工場設備の一生に携わり、JX金属の製品作りの基盤を支える

2018年に、JX金属株式会社(以下、JX金属)の設備技術部に中途で入社した山口 剛史。彼の肩書きである「プラントエンジニア」とは、工場の生産設備について企画からメンテナンスまで一連のエンジニアリング業務を手掛ける職種です。

山口 「今は、神奈川県にある倉見工場でプラントエンジニアを務めています。担当業務は、本当に多岐にわたりますね。今ある設備に対して、より能力を高めるための検討をしたり、安全・環境・品質面の対策をしたり。予算の管理もしますし、工事のマネジメントも行います。
一方で当然、新製品を作るための設備を作っていく必要もあります。そのため新規設備についても、企画から、建設・試運転その後のアフターフォローまで一連の業務を担当しています」

既存設備の改造と、新規設備の計画。この2軸を主に務める山口は、複数案件を並行しながら日々の業務にあたっています。

山口 「既存設備の改造業務については、常に数件〜10件程度の案件を持っています。主な依頼元である製造部からは絶えず依頼が出されており、優先順位をつけてそれらに対応しています。既存設備の改造案件は、新規設備建設に比べると、金額的にも工事日数的にも小規模なものが多く、計画から試運転までにかかるスパンは半年ほど。その分、担当する件数も多くなります。
反対に新規設備案件は、メイン担当として2案件、サブ担当として1案件というボリューム。新規設備案件は業務規模が大きい分、計画から試運転完了までのスパンは2年〜5年程度かかります。そのため件数だけ見ると少ないのですが、業務の割合でいえば、新規設備案件の方が比重は大きくなりますね」

倉見工場には、設備技術部のメンバーが現在80名ほどいます。それぞれが個別にさまざまな案件に対応することで、JX金属の生産活動を支え続けているのです。

山口 「2018年に入社してから今まで、合計でおよそ50〜60件の案件に取り組んできました。今も、大きな新規設備の案件が進んでいます。まだ世に出ていない、より高付加価値な製品群を生み出す設備を目指して、計画を進めているところです」

山口は前職でも、プラントエンジニアを務めていましたが、JX金属のようなメーカーに所属するオーナーズエンジニアではなく、プラントエンジニアリング会社に所属していた経験を持っています。

山口 「私は、配管がメインの石油化学プラントで経験を積み、配管や空間設計・塗装の技術について、エンジニアリング会社ならではの専門的な知識を得ることができました。この領域に関しては、倉見工場内でも随一の知見を持ち合わせていると思います」

前職ではグローバルに東奔西走。そんな中で転職を決めた、ふたつの理由

▲国内外で活躍を続けていた山口。そんな中で転職に踏み切った理由とは──。

プラントエンジニアとして長らくスキルを磨いてきた山口ですが、学生時代は現職とは異なる領域の研究をしていました。

山口 「学生時代は機械工学を専攻し、再生エネルギー技術の研究をしていました。一見すると、今の業務内容とは領域が離れているように見えるものの、当時学んだことは現在も役立っています。もちろん実務レベルで活用できる研究内容ではありませんが、研究におけるPDCAサイクルを通した実践的な思考法や、自ら研究設備を組み立て実験・解析まで実行した経験、基本的な力学の知識は学生時代についたかけがえのないスキルだなと思います。学生時代に特許取得を実現できたことも貴重な経験であったと思います」

そんな山口が、就職先としてプラントエンジニアリングの企業を選んだのには、いくつかの理由がありました。

山口「まずは、グローバルで大きな仕事ができる点で魅力的だと思いました。プラントエンジニアリング企業の中には、海外の案件を手がけている会社が多数あります。そのような会社に入れば、仕事の規模も大きく世界的に貢献度の高い仕事ができるはず、という憧れは強かったです。
また、プラントというのは一品一様のもので、毎回仕様が変わるものなので、きっと飽きることがないだろうというところも魅力に感じました。建てる土地の形状も環境もケースバイケース。毎度違うものを手がけられるって、おもしろそうですよね?」

こうして就職した彼は、実際にシンガポール、フィリピン、アメリカを舞台にグローバルに活躍をしていました。そんな中で、なぜJX金属への転職を決意したのでしょうか。

山口 「各国の更地に、新しいプラントを建てていきました。グローバルで大きな仕事をするという憧れは叶ったのですが、一方で少し満たされない想いもありまして。エンジニアリング会社の宿命とも言える点ですが、建設完了したプラントは、お客様に渡したらそれっきりになってしまい、終わったら次、の繰り返しといいますか。次第に『作った設備の先の姿を見てみたい』とモヤモヤしてきました。
自分の作ったプラントが実際にどう動いているのか、設計は良かったのか悪かったのか、より深く長く関わってみたい。もしも自社設備だったらそれが叶うのでは──そんな考えに至り、メーカーへの転職を決めました」

