが大切

宮崎の今の課題は「スキルアップ」。先輩が担当する業務を少しずつ自分の仕事にしていき、業務の効率化を図る立場になることを目指しています。また、周囲の信頼を勝ち取れるような仕事をすれば、それが結果的に会社への貢献につながるはずだと言います。

宮崎 「たとえば、新しいことを提案するなら必ずその根拠や資料が必要になります。私の場合、自分で自分の限界を決めてしまう傾向があるので、これからは一歩踏み出して、苦手なことでも逃げずに挑戦していかなければと考えています」

そうした「一歩を踏み出す」ための起爆剤として、宮崎は昨年から始めた趣味のベンチプレスを活かそうとトレーニングに励んでいます。

宮崎 「もともと筋トレが趣味でしたが、自分の強みを活かすために新たにベンチプレスを始めました。ただ重いものを持ち上げているだけだと思う人もいるかもしれませんが、競技者からすると2.5kgでも5kgでも、記録が伸びれば大きな達成感があります。そこで、大きな大会に出場して自信をつけ、仕事にも活かしたいと思うようになりました」

とことんやってみようと決め、食事制限や体調管理にもストイックに取り組んでいます。目標の150kgまであと2.5kgというところまできました。こうした日々の努力は、結果的に仕事にもプラスになっていると言います。

宮崎 「今は社会環境的に難しいですが、少しでも大きな大会に出て自信をつけたいですし、達成感もあって楽しいです。仕事上不規則になってしまいますが、食生活は意識し、体調管理もできています。記録を伸ばせているという手応えや挑戦する前向きな気持ちなど、プライベートの充実が仕事の追い風になってくれていると感じます」

京王建設の将来の新入社員に対しては、初めから諦めずにチャレンジして欲しいと語る宮崎。最初はできなくて当然。失敗しても、できないことを日々減らすことができればいいのだと語ります。

宮崎 「自分の個性や持ち味、プライベートも大切にして欲しいです。私自身、一度会社を辞めた経験から学んだのは、思いをひとりで溜め込まずに発信すること。新人のみなさんも、周囲のサポートを信じて先輩方と積極的にコミュニケーションを取りながら、チャレンジしていってほしいと思います」

一度は会社を離れたからこそわかることがある。仕事への向き合い方、自分自身との向き合い方の面でも成長を続ける宮崎は、今後も貪欲にさまざまなことを吸収し、背中を見せられる先輩になるためにチャレンジを続けていきます。