コミュニケーション能力を買われて、入社4年でさまざまな現場を経験

▲土木本部 土木工事部の村上怜

建築の仕事をしていた父の影響もあり、大学で建築のデッサンから土木まで学び、新卒で京王建設に入社した村上怜。かねてより志望していた建築系の仕事、また地元で働けることを理由に同社を選びましたが、「風通しの良い職場環境にも魅力を感じた」といいます。

村上 「工事の現場も、事務所も和気あいあい。冗談なども飛び交う和やかな雰囲気です。よく『まずは自分でよく考えてから上司に話すように』という話も聞きますが、この会社では私はすぐに質問しますね。

とにかく話しやすいから聞いた方が早いですし、仕事もしやすい。上司や先輩はもちろん、専門の職人さんに話を聞ければ、より早くより明確な答えが返ってきます」

2020年現在、村上は土木本部土木工事部に土木施工管理者として所属し、鉄道路線の土構造物耐震補強工事にあたっています。これまで、高架橋耐震補強工事や防風壁設置工事、背面空洞注入工事など、実にさまざまな現場を経験をしてきました。

入社4年目にしてそこまで多岐にわたる経験をしている人はなかなかいません。

村上 「私は誰とでも仲良くなれるタイプなんです。だから、どこにでも配属しやすかったのもあるかもしれません(笑)。今は現場の管理者ですが、職人さんとの関係づくりがうまいと褒めてもらうこともありますね。

職人さんに対して、普段はあまり細かくいわないのですが、ここぞというときは強くお願いする。職人さんも『普段あまりいわない村上がそこまでいうなら』と応えてくれる。そういうメリハリを心掛けています」

そのコミュニケーション能力は、仕事を覚える上でも欠かせないものでした。

村上 「学生時代、どれほど勉強ができたとしても、就職して現場に配属されたら、誰もがゼロからのスタート。コミュニケーション能力がなければ、1ミリも成長できないんです。

よく言われていることですが、『3年は続けろ』というのは絶対だと思いますね。私自身、続けてきたことで、見えてきたことがたくさんあります」

鉄道関連の土木工事に欠かせない、時間厳守のスケジューリングを体得

▲どの経験も、いつか必ず役立つ現場が巡ってくる。そのことを意識しながら新たな現場に臨み続ける

さまざまな現場を経験してきた村上にとって、とくに印象に残っているのが、2年前に配属された高尾山にあるケーブルカーのトンネル補修工事です。

村上 「約100年前にできたトンネルなのですが、トンネルの裏側に空洞があって、その補強を行う工事ですね。工事自体も珍しいものなのですが、ケーブルカーが運行していない夜間にしか作業ができない。夜8時から朝6時まで、オール夜勤の日々が続きました。

しかも2月から3月にかけての工事だったので、非常に寒かったことも印象に残っています」

厳しい寒さの中で続いた、限られた時間内での工事。これからにつながる学びを得られたといいます。

村上 「ケーブルカーのトンネルなので、工事期間中も、毎日その始発までには必ず現場を片付けておかなければなりません。その責任の重み、時間というプレッシャーの中で仕事を成し遂げる厳しさを経験しました。

そのあとも鉄道関連の工事に携わっていくわけですが、この仕事は貴重な勉強になりましたね」

終発から始発まで、ごくわずかな時間しか与えられない鉄道工事もあります。

村上 「ケーブルカーなら運行が早く終わるので夜間の作業時間もたっぷりありますが、たとえば京王線の夜間工事の場合、作業できるのは約3時間。15分単位で工程を組んで作業を進めないといけないんです。