 山口には、もうひとつ叶えたいことがありました。

山口 「前職では効率的に働くことが何よりも重視されていて、みんなが画一的な動きをしていました。でも私は、もっと多様なことにチャレンジできる環境を欲していて。
これは、元来アイディアマンであることが関係しているかなと思っています。なにか問題があればどうやって解決しようか、考えること自体を楽しめる気質です。学生時代、特許取得に至ったのもそんな気質と、研究室の先生のチャレンジ精神に対する寛容さでした。だからこそ、より、挑戦する姿勢を歓迎してもらえる会社に移りたいなと思ったのです」

チャレンジ精神のあるメーカー。そんなフィルターのもと山口は、業界にこだわらずに企業を探し始めたのです。

「安定は衰退と同じ」面接での言葉通り、挑戦を歓迎する風土があるJX金属

▲やりたいことに挑戦できる環境だからこそ、生き生きと働くことができる

企業探しを進める中で、“チャレンジ精神のあるメーカー”という条件に当てはまったのが、JX金属でした。

山口 「JX金属が扱う『銅』は、将来的にさらに重要な役割を担うものです。IoT社会を支えるものでもありますし、さらに進化していかなくてはいけない。だからこそ、JX金属にはチャレンジ精神があるだろうと考えていました。
そこで実際に中途採用に応募し、面接の中で『チャレンジできる環境はありますか?』と質問したところ、一次面接でも二次面接でも、やりたいことをやりたいようにできる環境がある、という話をしてもらえたのです。特に二次面接で、設備技術部の部長が『安定は衰退と同じ』と話していたのは印象的でした。この会社は進化していこうという気概がある、と感じることができたのです」

この言葉に後押しされ、中途で入社した山口。挑戦したいといっても、最初はどのような部分で役に立てるのか手探りでしたが、「なんでもやれる」という環境に後押しされ、さまざまなチャレンジができたと話します。

山口 「面接で聞いた言葉の通り、いろいろなことに挑戦させてもらっています。とくに印象に残っているのは、設備設計の細かな基準を書面化して再整理したこと。実は、具体的にこんな設備にしなくてはいけないという『基準』が、入社したときは一部宙に浮いているような状態だったのです。
でも基準はオーナー側が示すべきものもあります。そこで、最初の一年で、私の得意領域である配管と塗装の部分に関して、あらためて基準書を作成しました」

山口は、持ち前のチャレンジ精神を活かしてより生き生きと仕事に取り組めるようになったのです。さらに、転職先にメーカーを選んだ理由である「作った設備の先を見たい」という想いも叶っています。

山口 「自分の作った設備がすぐに手離れしてしまうということはなくなり、実際に使われているところを見ることができています。もちろんいつまでも見られるということは、自分の責任が続くということ。トラブルが起これば自分が対応することもあるので、大変さもあります。でも、うまくいったと手応えのあるときはやはり嬉しいものです」

JX金属に舞台を移したことで山口は、かつて感じていたさらなる挑戦への想いを晴らすことができているといいます。

新しい風を吹かせながら、組織のリーダーとして後世に残る仕事を手がけたい

▲入社から挑戦を続けてきた山口。これから挑戦したい未来とは──。

JX金属は、中途入社の社員を積極的に採用しています。

山口 「中途入社の社員は、多いほうだと思います。設備技術部の中には3つの課があるのですが、私の所属している課では、およそ3~4割が中途入社。エンジニアリング会社から来た者もいれば、他のメーカーから転職してきた者もいます。
中途入社の社員には、ジャンルに特化したプロフェッショナルとしての知識はもちろんですが、新しい風を社内に吹かせることも期待されていると感じます。これまでの考え方を大事にすべき部分は当然ありますが、新しい思想を入れたほうがいい部分もあると私自身も思っているので、やりがいがありますね」

そんな山口が今描いている、これからのビジョンは──。

山口 「まずは私自身が、倉見工場の設備についての知識をさらに深める必要があると痛感しています。知識をつけて、設備の建設計画・運用に役立てていきたいですね。そして、まったく新しい設備の設計や導入に携わることができたら、と。他社には作れないような、唯一無二の製品を製造する設備を。それが、今の大きな夢です」

さらに組織面でも目標があります。それは「組織をリードする存在になること」。現在の部署は山口と同年代のメンバーがほとんどで、40代や50代は少数。だからこそ、自分たちの世代が中心となって現場をひっぱっていかなければと、襟を正す想いだと言います。

山口 「チャレンジを続ける企業には“人”が重要であると思っています。そのために先ほど例に挙げた基準書の整理のような業務を、これからも持続、展開していきたいです。そして、組織をリードする存在として、次の世代が仕事に取り組みやすいような環境を作り、組織力向上につなげていきたいですね。
この想いの背景には、前職での経験があります。前職では、過去に蓄積されてきたデータが管理されていて、それを参考にすることで自分自身が大きく成長できました。だからこそ、当社においても、次の世代に向けてそのようなものを残していけたらと思っています」

中途入社だからこそ、新しい風を吹き込もう──そんな想いのもと、自身の経験を活かして挑戦を続ける山口。彼の現在のチャレンジ精神は、着実にJX金属の未来の礎となっています。