コロナ禍でイレギュラーな業務が続く中、新たなチャレンジを続ける日々

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企業の広報業務といえば、記者の方へ自社の製品や経営方針を直接アピールしたり、プレスリリースを出したりという対外的な活動と、社内報などインナーコミュニケーション目的の活動の2種類があります。JX金属の広報室の場合は、その両方を数名という限られたメンバーで行っており、中でも一番の若手として日々走り回っているのが森です。

森 「チームとしては数名ですが、総合職で広報専任となるとさらに少数です。少ない人数ながら、かなり多岐にわたる業務を行っているなと自分でも思いますね(笑)。さらにいうと、私が広報室に異動になったのと同じくらいのタイミングで会社が新しいオフィスに移ったりと、これまで以上に、足場を固めながら会社自体の独自性を育てて行こうというマネジメント方針になったんです。

たとえば、これまでなかったJX金属グループの社内報を作ろうとか、WEBをもっと活用していこうとか。さながら、新しい会社を作っているかのように新たな挑戦を重ねています。かなり忙しい日々ですが、ワクワクして楽しいです」

また、JX金属の広報室は経営企画部内にあり、経営の声を正しく把握しながら広報活動を行っているポジション。CSRの一環として企画していることも少なくありません。媒体の記者の方を連れて北海道の豊羽鉱山へ向かって実施したメディアツアーも、そのひとつです。

森 「通常、鉱山を掘ると、金属分などを含む水が湧き出てきます。そのため、掘った後はそのままにせず、しっかりと浄化し、きれいな状態にしてから水を流すようにしています。この作業を一企業がすることで、何か利益が生まれるわけではありません。

けれども、CSRの観点からも、企業として環境問題と向き合っているということを、より多くの皆さんに知っていただくためにもメディアツアーを組み、伝える施策を打ちました。

メディアツアーの参加者は5名ほどでした。この1~2年は現場に出向くことができない日々が続いていた中で、コロナが少し落ち着いたタイミングでこうしてメディアツアーを実施できたことは、大きな意味があったと思っています。この豊羽鉱山での取り組みは新聞各紙で大きく報じられ、やった甲斐がありました」

コロナ禍で工場見学などがなかなか実施できない中、年に一度行っている社長会見も、オフラインだけでなくオンライン参加できるようにセッティングするなど、時代に合わせた新たな施策を続けています。

森 「イレギュラーなこと続きで、チャレンジの連続。経営陣や、上司、様々な部門の社員、新聞記者、いろいろな方々の意見を取り入れながら、勉強しながらの毎日です」

会社が持つ世の中へのポテンシャルを強く実感した「高機能金属展」

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▲2019年に開催された「高機能金属展」での集合写真(最前列中央)

今でこそ、広報室の中心メンバーとなっている森ですが、2013年に入社して以来、7年ほど先端素材(スパッタリングターゲット)の営業を担当していました。お客様のもとへと飛び回る営業活動の日々は、自分の性に合っていると感じていたものの、大きな転機となったのは2019年に開催された「高機能金属展」でのブース展開。展示会の中で、JX金属もブースを出し、自社製品をPRする機会です。

さまざまな部署から有志が集まり、展示会を企画するプロジェクトの中心メンバーとなったことをきっかけに、広報業務へ強い興味を持つことになりました。

森 「もともとプロジェクトのメンバーではあったのですが、ずっとプロジェクトの中核となって動いていた同じ部署の先輩が海外勤務になりまして。その先輩が担っていた中心的役割を、私が引き継ぐことになりました」

もっと世の中の人にJX金属のことを知ってもらうにはどうしたらいいかを自分なりに考え、いろいろな広告代理店などの協力会社にも声をかけてアイデアを募った結果、これまで毎年依頼していた取引先とは違う会社にお願いすることになりました。

展示会のブースでは、各部署がプレゼンテーションを兼ねたセミナーを30分ごとに開催するなど、これまでとはガラリと趣向を変え、新しいことにチャレンジしたこの年の展示会は大盛況。結果、過去最高の来場者を記録しました。

森 「想像以上にたくさんの方が当社の材料に興味を持ってくださいました。ずっと同じ製品の営業をしていると、自分が担当している製品のことしか見えなくて、会社自体がどんな形で世の中の役に立っているかという視点がなかったんですね。それが、この展示会での経験を経て、『うちの製品って、世の中に貢献できるポテンシャルを持っているんだ……』と実感しました。