始発の時間は必ず決まっているので、その電車を安全に走らせることが一番の課題だと思っています」

どの経験も、いつか必ず役立つ現場が巡ってくる。そのことを意識しながら新たな現場に臨み続ける姿勢が、村上を成長させてきたのです。

弱音を吐きたくないし、常にかっこいい自分でいたい

▲公私ともに親しくしている同期の仲間は心を支える存在

入社4年目となり、現場管理から工程まで全体の管理を任せられるようになった村上が、ふと気づいたことがあります。

村上 「誰かの下で指示を仰いでいたときには気にならなったことが、管理者になると気になるんですよね。

予定通りに進まないことがもどかしく、いら立ってしまう場面があるのですが、そんな新しい自分を発見できるのもむしろ楽しいな、と思っています」

幸い、よく話を聞いてくれる上司の存在も励みになっています。「あとは笑いに変えるしかない」と語る村上はどこまでも前向きです。

村上 「以前に比べて忙しさを感じることも増えましたが、それも一周回って苦には感じないですね。

最近も、綿密に準備して臨んだ現場があったのですが、思うように進行できなくて。さらに天候などの影響もあって、うまくいかない期間が2週間くらい続いているんですけど、この困難をいかに乗り切るか、試行錯誤することにおもしろみを感じています」

試練さえも前向きに捉える、村上のモチベーションはどこにあるのでしょうか。

村上 「人前で弱音を吐きたくないというか、常にかっこいい自分でいたい。その理想像が私を支えているんだと思いますね。幼いころから水泳をやってきて、高校ではインターハイにも出場したのですが、水泳の厳しい合宿にも必ず終わりがあったように、工事もいつかは完了するんです」

さらに、現場を率いるムードメーカーとして心掛けていることがあります。

村上 「大切なのは、自分が正解だと思ったことは『絶対に正しい』と思って自信を持って行動すること。それがあれば『一緒にいて楽しい』という空気が生まれて人は動いてくれます。その上で『ついて来て後悔しなかっただろう?』といえるように努力します」

そんな村上にとって、公私ともに親しくしている同期の仲間も、心を支える存在です。

村上 「土木の同期ともよく話しますが、建築に配属された同期と話すと、土木では考えられないことをしていて。そこから吸収できることも多いですね。私が困ったときに、『建築だったらどうする?』と相談することもあります。プライベートでも仲が良くて、今は難しい状況ですが週に1回は遊んでいました」

「結婚したいなと思うんですけど、毎週のように同期と会っているうちは、女の子とも出会えない」と語るその笑顔には、充足感がにじんでいます。

いかに現場で利益を出せるか。工程の最適化を追求

▲与えられた役割を全うするだけでなく、そこで学ぶべきことを察知して確実に身につけてきた

近年、インターンシップの受け入れや就職活動をしている学生との座談会も快く引き受けるなど、採用活動にも尽力している村上。「学生との距離を縮めるのがうまい」と社内でも好評です。

村上 「学生とは年齢も近いし、話しやすい雰囲気づくりを心掛けています。あとは自分が就職活動中に求めていた答えを、本音で話してあげられたらと思っていますね。仕事はどれくらい大変か、夜勤は大変だけどちゃんと手当は出るよ、とか。包み隠さず話して、安心してもらえるように努めています」

いくつもの会社説明会に参加する学生たちに対して、「当社でしか語れないことを伝えてあげたい」と真摯に向き合う村上。そんな彼がこの会社で、新たな挑戦を思い描いています。

村上 「とくに評価を求めてのことではないのですが、自分がどれだけ会社の利益を上げられるかに挑戦したいと思っています。『現場』と『利益』はイメージ的に結びつきにくいと思われるでしょうが、要は、いかに工期を縮めて予算を節約できるか」

実際に、1日~2日の工期の短縮によって、何十万という経費削減につながるといいます。

村上 「そのためには、まず工程をしっかりと練ること。そして、頭の中にある設計をぬかりなく職人さんに伝えて、いつまでに終わらせるという具体的なビジョンを共有してから取り組むことが重要です。こうして工期をどれだけ短縮できるかが、現場で出せる最大の利益に対する貢献だと思っています」

”いま”に対して全力で取り組みながらもキャリアについては、まだ考え中だという村上。

村上 「現在の所長とも楽しく仕事をさせてもらっていますが、厳しいことをいうときは、普段とは顔色が変わるんですよ。しかし、怒鳴ることなどはなく、こちらの気を引き締めてくれる人です。指導にメリハリがあるんですよね。キャリアのことはまだ考え中ですが、そんなふうに部下の面倒も見られる人になりたいと思いますね」

与えられた役割を全うするだけでなく、そこで学ぶべきことを察知し、確実に身につけてきた村上。一つひとつの現場経験を糧に、試練も前向きに捉える強さがあります。これからも若き土木施工管理者の挑戦は続きます。