そこから、もっともっと自社のことを知ってもらいたい、広めていきたいと思うようになり、広報室への異動を希望したんです。ありがたいことに半年も経たないうちにその希望が叶い、今に至ります」

広報活動に意識を向ける礎となった、7年間の営業活動

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▲営業時代に幾度も訪問をした思い出の地、長岡市(新潟県)にて

展示会の企画プロジェクトや、広報室での刺激的な毎日を送ってきた森ですが、やはりその根底にあるのが営業での7年間です。故郷の大阪を出て上京し、スマートフォンやテレビなどに使われるディスプレイ材料を担当してきました。

森 「営業時代は、北は東北から南は九州まで飛び回っていました。お客様の工場を視察に行ったり、購買や生産管理の担当者と価格交渉をしたり、製品の技術的なトラブルが起これば開発の方と話をしたり……。本当にいろいろな方々とお付き合いさせてもらいました」

営業時代のエピソードで、森が今でも忘れられないことがあります。それは、お客様から「JXさんからしか、買えないんだ」といわれたことです。

森 「他社が作れる材料を提案するだけでは、商談の決め手が価格となることが往々にあります。だからこそ、お客様のニーズが何なのかをしっかり捉えて、そのニーズに合わせた開発品の提案をし、製品自体のオリジナリティで勝負していくことがとても大切になります。

そのような想いで営業活動に努めていたところ、先のような『JXさんからしか……』という言葉をかけてもらえたということは、その努力が認められたということですよね。

世の中に使われる材料を取り扱って、たくさんの人のためになりたいと常々思っていた私にとって、この体験は本当にやりがいを感じられた出来事で、この仕事をしていてよかったと感じた瞬間でした」

愛する会社のことを、より多くの人へ伝えていくために

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▲駅構内の看板広告。関東だけでなく関西エリアにも出稿しPR

会社への熱い想いを胸に、広報活動を続ける森。よりたくさんの人にJX金属という会社のことを知ってもらうために行っているひとつが、主要駅への看板広告です。

森 「学生さんの利用が多い駅を中心に、看板広告を出しています。東京だけでなく関西にも出稿しているのですが、たまたま看板を見つけた実家の両親から『看板を見たよ。こんなこともやっているんだね』と連絡があったことは、私的な話ではありますがとても嬉しかったです。

自分の会社が何をやっているのかということを、これまでお世話になった方や家族も含めて、たくさんの人に知ってもらうことこそ、広報としての大きな役割だと思っているので。社内外を問わず、JX金属という会社のことを好きになってくれる人が一人でも増えれば嬉しいです」

念願だった広報室で、森が今後挑戦したいことはたくさんあります。言葉や映像、インターネットだけでなく、森自身の人となりからもJX金属という会社の魅力を伝えていきたい。その背景には、森自身がこの会社に惚れ込んでいるという事実があります。

森 「JX金属が良い会社だと感じる理由はたくさんありますが、そのうちのひとつが『世の中で必要とされていることに対して、真摯に取り組んでいる』という点。私たちが扱っている金属材料は、世の中で欠かせないものだと思うんです。そういったものを提供していくことのすばらしさを、最近改めて感じています。

もうひとつは、社員の皆さんが揃って素敵な方ばかりだということ。社内のことを褒めるのは、少々気恥ずかしいですが……。私の広報異動へのきっかけとなった展示会が終わったとき、社内のある方から『本当に今年の展示会、すごく良いものを作れたと思う。これはJX金属のレガシーになるよ』といってもらえたんです。

展示会で社員が来場者と交換した名刺の数が、これまで開催してきた中でダントツに多かったという数字も、社員みんながこの場を活用して積極的に動いてくれた証だと思いますし、ものすごく嬉しかったですね。

お互いをしっかり認め合い、評価し合えるあたたかい関係性がとても魅力的な会社です。営業から広報に異動した際、『いつでも営業に戻ってきていいぞ』といわれたりもしました。本当に人に恵まれていると感じます。

そんな会社の魅力や、この会社が好きなんだという想いを、言葉に限らず、自分の人となりや行動からも伝えていきたいと思っています 」

自身の生き様からも、世の中の人に会社の良さを伝えていきたいと語る森。今後、JX金属という名を耳にするたび、その後ろで駆け回る森の姿が見え隠れするはずです。